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Microsoft® Office System と Microsoft Exchange Server 2003 への アップグレードにより、営業活動の生産性向上を期待
〜ガートナー TVO による ROI 値は 257%、実質利益 5.41 億円に到達〜
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熾烈な競争が続く医療用医薬品市場を勝ち抜くためには、スピーディな研究開発と営業部門の生産性向上が何よりも重要とされています。第一製薬株式会社は従来から、「経営全体のスピード化」を実現するための手段として、IT には大きな期待を寄せていました。昨今では、IT コストが年々増加していく中で、IT が実現する業務改善やその投資効果を客観的な指標によって検証することが重要な課題となっています。そこで第一製薬は、ガートナージャパン株式会社が提供する IT 投資効果測定サービス「Total Value of Opportunity」を活用し Office System と Exchange Server 2003 へのアップグレードに対する ROI (Return On Investment:費用対効果) の測定を行いました。その結果、この投資に対する回収期間は 13 か月、評価期間 3 年で ROI 値 257%、5.41 億円もの実質的な利益 (正味現在価値) が評価試算されました。
<事業戦略と導入の背景>
競争優位な「スピード化」と最適な「情報管理」による企業価値の最大化
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第一製薬株式会社
システム推進部
部長
梅澤 仁 氏
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第一製薬株式会社 (以下、第一製薬) は、1997 年に「真の研究開発型国際製薬企業への成長」を目標に掲げ、グローバルスタンダードへの適合という基軸に則り、経営システムや業務システムを再構築して企業価値の最大化を目指しました。国際規模での企業買収や業務提携などによって競争が激化する製薬業界において、海外売上高比率が 20% 以上を占めるなど、着実にその目標を実現しています。その背景には、約 1,100 名の MR (医薬情報担当者) 全員にその背景には、約 1,100 名の MR (医薬情報担当者) 全員にノート PC を配布した IT 環境の整備や、ERP 導入を伴うビジネス プロセス リエンジニアリング(BPR)、約 5,000 台にのぼるクライアント環境のハードウェア、ソフトウェアの統一などといった、先進的な IT 戦略がありました。
「 IT は、企業そのもののインフラストラクチャだと考えています。業務効率を向上させるためにこうした基盤を整備していくことも、システム担当者の役割といえるでしょう。継続的に最新の IT テクノロジをキャッチアップすると同時に、信頼性向上やコスト削減を常に意識しています」と、第一製薬株式会社 システム推進部 部長 梅澤仁氏は説明します。
第一製薬は 1996 年に Microsoft Windows® 95 ベースのクライアントサーバーシステムを構築し、その後 Enterprise Agreement の契約を結んで、2001 年には Microsoft Windows 2000 および Microsoft Office 2000 へのバージョンアップを行っています。その時々の状況に応じて新しいテクノロジをタイムリーに投入して利用部門の生産性の向上に寄与してきました。


第一製薬株式会社
システム推進部
システム開発グループ
課長
平田 武司 氏
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しかし IT システムの導入にかかるコスト、いわゆる TCO (Total Cost of Ownership) については毎年調査を行ってきましたが、ビジネス面での効果を含めた IT 投資全体に対する費用対効果を測定したことはありませんでした。そこで今回 Office System と Exchange Server 2003 へのアップグレードを検討するにあたり、ガートナー ジャパン株式会社が提供する ROI 評価サービス「Total Value of Opportunity (TVO)」を活用することにしました。「 ROI を把握するためには、経営目標や事業における個々の課題を洗い出すことが必須かつ大前提となります。特に医薬品業界では、創薬研究開発での中長期的な投資判断が問われることが多くなっています。それと同様に IT 投資においても、中長期的かつ客観的な判断が問われる事が多くなっているのです。そこで、改めてそのような課題の整理と客観的な数値的効果の測定を TVO によって実施することにしました。IT 投資コストとともに、ビジネス効果も事前に検証できることに、大きな期待をしています」(第一製薬株式会社 システム推進部 システム開発グループ 課長 平田武司氏)。


