トピック
1.はじめに「Microsoft Operations Manager 2005 Workgroup Edition(以下MOM 2005 WE) とは?」SOHO 向けに安価に提供されるパッケージである。MOM 2005 とは主に以下の点が異なる。
MOM 2005 に関しては、すでにマイクロソフト MVP の小川氏、河端氏が詳しく解説されているので、このコラムでは MOM 2005 WE をSOHO 環境に導入した場合、どのようなメリットがあるか解説して行こうと思う。 その前に、筆者宅の環境を簡単に説明しておく。
サブ PC(ANDO-DELL):Dell Dimension 2400C(Windows XP Professional SP2) MOM 2005 WE を導入するまでは、定期的にリモートデスクトップでログオンし、イベントログや、ディスクの空き状況を実際にそのマシンにログオンして監視していた。さらに Web ログを提供している Web サーバも自宅で運用している。それの管理、監視もリモートデスクトップで行っていた。Web サーバの運用は、24 時間無停止が望まれるので、つね日頃からの状態把握が重要である。以上を踏まえ、MOM 2005 WE を導入することで、どこまで管理、監視を楽できるか試してみたいと思う。 2.ファイルサーバの管理・監視Microsoft® Windows® ベース オペレーティング システム管理パックの機能により、ディスクの空き容量監視や、ディスクのパフォーマンスを監視できる。ここではドメインコントローラのシステムボリュームと、ファイルサーバの RAID 5ボリューム、Web サーバのシステムボリュームの容量の変化をグラフで表示してる。 ![]() そしてグラフ表示ボタンを押すことで以下のようなグラフを表示できる、 ![]() これを見ると、ドメインコントローラのシステムボリュームは 90% 近い空き容量、Web サーバは約半分、ファイルサーバは、空き容量は 10% に満たない、ということがわかる。グラフ線が引かれていない部分は、コンピュータが未稼働であることを示す。 ここで、Web サーバ(ANDO-650)のシステムボリュームについて、空き容量が残り 50% を切ったときにアラートを発生させて、メール通知させる設定をしてみる。 まず管理コンソールを開き、管理パック→ルールグループ→Microsoft Windows サーバー ベース オペレーティング システム→ Windows 2003 → 状態監視とサービス検索と選択していき、パフォーマンスルールを開く。すでにルールがいくつかあるが、ここに新規にルールを追加する。右のペインでマウスを右クリックすると、新規作成ができる。新規作成はウィザードなので、簡単に追加できるはずだ。以下にウィザードの画面を示す。 ![]() ディスクの容量を監視するので、しきい値を選択して次へ。 ![]() 論理ディスクの空きを監視するので、プロバイダは画面の項目を選択。 ![]() ここで C ドライブを指定する。 ![]() 常にデータを監視するので、このまま次へ。 ![]() 監視対象を入力する。 ![]() サンプリングされた値が、 50% を下回ったときを条件とする。 ![]() アラート生成にチェックを入れる。説明文などカスタマイズが可能である。 ![]() 特に変更する必要が無ければそのまま次へ。 ![]() このルールの条件が合った場合、応答する操作を指定する。 ![]() ここでは通知を行い、あらかじめ設定してあったグループに通知を行うように指定する。 ![]() 確認して次へ。 ![]() このアラートが発生したときに、特に必要になる対処や解決法があればここに記述する。 ![]() 完了を押して終わり。 ![]() 選択部分が新たに追加されたルール。 ![]() ![]() 空き容量を変化させてみる。 ![]() アラートが発生。 ![]() 応答としてメールも送信された。 このように、SOHO 管理者として、気になる情報をリアルタイムに知ることが簡単にできる。 3.Knowledge の活用MOM 2005 WE には、ほぼすべてのアラートに「製品ナレッジ」というトラブルを解決するための情報が添付されおり、オペレータコンソールから簡単に参照できる。 ![]() このように、発生したアラートに関して要約や、原因、解決策などが詳細に記述されている。 ある日、出先からファイルサーバのとあるファイルが必要になったため、自宅の奥方にファイルサーバの電源を入れるように依頼する。しかしいくら待てどファイルサーバにアクセスできない。通常ファイルサーバはディスプレイが接続されていないため、すぐに画面を確認することが出来ない。リモートデスクトップで確認しようにも、ネットワークに異常をきたしているようで、ログオンすることが出来ない。筆者は出先にいるため、すぐにローカルマシンを確認することが出来ない状況にあるとする。このようなときに MOM 2005 WE の出番である。 さっそくオペレータコンソールを起動する。 まずイベントを確認する。イベントログは、今までは個別にコンピュータの管理画面や、ログオンして管理ツールから確認していたと思うが、MOM 2005 WE を導入すれば、以下のようにすべてのコンピュータのイベントが集約されて表示される。個々にコンピュータにログオンして確認する必要はないのである。 ![]() なんと IP アドレスが重複しているというイベントが発生していた。 