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お客様自身が Web で発注、配送および在庫確認が可能。
サービス レベルを飛躍的に向上させた
物流、倉庫管理システム。
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旭器機サービス株式会社は、物流倉庫業社の業務を飛躍的に向上可能なパッケージとして、社内におけるデータベースや Office ツール、携帯電話を活用した情報管理と共有により事務効率を向上させ、顧客には Web 経由で受注処理や配送、在庫情報提供などのリアル タイム サービスを提供するシステムの構築に成功しました。
<導入の背景と狙い>
専門性の高いサービスを他業者に負けないスピードで提供
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旭器機サービス株式会社
取締役業務統括本部長
三村 一郎 氏
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旭器機サービスは、東京都世田谷区の本社に加え、都内と近郊、および大阪に 3 箇所の事業所、そして全国 12 箇所に営業所を展開している物流倉庫業者です。昭和 44 (1969) 年創業の同社では、現在 3 事業所に 4 万 3,000 平方メートルの倉庫を持ち、トータルの在庫管理数は 100 万点を超えています。低公害車両で揃えたトラックをはじめ、クレーンなどの特殊な車両や運搬機器を備えてさまざまな搬入/搬出形態に対応し、月間の入出庫数は 60 万アイテムにのぼります。従業員数は約 180 名。中堅クラスの規模でありながら、業界で独自の地位を築いています。
専門性の高い事業を大手に負けないスピードで提供
同社の特徴は、宅配などが中心の大手業者とは違い、IT 関連機器の物流と保管をメインにし、専門性の高いニーズに応える設備や業務形態をとっているところです。ときにはサーバーをラックに積んだままの状態で移動したり、クレーンによる搬入や搬入先で梱包を開封して搬入したりと、顧客の製品や搬入先の事業に応じた多様な搬送形態に対応できるところが強みです。大手 IT 企業中心の顧客が同社に信頼を寄せるのは、そうした専門性の高い業務を大手の一般物流サービスに負けないほどのスピードで実現しているからなのです。
「何か特徴づけていかないと、生き残れません」と語るのは、同社の取締役業務統括本部長の三村一郎氏。物流倉庫業界も企業間競争が激化しています。業界の大手企業は潤沢な資金を背景に IT 化に取り組み、より迅速なサービスの実現に邁進していますが、同社では顧客のニーズをきめ細かく汲み取り、単なる運搬や保管ではなく顧客のビジネスを支えるアウトソーシング サービスとして事業展開を図り、明確な差別化を図っています。その鍵となるのはやはり IT です。
「一番はスピードです。リアル タイムにお客様に情報が発信できるというところ。それが我々の最大の使命だと思っています」(三村氏)。大手とは違った業務形態であっても大手と同じスピードでサービスを提供していくために、IT の活用は不可欠でした。
顧客個別の業務と情報の一元管理および共有化を両立しなければ
同社では従来から、Windows® 2000 Server と Access を利用した管理を行っていました。しかし、もともと品物の搬送方法は顧客により大きく違い、また近年は各顧客において商品の多品種化が進むとともに、ロット管理が複雑になってきています。
伝票などで管理する手法も顧客ごとに対応していかなければならず、顧客別に多くの管理システムが並立する状態が続いていました。
「一番の弱点は情報の共有化ができなかったというところです。ある部署でわかっていることが他部署でわからない。変更があっても全関連部署に伝わらない」(三村氏)。情報が一元管理されておらず、また共有化が行われていない状況は、受注漏れや配送ミスにつながりかねず、また業務のスピードにブレーキをかけていました。しかも顧客からの配送確認や在庫確認などの問合せに対して迅速に答えることができず、その対応のために専門スタッフを配置するなどコスト上昇につながるようになってきたことも大きな問題でした。
周囲の環境が変わる中、サービス レベルを維持、向上していくためには、ばらばらの管理システムでは行き詰ることが目に見えていました。
<システム導入の経緯>
導入〜運用コストを抑えながら自社構築をめざす


旭器機サービス株式会社
第一業務部長
鎮目 幸一 氏
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そこで同社では、情報を各部署間、各担当者間で共有化し、業務効率をあげて受注漏れなどのミスを極力排し、さらに顧客からの問合せに迅速に対応するための仕組みづくりを検討することになりました。それは従来からの IT 利用法を見直し、IT 基盤のあり方そのものから考え直すことにつながりました。
現場の業務フローを洗い直した結果をもとに新システム構築へ
