青森県板柳町役場

掲載日: 2001 年 11 月 05 日
議題別の掲示板やアンケート等を駆使して町民コミュニケーションを活性化。
「ふるさと創生活動」を側面から支える Microsoft® Digital Dashboard

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ソリューション概要

プロファイル
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人口約 1 万 7,000 人、5,000 世帯を擁する津軽平野中央のまち、板柳町。主産業であるりんごをまちのシンボルとして、1988 年(昭和 63 年)にスタートさせた「板柳町ふるさとセンター」がふるさと創生事業の成功例として高く評価され、1993 年の国土庁長官賞を受賞、「津軽りんごのふるさと」として全国的に名を馳せました。今回のシステム更新は OA 化推進の第 4 フェーズとして、まちのホームページを活用した町民コミュニケーションの活性化と役場職員の業務効率化を目指したものです。

シナリオ
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グループウェアの導入
ホームページ更新業務の効率化
町民コミュニケーションの活性化

ソフトウェアとサービス
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Microsoft Digital Dashboard
Microsoft Windows 2000 Server
Microsoft Exchange 2000 Server
Microsoft SQL Server 2000
Microsoft Outlook® 2000

パートナー
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株式会社ビジネスサービス(kbs)

メリット
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Digital Dashboard と Exchange 2000 Server、SQL Server 2000 の組み合わせにより、日常的な業務メールからホームページ更新まで、また職員間の情報共有から例規等の情報公開データベースまで、Web ブラウザベースの統一されたインターフェイスで現場の職員が運用できる情報環境を整備。人事異動時などのユーザー管理の圧倒的な簡便さが選択の決め手となりました。

ユーザーコメント
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「地方自治体の業務は 7 割が事務処理、残り 3 割が『施策を考える』仕事だといわれます。IT 化とは限られた職員体制の中で、事務処理を効率的にこなし、同時に『考える』ための時間と手段を確保するためにあると思うのです。住民側からも、メディアの発達等により非常にきめの細かい情報サービスが求められており、ますます『考える』仕事が重要になってきています。Digital Dashboard の力を借りて、早期に職員のグループワークとナレッジの共有がスムーズに行えるようになればと思います」

板柳町総務課
電子計算室係長
佐藤文俊 氏談


2001 年 4 月、無線 LAN による庁内の情報環境を整備した青森県板柳町。Microsoft Exchange 2000 Server と Microsoft SQL Server(TM) 2000 を搭載した 3 台のサーバーを置き、情報発信力を高めると同時に、町民との双方向のコミュニケーションを目指して、Digital Dashboard を使いリアルタイムアンケートや公共施設予約、図書館蔵書検索などの機能を持つ充実したまちのホームページを立ち上げました。

導入の背景と課題

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青森県板柳町
総務課電子計算室
係長
青森県市町村
PC ネットワーク委員
佐藤文俊 氏
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“津軽りんごの里”青森県板柳町leave-msの新システム構想の契機は、昨年秋ごろ「まちのホームページを充実してほしい」と住民からの要望があがり議会でも取り上げられたことでした。ちょうど国の地域情報格差是正事業がアナウンスされていたこともあり、まちの IT 化推進の担当者である電子計算室係長佐藤文俊氏は、さっそく事業のための調査研究に動き出しました。

「実は 4 年近くもホームページの更新がされていなかったのです(笑)。電算室では日常的に基幹業務のプログラム修正などを行っていますが、実質 3 人しかいないため、ホームページの更新作業が私たちに集中するのは避けたかったのです。そこで、プログラミングの知識のない各課の職員でも業務のなかで日常的にホームページの更新がかけられるように、Web ベースのグループウェアを活用できないかと考えました」(板柳町佐藤氏)

それまで、板柳町は 1989 年、96 年と 2 回のシステム更新を行ってきました。96 年の更新でオフコンからパソコンへ切り替え、庁舎内 LAN を構築。97 年には県が推進するプロバイダー事業「青森基幹ネット」に参画しインターネットに接続しましたが、職員にメールアドレスを支給する段階までは至りませんでした。そこで今回は大々的に町内 LAN を拡大、思い切った地域 IT 化を進めることになりました。