本プロジェクトの評価スコープと需要 [拡大図]
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(注) TVO とは、エンドユーザー企業が抱える IT ソリューションの導入案件を、ガートナー ジャパン株式会社が独自に開発した事業価値評価モデル「ビジネス・パフォーマンス・フレームワーク」を使用して、IT 投資の面から効果測定するサービスです。TVO の特徴は、製造業、金融サービスを含む数十社の企業が参画するマルチクライアントスタディから得られた豊富な事例分析を基に、業務プロセスと財務効果の関連性をモデル化していることにあります。このモデル化された評価指標は「プライム」と呼ばれる事業価値を測る指標にまとめられており、エンドユーザー企業は、このプライムに情報をマッピングすることで、迅速にROIや業務改善効果などの数値を算出できます。
<ビジネスアセスメントによって導き出された 8 つの事業評価指標 ( TVO プライム)>


表 1 :営業部門における目標とその成功要因 (評価指標) [拡大図]
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TVO の適用が決定された後には、業務とその課題を把握するために、ガートナー ジャパン株式会社 (以下、ガートナー) のコンサルタントとマイクロソフトのエグゼクティブ アドバイザーが、共同でインタビューを実施します。このインタビューを元に評価スコープに対する現状課題や解決策を整理し、ビジネス効果に寄与する TVO プライム (評価指標) の選定を行います。今回は医薬業務部で営業活動の統括を行う担当課長と、IT 部門 (システム推進部) 担当の平田氏に業務の実態をインタビューし、現状の分析と改善目標を明示化しました (表 1 ) 。
その結果、営業部門の目標とその達成にいたる要因として、「社員研修の実施、参加回数の増加」の底上げを基盤とするマトリクスがチャート化されました。社員の IT スキルやそのリテラシー レベル向上は、すべての活動において極めて重要なことが再認識されました。それらを改善することにより「事務処理能力の向上」や「目標、進捗管理の効率化」に直結します。結果として、「顧客満足度の向上」、「商談サイクルの短縮」や「販売機会の増加」等の営業活動に繋がり、効果的なビジネスサイクルを創出できることが示されました。


表 2 :情報システム部門における目標とその成功要因 (評価指標) [拡大図]
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また、情報システム部門においても同様の図式化が行われています。営業部門と同様、成功のための根底には研修の実施やその参加回数増によるリテラシーの向上が挙げられ、結果として「既存システムの安定稼動と運用保守費用の抑制」、「新規案件への投資拡大」、「従業員満足度、利用度の高いシステムサービスの提供」といった効果が得られるフローになっています (表 2 ) 。
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表 3 : IT ケーパビリティ マッピング [拡大図]

