株式会社アマダ

掲載日: 2006 年 06 月 06 日
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ソリューション概要

プロファイル
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株式会社アマダ leave-msは、金属加工機械の総合エンジニアリング企業として「製造業のための創造業」をスローガンに、国内外 80 社のアマダグループの中核としてグローバルに事業展開をしている企業です。製造業をめぐる経済環境が、きわめて厳しい状況にある中、生産管理から営業戦略まで、率先して IT 化することで、その競争力を高めています。

メリット
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製品の加工時間を半分に削減することができた。また、現場担当者がシステム開発に参加したことで、非常に使いやすく、かつ柔軟性の高いシステムにすることができた。

ソフトウェアとサービス
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Microsoft® Windows Server™ 2003
Microsoft BizTalk® Server 2004
Microsoft Visual Studio 2003
Microsoft Visual Studio®.NET Framework
Microsoft SQL Server™ 2000
Microsoft Excel® 2003

ユーザーコメント
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「OPC の採用や XML、また SCADA といった最新技術を使うことで従来の工作機械管理システムでは成しえなかった生産情報、設備情報などさまざまなデータを正確かつリアルタイムに入手できるようになったのは大きな成果でした」。

株式会社アマダ
設備技術部 設備技術グループ グループリーダー
上内俊一氏 談



パートナー

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株式会社ダイセック

OPC や XML を活用して、 「見える」「動かす」「止めない」、デジタル板金工場の コンセプトに基づく生産システムを構築。


* *株式会社アマダ
株式会社アマダ
金属加工機械メーカー大手の株式会社アマダは、他の製造業と同様、国内外の競争激化によってさらなる「生産性の向上」と「コストダウン」を求められていました。そこでグローバル市場への供給を視野に入れ、増産体制の確立のため同社主力製品であるタレットパンチプレスの加工設備を一新。Windows® をベースに、OPC や XML を活用した生産システムを構築することで生産ラインの自動化を達成し、製品の加工時間の半減などの大幅な生産性の向上や作業者の知識をシステムに取り込むことに成功しました。


< 導入背景と狙い>
デジタル板金工場のコンセプトに根ざした加工管理システムが必要に


創業が 1946 年という株式会社アマダ(以下、アマダ)は金属加工機械のトップメーカーとして、最先端の技術と情報を元に、国内外にさまざまな製品を送り出しています。そのアマダが多品種少量生産や国内の少子高齢化問題から生じる熟練工不足といった現在の日本の製造業を取り巻く課題に対する答えの 1 つとして提案しているのが「デジタル板金工場」です。
アマダでは、デジタル板金工場のコンセプトに基づき、セル生産の導入に伴って自社オリジナルの生産管理システムである AM-HIT's(Amada High grade Information Technology System)の開発に取り組み、2003 年より稼動させました。この AM-HIT's は、工場の受注から出荷までにおけるさまざまな情報を、すべてデータ連携を図ったアマダオリジナルの生産管理システムです。

上内俊一氏
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株式会社アマダ
設備技術部 設備技術グループ
グループリーダー
上内俊一氏
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アマダ 設備技術部設備技術グループ グループリーダー 上内俊一氏は、デジタル板金工場の取り組みについて「今後予想される熟練した作業者の不足」と「グローバル化による競争の激化に対応するための効率化」に対応したものであると説明します。

「日本の板金加工業は、世界に誇る技術を保有している反面、熟練した作業者に仕事が集中するといった、負担がかかるモノづくりのスタイルになっています。特に曲げ加工においては、高度な技術が要求されます。多品種少量生産化が進む今、難しい作業が重なり、ベテラン作業者の技術力をもってしてもこれ以上稼動率を上げることが難しいという状態にありました。しかも、ベテラン作業者が引退期を迎える今、技術の伝承をどうするかは、グローバル化によって競争が激化している現在、非常に大きな課題です。そこで当社は VPSS(Virtual Prototype Simulation System)を用いて CG 上で事前に検証するなど、デジタル的に技術を伝承するデジタル板金工場を提案しています。そしてこのコンセプトに基づき、デジタル生産方式を立ち上げ、実践してきました」。

