更新:2009年11月アプリケーションの互換性 (前篇)松崎 剛

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【Windows 7 コラムシリーズ 全 6 回】

現場のアプリケーション開発者にとって、「互換性」という実際の課題はもっとも気になるところでしょう。ここでは、Windows 7 におけるアプリケーション互換性を前半 / 後半にわけて説明します。
皆さんの会社の既存アプリケーションを Windows 7 で快適に動作させるための参考として、考慮すべきポイントとその全体像を理解していきましょう。

互換性 Overview

Windows 7 は互換性に配慮されたオペレーティングシステムです。Windows 7 では、新たに変更・削除された機能なども存在しますが、以前のバージョンである Windows Vista との高い互換性を目標に設計されており、Windows Vista によって検証済みのアプリケーションは「概ね Windows 7 でも動作する」ことになるでしょう。従って、「Windows 7 の互換性」について考える場合には、むしろ、「Windows XP 以前の OS から Windows Vista への互換性」を理解しておくことが重要です。こうした観点から、本コラムでも、まず Windows Vista における互換性のポイントを再び整理し、そのあとで、Windows 7 における若干の変更点を述べていくことにします。

互換性に関わる重要な概念のいくつかはこのあと説明していきますが、「Windows 7 の互換性」と表現した場合、それらは、以下の側面に分類できるでしょう。

  1. UAC (ユーザーアカウント制御) に関する互換性
  2. UAC 以外のセキュリティに関する互換性
  3. Internet Explorer に関する互換性
  4. 上記以外の互換性

また、互換性に対処する具体的手段は、大きく以下のように分類できます。

  1. 互換用のシム / モード (例: 互換性タブ、Windows XP Mode、など) を使用した対応や、関連するツール / ユーティリティ (例: Application Compatibility Toolkit 5.5、Microsoft Enterprise Desktop Virtualization、など) を使用したこれらの統一的管理
  2. Windows OS 自体が持っている動作許容性 (例: ディレクトリ接合、ファイルの仮想化、プログラム互換アシスタントによるガイド表示、など)
  3. アプリケーション自体の修正

アプリケーション自体の修正をおこなわない (1)、(2) の方法は、管理者 / IT Pro が扱う多数の企業内アプリケーションの対応や、サードパーティーが提供する製品の対応などといったケースでは有効な手段です。しかし、この連載で対象としている「開発者」にとっては、そもそもアプリケーション自体を Windows 7 で動作できるようにしておきたいと思われることでしょう。従って、このコラムでは、一貫して上記 (3) の観点に立って説明をおこないます。(※1)

※1
ここでは省略していますが、Application Compatibility Toolkit (ACT) は、実は、管理者だけでなく開発者にとっても有用なツールです。例えば、ACT の中に含まれる Standard User Analyzer (SUA) は、構築したアプリケーションを標準ユーザーで動作させた場合の問題を検証するツールとして活用することができます。
こうした各ユーティリティの活用方法については、以下のドキュメントが参考になります。

Windows 7 互換性評価ポイント ハンズオンラボ :
http://download.microsoft.com/download/6/D/D/6DD27807-385A-42F8-A9DE-A4856AA4EAAA/Win7DevLab.zip