アーキテクチャーの大切さを伝えていきたい(株) アークウェイ 奥田 直人様

インタビュアー 小高 太郎

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システム開発でのアーキテクチャーの重要性は言うまでもありませんが、その成果物はシステムそのものの設計思想として無形のものとして取り扱われます。そのため以外に軽視してしまうことも少なくありません。今回のインタビューは、株式会社アークウェイでデベロップメントコンサルタントとして活躍される奥田直人 (おくだなおと) さんに、システムアーキテクチャーの重要性についてお話を伺いました。

■ デベロップメントコンサルタントとは?

質問) まず、自己紹介をお願いします。


株式会社アークウェイの奥田直人と申します。私はデベロップメントコンサルタントとして主にマイクロソフトのテクノロジーを用いて、お客様のシステム開発を支援する活動を行っています。

質問) 具体的にはどのように活動されているのでしょうか?

お客様の開発における初期段階で現場に入らせていただくことが多いです。そこで、システム設計やアーキテクチャー構築に対しての提案を行います。もちろん既存のアーキテクチャーの改善点を示すことも多いですし、お客様の開発環境での標準化策定や、アーキテクチャーにあった開発プロセスの定義のご提案をお伝えすることもあります。私共のコンサルティング活動で特徴的なのは、決定したアーキテクチャーに即したトレーニングを必ず組み込むことです。そして、プロジェクトが軌道に乗り始めると、今度はアーキテクチャサンプルを含めてコーディングもおこないますね。実際の開発現場では、コードを交わしたコミュニケーションを図ることも多いですよ。

■ システムデザインの大切さ

質問) なぜこの仕事を始めようと思ったのですか?

もともとは金融機関の情報システムと基幹システムをつなぐデータ連携、あるいは業務 Web アプリケーションのライブラリや UI コンポーネントを開発していました。そこで非常に強く感じたのは、「初期のシステムデザインがいかに大切か」ということなのです。
私が新卒で初めて配属された現場は、システム内部のルールなどがあまりに緩やかで、現場はかなり混乱していました。その結果、システムの拡張やトラブル対処などに対して、不透明な状態で作業を行うことも多かったです。当時は新人のため目の前にある仕事をこなすしかありませんでしたから周りが見えていませんでしたが、今にして思うとチームのスキルセットと採用しているシステムアーキテクチャーやデザインが不一致だったのだと思います。7 ヶ月ぐらい会社に寝泊りしていましたね (笑)

その後もいくつかの現場を経験しましたが、自分にとって幸運だったのは、よい先輩とお客様に恵まれたことです。多少の無理難題もありましたが、お客様にシステム設計を大切にしていることを理解してもらっていたため、そうした要望も比較的低いコストで実現できました。特に設計が整理されていると、追加の要望が受け入れやすいですし、コスト割れしにくいというのが、このときの経験からよくわかりました。こうした経験が土台になって、今のコンサルタントとしてのスタイルがあるのだと思います。

質問) 奥田さんのコンサルタントとしてのモットーは何でしょうか?

お客様には、つまり開発者の方ですね、さまざまなスキルの方がいます。非常によくできる方もいますし、そうではない方もいるわけです。通常アーキテクチャーはスキルレベルの下側に合わせがちなのですが、私の場合、教育をサービスに入れることによってレベルの均一化を図るのが特徴だと思います。当然みなさんエンジニアですから、そうした活動を通じてエンジニア魂を呼び起こしたいですね。そして上の方に追いつくようにモチベーションを上げてもらえるように、また上の方には更に上を目指してもらえるようにしていきたいです。開発現場には「銀の弾丸」 (Silver Bullet) として魔法のようにすぐに役に立ちプログラマの生産性を倍増させるような技術や実践 (特効薬)、としてのアーキテクチャーやテクノロジーは今のところ存在していません。したがってターゲットレベルが定まった後、そこに合わせたアーキテクチャーを構築して段階的に成長していくのが理想だと思います。

ただ、確かに「銀の弾丸」はないのですが、とは言えアーキテクチャーや標準化がうまくマッチすることで、非常に大きな効果がでることもあるのです。

質問) 差し支えない範囲で具体的な事例を教えてもらえますか?

以前「プロジェクトの開発スピードを 10 倍早くする」がコンセプトのお客様を担当したことがあります。このお客様の場合、既存システムと連携する社内業務アプリケーション (Web アプリケーション) の開発における標準化が進んでいないことが課題だと言えたのですね。開発は、個別のプロジェクト、個々の開発者に依存している状態で、効率的とはいえなかったと思います。したがって、まず私が行ったのが、このアーキテクチャーの標準化です。

一口にアーキテクチャーといっても、一般的にこれを決定するプロセスは不透明なことが多いです。極端な話ですが、設計者やアーキテクトと呼ばれる人が、今度これを使ってみたいとか、これが今よいらしいなど、個人の裁量で決まってしまうことも多々あります。
本来は、開発するシステムの性能要件、セキュリティ要件などの非機能要件やエンドユーザーから寄せられた要望、現状のネットワークやハードウェア構成などの制約を整理して、さらに、今後の拡張性などもあわせて考えて、そこから一番よいプラクティスを出す必要があるはずです。これを弊社ではサービスとして提供しており、それに則った内容で標準化を進めました。

この結果、お客様の開発環境では以前の 5 倍ほどの開発スピードの改善があり、さらにコミュニケーションの改善やモチベーションの向上などもあったと伺っています。この事例は弊社の Web サイトでも公開しています。
http://www.archway.co.jp/home/Showcase/Casio.aspx

ここに掲載されている記事は、マイクロソフト認定パートナープログラムやトレーナー向け認定制度をはじめとするプログラムや資格とは関係がありません。

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