アマダの主力工場である富士宮工場は、主力商品である NC タレットパンチプレスの溶接〜加工〜組立まで一貫して生産をしている工場です。今回、増産体制確立のために、最新の「高速、高精度」な加工機を導入し、生産ラインを一新。この最新加工設備の能力を最大限に発揮させるため、上位生産管理システムである AM-HIT's と連携しながら加工設備を連続運転させる、加工管理システムが必要になったのです。


<導入システムの概要>
システム開発の効率化と、導入効果の最大化を目指し、 業務ロジックを自社開発するために Windows 環境を採用


今回導入することになったシステムは、NC タレットパンチプレスの生産工程の中で大型加工機や自動搬送装置からなる加工工程のシステムで、フレーム加工とタレットディスク加工の 2 つの加工管理システムです。フレーム加工は、2 か所の加工ステーションを持つ全長 40m×幅 20m の大型ラインで、高速、高精度の 5 面加工機、自動搬送装置などを使用しています。また、直径 1,200mm、厚さ 120mm、重さ 1,000kg などのタレットディスク加工するラインは、温度管理された恒温室内で 2 台のマシニングセンタとディスク搬送装置を稼動するラインです。2004 年 10 月よりシステムの開発に着手し、2 つの製造ラインの再構築に合わせてほぼ同時並行で 2 つのシステム開発プロジェクトはスタートしました。
この加工管理システムの開発を担当することになったのが富士宮工場の設備技術部 製造システムグループの斉藤信氏でした。

斉藤信氏
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株式会社アマダ
設備技術部
製造システムグループ
斉藤信 氏

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「以前は UNIX と Oracle をベースにしたシステムを大手ベンダ任せで構築していましたが、変種、変量、またスピード生産が求められる現在、外部に発注して構築したシステムでは、拡張性や柔軟性の面で対応しにくいと考えました。また、ベテラン作業員のノウハウをシステムに取り込むなど、業務ロジックを自社開発する必要もありました。社内に Windows を熟知した技術者が多数いることもあり、今後の保守管理が容易であること。そして、 AM-HIT's との連携も考慮し、最新の IT 技術を取り入れて変化や拡張にも柔軟に対応できるよう、Windows ベースでのシステム構築を選択しました」と斉藤氏は語ります。

「加工管理システムの構築にはノウハウが必要なこともあり、開発スピードやコストの面から、自分たちでできることは可能な限り社内でやろうと考えました。中でも業務ロジックは、アマダ社内でできるだけ作りこんだ方が良いだろうということになったのです。プロジェクトとしては、設備のノウハウを持つ設備技術部、加工製造部のメンバを中心に発足させました。ある意味、システムの素人による開発でしたが、すべての業務ロジック、ビジネスフローの定義など参照系の画面は Visual Studio 2003 を使って、社内ですべて開発しました。その結果、開発コストも半分程度に抑えることができました」(斉藤氏)。

今回、開発のキーとなったのが、マイクロソフトの技術に基づく生産システム開発のインターフェイスとして広く利用されている業界標準技術「OPC(OLE for Process Control)」の採用です。優れた監視・制御アプリケーションや実績収集のしくみを開発するために生産設備との通信には OPC の採用を検討。これにより、加工ラインの監視制御アプリケーションの開発や業務ロジックの開発を社内でも行うことができるようになり、コスト削減と期間短縮につながっています。さらに、OPC や Windows Server と親和性の高い SQL Server 2000 の採用も決定。SQL Server のコストパフォーマンス、開発効率という面は非常に魅力的であったことも選択に際しての重要な基準になったといいます。

