みなさん初めまして。今回初めて筆をとることになった小川誉久です。すでにこのサイトでMOMの解説を多々公開されている日本 MS MVP のドン、小川貢さんとは遠い親戚関係、ではありません ( 笑 )。
今回は、MOM 管理パックの1つとして、 Microsoft Virtual Server 管理パックについて解説します。
トピックVirtual Server 管理パックとは?ご存じのとおり、 Virtual Server 2005 は、1 つの物理サーバー上で同時に複数のオペレーティング システムを実行可能にする仮想マシン ソフトウェアです。デスクトップ OS 向けとして販売されている Virtual PC 2004 のサーバー OS 対応版がこの Virtual Server 2005 で、ホスト OS ( 仮想マシンを実現する元となるコンピュータの OS ) として、Windows Server 2003 環境向けに最適化されていることに加え、ゲスト OS ( 仮想マシン上にインストールする OS ) として Windows NT Server 4.0 やWindow 2000 Server 、Windows Server 2003 のサーバー OS に対応しています。Virtual Server 2005 を利用することで、古いサーバーを新しいサーバー環境に移行したり、複数のサーバーを 1 台に統合したり、テスト環境を簡単に構築したりできるようになります。 今回ご紹介する Virtual Server 管理パックは、この Virtual Server 本体と、バーチャル マシンの可用性や稼働状態、パフォーマンスを MOM で監視可能にする管理パックで、以下のマイクロソフトのサイトから無償ダウンロードできます。 Microsoft Operations Manager 2005 用 Microsoft Virtual Server 管理パック ( ダウンロード センター ) Virtual Server 管理パックを利用することで、物理サーバーを管理するのと同様にして、 MOM で Virtual Server によるバーチャル マシン環境を管理できます。多数の物理サーバー、仮想環境サーバーを管理する場合でも、それぞれ異なる手順で管理するのではなく、 MOM で統一的な管理が可能になるわけです。これにより、問題発生の兆候や問題発生を早期につかんだり、 MOM の自動化機能によって、イベントやパフォーマンス・カウンタに連動させて、特定の管理作業を自動的に実施したりできます。 Virtual Server 管理パックの基本機能Virtual Server 管理パックの基本機能は大きく「監視」「タスク ( 管理作業の実行 ) 」「レポート」の3種類があります。これらをまとめると次のようになります。
インストールと初期セットアップVirtual Server 管理パックをインストールするには、前記のファイルをダウンロードして解凍し、MOM にインポートします。
「Windows サーバー ベース オペレーティング システム管理パック」のインストール以上で Virtual Server 管理パックの準備は完了です。ただし、Virtual Server 管理パックのレポート機能は、別の管理パック (Windows サーバー ベース オペレーティング システム管理パック) に依存しているので、できればそちらもインストールしておきましょう。 この管理パックも、マイクロソフトの管理パック一覧からダウンロードできます。インストールとインポートの方法も、Virtual Server 管理パックとほぼ同じです。 MOM 管理パック エージェントのインストールエージェントとは、管理される対象 (今回のケースなら仮想マシン) にインストールすることで、MOMによる、より高機能な監視やタスクを可能にするソフトウェア コンポーネントです。エージェントをインストールしなくても監視は可能ですが、MOMによる管理をフル機能で利用したければ必要です。今回はエージェントもインストールしてみます。 エージェントのインストール手順も、ほかの管理パックの場合と特に変わりはありません。ただしエージェントを実行するアクション アカウントには、必要な権限のあるアカウントを指定するようにします。[Virtual Server の起動] タスクと [Virtual Server の停止] タスクを実行するためには、エージェントのアクション アカウントが Power Users 管理グループのメンバである必要があります。 以下は、 VSERVER という名前のコンピュータにエージェントのインストール途中の画面です。 ![]() エージェントのインストールが完了すると、そのコンピュータが MOM 管理コンソールの[エージェントに管理されたコンピュータ] に登録されます。 ![]() バーチャル マシン追加機能のインストールさらに、Virtual Server の側にも、追加機能をインストールする必要があります。