札幌市企画調整局情報化推進部

掲載日: 2003 年 5 月 15 日
暮らしの疑問を解決する市民コールセンター
Microsoft® SQL Server™ 2000 で
市民と行政のパートナーシップを強化する CRM システムを構築

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ソリューション概要

プロファイル
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北海道、石狩平野の南西部に位置する札幌市は、 1922 年 (大正 11 年) 8 月 1 日の市制施行以来、近隣町村との合併や編入によって、市域を拡大してきました。推定人口が 180 万人を超え、 10 の行政区に 80 万を超える世帯が生活する同市は、北海道の中心都市であるだけでなく、全国でも有数の規模を誇っています (人口数値はいずれも 2003 年 4 月の推定)。

シナリオ
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市民を対象とするコールセンターの設置による、 CRM フローの確立と行政サービスのサービスレベル向上
SQL Server 2000 と Excel 2002 によるナレッジ マネジメント
札幌市全庁のイントラネット基盤である Exchange 2000 Server との将来的な融合

ソフトウェアとサービス
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Microsoft SQL Server 2000
Microsoft Windows® 2000 Server
Microsoft Excel 2002
Onyx Enterprise CRM

パートナー
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株式会社プライムシステム leave-ms
オニックス・ソフトウェア株式会社 leave-ms

メリット

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市役所に寄せられる問い合わせをコールセンターに集中させることで、行政サービスのサービス レベル向上が図られます。また、寄せられた問い合わせを SQL Server 2000 に情報として蓄積し、 Excel 2002 と連携することによって、効率よいナレッジ マネジメントが実践できます。

ユーザーコメント
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市民の満足度を調査した結果、 10 点満点での平均点が 9.4 点という評価をいただいています。複雑になりがちな行政サービスのプロセスが改善されたこと、受付時間の延長で利便性を高めたことなどが、こうした評価に結びついているようです」

札幌市企画調整局
情報化推進部 IT 推進課
CRM 担当係長
北川 憲司 氏

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札幌市役所庁舎
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札幌市は平成 13 年 3 月、都市経営における情報通信技術 (IT) の活用指針となる「札幌市 IT 経営戦略」を策定しました。この指針に基づき、市民サービスの向上を目的として、「札幌市コールセンターleave-ms」を開設しています。このコールセンター システムは、フロントに Onyx Enterprise CRMleave-ms 、データベースに SQL Server 2000 を導入し、電話、電子メールや Fax を通じて、一般住民からの問い合わせ全般に対応します。モニター地区を対象とした試験運用を経て、サービスエリアを市内全域に拡大し、 2003 年 4 月 1 日に正式オープンしました。全国の自治体でも初となるこの試みは、行政機関への問い合わせの対応における煩雑さを解消、行政サービスの利便性を向上させるものとして期待されています。また、寄せられた問い合わせ内容や対応の履歴は、全てデータベースに保管され、将来的に行政のナレッジ マネジメント システムとして展開、活用していく計画です。


<導入の背景>
IT 活用により行政サービスの向上を図る


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札幌市企画調整局
情報化推進部 IT 推進課
(プロジェクト推進担当)
課長
安部 雅明 氏
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北海道の中心都市である札幌市は、「市民との協働」を旗印に、自治体経営の改革に積極的に取り組んでいます。北海道大学工学部部長の福迫尚一郎教授を、助役兼 CIO (最高情報責任者) として招くとともに、業務の運営に IT の活用を図るため、札幌市企画調整局情報化推進部 IT 推進課 (以下、 IT 推進課)の職員を、庁内から内部公募しました。「顧客第一主義」を基本理念に掲げ、部局を横断して行政サービスの向上を図る「札幌市 IT 経営戦略 move !」というプログラムを推進しています。

その第一歩として、市民へのサービス提供を開始したのが、「札幌市コールセンター」です。このシステムの狙いについて、 IT 推進課 CRM 担当係長の北川憲司氏は、次のように語ります。

「これまでの行政サービスでは、なかなか求めている情報にたどりつけない、複数の部局に関わる場合には対応に時間がかかる、といった問題を指摘されることがありました。このような対応を続けていたのでは、市民と行政が良いパートナーシップを結べるはずがありません。まずは信頼関係の再構築が必須であり、そのために一番大切なのは情報提供です。あらゆる市民に対して明快で一元的な問い合わせ窓口を設け、そこでどのような問い合わせにも対応できるようにするとともに、受けた要望などを自治体経営に生かしていくサイクルを築いていきたいと考えました」

札幌市のコールセンターはそのための第一歩であり、ここで市が適切な対応を積み重ねていくことで、市民は「困ったときはコールセンターに電話をかければ、解決策を得られる」と信頼感を持つことができます。同時に、寄せられた問題を解決しながら、問題と解決策をデータ化し、分析していくことによって、市は行政サービスのレベル向上を図ることができるのです。


<導入の経緯とシステムの流れ>
SQL Server と Excel の連携で情報を蓄積し、オペレータが直接回答


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札幌市企画調整局
情報化推進部 IT 推進課
CRM 担当係長
北川 憲司 氏
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コールセンターに寄せられる問い合わせ内容は、市が扱う業務の全般にわたるため、市役所内のあらゆる部局との緊密な連携がなくては、有益なシステムにはなりえません。そこで札幌市は、コールセンターの開設をきっかけとして、市の業務における問題と解決策の共有、すなわちナレッジの共有を進めていく方針です。その基本姿勢について、 IT 推進課課長の安部雅明氏は、次のように語ります。