もう 1 つの開発キーは上位生産管理システムである AM-HIT's と加工管理システムの「XML によるデータ連携」です。従来のシステム間連携においては DB 接続によるバイナリ レベルでの密結合を行っていましたが、これだとインターフェイスの開発工数が膨らみ、製造現場の変化に合わせたシステムの柔軟な変更ができないという問題があったのです。また密結合であるがゆえ、上位システムのトラブルが生産ラインを止めてしまうという問題もあったため、XML による疎結合なシステム間連携を考えました。また、それぞれの製造ラインでは特性が異なり、要求されるデータフォーマットや内容が異なっているため、XML データをマッピングし、データ形式の差を吸収する必要もありました。
そこで、上位生産管理システムである AM-HIT's との連携に XML を利用することによって疎結合のシステム連携を実現し、今後、データフォーマットの異なる他のシステムとの連携が増える場合にも柔軟に対応できるように、システム連携のための HUB システムが導入されました。

導入の際には、開発生産性を考え Visual Studio 2003 と開発環境が統合されている BizTalk Server 2004 を採用しました。BizTalk Server の開発経験が社内になかったため、マイクロソフトのハンズオン トレーニングに参加するなどで手ごたえを得ることができ、自社での開発に踏み切ることにしたのです。BizTalk Server のオーケストレーション機能を利用することで、必要なサービス アプリケーションを抽象化して開発し、スピーディーに実装ができ、その結果、加工スケジュールを加工管理システムと自動連携できるようになったのです。

このようにして、加工管理システムの設備稼動状態や加工実績などのリアルタイム監視、予定・実績対比などの進捗管理、AM-HIT's からのスケジュールデータ自動取り込み、技術者のノウハウを取り込んだ加工段取りのための自動補正アプリケーションなど、生産ラインの自動化を達成するための加工管理システムが構築されました。
今回構築された新加工管理システムでは、それぞれ分散をしているシステムと BizTalk Server が接続する Hub & Spoke 型の構成をとっています。上位生産管理システムの生産座席表に登録されたオーダーをもとにスケジューラにて生産計画が作成され、BizTalk Server が作業指示や受注バリエーション、工程マスタを加工管理システムへ作業指示データの自動連携を行います。
加工管理システムは作業指示をもとに生産ラインの起動を行い、作業が完了すると BizTalk Server を介して作業実績が上位生産管理システムへ取り込まれます。

2005 年 6 月に新工程管理システムは完成し、システム立ち上げから現在に至るまで大きなトラブルもなくフル稼動しています。
今回の開発に際しては、システムの中心となる業務ロジック部と BizTalk Server によるシステム間連携および Web アプリケーションはアマダ社内で開発し、生産ラインと通信制御部に精通をしている株式会社ダイセック(以下、ダイセック)の協力を得て構築しています。ダイセックは OPC サーバを内蔵した UGS 社製 監視制御ソフトウェア FactoryLink と SQL Server 2000 を採用した通信制御と実績収集の部分を担当しました。

それでも、マイクロソフトの .NET をベースとした開発環境を採用し、システムの多くを自社開発したことで、開発すべてを外部に委託した場合に比べて 50% 程度に開発コストを抑えるとともに、大幅な開発期間短縮を実現しています。また、システム管理の容易性と信頼性の高さから、従来に比べ大幅に TCO を削減できたといいます。




<導入の効果>
「見える化」と「自動化」で製品加工の時間を半減


今回のシステム導入によって達成できたのが生産ラインの自動化であり、デジタル板金工場のコンセプトに基づくデジタル技術支援の 3 ポイント、「見える」「動かす」「止めない」の実現でした。
「見える」は、設備稼動状態や加工実績などをリアルタイムに状態表示するとともに、予定や実績対比などの進捗管理を可能にすること。いわゆる“見える化”をこれによって実現できたのです。
また「動かす」は、上位生産管理システムである AM-HIT's の情報を自動で加工管理システムまで取り込み、組み立て日程や前後工程を考慮した最適スケジューリング、加工指示を出すことで、加工設備を動かすこと。そして「止めない」は、設備から発信される電流、温度などのさまざまな稼動情報をリアルタイム監視するとともに、その情報を蓄積、傾向管理することで予知保全を行い、24 時間設備を止めないということです。

