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Visual Studio

不具合や要望を開発部門に直接、日本語でフィードバックできる!「Visual Studio & .NET Framework プロダクト フィードバック センター」の魅力

「Visual Studio & .NET Framework プロダクト フィードバック センター (以降、フィードバック センター)」は、マイクロソフトの米国本社にあるVisual Studio (VS) 開発チームに対して、製品に関する不具合の報告や要望などを直接フィードバックできる通年のサービスとして、2005 年より英語向けにスタート。2008 年 2 月からは日本独自の取り組みとして翻訳のプロセスが追加され、日本語でのフィードバックが行えるようになりました。 Visual Studio 2010 のリリースが目前に迫り、フィードバックへのニーズが高まる中、フィードバック センターのしくみやメリット、利用者にとっての魅力などについて、VS 関連の MVP アワード受賞者で、フィードバック センターを利用されている 3 名をお迎えし、座談会を行いました。
写真: MVP 3 名とマイクロソフトおよびマイクロソフト ディベロップメント 担当 渋木 氏 (MVP プロファイル/新しいウィンドウ) 福田 氏 (MVP プロファイル/新しいウィンドウ) 瀬尾 氏 (MVP プロファイル/新しいウィンドウ)
笹瀬

まずは、フィードバック センターの日本の責任者である佐藤さんに、フィードバック センターのサービスについて簡単に紹介してもらいたいと思います。

佐藤

フィードバック センターは、Visual Studio 関連製品の利用者に不具合の報告や要望をフィードバックしていただくためのしくみとして、2005 年にまず英語サイトが誕生しました。サービスの内容としては、利用者がフィードバック センターのサイトにレポートを出すと、まず、仕分けチームが登録済みの不具合や、再現性のないものを除外して開発チームに降ろします。その後、開発チームが実際に調査を行い、たとえば、「この問題は次のベータ版までに修正します」とか、「これは仕様なので変わりません」といった回答を利用者にお返します。

利用者からいただいた情報は、社内でテストをした結果や不具合の情報を共有するデータベースに直接入るようになっています。これは VS の開発チームがとっている非常に特徴的なやり方で、社内の情報と利用者からいただいた情報が同じデータベースの中で、同列で見られるようになっています。

笹瀬

日本版のフィードバック センターは、どのような経緯で生まれたのですか?

佐藤

日本では 2007 年後半時点で MSDN フォーラムが先行して公開されていていました。ただし、MSDN フォーラムは基本的に利用者同士でディスカッションをしていただく場で、開発部門とは直接つながっていませんでした。当時日本でも開発部門と直接話をするためのルートの必要性を感じて、すでに英語向けには運用されていたフィードバック センターを介したサービスを、何とか日本で利用できないかと考えました。もともと社内でも草の根的に始まったプロジェクトでしたので、当時限られた選択肢の中から、運用形態としては、英語版に翻訳の機能だけを追加することにしました。結果的には英語の現行プロセスをほぼ 100% 流用することになりました。日本語でいただいたレポートはまず英訳するのですが、その英訳の内容だけでなく、米国の開発担当者による英語の回答もサイト上で公開しています。英語による回答が付くと、日本でその日本語訳を追加することで、レポートをいただいた方に回答をお届けしています。利用者にしてみれば、日本語でレポートを出すと最終的に日本語で回答が返ってくるという形になります。

笹瀬

2008 年 2 月にスタートしてから約 2 年が経ちますが、今はどれぐらいのフィードバックが集まっているのでしょうか?

佐藤

2009 年の実績では、日本だけで 500 件以上のフィードバックがあり、1 件でも送ったことのある方はこの 2 年間で 250〜260 人ぐらいいらっしゃいます。そのうち実際に製品に反映された例は、実績で全体のおよそ 25% です。

基本的な姿勢として、フィードバック センターでは個別のお客様のサポートを目的としていません。製品開発チームが直接運営しているサービスでもあり、製品そのものに関わる議論や判断をする場所と位置付けています。それを考え合わせると、4 件に 1 件の採用は決して小さくない数字だと思います。また現状皆さんからいただいているフィードバックの質も高いために、うまく採用されているという見方もできます。

しかし、日本の製品市場規模を考えた場合、質の高いフィードバックを提供できる方はもっといらっしゃると考えています。もちろんフィードバックを送るためには、それなりにソフトウェア開発の知識と経験を要し、結果として決して万人向けのサービスにはなっていません。それでも開発現場の第一線に立って活躍されている開発者の皆さんであれば、フィードバック センターが提供する非常にユニークなメリットを体験していただけるはずです。

開発部門との距離が近く感じられることが魅力

写真:MVP for Development Tools - Visual C#  2003-2010 渋木 宏明 氏
笹瀬

今日は VS ユーザーを代表して 3 名の MVP に来ていただいていますが、皆さんがフィードバック センターを使い始めたきっかけを教えていただけますか?

