
マイクロソフト オープンソース プロジェクト ホスティングサイト
CodePlex.com プログラムマネージャ
Sara Ford (サラ フォード)
- 略歴
- 現職の前は、6 年間 Visual Studio Core チームに在籍。Visual Studio Core チーム では、Code Plex 上のオープンソースプロジェクトである Power Toys for Visual Studio の担当、Visual Studio 開発環境のテスト、そして視覚障害を持つ開発者を配慮した Visual Studio のアクセシビリティ向上に従事していた。
- 現在の仕事内容
- 現在は CodePlex の新しい機能を設計する傍ら、Visual Studio Tip of the Day (原作ブログ) を書いている。
- 座右の銘
- 「毎日を最後の日のごとく生きなさい、いつの日かそうなるのだから」
- Hal Roach (アイルランドのコメディアン) の言葉。 - 最も好きなテクノロジ
- ブログ
- エネルギー源
- 考えたこともなかったけれど、強いていうなら太陽の光。私は太陽電池で動いていると思う。
- ストレス解消法
- 毎日エクササイズをかかさない。それから、14 歳の頃から習っている松涛館流の空手。空手を学ぶことは、頭の中がとり散らかってストレスにまみれた状態から、精神を沈め平常心に戻すためにとても役立っている。
- 開発者の皆様へのメッセージ
- 「日本語訳された私のブログ Visual Studio 2008ワンポイント が日本のソフトウェア開発者の皆さまに少しでも役立てていただければ嬉しいです。ユーザーの皆さまに、Visual Studio をできるだけ生産的に、快適に利用していただきたいと思っています」
- CodePlex とは ?
- CodePlex は、オープンソースプロジェクトをホスティングするためのマイクロソフトが運営する Web サイトです。新しくプロジェクトを始めたり、既存のプロジェクトに参加したり、コミュニティによって作成されたソフトウェアをダウンロードしたり、フィードバックができます。
URL : http://www.codeplex.com/
Visual Studio 2008 ワンポイント Sara Ford
■ カジュアルに書くことで生まれた私のブログスタイル
ブログへの初投稿は、視覚障害を持つ方を考慮したアクセシビリティ機能の、ソフトウェア テストについての記事でした。普段話しているときと同じようにカジュアルな語り口で書き始めたことで、自分らしさを思いのほか発揮することができました。
その後、同じように何件かの記事を投稿してみて、私は単に技術ドキュメントのカット アンド ペーストのようなものを掲載したいのではなく、私の経験を皆さんと共有したいのだということに気づきました。ですから、私が書く Visual Studio に関する活用ヒントは、私の Visual Studio Core チームで働いていたときに発見したものがほとんどです。
■ ビルゲイツ宛のメールが、毎週メールボックスに届く
ブログにまつわるちょっと面白いエピソードをご紹介します。
4 年前、Business Week の記者からの取材を受けました。記事中に「このブログのおかげで顧客との距離が縮まり、絆が生まれている。ビルゲイツはハッピーだ。」という一文が書かれました。
同僚達に、「この記事をビルゲイツに送って、彼の感想を聞くべきだよ」と冷やかされ、私は「OK!」と返事をして、「ビルゲイツはハッピーだ。」という部分をハイライトし、「間違った引用でなければ良いのですが」と付け加えてビルゲイツ宛に転送しました (笑)。
数日後、ゲイツから、「私はハッピーだよ。すばらしい記事だね」と返事をもらいました。私はそのことがものすごく嬉しく、大得意になって (笑)、「ビルゲイツから E メールをもらいました」とそのエピソードの一部始終をブログに掲載しました。
その後、驚いたことに私のブログが、「Bill Gates email address (ビルゲイツの E メール アドレス)」というキーワード検索結果の上位にくるようになっていたのです。Google の検索では第二位になったこともあります。そのため「Bill Gates email address」を求めている人達がその検索結果をクリックし、Contact Me つまりは私宛メールへのリンクをクリックするという現象が起きました。送られてきたメールは、「Dear Mr. Bill Gates」となっており、すべてビルゲイツ宛のものでした。
それ以来、4 年経った今でも週に 5 回程度はビルゲイツ宛のメールが送られてきます。メディアに流れるニュースによって、その量は変わります。何かあったときにゲイツに連絡してみたくなるのでしょう (笑)。
他にもユーモラスなメールがときどき届きます。私の大好きなドラマの主人公 MacGyver を演じている Richard Dean Anderson 宛の E メールを送って来る人もいましたし、ミニチュアホース (小型馬) のことを「どこで手に入るのか」と尋ねてくる人もいました (笑)。本当にまったく奇妙な E メールです。
大半の方からのメールは、ブログの記事を正しく理解した問合せ内容なのですが、約 1 パーセントのメールがとてもユーモラスなのです。本当に退屈しません (笑)
■ オープンソースの共同開発コミュニティサイト CodePlex
日本の皆さまに私がプログラムマネージャを担当している CodePlex のことを少しご紹介したいと思います。
CodePlex は、マイクロソフトが運営するオープンソース プロジェクトのホスティング サイトです。開発者の方々がソースコードを共有し、共同開発する場所です。ソースコードを保管するリポジトリや、プロジェクトを管理する機能、デバッグ作業を担当者にアサインしたり、ボランティアの開発者に依頼したりするプロジェクトのコーディネートを支援する機能、進捗の履歴管理なども提供しています。
つまり、CodePlex は、開発者どうしがコラボレーションしながら行えるオープンソース開発を、プロジェクト方式で進めていくことができるコミュニティの場なのです。
現時点で、4,200 件のプロジェクトが進行しています。CodePlex のプロジェクトは、ソースを共有すること、開発が進行中であることが条件となっていますので、まさに進行中のオープンソース プロジェクトが 4,200 件あるということです。
マイクロソフト製品に社外開発者のソースコードを採用することも・・
社内のプロジェクトにも CodePlex を利用しています。例えば、以前私が担当していた Ajax Control Toolkit、PowerToys for VisualStudio などもそうです。オープンソースの手法を知ることは最も重要な点でしたし、ユーザーの皆さまとのソースコードレベルでのコミュニケーションに興味がありました。
開発中にタイムリーなフィードバックを得て、迅速な変更や修正が行えることはどんなプロジェクトにとっても大きなメリットです。また、ある機能を本当に必要としている方が待ちきれずに自分でカスタマイズを行いたいと、あるいは、既にそのソリューションを持っている方が共同開発したいと申し出てくれることもあります。提供していただいたソースコードを確認して、残念ながら私たちのコーディングガイドラインやコーディングスタイルに合わないので、とお伝えすることもありますが、提供していただいたものを採用させていただき正式リリースの中に組み込むこともあります。そのおかげで、よりタイムリーにリリースできることもあるのです。
個々のスタイルで CodePlex を利用できる
ソースコードを共有すること、開発が進行中であること、それ以外に条件はありません。ソースコードはサンプルコードとしての利用も可能ですし、それを微調整して使ってもいいわけです。エンジニアではない方も、ゲームのようなものや、Windows Vista Battery Saver をダウンロードして利用していたりします。
CodePlex の Wow! と言われる UX
もうひとつ特筆すべき点は、CodePlex はユーザー エクスペリエンスにたいへん注意を払って開発しているということです。ユーザービリティの研究を行い、優れたユーザーインターフェイス、対話環境、ワークフローの提供を重視した設計しています。自然な感覚で利用できること、使いやすく簡素であることを目指しています。その点でもユーザーから「WOW! (すごい) 」というようなフィードバックを時々いただきます。ぜひ、体験してみてください!