Expression® Design は Draw 系ソフトウェアであり、ベジュ処理は当然として、意外にもビットマップ画像の取り扱いが柔軟であることが、クリエイタに伝わっていないように感じています。もともとベジェ系ソフトとビットマップ系ソフトは、切り分けて考えることが当たり前でしたが、Expression® Design を使うと、そんな事は忘れ、とにかく作品を楽しく作りたいということだけに神経を集中できるようになります。
例えばビットマップ画像をインポートしてストローク定義したい場合、Expression® Design 上でクリッピングパスを作成し、マスキングした状態で 【オブジェクトメニュー > イメージ > イメージ オブジェクトの作成】 を実行してから 【オブジェクトメニュー > ストローク > イメージストローク定義】 でストローク登録します。もしデリケートなマスキング処理を行なったビットマップ画像を利用したい場合は、予めビットマップ専用のソフトウェア上でアルファチャンネルを作成し、TIFF 形式などで保存したものを Expression® Design 上にインポートし、【オブジェクトメニュー > ストローク > イメージストローク定義】 を実行するだけでストローク登録は完了です。
【図 01】 Expression® Design でストローク登録をする場合は、
ベースとするイラストあるいはオブジェクトを水平に
配置するとブラシで描く場合も含め、後処理が楽です。
【図 02】 ビットマップ画像処理ソフトで作成したアルファチャンネル。
ここを意図的に調整することで、作成したストロークの
重なり具合にユニークな表現が生まれます。
【図 03】アルファチャンネルを作成した花の画像を
Expression® Design にインポートした直後の状態。
解像度を高くして取り込んでおくと強いエフェクト結果でも
綺麗なイメージを得ることが出来ます。
なお、作例のように予め読み位置に変更しなくても、
Expression® Design 上でストローク登録前に回転処理することも可能です。
【図 04】 【オブジェクトメニュー > ストローク > イメージストローク定義】 の設定画面。
難しいことは考えずにストローク名だけを付けるだけでも
Expression® Design が後は柔軟に対処してくれます。
作例のような使い方をする場合、予め類似した写真をいくつか用意してからそれぞれをストローク化し、必要に応じて差し替えたり、垂直軸で反転させるなどすることで、ユニークなバリエーションを簡単に得ることが出来ます。また、アルファチャンネルを活用できるので、筆などで作成した手書きのストロークをスキャナで読み込んでからアルファチャンネルを作成することで、デリケートなイメージのまま Expression® Design 上でストロークとして活用できます。これにより、ベジュデータに置き換えた一般的な Draw 系ソフトのブラシストロークのように、拡大すると段差が目立ってしまうということがありません。
【図 05】 登録したら後はタブレット等で自由にブラシ感覚で描くだけで、
登録したビットマップ画像が粘土細工のように画面で踊り出します。
【図 06】 完全なストロークなので、このように極端な
エフェクトを行なっても問題はありません。
完全な写真イメージがストロークに変換されるため、思いきったストローク描画で予想外のイメージを得ることも出来ます。もちろんこうして作為したストロークに対しても透明度の設定や各社エフェクトが有効なので、イメージは更に膨らみます。複雑な描画の組み合わせで作成したイメージをそのままストロークとして登録といったことも可能です。
【図 07】 最終的なイラストとの合成用に魚の写真を用意して
取り込んでみました。
【図 08】 ストローク化によるデリケートな演出は、
アンカーポイントを少なく設定し、ハンドルで動きを調整します。
ただし、やり過ぎない処理がコツです。
魚や花といったバリエーションを作成したい場合、あまり強いエフェクトを行なわずに、微修正程度で切り上げるように心がけると自然なイメージを得ることが出来ます。また、Expression® Design で作成したストロークは、一度作成してしまえば、新規ファイルであってもいちいち読み込みなどせず直ぐに使うことが出来ます。つまり、意外と面倒であったストローク管理を気にすることなく作品に集中できるので、ストロークを沢山作る私にとっては大変嬉しい仕様です。
【図 09】 最終的に 【図 07】 はエッジがおとなしすぎるので、
少しゴツゴツした魚の写真をインポートしてストローク化させました。
【図 10】 完成したイメージ。 Expression® Design で描いたイラストに対してストレートに魚の
ビットマップ画像を組み合わせるとバランスが悪いために、水彩、カラーバランス、ドロップシャドウなどの
エフェクトによりイラスト的なイメージに変更して組み合わせて見ました。