同社がまず取り組んだのは、顧客ニーズとそれに対応する現場の現在の業務フローやニーズを洗い出すことでした。「現場、現業から一から洗い直したんです。お客様がどういうタイミングで発注されるか、それがどういう形で倉庫に入ってくるのか、そしてどういうタイミングで出荷指示がかかるのか、などをすべて洗ってきました」(三村氏)。
もちろん、従来から使っていた Access による管理システムとも連携ができなければなりません。さまざまなニーズへの対応と既存の管理手法とをうまく合体させ、さらなるパフォーマンスが導き出せる、新しいシステム開発が必要だったのです。
この検討作業から導入までの実務をリードしてきた同社第一業務部長、鎮目幸一氏はこう振り返ります。「出荷件数が多くなると Access ではどうしても重い。しかし管理を単純に SQL サーバー (データベース サーバー) に移すだけではユーザーごとに違う管理業務に対応できない。お客様はそれぞれ品物も違えば管理の仕方も違うんですね。そのお客様に合わせた加工がどうしても必要です」。
パッケージ ソフトでは、こうした特殊な要件には対応できないこともわかりました。そこで、新システムは自社開発すべきと結論づけられました。とはいえ、潤沢な予算があったわけではありません。「コストがかからず、自社内でお客様に合った帳票だとかオペレーションが可能となること」(鎮目氏) を目標に、システム インフラを含めた要件がまとめられました。
業界標準で誰にでも使え、Access との連携が可能なシステムが必要
インフラの面で重視されたのは次の点です。
| (1) | すでに検証が終わっている (実績がある) こと |
| (2) | 業界標準であること |
| (3) | すでに慣れている Windows ベースで、誰でも取り扱いできること |
これらの要件に合致する OS は、Windows サーバーだけでした。従来利用していた Windows 2000 Server の延長上で考えることができる Windows Server™ 2003 が最適と考えられました。当時はリリース前でしたが、そのリリース直後から同社の新システムの開発がスタートすることになりました。
また、アプリケーション面で重視されたのは次の点です。
| (1) | Web による顧客との情報交換、情報提供がリアル タイムに可能なこと。 |
| (2) | Access と連携して顧客ごとの業務に合わせたシステム化が可能なこと。 |
| (3) | 情報は一元管理し、各部署や担当者が情報共有できること。 |
特に、Web による顧客との情報交換、情報提供は、問合せへの対応を迅速化する目的に応えるために最も重要なものでした。
Web での情報提供のためにはサーバー管理のアウトソーシングが最適
「新システム構築に当たってどうしても Web システムを持たなければならない。その部分は今まで行っていた作業と違う。専門の担当者がつけられない現状で、負担が増えないように構築したい」(鎮目氏) という要望から、SI のパートナーとして選ばれたのは、東京の株式会社ウィザードでした。同社は Windows サーバーによるシステム構築に多くの実績があり、インフラ構築に手馴れていることに加え、サーバーの運用管理をアウトソーシングできる SI 事業者であることが大きな理由になりました。
ウィザード社のシステム開発グループに所属し、このプロジェクトの開発に携わった白井光浩氏は、旭器機サービスの業務の把握とシステム化に向けての業務改善作業のサポートにまで注力することになりました。「例えば配送業務では 5 つの伝票を 1 つにまとめる作業がありました。そのためには各伝票のどの項目が同じなのか、不要な項目がないか、などを (旭器機サービスと一緒に) 整理していきました。その辺が一番の苦労でした」と白井氏は振り返ります。
いったん、詳細な要件が決まると、あとは大きなトラブルもなく開発作業が進展していきました。とはいえ、最初から現在のシステムが持つ機能や操作性すべてが予定されていたわけではありません。開発段階でさまざまな要望が出され、調整を重ねながら完成に近づいていったのです。「プロトタイプが作りやすいので、こんな形になりますと形を見せながら、途中で出てくる要望を盛り込みながらつくり上げていきました」(白井氏)。
<導入システムの特徴>
顧客が Web で発注、配送状況や在庫の確認まで可能に
2004 年、新システムが稼働を始めました。新システムは「アクセル (AKSEL)」と名づけられ、「入荷通知、引取依頼」、「入庫、在庫管理」、 「出庫、配送計画」、「配送、完了報告」、「配送確認」の各サブシステムから成り立っています。Windows Server 2003 を基盤として、データは SQL サーバーにより一元管理しながら、各担当者は自分のクライアント システム上で Access により、顧客個別のニーズに合わせた形態での伝票処理などの業務が行えます。社内は遠隔地の拠点を含めて VPN で結ばれ、Active Directory® で管理されています。各事業所からはもちろん、社外での活動中であっても Windows 標準の VPN により社内の情報にリモート アクセスが可能になりました。
