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Microsoft® Windows® XP Tablet PC Edition を活用したマルチメディア教育システムで、「最先端 IT ベースキャンパス」を具現化
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約 1 万名の学生が集う青山学院大学相模原キャンパス。同大学の「 E-306 教室」には、 Windows XP Tablet PC Edition がインストールされたタブレット PC (東芝 dynabook M200) を使った「マルチメディア教育システム」が導入されています。手書き入力の可能なタブレット PC を活用することにより、よりわかりやすい講義を実現。この新教室では、60 ある各席それぞれに配置されたタブレット PC を用いて、演壇の講義者から与えられたテーマに対して各人が取り組み、その成果を 4 つの壁面に設置されたプロジェクションパネルへ同時に表示できるようになっています。講義者と学生による同じ画面上の共同作業を実現したこの環境は、一方通行になりがちであったこれまでの大学の授業形態を変革するものとして、内外の注目を集めています。さらに、講義者も無線 LAN で接続されたタブレット PC を持ち歩き、真のインタラクティブな講義を実現しながら、学生の参加意識を高めます。この教室は、これまでの「教える側」と「学ぶ側」という教育形態そのものを変革する、青山学院大学の目指す先進教育の結実なのです。
<導入の背景と狙い>
学生にとって利便性の高い環境づくり
2003 年 4 月に完成した、青山学院大学の相模原キャンパス。1 〜 2 年次生の本拠となる同キャンパスは、情報とエコロジーをテーマにした文理融合型の新しいキャンパスです。学生に対する最良の教育環境を提供すべく、同大学の施設には、IT を含む最先端の技術が集約されています。この新しいキャンパスのあり方として、「高度情報」「国際交流」「地域共生」「環境共生」「人にやさしい」の 5 つのコンセプトが掲げられており、同大学がこれまで取り組んできた、学生に対する利便性の高い教育環境構築の粋が結集されています。
この「学生にとって利便性の高い環境づくり」は、「教育サービス」といった呼び方も可能な、実際的な学校運営を意味しています。たとえば同大学では、学生の視点から学生が欲しいときに欲しい情報を得られるというコンセプトのもと、12 、3 年前から講義の休講情報などをテープレコーダーでアナウンスするサービスを提供しており、キャンパスへ足を運ぶことなく、自宅から電話で休講情報を確認することが可能になっていました。
また、学内で利用される IC カードや RFID カードなども、企業と提携し積極的に運用しており、徹底して学生に最新サービスを利用できる環境を提供しています。また、現在ではキャンパス内におよそ 2,400 台〜 2,500 台の PC が用意され、屋外までも含めた構内のあらゆる場所に、無線 LAN のアクセスポイントが完備されています。
「たとえばあるひとつのテーマについて、1 時間半の講義を 1 名の教員が担当するこれまでのスタイルではなく、30 分ごとに経済学、法学、文学などを専門とする 3 名の教員が担当し、それぞれの視点から講義を実施した場合、学生は複合的な視点による学習ができるようになります。つまり、施設や講義形態の企画という側面からも、教育のあり方を変革することができるのです。この教室に見られるように、座席の配置を転換させるだけでも、講義のスタイルとそれによって得られる学習効果が変わってくると考えています」。この施設を企画した青山学院大学 大学事務局次長 相模原キャンパス担当の濱中正邦氏は、同教室がめざす方向の狙いをそう語っています。
<導入の経緯>
従来のマルチメディア教室ではなく、これからのマルチメディア教室を
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プロジェクションパネルに表示されたタブレット PC のデスクトップ
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青山学院大学が目指すものは、本当の意味での双方向な教員と学生のコミュニケーションを反映した講義の実践です。そのため、各教室では着席する全員がマイクを使わなくともお互いの声が聞こえるほどの音響環境を、建物の設計段階から考慮しており、一方通行の授業形態ではなく、学生と教員、学生と学生のコミュニケーションが多くなる、そういった授業形態への志向が随所にちりばめられています。同キャンパスでは、最大の教室でもその収容人員は 300 名程度であることも、その一例と言えるでしょう。
同校の E-306 教室は、そうした青山学院大学の求める新しいキャンパスの特徴を集約したものといえます。教育施設としては珍しい正方形の 1 室に、円形に配置された座席を60席用意。その中央に設置された演壇からは、360 度の視野が確保されています。これまでの教員と学生が対面で向かい合うスタイルとは明らかに異なり、4 ブロックに分かれた座席ごとにグループとなって、討議やディスカッションを行うことも可能です。
もちろんそうした講義のために、IT や他のデジタルメディアを十全に活用することは、当初から予定されていました。「教育に IT を用いることには、これまでもあらゆる局面で取り組んできました。ただし、『実際に手で書く』という行為によって得られる効果を、完全に捨て去ることはできません。黒板やホワイトボードを用いた授業では、講義者が板書する内容によって、何が強調されているのかが学生にとって明確になるのです。こうした観点から、ペン入力型の PC などの導入をこれまで何度も検討してきました。その結果、今回のタブレット PC の導入に至ったのです」(濱中氏)。
同教室の全席に配置されたタブレット PC の導入を担当したメディク・クエスト株式会社の鄭州容氏は、タブレット PC 導入の経緯を振り返って、次のように説明します。「 2003 年の 4 月〜 5 月頃に初めて同教室の企画プランをうかがい、タブレット PC を用いた授業形態を提案することになりました。私たちはこれまでに『 EduCanvas 』という電子黒板ソフトウェアをはじめとして、教育機関むけの e-Learning ソフトウェアを多く扱ってきましたが、こうした教室、授業形態は初めてでした。教員の方、学生の方全員が対等に共同作業を実施し、双方向なコミュニケーションを実践したいという青山学院大学の斬新な発想を最良の形で具現化すべく、これまでの技術を適用しながら、同教室専用のソフトウェア開発に着手することにしました」。