マイクロソフト製品を選んだ理由

佐藤氏がイメージしていた町の IT 化の目標とは------

1.ホームページを活性化し、双方向のコミュニケーションシステムに変えていく
2.企画課や電算室に負担を集中させないよう、幅広い職員が使える Web 技術を活用する
3.ランニングコストをできるだけ安く抑えるの 3 点でした。

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株式会社ビジネスサービス
営業本部マーケティング企画 PJ
システム営業 G
官公庁自治体担当プランナー
前田宏和 氏
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株式会社ビジネスサービス
ネットワークソリューション事業部
システム開発 G
システムアドバイザー
坪田孝哉 氏
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この相談を受けたのが、青森県下で幅広く IT 関連事業を手がける株式会社ビジネスサービスleave-ms(以下 kbs)です。kbs のセッティングにより、佐藤氏は IT 化事業の予算説明会のために仙台に出張した際、マイクロソフトの営業所でDigital Dashboard のデモを視察しました。「このとき見た Digital Dashboard は、私たちのイメージにかなり近いものでした」と佐藤氏。「町でサーバーを持とうと決めた段階でメールシステムが重要になってくるとわかっていましたから、メールと完全にマッチしている Digital Dashboard はとても入門しやすいグループウェアに感じられました。また、私たちにとって直接接することになる営業サイドの方のスキルの高さとその応接ぶりに、製品導入に対する信頼と安心感を持ちました」

提案をした kbs の前田氏は「最も初期段階ではロータスノーツや iOffice、サイボウズなども内々の検討材料にあがりました。しかし、なんでも部品で操作画面を作成でき、OS と一体化した操作性を提供できるのはマイクロソフト製品ならではです。またユーザー管理面でも、職員の配置換えに伴うユーザー情報の変更がコピーやペーストで簡単にできます。ここが他メーカーより格段にすぐれていました」と述べています。

一方、同時期にまちの情報公開も自治体の大きなテーマとなっていました。「何を情報公開するかという議論になり、板柳町では例規集を公開することにしました。この例規集データベースを移行するために SQL Server 2000 の採用が確定し、それに連動した形で Exchange 2000 Server と Digital Dashboard を採用、クライアントサーバーすべてを Windows® 2000 に更新するなど最新の Windows 製品群で統一するという方針が固まりました」(佐藤氏)

板柳町のもうひとつの特徴は、11MB の高速無線LANを採用したことです。周辺の自治体ではまだあまり例のないものだったようですが、採用を決めた最大の理由はコスト面だったと佐藤氏はいいます。

「最初は自前で光ケーブルを敷くことも検討しました。小・中学校、公民館、病院、消防署など町の施設 12 か所を結ぶのに 28 km以上のケーブルが必要で、試算の結果それだけで 3000 万円以上かかることがわかり断念しました。対し、無線 LAN の初期費用を調べてみると必要なコストはその約 3 分の 1。ISDN 回線で毎月支払っていた通信費と比較しても、無線 LAN ならわずか 2 年で元がとれるという試算になり『これは無線しかない』と。このアイデアには非常に満足しています」。

中継用アンテナを1台置けば町内全域をカバーできるという、平坦な町土であったことも幸いしました。ただ一点、冬の積雪に堪えられるかという点に不安があり、昨年度はひとまず町内 3 か所に設置してひと冬越してみるという検証を行いました。その結果問題なしと判断されたため、今年春 12 か所に一挙に拡大しました。

ソリューション

画面 * 画面
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公開されている業務分掌 [拡大図]
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公共施設予約(現在不使用) [拡大図]
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【Web に非公開/職員の情報共有】
●全職員の在籍状況- ●個人スケジュール表
【Web に公開/地域コミュニケーション促進】
●まちの掲示板(介護・農業・税務などカテゴリーごとの掲示板を作成、町民共通の話題で自由な発言を促進)●電子会議室(町から提示した議題について意見を交換)●業務分掌-各課(係の業務内容を表示し、住民の問い合わせ先を明確化)●施設予約(公共施設の予約状況を表示) ●図書情報(図書館の図書検索が可能)●郷土資料館(収蔵品を Web 上で公開)●ライブカメラ(ふるさとセンター周辺の風景を、Web カメラを操作してリアルタイムに閲覧)●アンケート(町民の意見をリアルタイムに得る)●行事カレンダー(町内のイベントを表示)●ギャラリー(写真などの町民の作品を募集しWeb上で展示)●みんなのチャット(チャットでまちの課題等を話し合う場)