そういえば、手動でIPアドレスを割り振ったベータ版OSのコンピュータの電源を入れっぱなしであることを思い出した。早速奥方に連絡を入れ、テストに使用していたコンピュータの電源を切ってもらうことで無事解決した。 イベントには付随してアラートがあり、そこから製品ナレッジを参照できる。 ![]() イベントのアラートタブを選択して、表示されているアラートをダブルクリックする。 ![]() アラートの詳細を確認する。 ![]() 製品ナレッジタブを選択すると、このように原因と対策を確認できる。 このように MOM 2005 WE には便利なナレッジデータベースが付属しており、発生したトラブルを簡単に解決できる。製品ナレッジにはマイクロソフトのサポート技術情報の URL が記述されている場合もあり、トラブルに関する情報をさらに得ることも出来る。 今回は、出先からMOM サーバにつなぎ、直接オペレータコンソールで筆者が確認し、奥方に連絡して対処してもらう形をとった。さらにオペレータコンソールを奥方自身に確認してもらい、ナレッジを見てもらうことで筆者の手を煩わすことなくトラブルを解決できるようにすることも可能であろう。MOM 2005 WE はとても便利なのである。 4.Web サーバの管理・監視SOHO 環境となると、通信回線として ADSL を利用している方も多いだろう。筆者もご多分に漏れずそれである。本当は光ファイバーを引きたいところなのであるが、田舎のおかげでなかなか実現できないでいる。おそらく人口の関係で今後も光は期待できないだろう。話はそれたが、ADSL はご存知のとおり、上りの伝送速度が遅いのである。これはサーバを運用するのに致命的だ。本格的な Web サービスはとても無理である。しかしながら筆者の自宅では http://blogs.msmvp.jp/ というサイトを運用している。 ![]() これはマイクロソフト MVP の方に限って、今はやりの Blog をサービスしているのである。ここではこのサイトの管理について述べる。 ![]() サービスを停止してみる。 ![]() たちまちアラートが通知された このようにコンピュータの異常に即座に反応してくれる。外出していても、不慮の事態に対応できる。MOM 2005 WE さまさまである。 5.Dell OpenManage 管理パックによる Dell サーバコンピュータの管理・監視MOM 2005 WE にはマイクロソフト以外からも提供される管理パックも多数ある。その中の Dell Open Manage 管理パックを試してみた。Dell Open Manage 管理パックは以下の URL より入手可能である。 Dell Management Pack for Microsoft Operations Manager (Application) ダウンロードして解凍すると、Readme.txt、管理パック本体、説明 PDF が作成される。 インポートは管理コンソールから行う。 ![]() うまくインポートできると、このように表示されるであろう。もちろんすべて英語である。 この管理パックは主にコンピュータのハードウェアの状態を監視するもので、電源の電圧や、ファンの回転数などに異常が発生するとアラートで知らせてくれる。 ![]() 電圧異常を検出し、エラーが発生したところ。 今回は、+12Vの電源電圧が11.125Vまで落ち込んだことによるエラーが発生したものである。オペレータコンソールでは、発生のみ記録されているので、該当コンピュータのOpenManage Server Administratorにログオンして、もう少し詳細な情報を確認してみることにする。 ![]() これがWebサーバのローカルコンピュータ上でのOpenManage Server Administratorの画面である。先頭の2行が、+12Vの異常を検出し、5秒後に復帰したことを示している。短時間で電圧が復帰しているので、今回の対応は特に発生しないが、このような電源電圧低下が発生した状態が続く場合や、頻繁に電源電圧異常のアラートが発生する場合は電源周りの故障を考慮したほうがよいだろう。 それ以外のログは、まだ Dell Open Manage 管理パックをインポートする前だったので、MOM 2005 WE には通知されていない。こうして見てみると、MOM 2005 WE を導入する前から結構頻繁に起きていることがわかった。 今回 MOM 2005 WE を導入したことで、初めて電圧の異常が数回発生していることがわかった。MOM 2005 WE のおかげである。今まで OpenManage Server Administrator の存在は知っていたが、実際に電源に異常が発生しているなどとは夢にも思わなかった。実は少し前に電源の故障で Webサーバが数日停止したことがあった。もっと早く MOM 2005 WE を導入していれば、電源異常が発生する前に対策を講じることが出来たかもしれない。今後はOpenManage管理パックを大いに活用し、Webサーバの安定運用に努めることを肝に銘じた。 6.まとめこのように、MOM 2005 WE を使うことで SOHO 管理者として、必要な情報をリアルタイムに入手することが可能となる。また製品ナレッジを活用することで、トラブルの解決を早めることが出来る。トラブルシューティングに管理者がいなくても、製品ナレッジにより自宅にいる人が解決できる場合もある。
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