Expression® Design はナチュラルストロークが最大の特徴だと感じていますが、そのイメージがうまく伝わっていないようで少々残念でなりません。ブラシあるいはストロークとして任意のデータを登録できる機能は、Draw 系ソフトなら今では当たり前となっていますが、登録時の自由度で Expression® Design に敵うものは少ないと感じています。
まず重要なのは元データ作りです。ただし、あれこれ考えずに直感的に描きたい自由曲線をそのまま登録し、登録したストロークで描いた自由曲線を再度登録するという流れでよいと思います。例えば 【図 01】 のようにデフォルト登録されている任意のナチュラル系ブラシで適当なストロークを描き、そのままストローク登録し、同じパスに登録したストロークを指定した状態が 【図 02】 です。同様にして 【図 02】 の状態をストローク登録して同じストロークに指定したものが 【図 03】 となります。このように直感的に作り込めることがクリエイタに求められている環境ではないでしょうか。
【図 01】 Expression® Design にデフォルト登録されている
「アウトライン 1」というストロークで、
任意の自由曲線を描いた状態です。
アレコレ考えすぎないほうが良い結果が生まれます。
【図 02】【図 01】をストローク登録し、
【図 01】のパスに登録したストロークを指定した状態です。
【図 03】【図 02】をストローク登録し、
【図 01】のパスに登録したストロークを指定した状態です。
しかし、これは基本的処理で、Expression® Design の真価は次に上げる登録データの自由度に有ると感じています。例えば、Expression® Design では元データは 1 つでも【図 04】で示した 4 つのイメージのように、自由にストロークの展開イメージを調整することが出来るからです。まず手順を追って簡単に説明してみます。はじめにベースとなるストローク用のデータ 【図 05】 を作成し、ストローク登録します。次に登録したストロークを元に 【図 06】 のようなイメージを作り上げます。これは海藻をイメージしていますが、葉に相当する部分はストロークなので、微調整は簡単です。
【図 04】 ストロークの編集により表情を変えるストロークです。
それぞれの違いは左端から、ストレート、始点終点の指定、
繰り返し設定、始点終点の設定に繰り返し設定を追加の 4 種類、
それぞれの設定の位置により、
更に複雑なイメージを作り込むことが出来ます。
【図 05】 いちばん元となる葉のストローク登録用イメージです。
意外と幾何学的な処理で作り込んだほうが結果が良いようです。
どちらにしても最初はシンプルなイメージで
幾つかの形状を練習してみるとイメージを掴みやすいでしょう。
【図 06】【図 05】のストロークを利用して
最終的なストロークをデザインします。
もちろんストロークを登録した後でも
調整が可能ですので神経質にならないことが大切です。
登録したデータはいつでも編集することが可能です。繰り返し設定や始点終点設定をかなり微妙に調整することが出来ますので、取り合えず設定してから後で微調整と割り切ったほうが、効率良く作業が行なえます。もちろん作例のようなイラスト的イメージだけでなく、グラフィック シンボル等を上手に活用してみるのも面白いかもしれません。あるいは、ブレンドモードや不透明度調整を行なってから登録すれば、描いたブラシの重なり具合がデリケートで、まさしくナチュラルなイメージを作り出してくれます。
【図 07】 一般的な Draw ソフトと同様にストレートに登録します。
【図 04】 の左端が展開例です。
【図 08】 始点 (左端) と終点 (右端) を指定します。
【図 04】 の左端から 2 つ目が展開例です。
なお、図は解説用で、実際には始点と終点を
同時に表示させることは出来ません。
【図 09】 繰り返し指定。【図 04】 の左端から 3 つ目が展開例です。
なお、【図 08】 と 【図 09】の両方の設定を行なったものが
【図 04】 の右端の展開例となります。
作例のような場合、数本のストロークを描いてからグループ化させ、その組み合わせという考え方をすると処理が楽です。もちろん最終的には個別に微調整を行なっておく必要が有りますが、色替えや横方向への変換、不透明度調整などでも十分かも知れません。作例では、メインのキャラクタの前後にいくつかのレイヤを作成し、ストロークを描き込んでから、キャラクタの送りストロークの不透明度と輝度を上げることで、奥行きを演出しています。
【図 10】 背景処理としてブラシを
本格的に利用していない状態のイラストです。
【図 11】 背景処理として作成したストロークにて、描くように配置した完成イメージです。
ある程度小分けにして描いたストロークはレイヤ分けしておくと後の微調整が簡単です。