担当者は各課の端末の Digital Dashboard から情報を入力し「開示する(ホームページで公開)/開示しない(庁内 LAN のみで公開)」を選ぶだけで、グループウエア/ホームページをあまり意識することなく更新することができます。「特に、情報ごとの公開/非公開の切り分けは微妙で、すったもんだの討議をしながら実装した機能です」と kbs のシステム開発グループ坪田孝哉氏は、開発時の苦労を振り返ります。

導入の結果と今後の課題

この板柳町住民コミュニケーションネットワークシステムが Web 公開されたのは 2001 年 9 月。町民の声とともに理事者や議員の評価も高く、佐藤氏は今後の運用を次のように語ります。「行政の IT 化のポイントは町が発信する情報を一方通行にしない、ということが重要だと思います。そのために掲示板やアンケート機能を盛り込みましたが、有効な使い方をこれからも工夫していきたいです」(佐藤氏)

佐藤氏が自治体のホームページのあり方で今一番懸念しているのは、ポリシーの問題です。板柳町では現在無制限の書き込みを許可していますが、企画の段階でさまざまな市町村の掲示板を調べたところ、青森県下でも書き込み内容が問題になり、閉鎖に追い込まれた掲示板も多いといいます。またオンライン予約のシステムも完成しているものの、現時点では予約状況を見るだけの機能にしています。

「『とりあえずおさえてしまえ』という登録を許すと、本当に使いたい人が使えないという問題が起こります。かといって町民に認証を要求するというのも抵抗がありますし……利用の制御と解放は相反する難題です。そんなわけで最初はどんどんオンライン化してしまおうと考えていたんですが、じっくり運用面の弊害を考え出すと、町民に対し公平に責任のある立場としては、だんだん機能制限をせざるを得なかった面があります」(佐藤氏)

システム構成図
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システム構成図 [拡大図]

* また、慣れない職員の応対でこんなエピソードもありました。「最初、町民のなにげない書き込みを神妙に受け取って役所言葉で返答したり、『無記名とは失礼だ』と怒りだしたりする人もいました。Web の書き込みを『町民の陳情』や『目安箱』のように捉える必要はない、電話や fax と同じですよと説明するのにここ数か月を費やしました。Web 独特の“世界”や雰囲気に、ようやく職員が慣れてきたというところだと思います」(佐藤氏)

今後の展開

町は、早くも来年度の改善に向けて動き出しています。12 月に補正予算を通過させ、トータル約 100 人分のライセンス獲得を提案。PC を事務系職員 1 人 1 台体制に近づける策をとることで、スキルの底上げを図る考えです。また無線 LAN に比べて見劣りしてきた青森基幹ネットへのゲートウェイ部分を回線強化する計画も控えています。Digital Dashboard の拡張では、電子広報紙ともいうべき「お知らせコーナー」を Web 公開するための最後の詰めに追われています。

「高速 LAN と Digital Dashboard での、新たな使い方のプランがいろいろと浮かんでいます。例えば国際交流と社会教育の一環として小学生を役場へ招き、国際姉妹都市の北京市昌平区へ電子メールを送るという試みを行いました。Web カメラを議会中継やまつりの生放送、あるいは河川氾濫の監視などの行政防災システムとしても使いたい。また、今回町民が無償利用できる『公開用 PC ルーム』を町内 2 か所に設置しましたが、これが地域内における情報格差の是正に役立てばと思っています。町が情報インフラ整備を果たした今、次に行政としてやるべきことは、そのような『情報共有の便利さを、町民全員に対して啓発していくこと』だと思っています」(佐藤氏)

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