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インタビューの実施と、それによって精緻に浮き彫りになった業務プロセスにそって、ビジネスチャンスの頻度を測定する「販売機会 (Sales Opportunity Index)」、案件の処理にかかる時間を測定する「販売サイクル(Sales Cycle Index)」、ほか「チャネル収益 (Channel Profitability Index)」、「営業コスト (Cost of Sales Index)」、「サービスレベル満足度 (Agreement Effectiveness)」、「研修 (Employee Training Index)」、「IT サービスレベル満足度 (Service Level Effectiveness)」、および「IT コスト (IT Total Cost Index)」の、ビジネスに最も影響を与える TVO プライム計 8 項目が選択されました。
<マイクロソフトソリューションがもたらす効果>
医薬品の MR 業務に必要とされるソリューション
ビジネス アセスメントを基に、Microsoft 製品によるどのようなソリューションが必要なのかが検討されました。第一製薬ではこれまでもマイクロソフトの製品やソリューションを採用していますが、「最近では、企業の業務そのものを効率化する機能改善が多くなってきたと感じています。以前よりイメージが掴み易く、企業の IT 部門にとっては導入を検討しやすくなっていますね (梅澤氏)」という印象をもっています。
そして、具体的に次の 4 つのソリューションシナリオが用意されました。このシナリオはアセスメントで挙げられた各要素に適応してカスタマイズされており、各ソリューションの採用がビジネスにどのような効果をもたらすのかを把握できます。
MR のスキルやITリテラシ向上を支援するための柔軟な情報収集や教育の基盤を提供
MR の活動現場では、医師をはじめとする顧客との面談は短時間に制限されがちです。一方で顧客の要求には、可能な限り迅速に対応していかなければなりません。したがってそれらの活動を支える IT システムには、情報収集や情報提供の方法を簡便化し、レスポンス タイムを短縮しなければならないという使命があります。
こうした課題に対応するため、Office 2003 で強化された「スマートタグ機能」が紹介されました。この機能によって、たとえば Office ドキュメント内に記述されている単語やキーワードから、社内に分散している「製品」、「売上」、「購入顧客履歴」などの必要なデータベース情報へ、瞬時にアクセスできるようになります。つまり、デスクトップ上に開くウインドウ数を最小限に抑えて情報を収集でき、事務作業の簡略化が図られるのです。これは特に業務経験の浅いスタッフに対する効果が大きく、人材の即戦力化を容易にします。
また、外出の多い MR の教育やトレーニングには、時と場所を選ばない柔軟な E ラーニングの活用が効果的です。Microsoft Windows Media® 9 Series や Microsoft Producer を用いることで、研修やセミナーで使用したコンテンツを、手間を掛けずに教材化して広く展開することが可能になります。これらのコンテンツは社員の新製品理解や IT スキル向上だけではなく、顧客やパートナーへのセールス ツールとしても再利用でき、一層の効果が見込まれます。
柔軟なコラボレーション環境によるナレッジの共有・活用促進
医師をはじめとする顧客からの要望やクレーム、有用性や安全性情報等、現場からのフィードバックを社内関連部門に迅速に届け、ノウハウの共有を進めることが重要です。これを実現するのが SharePoint Portal Server 2003 と Office 2003 の連携機能です。機密情報に関しては適切なアクセス権の設定を実現しながら、部門内外の情報を共有、あるいは制限するポータル環境を提供します。
蓄積されたデータの有効活用と業務システムとの連携
市場環境の変化や顧客ニーズに迅速に対応していくためには、既存の定型システムでは対応が難しいケースも、多々あります。しかし、定型外の対応が必要な案件が発生するたびに既存システムを修正したり、データの整合性を確認したりするのは、業務効率が悪く、顧客ニーズに迅速に対応していく事ができません。こうした局面では、既存システムを柔軟に補完する仕組みを用意しておくことが、最良の策といえるでしょう。
そこで、Office System に新しく加わった XML ドキュメント オーサリング ソフトウェアの Microsoft Office InfoPath 2003 が評価対象となりました。InfoPath によって、顧客情報や製品情報、売上データ
などの定量的なデータベースの情報と、営業日報や市場情報などの定性的な情報を統合して、Excel 上に表示できるようになります。定型システムを補完する情報管理とその分析が可能となるのです。
効果的なコミュニケーション環境と柔軟な情報管理基盤の構築
部門を越えたコラボレーション、情報共有を進めていくと、情報は必然的に集約されて多くの関係者の目にさらされることになります。「作成した資料の変更やコピー等には、特に気を使っています。特許が絡む研究開発情報のみならず、顧客情報や社員情報も個人情報として厳重に管理する必要があるため、情報セキュリティには万全の体制を求めています」(平田氏)。
Office System では、Information Rights Management 機能により、Word や Excel 、PowerPoint® だけではなく、Outlook® のメールに対しても極めてレベルの高いセキュリティを設定できます。例えば、閲覧権限しか持たないユーザーを設定すれば、ドキュメントを印刷することもコピーすることも、スクリーンショットを取ることさえも不可能になります。「これまで、作成したプレゼンテーション資料などの改竄を防止するため、独自にカスタマイズしたシステムを導入したこともありました。そもそも資料の作成は Microsoft Office 上が大半ですから、この機能はすぐにでも導入したいですね」と、平田氏はその印象を語っています。
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第一製薬株式会社
システム推進部
システム業務グループ
主任
下平 和実 氏
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以上のような、現在の課題を解決するソリューションを評価した第一製薬株式会社 システム推進部 システム業務グループ 主任の下平和実氏は、その感想を次のように述べています。「Office System と Exchange Server 2003 によってコミュニケーション基盤の能力を数倍レベルアップできることは、営業活動の生産性を高めるうえで非常に有効だと思います。特に私が気に入ったのは、セキュリティ機能と形式に捉われないアプリケーションの柔軟性です。私たちの業界では、こうした機能の実装が待ち望まれていました。これからは研究開発に関する機密情報とともに、社内の個々人やお客様の情報を一企業として厳しく管理していくことが至上命題です。また、これまで構築してきた独自のシステムやアプリケーションと Microsoft Office が、この先どこまで連携をして補完しあえていくかについては、非常に興味があります。マイクロソフト製品は近年になってこのような法人向けの機能やサービスに力を入れているようで、私たちとしても心強いです」。
<ガートナー TVO により算出された ROI >
3 年で ROI は 257% 、5.41 億円の収益力向上と算出
これらのソリューションを 8 つのプライムにマッピングした評価レポートとして第一製薬に提出されています。このレポートでは、先の導入シナリオに沿ったソリューションの導入により、アップグレードのための投資は 13 か月で回収可能であり、評価期間 3 年で ROI は 257% に到達、実質的な利益が 5.41 億円 (正味現在価値) になるとの評価結果が算出されています。そして、財務効果 (正味現在価値) における各評価指標 (プライム) の内訳も明示されています。
それによると、「販売機会」を現在より 10% 増加させ、「販売サイクル」を逆に 5% 期間短縮することが、財務効果の約 50% を占めています(表 4、5 )。