この「バーチャル マシン追加機能」は、バーチャル マシンのパフォーマンスを最大化し、ユーザー インターフェイスの操作性を向上させるソフトウェア ドライバです。バーチャル マシン追加機能によって、バーチャル マシンと Virtual Server 間の通信が円滑に行われ、Virtual Server 管理パックに必要な重要なデータが提供されるようになります。 インストールが複数のステップに渡って少々面倒ですが、以上でVirtual Server を MOM で管理する準備が整いました。次はさっそく追加した管理パックを使ってみましょう。 管理パックを使ってみる:タスクの実行Virtual Server 管理パックがインストールされたMOM の [管理者コンソール] には、 [ルール グループ]に [Microsoft Virtual Server]が追加されます。 ![]() 次はVirtual Server 管理パックがインストールされた、MOM の [オペレータ コンソール] でアラートを表示したところです。 ![]() 画面から分かるとおり、さっそく heartbeat の重大なエラーが発生しているバーチャル マシンがあるので、このバーチャル マシンを MOM からリセットしてみましょう。
管理パックを使ってみる:監視次は管理パックを利用して、バーチャル マシンのパフォーマンスをチェックしてみましょう。
管理パックを使ってみる:通知次は、通知機能を使ってみましょう。MOM 管理コンソールのアラート ルールを確認すると、デフォルトの設定では、アラートの重要度が [サービスは利用できません] よりも重大なイベントが発生した場合に、電子メール、またはポケット ベルに応答を送信するようになっています。とはいえ、もはや日本では、ポケット ベルのサービスはあまり一般的ではありませんね。 ![]() 実際には、メールで通知を受けたいという管理者が多いでしょう。メールで通知を受けられるようにするには、メール サーバー (SMTP サーバー) を設定します。
次は、通知を受けるオペレータを作成します
デフォルトの設定では、通知先グループの [ネットワーク管理者] に通知が送信されるようになっています。そこで、先ほど作成したオペレータ (今回の例ではVirtual Server Admin) を [ネットワーク管理者] グループに追加します。
以上で、サービスが利用できないようなアラートが発生すると、オペレータに通知メールが送信されるようになります。例えば、次のようなメールが送信されます。 ![]() イベント ルールはたくさん用意されているので、必要なアラートが発生したときだけ通知メールが送信されるようにカスタマイズするとよいでしょう。MOM 管理コンソールのイベント ルール一覧で、プロパティを変更して無効にすれば、そのイベントではメールは送信されなくなります。 ![]() 管理パックを使ってみる:レポート次はレポート機能を試してみましょう。レポートの種類としては、次のようなものが用意されています。 ![]() ただし、インストールした直後はレポートするためのデータが蓄積されていないので、レポート機能を試すには、1 日ほど待ってみる必要があります。ここでは CPU レポートを表示してみましょう。次のように、バーチャル マシンの CPU 負荷の状況がグラフで表示されます。 ![]() 複数の物理サーバー、バーチャル サーバーを一元管理以上、簡単ではありますが、Virtual Server 管理パックの入手からインストール、主要な機能の概要について見てきました。いかがだったでしょうか。 管理上のメリットは、Virtual Server 管理パック単体にあるのではなく、物理サーバーや SQL Server 、 Exchange Server などのサーバー ソフトウェアと、バーチャルサーバを MOM という1つの窓から集中的に管理できることにあります。特に、多数の物理サーバー/バーチャル サーバーを管理している場合に効果が大きいでしょう。 最近では、ブレード サーバーを利用して、複数の物理サーバーの型式を統一し、設置場所をまとめることで、可用性やサーバーのキャパシティ向上と、管理コスト削減を同時に実現しようとするケースも増えていると聞きます。このようなサーバーの一部に Virtual Server を組み込んで、レガシー マイグレーションやサーバー統合を図るという場合には、今回の Virtual Server 管理パックが非常に役に立つでしょう。 関連リンクMicrosoft Operations Manager Home Microsoft Operations Manager 管理パック 管理パック (管理パックの一覧) 製品レビュー Microsoft Operations Manager 2005 (@IT)
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