Web 化により顧客へのサービスが格段に向上
アクセルの最大の特徴は、顧客が発注を Web 経由でできるようにしたところです。顧客 (荷主) にはパスワードが発行され、それを利用して旭器機サービスの Web ページにログインすると、いつでも配送依頼などの発注を行うことができます。依頼内容は Exchange Server 2003 から確認情報として登録メール アドレスに送られます。旭器機サービスでは顧客が入力した情報の内容に従って、倉庫への入庫、配置、ロケーション管理を参照しながら SQL Server 2000 に蓄積されたデータを元に貨物の種類や配送先により配送計画を立て、納品伝票を発行します。そして配送計画に従って配送先に納品します。トラックでの納品が終わったら、配送担当者は携帯電話による簡単な番号入力での完了報告をリアル タイムで行います。
この一連の流れは、どの時点でも旭器機サービスと顧客の双方が確認できます。このような流れの中で生成されたデータは即時にシステムに反映され、データベースが更新されるため、情報の行き違いや確認ミスが起こりません。
さらに、顧客からの問合せへの対応は Web での配送状況、在庫状況の確認を可能にしたことで、まさにリアル タイム化が実現しました。顧客は自社の品物についての配送状況確認はもちろんのこと、在庫の引き当てまで、自社のパソコンあるいは携帯電話からでも可能になったのです。
もちろん社内でも一元管理された情報を、遠隔拠点であれ、外回り中の営業マンであれ、倉庫内でのフォークリフト運転者であれ、各部署の業務に合わせた形で利用できます。その利用の方法も、個々の顧客に対応した Access 上の管理手法によって個別に最適なやり方で行われます。基本的な情報は SQL サーバーによって一元管理して共有し、個別業務ではそれぞれに必要な項目を選んで活用するという仕組みが実現したのです。
<システム導入の効果と今後>
事務処理コスト低減とサービス レベル向上の双方を実現
SQL サーバーをウィザード社が管理する体制を取ったこともあり、システムの導入や運用開始はスムーズに行われました。カット オーバーからこれまで、アクセルは多くの顧客に愛用されるサービスとして定着してきました。
「ファックスでの出荷依頼をシステムに反映する手間が省けました」と鎮目氏が語ります。それは単に入力業務の削減を果たしただけではありません。顧客が直接品物を指示して発注するシステムですから転記をするプロセスが存在しせず、顧客の入力ミスがない限り、受注漏れは起こらない仕組みが実現したのです。また、問合せの大半は Web 上での顧客による直接確認によって解決され、それでも起こる問合せに対しても、迅速で正確な対応が可能になりました。「出荷データにしても配送データにしても、入庫データにしてもすべて履歴が残ります。で、後から問い合わせがあったときにすべて追える。なおかつ、バックアップで、そのデータが壊れても補償ができます」(鎮目氏)。
当然ながら同社内での業務も効率化しています。「事務系のスタッフでは 4 名くらい配転しましたが逆にパフォーマンスは上がっています」(三村氏)。しかしそれ以上に大きな効果は、やはり顧客の支持を得ることができたことだといいます。「アクセルを紹介した新しいお客様は、ほとんど例外なくアクセルのサービスを選ばれます。また従来からの電話やファックスをご利用のお客様も、だんだんアクセルの便利さを理解されて、採用してくださいます」(三村氏)。
従来は営業担当者や事務担当者が行ってきた仕事の多くが自動化することになったわけですが、顧客とのコミュニケーションが少なくなったわけではありません。現場業務の手間が削減された分、むしろ顧客とのコミュニケーションは深みを増しているといいます。「システムを活用することによって、お客様との会話はゆっくりで、なおかつ、じっくり考えてご提案できるようになりました。お客様の要望に近い部分でのアピールができるところが一番大きいんじゃないですかね」(鎮目氏)。
情報の一元管理、共有による社内業務の合理化を実現したアクセルは、同時に顧客へのサービスレベルを飛躍的に向上させました。また、さらに顧客に即した提案が可能になる下地もできました。三村氏は、成功の要因をこう振り返ります。「うまくいった最大の理由は、うちのスタッフがなんとかこれを稼動させてお客さまに喜んでもらおうと頑張ったことだと思います」(三村氏)。その熱意は、今後の事業展開に向けてのシステム拡張にも向かっています。「当たり前のものを持って当たり前に運用していると魅力がなくなってしまうので、現場の声、お客様の声も聞いて、どんどん新しいものにしていきたいと思っています」(鎮目氏)。
同社では現在、IT 系の専門性の高いテクニカル サービスを提供するグループを組織し、搬入などに合わせた設置作業はもちろん、移動時のデータのバックアップなどの業務までのサービスを提供しています。今後は故障対応などにまで領域を広げ、広く顧客のビジネスをサポートしようとしています。EDI 化も視野に入れ、同社の事業とシステムは、今後も進化を続けそうです。
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