福田

フィードバック センターは英語版のころから利用しています。当時は英語でのやり取りでしたが、相手も開発者なのでコードを書けば通じるところがあって、そこそこはやれていましたが、ただ、微妙なニュアンスが伝えられず、もどかしい思いはしていましたね。

渋木

僕は日本語で投稿できるようになったので使い始めました。それ以前は評価版をもらうためにフィードバック センターには登録していましたが、フィードバックは英語でやらないと通じないので利用していませんでした。最初、フィードバック センターはベータ版のときだけの、期間限定のものだと思っていました。

佐藤

以前は VS でも期間限定の運用を行っていました。今でも VS など開発ツール製品以外の製品開発では、大半がベータ リリースのときなどに期間限定で運用しています。現状では VS 製品だけが通年運用をしていこうということで、かなり画期的だったと思います。

瀬尾

私は Windows 7 や Office など比較的フィードバックを上げやすい製品では使っていましたが、去年はいろいろな事情で VS 2010 のフィードバックはできませんでした。VS 2010 のベータ版が今から始まるのならきっと参加すると思います。

笹瀬

実際にフィードバック センターを使用されてきて、感想はいかがですか?

渋木

サポート窓口だと、内容をわかってもらうまでがまどろっこしいときもあるし、理解してもらえても、それが修正されるかどうかというのはそことはまったく関係ないですよね。修正という意味では、開発者と直接やり取りができるフィードバック センターの方がメリットを感じます。

福田

モノづくりをしている人との距離は近く感じます。小さなソフト ハウスだと社長が直々に FAX を送ってくることもあるのですが、マイクロソフトのような規模の会社で、実際にモノを作っている人との距離が近く感じられるというのは非常に魅力的です。

笹瀬

実際にフィードバック センターを利用して開発部門から返ってきた答えで、何か印象に残っているものはありますか?

福田

言語仕様かライブラリの問題で、僕は「マイクロソフトの製品として、これはスタンダードとは異なるからこうすべきではない」と言ったことがあるんです。散々もめた挙句、最後に「お前の言うとおりだ」と返ってきたときは、本当にうれしかったですね。

フィードバックが製品に反映されたときの喜び

写真:MVP for Visual C++  2004 - 2010 福田文紀 氏
笹瀬

翻訳については、いかがでしょうか?

渋木

非常にいいと思います。翻訳されるのも早いし、暇なのかなと思った (笑)。

笹瀬

翻訳は橋本が一手に引き受けているんです。

渋木

1 人でやられているんですか。2、3 人だと思っていました。

笹瀬

橋本さんは翻訳者として携わっているわけですが、フィードバック センターについてどのように感じられていますか?

橋本

いただいたフィードバックをそのまま本社の開発チームに伝える、その橋渡しをしているという実感が大きいです。また、実際にそれが製品に反映されたときの喜びを共有できるというのも大きいです。「おー」と自分の中でも熱くなりますから。フィードバック センターというのは、熱いプログラムだと思うんです。投稿される方も長文を書かれる方が多いですし、それに対して開発チームもすごく丁寧に見ている人が多いです。

渋木

最近は「by design」が減りましたね (笑)。以前は「by design (仕様です)」とぼそっと一言書いて、それでクローズになることがありましたが、最近は納得のいく文章を書いてくれるようになりました。

橋本

外から見ている方は「また出た、by design」と思われるときがもあるかもしれませんが、そこに至るまでに開発チーム内で行ったり来たりしているときがあって、中で見ていると米国の開発者も頑張っているのがわかりますね。

