 |
Lotus Notes/Domino から Microsoft Office SharePoint Server 2007 へ完全移行、 低コストで将来性の高い情報共有/ワークフロー基盤を整備
|
NTTドコモの支社として、四国地域における携帯電話サービスを展開している NTTドコモ 四国支社。ここでは長年にわたって使われてきた Notes/Domino から、SharePoint Server 2007 へのマイグレーションが実施されました。その最大の目的は保守料の大幅削減。また、汎用性が高く、簡単に使えるマイクロソフト製品を採用することで、運用や開発に必要な人員が確保しやすくなることも高く評価されました。同社では 150 を超える Notes/Domino データベースが存在していましたが、マイグレーション実施前に棚卸しを行うことで、移行対象データベースを 14 に集約。最終的に 50 のテンプレートによって、SharePoint Server 2007 へと移行しています。これによってアプリケーション構成がシンプルになり、業務全体の見通しも良くなっています。
<導入背景と狙い>
ライセンス保守料や技術者の確保など
顕在化してきた Notes/Domino の課題


株式会社NTTドコモ 四国支社
情報システム部
基盤システム担当課長
祝田 新作 氏
|
 |


株式会社NTTドコモ 四国支社
情報システム部
基盤システム担当
石川 洋助 氏
|
 |
社内の情報共有やワークフローの電子化に 1990 年代から取り組んできた企業の中には、現在でも Notes/Domino を使用しているところが少なくありません。しかしこのような企業の多くは、共通する悩みを抱えています。毎年発生する保守料が大きな負担になっていることと、コンテンツを維持するための技術者の確保という問題です。また、ほかのシステムとのユーザー管理統合が難しいため、人事異動のたびに運用の手間がかかり、システム担当者に大きな負担を強いているケースも珍しくありません。
このような悩みに終止符を打つため、Notes/Domino 上で構築したシステムを SharePoint Server 2007 へと移行したのが、株式会社NTTドコモ 四国支社です。
同社は 1990 年代後半に Notes/Domino を導入。ニュース リリースや顧客情報、代理店情報、故障情報、問い合わせ対応に関するナレッジ、スケジュールなどの情報共有のほか、会議議事録の回覧や改善提案のワークフローなど、多岐にわたるアプリケーションを Notes/Domino 上に構築してきました。データベースの数は 2007 年末までに 150 を突破。クライアントを社内だけではなく店舗にも展開していたため、クライアント ライセンス数も 2,000 以上に上っていたと言います。
「Notes/Domino のアプリケーションを何とかしようという話は、2006 年ごろから持ち上がっていました」と振り返るのは、株式会社NTTドコモ 四国支社 情報システム部 基盤システム担当課長の祝田新作氏。その最大の理由はやはり、保守料の負担が大きいことだったと説明します。クライアントとサーバーの両方に対し、毎年保守料が発生していました。
しかし問題はそれだけではありませんでした。Notes/Domino を扱える技術者の育成も、壁にぶつかっていたのです。「Notes/Domino では掲示板を立ち上げるだけでも Notes/Domino デザイナーを操作するという独自のスキルが必要で、これをどのように継承するかは以前から課題になっていました。せっかく技術者を育てても、人事異動のたびに新しい人に入れ替わってしまいます。Microsoft .NET のような汎用性のある技術なら新しい技術者を育てる価値もありますが、汎用性のない独自技術の継承に教育コストをかけることには疑問も感じていました」。
その一方で「Notes/Domino を動かすサーバーの老朽化も進んでいたため、サーバーそのもののリプレースも必要になっていました」と言うのは、株式会社NTTドコモ 四国支社 情報システム部 基盤システム担当の石川洋助氏。ハードウェアを入れ替えるのであれば、このタイミングで Notes/Domino そのものも入れ替えるべきと考えたと言います。
そこでNTTドコモ 四国支社では、Notes/Domino の後継プラットフォームとして SharePoint Server 2007 を選択。2009 年 8 月にマイグレーション完了予定です。
<導入の経緯>
既存データベースを棚卸ししたうえで
4 フェーズに分けてマイグレーションを実施


