Microsoft Windows Media エンコーダ 7 による高品質コンテンツの作成
Tricia Gill and Rich Saunders
Microsoft Digital Media Division
July 2000
日本語版最終更新日 2000 年 10 月 13 日
要約: この文書は、テレビ、フィルム、および画面リソースから高品質なビデオ コンテンツを制作するため、Windows Media エンコーダ 7 の新機能の利用方法を手短かに説明します。この記事ではストリーミング、圧縮、オーディオ/ビデオ制作について、読者が基本的なことを理解していると仮定しています。
はじめに
Microsoft® Windows Media エンコーダ 7 は、ライブやオン デマンド配信のため、コンテンツ開発者がライブと録音済みのオーディオ、ビデオ、コンピュータ画面イメージを
Microsoft® Windows Media ベースのコンテンツに変換する、強力で使いやすい制作ツールです。Windows
Media エンコーダは、Web 用に制作するオーディオ/ビデオ コンテンツに新しいタイプと品質を実現します。
Web 用のオーディオ/ビデオの制作は、科学でありアートでもあります。本資料にはコンテンツ制作の秘密のすべてを明らかにするという意図はなく、Windows
Media エンコーダの本バージョンについて目的をしぼってステップごとに紹介し、Microsoft® Windows Media
テクノロジの新機能を使用しはじめることをお手伝いします。
本資料では以下のトピックをカバーしています:
画面を取り込んでエンコードする
Windows Media エンコーダの画面の取り込み (スクリーン キャプチャ) 機能によって、デスクトップ全体や個別のウィンドウ、または画面の一部の画像を取り込んで、ほかのコンテンツと同様にブロードキャスト配信したり、ファイルにエンコードすることができます。
次のような目的に、画面の取り込み機能を使うことができます。 :
- サード パーティ製の画面取り込みのユーティリティで作成された .avi ファイルからの取り込み。
- デスクトップの画像の直接的な取り込み。
- スキャン コンバータ デバイスに接続されたカードからの取り込み。
注: アナログ信号がスキャン コンバータ経由で NTSC に変換されるときに、人為的な信号などが挿入される場合があります。これらの夾雑物はエンコード中に増幅し、エンコードされたビデオの画質を低下させるおそれがあります。
エンコーダにより、直接キャプチャして Windows Media ファイルを作成したり、ライブ セッションを配信することができます。セッションは配信と保存が同時に可能です。
画面イメージの取り込みは、処理するデータ量が多く、画像を素早く圧縮するために必要な CPU の負荷が大きいため、パフォーマンス集約型のプロセスです。コンピュータの処理能力、取り込む画面の大きさ、ディスプレイの表示色数
(256 色、16 ビットなど)、指定したフレーム レートなどのすべてが、パフォーマンスに影響します。さらに、エンコードされる画面イメージの質が、エンコード処理中に発生する動きの量に影響される可能性があります。Windows
Media Screen コーデックは、動きの少ない大きな領域の取り込み用に特別に設計されています (たとえば、動きの激しいビデオの取り込みでこのコーデックを使った結果、その画質が良好とはいえません)。
取り込む画面イメージを良好な画質でエンコードおよび再生するには、次の指示に従います。 :
- ディスプレイの解像度を低くして使うように設定します。たとえば、1024 x 768 サイズで取り込む場合は、640 x 480 サイズで取り込む場合に比べてデータ量が増えます。
- 256 色または 16 ビット カラーを使うように、ディスプレイを設定します。
- Windows Media Screen コーデックを含んだプロファイルを使います
- プロファイル内の低速のフレーム レートを使います。
- 取り込み中は、連続して素早くウィンドウを開閉するなどの、複数の画面の変更を避けます。
画面をファイルへ取り込む場合は、画面が取り込まれている間はエンコーダのメイン ウィンドウが最小化されるので、エンコードの統計情報と入力および出力イメージを監視することができません。ウィンドウを通常のサイズに戻すと、エンコード
セッションは停止します。画面の取り込み中にエンコーダ ウィンドウを最小化しないようにするには、[ツール] メニューの [オプション] をクリックし、[全般]
タブをクリックして、[画面の取り込みセッション中は最小化し、元のサイズに戻すと停止する] をオフにします。
注: ブロードキャスト用の画面を取り込むときにブロードキャスト ポートを既に選択していると、画面の取り込み中にエンコーダ
ウィンドウは最小化されません。画面取り込みのセッションをブロードキャスト配信すると、[全般] タブの [画面取り込みセッション中は最小化し、元のサイズに戻すと停止する]
の設定は無視されます。
Windows Media エンコーダには、Windows Media Screen コーデックを使う 3 つのシステム プロファイルが含まれています。エンコーダから画面を直接取り込む場合、または画面取り込みのコンテンツが含まれた
.avi などのファイルをソースとする場合に、これらのプロファイルを使います。画面の取り込みのプロファイルには、次の 3 つがあります。 :