(左)表 4 :各評価指標における財務効果の構成比
(右)表 5 :各評価指標における改善率
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平田氏は、この算出数値の報告を受け、次のように印象を語っています。「まずなによりも、効果の測定を客観的数値に落としてみる必要があると考えていました。しかし、TCO 削減のような省力化部分の数値化は可能でも、戦略に対する IT の貢献を数値化する ROI の算出は難しいと感じていました。TVO によって ROI を数値化できたことは、今後システム導入計画を立案する場合などにも、その方法論の応用が可能だと思います。Office System や Exchange Server 2003 導入のメリットを、定量的なビジネス インパクトとして実感できました」。
さらに、梅澤氏はこの TVO 測定が経営面へもたらす意味を次のように語っています。「ROI を算出することは、経営判断を下す上でとても意味のあることだと思います。経営の意思決定に数値的要素は欠かせないものですが、その数値の根拠は、時代の変化や経済の流れによる変化も含んだ上で裏づけされていなければなりません。そういった意味で、ガートナー TVO のような専門機関によるサービスは有効な手段でしょうね」。


(左)表 6 :ROI 評価結果 1
(右)表 7 :ROI 評価結果 2
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<今後の展望>
第一製薬では今回のレポートを参考に、Enterprise Agreement の契約更新を行うことに決定しました。そして、2004 年の春に予定している Exchange Server 2003 へのアップグレードと合わせて、Office 2003 の展開や SharePoint Portal Server 2003 の導入を検討しています。「すでにいくつかの部門では、先行して評価導入を進めています。新機能へのバージョン アップを迅速かつ安価に展開できるだけではなく、どういった手順でどこからバージョン アップするのかなどのアドバイスも得られ、とても有効なサービスだと思います」(下平氏)。
「あくまでも私見ですが、バックエンドからフロントまで、すべてマイクロソフト製品で統一するという考え方もあると思います。それによって、システムやアプリケーションの整合性を検証する必要がなくなりますし、経営のスピードアップにつながると考えるからです。意志決定の迅速化を実現するためにも、マイクロソフトの製品とソリューションが、ますますビジネスユーザー向けの機能を充実させて、さらに信頼性を強化してくれることを期待しています」(梅澤氏)。
※表 1 〜表 7 の出典:ガートナー TVO ツール、2003 年 12 月 (GJ04070)
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