渋木

でも、理由は書いてほしいですよね。フィードバックを出してそれが通らないのは仕方ないですが、なぜそうなのかというのは簡単にでも説明してほしいです。

佐藤

おっしゃる通りで、そこは社内教育をしていく必要があるのかもしれません。ただ、私が逆に感心したのは、あるレポートの例で、やはり「by design」という回答だったのですが、その後に投稿された方が「自分の意見は通らなかったが、責任者にはっきり言ってもらえて納得した」というようなコメントを返されていたんですね。もし日本の私が「仕様です」と言ったら、おそらくムカッとされるのではないかと思うのですが、特にフィードバック センターでは担当者による英語の回答も直接見ることができますし、責任ある立場の人間が直接言うと納得できるということはあるかもしれません。私としても利用されている方が米国の開発チームと直接話をしている実感が持てているということが感じられて、こういう形で始めて良かったなと思いました。

フィードバックをしなくても、まずは Vote で参加

写真:MVP for Development Tools - Visual C#  2009-2010 瀬尾佳隆 氏
渋木

あと、どうしても通したいフィードバックがあったときには、フィードバック センターの URL をブログに書いて、Vote (投票) してくれと言えるようになったのがうれしいですね。

福田

それは僕もやります。組織票上等って (笑)。ML(メーリングリスト) で話題になって、「じゃあ、フィードバック センターに上げておくから Vote よろしく」と書くんですね。フィードバックを書くのはちょっと気後れするけど Vote なら押せるという人は多いと思います。「なるほどいいこと言った、押してやる」って“投げ銭”に近い感じだろうけど。

瀬尾

私もフィードバックはしていませんが、Vote には参加しています。

佐藤

補足すると、各フィードバックのページに表示されている緑と赤の矢印ボタンによる Voting の機能が追加されて、賛成票・反対票を投票できるようになったんですよね。英語の方と合わせると 1 日に数百件というフィードバックがきますので、VS の開発部門も Voting で上位に上がっているものは特に重視するという傾向があります。また、そもそもフィードバック センターを始めたきっかけというのも、お客様が求めているものや使っている状況など、自社の開発チームだけでは想定しきれない状況がままあって、そこを取り込みたいというのが大きいです。ですから、Voting というのは VS の開発部門でも重視していています。

日本のフィードバックは精度の高いものが多い

写真:MVP 3 名とマイクロソフトおよびマイクロソフトディベロップメント 担当の集合写真
佐藤

VS 2010 では CTP の段階からフィードバック センターでフィードバックを受け付けてきたわけですが、フィードバック センターがなかった VS 2008 のときと比べて、違いは実感されていますか?

福田

CTP で上げたフィードバックがそれ以降のベータ版や RC (出荷候補版) で反映されていると思うのもあります。本来なら次の 2011 だか 2012 になりそうなものが RC に入ったと感じるものもあり、CTP の頃からフィードバック センターを開けておいてくれたからだというのは確かにあります。

佐藤

2009 年の実績では世界中でもらったフィードバックの 4 分の 1 ぐらいが修正対象になっています。その中で、日本と米国で比べた場合、いただいたフィードバックについて社内での再現率を見たら、比率として明らかに日本の方が再現性が高い。日本は米国に比べて、精度の高いフィードバックが多いんですね。

福田

おそらく日本はフィードバックの数が少ない分、あそこに書けるのは、きちんとまとめられる人でないとというところがあって、そこでふるいにかかっているのかもしれないですね。

笹瀬

最後に、利用者の立場からフィードバック センターをお勧めしたい人とはどのような人だと思いますか?

福田

フィードバック センターが向いているのは、きちんと筋が通った話ができて、自分の意見を持っている人。「バグった、バグった」と言うだけではなくて、「こう動いてほしい、こう期待する」という一言があると随分違うと思います。ただ、そこまでできない人がむやみにフィードバック センターを使うのはどうかとも思います。

渋木

僕もそう思います。不具合にしろ、「こうあるべきだ」と伝えることが大切だと思います。一理なくはないけど、これは無理なリクエストだよねと感じるものもたまにあるので。

瀬尾

利用者が多くなると質が下がるという懸念は確かにあると思います。でも、フィードバックの上げ方を知らない人もまだまだいるんですね。私がやっている勉強会でも、フィードバックができること自体を知らない人がいました。ですので、フィードバックのしくみや、やり方についてアピールしていくことも大切だと思います。

「Customer navigation scenario」のフロー図 | クリックでフィードバック センターへ (Microsoft Connect/新しいウィンドウ)

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