スキルいらず
少数精鋭で小回りの利く体制のもとコンテンツデザインを手がけるアバンドにとって、即効性は重要だ。制作ツールを選ぶにあたり、作業効率のよさがポイントになるのは当然だが、やりたいことを最後まで短時間のうちにこなせるかどうかは、ツールを使い慣れないと判断できない。この点について、アバンド代表取締役 青木達夫氏は、Expression Studio 製品を「作業スキルが全くなくても使えるのは強み。」と評価する。
アバンドが制作、開発協力した MSN 自動車の「GT-R 試乗レポート動画」は、日産 GT-R の試乗レポートを動画で視聴できるコーナーだ。アクセスすると、Web ページに埋め込んだ動画が、スムーズに再生開始する。マウスの操作で再生、停止、送りや戻し、ボリューム調整、全画面再生ができる。動画コントローラーは動画にマウス カーソルを乗せると、フェード インの効果を伴って表示される。
このコンテンツは、編集済みの動画を Expression Encoder 2 でエンコードし、Expression Blend 2 でコントローラーを実装している。コントローラーのデザインは Expression Blend 2 のテンプレートをアレンジして作っているので、フロントエンド作りに時間を取られること無く、デザインを進められたという。ここが「スキルいらず」と言える部分だ。
さらに青木氏は「エンコーダーとデザイン ツールが別であることも、今回よかった点。」と振り返る。同じツールであれば、1 人のデザイナーが、2 つのタスクを請負うことになりやすい。手分けしやすいツール構成は魅力だろう。
MSN 自動車 GT-R 編
http://car.jp.msn.com/carlife/special/deep/gtr/deepzoom.htm
しっかりしたサポート
この作業分担のしやすさは、Expression Studio 最大の特徴である。エンコードと UI デザイン、またはフロントエンドのデザインとバックエンドの開発。様々な側面で作業を円滑化するだろう。
加えて、アバンドは作業分担という利点について、一歩踏み込んだ見方をしている。既存の開発手法は作業分担を実現するために、サード パーティー性のプラグインなどを導入する場合がある。しかしその多くが無償のツールであり、エンタープライズ系の開発といったミッション クリティカルな案件では採用しにくいのだという。青木氏は「Expression 製品はしっかりしたサポート体制のもとで分担作業が実現できるという点で安心。OS を含めたサポートなのでトラブルに強い」と期待した。
Expression 製品の活用でデザイナーとプログラマーが安心してコラボレーションできる環境が整いそうだが、やはりまだまだデザイナーにとっては未知の領域という印象の強い RIA 開発。一から手がけるデザイナーのためにアバンドからのアドバイスは以下の 3 点だ。
(1) ソースはいじらないこと
Expression Blend 2 は、デザイン作業の裏でコードを自動的に生成するツール。いつでもコードにアクセスできるが、不用意に触るのは不具合のもと。
(2) サンプルを見て何ができるかを知ること
Silverlight 2 サンプル集からはプロジェクト ファイル全体が入手可能。自分なりに解剖して勉強してみるのも良い。
(3) 開発時、ブラウザは Internet Explorer をつかうべし
Silverlight として書き出してしまえば、当然クロスブラウザで動作するが、開発ツールは IE との連携が緊密に測られているので、この特徴を活用しない手はない。
ツールには評価版も用意されているので、気軽に挑戦してほしい。
(インタビュー : 矢野りん)