「従来、市民からの問い合わせには各部局の担当職員が対応していたのですが、不在などの理由により、迅速に回答できないケースがありました。また、人事異動があるたびに、回答のノウハウを再びゼロから積み上げていかなければなりませんでした。そこで、コールセンターを基盤に FAQ (よくある質問) という形でナレッジの蓄積と共有を進め、市役所内のイントラネットを通じて、職員だれもがすぐに参照できるようにしました」

それでは、具体的にどのような仕組みによって、これを実現したのでしょうか。 IT 推進課プロジェクト担当の橋本直実輝氏は、次のように説明します。

「問い合わせに対する回答の入力や編集、レポート出力、対応履歴の分析といった基本的な操作は、職員が使い慣れた Microsoft Excel 2002 上で行っています。引用元となるデータは、独自開発のアプリケーションを介して、 FAQ や対応履歴のデータベースと同期しています。なお、 FAQ のデータベースについては、最終的に Web を通じて広く公開していく計画です。コールセンター、市役所の窓口、あるいはホームページといったどの経路からでも、同じ情報を、同じレベルで、かつ素早く得られるようになります」

なお、コールセンターそのものは、民間の専門業者によって運用されており、電話や電子メール、 Fax などによって寄せられた問い合わせに対して、週 7 日、午前 8 時から午後 9 時の受付体制で対応しています。現在、常時 5 名のオペレータ、ならびにスーパーバイザが待機しており、 FAQ データベースを参照して問い合わせへ回答するとともに、その履歴を対応履歴データベースに記録しています。

また、 FAQ データベースの情報だけでは回答できないような問い合わせに関しては、オペレータが該当部局へ対応を依頼し、回答や対応結果がオペレータへ返信されるようになっています。それぞれの問い合わせに対して、必ず対応したオペレータが回答し、部局間でのたらいまわしを行わないというポリシーが明確にされており、回答までの時間を短縮、市民の利便性向上と信頼性の確保につなげています。

図
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札幌市コールセンターでのナレッジ マネジメントの流れ [拡大図]



<システムの概要>
製品導入の決定からおよそ 2 か月でシステムを構築


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札幌市企画調整局
情報化推進部 IT 推進課
プロジェクト担当
橋本 直実輝 氏
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国内の自治体におけるコールセンターの開設は、今回が初めての試みであったため、システム構築にあたっては「海外の自治体における実績」を条件に、入札が実施されました。そして、最良のコストパフォーマンスを提示した株式会社プライムシステムの提案したシステムが落札、 2002 年 9 月に導入が決定されました。コールセンターのシステムを構成しているのは、オニックスソフトウェアleave-msの CRM ソリューションである Onyx Enterprise CRM 、ならびにそれを支える SQL Server 2000 と Microsoft Windows 2000 Server です。

しかしここで問題になったのが、タイトな構築スケジュールです。コールセンターの正式なオープンは 2003 年 4 月の予定でしたが、負荷測定や作業フロー確立のために、 2002 年 12 月から 100 名程度のモニターを募った実験を開始する計画となっていました。つまり、 2002 年 9 月の導入決定からカットオーバーまでの期間は、わずか 2 か月程度だったのです。

IT 推進課プロジェクト担当の佐藤卓史氏は、次のように当時を振り返ります。「各パッケージが基本として持っている機能を取捨選択し、カスタマイズするだけで業務に適用できたことが、短期間での構築につながりました。 SQL Server 2000 を導入して非常に効果があったのは、 Excel とのスムーズな連携です。データ分析 (OLAP) の機能も活用しており、対応履歴に蓄積された日付、利用者の性別や年齢層、居住区、回答者、満足度といった属性を、 Excel のピボットテーブル上で多次元的に分析することができます。こうした機能を独自に開発していたら、とてもスケジュールには間に合わなかったでしょうね」

図
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データ分析画面 (1) [拡大図]
* 図
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データ分析画面 (2) [拡大図]


<今後の展望>
満足度アンケートでも高評価、行政サービスの新しい形態として定着の兆し


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札幌市企画調整局
情報化推進部 IT 推進課
プロジェクト担当
佐藤 卓史 氏
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札幌市コールセンターは、 2003 年 1 月 14 日からサービスエリアを 3 区に拡大して試行を重ねた後、予定どおり同年 4 月 1 日に、市内全域を対象とした正式オープンを迎えました。

「総合的な行政案内から、道路、福祉、就労対策などの専門業務まで、様々な問い合わせが寄せられています。現在のところ、その約 95 %をコールセンター内で完結して対応できています。また、問い合わせを行った方の満足度を調査した結果、 10 点満点での平均点が 9.4 点、 68 %の方から 10 点の評価をいただいています。これは予想以上の成果です。複雑になりがちな行政サービスのプロセスが改善されたこと、土日を含めて午前 8 時から午後9時までコールセンターを運営して、利便性を高めたことなどが、こうした評価に結びついているようですね」 (北川氏) と、滑り出しは上々のようです。

そして札幌市は、将来的にこのコールセンターのシステムを、負担金を受ける形で近隣の自治体にも提供していく検討をしています。

「札幌市を中心に、通勤圏となっている周辺の自治体にもシステムを広げていくことで、施設の利用やイベント案内など、相互補完による情報提供やサービスが可能になります。さらに、共同でデータセンターを設けるなど、業務を集約することができれば、近隣自治体間での協業レベルがさらに向上し、たとえば市町村合併が検討される場合などにも対応しやすくなるはずです。自治体経営の効率化や、ナレッジ マネジメントによる業務プロセスの標準化といった効果も期待できますね」と、安部氏はその展望を語ります。

この札幌市の取り組みには、全国の都市が強く注目しています。市民コールセンターの設置によるナレッジ マネジメントは、行政サービス改善の先駆モデルとして、全国的なムーブメントを巻き起こしつつあります。

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