- ダイヤルアップ モデム用画面取り込み (ライブ) (28.8 Kbps) : このプロファイルは、広範囲のコンピュータ システムでのエンコード用に設計され、リアルタイムつまりライブの取り込み用に調整されています。取り込み中のパフォーマンスを高くするために、低速のフレーム
レートが使われます。フレーム レートが高速であると、能力の低いコンピュータで問題が発生するおそれがあるためです。配信対象はダイヤルアップ モデム接続
(28.8 Kbps) で、出力ビデオの解像度はソース (画面全体、選択したウィンドウなど) の解像度に調整されます。
- ダイヤルアップ モデム用画面取り込み (28.8 Kbps) : このプロファイルには、5 fps の設定値が含まれています。この設定値でビデオの滑らかな取り込みができますが、CPU
の負荷が大きくなります。配信対象はダイヤルアップ モデム接続 (28.8 Kbps) で、出力ビデオの解像度はソース ファイルまたはキャプチャ
デバイスの解像度に一致します。
- 電子メールおよびデュアル ISDN 用画面取り込み (128 Kbps) : このプロファイルには、10 fps の設定値が含まれています。配信対象は、100
Kbps 以上の接続です。電子メールによる配布またはローカルでの再生を目的としたコンテンツに対して、このプロファイルを使います。出力ビデオの解像度は、ソース
ファイルまたはキャプチャ デバイスの解像度に調整されます。
新セッション ウィザードを使用して画面を取り込みエンコードするには
- 新しいセッション ウィザードを使ってセッションを設定します。
- ウィザードではライブのブロードキャストを行なうのか、キャプチャしてファイルに保存するのか決めて下さい。
- デバイスを構成するようメッセージが表示されたら、ビデオ デバイス用の [画面キャプチャ] を選択します。
- [構成] をクリックして、キャプチャする範囲と品質を選択します。
- [キャプチャ ソース] では、キャプチャ対象のアイテムを選択します。特定のウィンドウ、画面全体、画面の一部が選択できます。
[ウィンドウ] または [画面の一部] を選択したら、[範囲] ボタンを使用してキャプチャする範囲を正確に指定してください。キャプチャする範囲を指示すると、キャプチャ
ディメンションは自動的にセットされます。ディメンションは手動でもセットできます。
注: ウィンドウをキャプチャする場合にウィンドウを拡大してプロファイルで指定した出力サイズを越えると、ウィンドウの一部はキャプチャされません。ウィンドウ
サイズを縮小して指定された出力サイズより小さいと、ウィンドウの周囲に黒いエリアができます。
- [OK] をクリックします。
- プロファイルを選択するようにメッセージが表示されたら、Windows Media スクリーン コーデックを使用する 3 つのプロファイルの中から選択します。Windows
Media スクリーン コーデックを使用しないプロファイルを使用すると、エンコードの品質が落ちます。
- ステップ 2 で選択する仕事にもよりますが、ブロードキャストするポート (あるいは既定を使用する) かキャプチャ ファイルを指定します。
注: エンコーダは、ブロードキャスト向けに 50 クライアントの直接接続が可能ですし、あるいは
Microsoft Windows Media Services が実行されているサーバー上で、このエンコーダをソースとするストリームを制作できます。
- その他の情報を入力してウィザードを完了してから、キャプチャを希望するウィンドウや画面の一部がトップにあることを確認したら、[スタート]
をクリックします。
新しいセッション ウィザードを使用して 画面コンテンツを含む .avi ファイルをエンコードするには
- 新しいセッション ウィザードでセッションを設定します。
- ウィザードを使って、[オーディオまたはビデオ ファイルを Windows Media ファイルに変換する] をクリックします。
- コピー元ファイルとコピー先ファイルを指定して、[OK] をクリックします。
- プロファイルを選択するときに、Windows Media Screen コーデックを使うプロファイルを選択します。
- 必要な残りの情報を指定してウィザードを完了し、[開始] をクリックしてエンコードを開始します。
注: サード パーティ製の画面取り込みのツールを使って .avi ファイルに取り込む場合は、後でエンコーダを使って変換するファイルは、RLE
(run-length encoding) 圧縮または RGB 非圧縮の形式を使ってください。
ビデオ エンコードの品質を最適化する
NTSC (National Television Standards Committee) では、"ビデオ" を、30 フレーム/秒 (fps)
でインターレース化されブロードキャスト配信される、アナログ データと定義しています。インターレース化されたビデオは、"フィールド" と呼ばれる半分の解像度の画像を使ってビデオを表示し、ビデオの単一のフレームを作成するのに
2 つのビデオ フィールドを使います。各ビデオ フィールドには、画像の走査線が 1 つおきに含まれています。フィールド 1 で偶数番号の走査線、フィールド
2 で奇数番号の走査線を表示します。インターレース化すると、ビデオが電波またはケーブルで転送されるときに帯域幅の節約になりますが、インターレース化されたコンテンツがデジタル形式に変換されると、品質が劣化します。デジタル