生産ラインの自動化による最大の成果は、製品の加工時間が半分近くまで抑えられたことです。高速、高精度の最新加工設備と、この加工管理システムの組み合わせで生産性が大きく向上し、同じ時間でおよそ倍の製品加工ができるようになったのです。こうした生産性向上の背景には、「受注バリエーション」「自動計測」「KPI」の 3 つのキーワードが存在しています。

幅広い受注バリエーションに柔軟に対応
フレーム加工ラインでは、大型フレーム、小型フレームともに自動でスケジュール運転することが可能になり、オペレータは通常の8時間勤務のまま、夜間は連続無人運転、遠隔監視に切り替えて 24 時間のフル稼動を実現しています。
これらフレームには機種のほかに、それぞれの受注内容に応じたバリエーションがあります。そのため、従来は受注バリエーションが変わるたびに個別に加工プログラムを作って生産を行う必要があり、生産ラインでのプログラムチェックや作業指示の照合などの内段取り作業が頻繁に発生し、生産設備の稼働率がなかなか上がりませんでした。

そこで今回のシステムの刷新では、まず受注バリエーションと加工プログラムの関係をマスタ化し自動でコンフィグレーションできる仕組みを開発しました。さらに従来人手により勘案されていた業務部分を排除するため、一連の業務プロセスを見直し、上流工程から生産ラインまでがシームレスに繋がるように業務の見直しを行ったのです。これにより、生産ラインでの業務判断のほとんどが自動化あるいは外段取り化され、設備の稼動率を大幅に向上させることができたのです。
アマダ 富士宮工場 新工程管理システム概要図
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アマダ 富士宮工場 新工程管理システム概要図 [拡大図]


自動計測により、ベテラン加工技術者の判断を自動化
この生産性向上の達成に、大きく貢献している特長の 1 つが、「ベテラン加工技術者のノウハウの数値化と計測の自動化」です。新しい加工管理システムでは、ベテランの加工技術者が加工の段取りの際に行う作業を数値化した補正ロジックを作成し、OPC で収集した実測値と比較して加工位置を自動で補正するなど、ベテランの加工技術者の判断を自動化した結果、設備稼動率が向上し、生産の自動化と共に技術伝承の蓄積をも実現したのです。

KPI の導入
一方、生産ラインの状況は ASP.NET にて開発した Web アプリケーションにより社内ネットワークにリアルタイムに Web 配信しています。これにより生産ラインにおけるあらゆるデータが即座に得られるようになりました。また、それらのデータから重要な指標を見つけ出し共有化することで可視的にラインの生産性や状態を把握できるようになったのです。

そして現場で利用されるインターフェイスは、現場担当者自身が納得いくまで作り込んだため、非常に使いやすいシステムになったのも大きな成果です。プロトタイピングを重ねながらの開発により、開発効率だけでなく、ユーザー満足度も高くなったといいます。


<今後の展開>
.NET Framework に対応した開発者の育成を推進


今回の加工管理システムの導入によって、多品種、少量生産を実現するとともに、その加工時間を半分にできたという大きな成功を収めました。
今回の成功をベースにして、富士宮工場では、実績収集システムへの展開や、テーブルマナーと呼ばれる独自のコンセプトに基づいた組み立てシステムへの応用などを予定しています。また、三次元測定機など他の生産ラインのシステムとのデータ連携も XML を利用したシステム開発を進めているところです。

「今回は非常に大きな成果を得ることができましたが、全体から見れば『一製品向けの加工システムを構築した』に過ぎません。これから、レーザ製品など他の製品の生産システムにも展開していきたいと考えています」と斉藤氏は語ります。

さらに、全社への展開について上内氏は、次のように語ります。
「今回の事例で身につけた技術を社内でも広め、.NET Framework に対応した開発者の育成も進めています。今後も、日々変化する生産環境に対し柔軟に対応し、エンドユーザーのニーズに応えられるシステムを構築していきたいと考えています」。

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本ケーススタディは情報提供のみを目的としています。Microsoftは、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。
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