今日では、 IT を用いた e-Learning システムなどによって、遠隔授業の実施や後日の授業内容の確認などが容易になってきています。環境に依存した教育機会の格差を減らす、あるいは教育コンテンツの活用による生涯学習へ結び付けていくなど、e-Learning には多くのメリットがありますが、反面デメリットとなる部分もあります。「教員と生徒が向かい合うコミュニケーションの重要性を考慮した場合、昔ながらのやり方がいいこともあるでしょう。教育の本質を見失わないようにしながら、IT をベースとした新しい教育形態を検討していくことが大切です」(濱中氏)。
<導入したシステムと効果>
新しい教育形態にも適用できる、次世代の教育のあり方を追及する教育システム
「 E-306 教室」の中央の演壇からは、4 つの壁面に設置されたプロジェクションパネルに表示させる、DVDやビデオの操作やコントロールができます。教室の前面のみではなく、壁面すべてにパネルを設置したことにより、人に背中を向けることなく、顔を見ながらディスカッションできる環境を整備しました。
各タブレット PC には、同教室ならではのソフトウェアがインストールされています。「EduCanvas をベースとしたソフトウェアを導入して、60 台のタブレット PC それぞれの画面上で入力した内容すべてを、同時にプロジェクションパネルに表示することができます。グループ学習の成果を表示させて対比したり、参加者全員の作業内容を一望したりといったことも可能です」(鄭氏)。
複数台の PC から同時に接続するコラボレーション環境は、たとえば Windows Messenger の標準機能であるホワイトボードなど、既存のソリューションにもいくつか見られます。それらの中にあって今回のシステムにおける最大の特徴は、教育用途に特化されている点にあります。基本操作は全てタブレット PC 付属のペン入力で完了し、複雑な操作を必要としないよう、ユーザーインターフェイスも整理されています。また、画面上で線を引く場合も、高細密な表現が可能となっており、よりきめ細かな画面表示が可能です。
このソフトウェアは、画面上での作業情報を動画録画のように記録するのではなく、動作内容そのものとして記録します。これにより、作業内容のファイルサイズを大幅に圧縮した状態でデータ化できるのです。「たとえば 1 時間半の授業をそのまま動画形式で保存したとすると、500MB 〜 700MB のファイルサイズになりますが、今回の環境では、7MB 〜 10MB で済みます」(鄭氏)。メディク・クエスト株式会社のこの圧縮や同画面表示の技術は、これまで Peer to Peer な接続をベースとしていましたが、今回のような規模でもストレスのない動作が実現できるよう、ソフトウェアの改良が進められました。
このタブレット PC 用ソフトウェアの導入は、2003 年の 11 月から開始され、2004 年の 3 月に完了しました。実際の動作に問題がないかどうか直接テストを繰り返し、最終的には 100 名規模までの同時接続が可能と見込まれるまでになっているといいます。
また、教室内には無線 LAN アクセスポイントが配備されており、無線 LAN が標準搭載のタブレット PC を利用することにより、たとえば歩きながら説明をして、Microsoft Office PowerPoint® に書き込むことも可能になります。一番前で座ったまま動かずに説明するのでは実現できない、「緊張感と親近感のある講義」を実現できるのです。ディスカッションとグループ学習がより活発になり、「インタラクティブな講義」が期待されているのは言うまでもありません。
従来の黒板やホワイトボードへの書き込みは、記述するスペースの限界から何回も消すことが必要となり、また他の学生が違った視点で発表する際には、前に発表した学生の書き込みをすべて消さなければなりません。今回のシステム導入によって、たとえば PowerPoint を使った複数のプロジェクタの表示による説明では、前の学生が発表した資料を表示したまま、別の学生が提示した新たな資料を表示するといったことが可能となり、黒板やホワイトボードの限界を超えることができました。
また、 PowerPoint に直接手書きで書き込むことができる タブレット PC を使うことで、黒板やホワイトボードの書き込みの優れている「強調」という要素を損なうおそれがなくなりました。「強調するから、記憶に残るのです」と、濱中氏は力説します。まさに昔ながらのやり方のいいところを残したまま、「わかりやすい講義」を実現していると言えるでしょう。
<今後の展望>
学校は可能性を与える場所、その媒体としてのタブレット PC
この新形態の教室でどのような教育が実践されていくかは、現在、各教員、学内外のスタッフが検討と実験を繰り返しているところといいます。研究発表にも、グループ学習にも、あるいはまったく新しい教育形態にも適用できるこの教室は、青山学院大学が目指す「最先端 IT ベースキャンパス」のひとつの具現です。
「この 『 E-306 教室』 の環境で行われた講義について、各画面上のマウスの動きや手書き入力、説明時の音声をすべてサーバーへ記録するようにしていきます。欠席した学生や理解度の低かった学生は、ディスカッションまで含め、いつでも再受講することができます」と、鄭氏はシステムの今後の拡張計画を説明します。E-306 教室で実施される新たなスタイルの講義を、のちのちの研究成果報告に役立てることも可能になっていくのです。
「大学は可能性を与える場所」(濱中氏)として考えた場合、学生に徹底して世界有数の最新サービスを提供する青山学院大学の新しい教育形態と最新の設備は、教育の新たな可能性を具現化するための手段と言えるでしょう。内外から多くの見学者を集めているという同大学の取り組み、今回の新教室をはじめ、IC カード化された学生証 (キャンパスカード) でのシングルサインオンやフルデジタル教育システムなど、常に次世代の教育のあり方を追求する同大学の取り組みに、大きな注目が集まっています。Windows XP Tablet PC Edition はその一端を担っていきます。
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