ビデオ カメラ、VHS テープ、ケーブル テレビなどのソースからエンコードされたコンテンツは、すべて品質の劣化の影響を受けるおそれがあります。Windows
Media エンコーダを使ってコンテンツをノンインターレース化し、交互のフィールドを 2 つのフレームにフィルタして、より滑らかな画面表示を得ることもできます。
テレビや映画のスタジオで使われるような、高性能のカメラによるフィルムは、24 フレーム/秒 (fps) で撮影されます。デジタル ビデオ ディスク
(DVD) やビデオ テープなど、その他の媒体に置き換えられると、NTSC で要求されている標準の 30 fps、または PAL (Phase Alternating
Line) で要求されている 25 fps を達成するために、さらにフィールドが追加されます。フレームを追加する方法は 3:2 プルダウンと呼ばれ、テレシネ変換の機器を使って実行されます。Windows
Media エンコーダを使って、ビデオの追加フィールドを削除し、画像を 24 fps でエンコードすると、ファイル サイズが小さくなり、画像の品質が良くなります。追加のフレームを削除する処理は、逆テレシネと呼ばれます。逆テレシネは、次の場合はサポートされません。
ビデオをノンインターレース化するには
- [セッション] メニューの [プロパティ] をクリックします。
- [ソース] タブをクリックし、ノンインターレース化したいビデオを含むソースをクリックして、[変更] をクリックします。
- [ビデオの最適化] タブをクリックします。
- [ノンインターレース化] をクリックします。
- 複数のソース グループを使っている場合は、各ソース グループに対して手順 2. から 4. を繰り返します。
注: 以前にインターレース化されたビデオ ソースに対してのみ、ノンインターレース化機能を使ってください。画面を取り込むときには、[ノンインターレース化]
がオフになっていることを確認してください。
フィルムベースのコンテンツを 30 fps から 24 fps へ変換 (逆テレシネ) するには
- [セッション] メニューの [プロパティ] をクリックします。
- [ソース] タブをクリックし、24 fps に変換したいビデオを含むソースをクリックして、[変更] をクリックします。
- [ビデオの最適化] タブをクリックします。
- [逆テレシネ] をクリックします。
- 複数のソース グループを使っている場合は、各ソース グループに対して手順 2. から 4. を繰り返します。
注: 以前に 30 fps のフレーム レートでテレシネ処理されているビデオ ソースにのみ、逆テレシネ機能を使ってください。画面を取り込むときには、[逆テレシネ]
がオフになっていることを確認してください。
60 fps でハイ モーション コンテンツをエンコードする
Windows Media エンコーダには、スポーツ イベントなどの動きの速いコンテンツを 60 fps でエンコードできるようにするハイ モーション
プロファイルがいくつか用意されています。ハイ モーション コンテンツとは、動きが多いにもかかわらず場面の変更が少ないコンテンツです。
60 fps でコンテンツを作成するには、フルハイトの解像度のインターレース化されたソースを使います。NTSC 用のフルハイトは 480 ピクセルです。エンコーダがインターレース化された全フィールドを取り込むことができるように、解像度はフルハイトにする必要があります。
エンコード処理中に、単一フレームに結合されて 60 fps で再生される 2 つのハーフハイト 30 fps フレームを作成するために、コンテンツをノンインターレース化します。
ハイ モーション コンテンツをエンコードするには
- 新しいセッション ウィザードを使ってセッションを作成します。
注: エンコーダは、デバイスからリアルタイムでキャプチャしている時は、自動的にフル解像度で画面をキャプチャします。.avi
ファイルをソースにする場合、ファイルはフルハイト解像度 (480 ピクセル) の必要があります。
- プロファイルを選択するときに、ハイ モーション用に設計されたプロファイルを選択します。ハイ モーション用のシステム プロファイルの名前には、"ハイ
モーション" という言葉が含まれます。
- 必要な情報を入力してウィザードを完了します。
- [セッション] メニューの [プロパティ] をクリックします。
- [ソース] タブをクリックし、60 fps でエンコードするソースを選択して、[変更] をクリックします。
- [ビデオの最適化] タブをクリックし、[ノンインターレース化] をクリックして [OK] をクリックします。
- 再び [OK] をクリックして、[セッションのプロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。
- エンコードを開始する準備ができたら、[開始] をクリックします。
詳細情報
Windows Media エンコーダについてより詳しくは、Windows Media エンコーダのヘルプを参照してください。エンコードの構成およびハードウェア要件について詳しくは、そして Encoder 7 をダウンロードするには、Windows Media 製品サイト の Windows Media エンコーダ ページを参照してください。コンテンツ制作、コンテンツをホスト、配送する Web サイトの制作について詳しくは、 Windows Media テクノロジ サイト を訪問してください。
関連記事:
|