ウェブシステムテクノロジー株式会社
代表取締役
岸本 俊彦 氏
|
 |
Notes/Domino から SharePoint Server 2007 へのマイグレーションが「現実的な選択肢」として検討されるきっかけになったのは、2007 年春に行われたウェブシステムテクノロジー株式会社 (以下、ウェブシステムテクノロジー)によるマイグレーション提案でした。ウェブシステムテクノロジーは Notes/Domino に関する数多くのシステム構築実績を持つシステム インテグレーターですが、最近は SharePoint Server 2007 を活用したソリューションを積極的に展開していました。NTTドコモ 四国支社では 2007 年 9 月に SharePoint Server 2007 をベースにした「建設工事文書管理システム」が構築されていますが、ウェブシステムテクノロジーはこの構築にも参画しています。
(参考資料:http://www.microsoft.com/japan/showcase/docomo-shikoku.mspx)
「私どもは四国に初めて Lotus Note R3J が入った時からノーツ案件を手掛けてきましたが、古い時代のグループウェアに機能を接ぎ木してきたため、最近では進化の方向が見えにくくなり、閉塞感を感じるユーザー企業が増えているように感じています」と言うのは、ウェブシステムテクノロジー株式会社 代表取締役の岸本俊彦 氏。そのため最近では、Notes/Domino から SharePoint Server 2007 へのマイグレーションを提案するケースが増えていると説明します。「以前はワークフローも含めてノーツ アプリケーションを引き継げるものはありませんでしたが、SharePoint Server 2007 の登場によって状況は大きく変わりました。この製品はきわめて広範な機能をカバーしているので、Notes/Domino の後継として非常に有望だと評価しています」。
ウェブシステムテクノロジーではこの提案と並行して、SharePoint Server 2007 上で 2 種類のプロトタイプ アプリケーションを構築。Notes/Domino 上の掲示板と同様の機能と、ワークフロー/セキュリティ機能が問題なく実装できることを提示します。その結果を受け、NTTドコモ 四国支社でもマイグレーションの検討を本格化。2007 年 9 月には SharePoint Server 2007 へのマイグレーションを決定するのです。
「SharePoint Server 2007 の決め手の 1 つとして、追加の保守料が発生しない点にあります」と祝田氏。NTTドコモは、普段業務で利用している Microsoft Office などの製品をまとめて、一括ライセンスで購入しており、SharePoint Server 2007 もこの中に含まれていたからです。また、一括ライセンスであるためライセンス管理の手間もかからないなど、一石二鳥の選択肢だったのです。
しかしマイグレーションを決めた理由はそれだけではありません。技術者育成の問題解決も可能だと評価されました。「実は Notes/Domino のユーザー権限に関するメンテナンスが行える人は、四国支社全体の中で 2 名しかいませんでした」と言うのは石川氏です。ユーザー部門から依頼を受けて掲示板を立ち上げ、その後はユーザー部門に引き継ぐなど工夫しても、人事異動が発生する時期には、この 2 名に作業負荷が集中してしまっていたと言います。「実際に使ってみるとわかるのですが、SharePoint Server 2007 は、ブラウザー画面だけで、アクセス権など権限設定を簡単に行えるので、誰でも人事異動に対応可能です。またユーザー情報も Active Directory で一元的に管理できます」。
アプリケーションのメンテナンス性向上にも期待が寄せられました。Notes/Domino のアプリケーションは開発者のスキルに依存する部分が多く、複数の技術者が入れ替わりながら開発が進められていたため、アプリケーション全体の統一感が失われていました。そのため、過去に構築されたアプリケーションのメンテナンスも難しくなっていたのです。


ウェブシステムテクノロジー株式会社
取締役 副社長
中本 和彦 氏
|
 |
「Notes/Domino は簡易なカスタマイズが容易であるというメリットもありますが、ワークフローなどの業務基盤となる機能は開発者が独自に実装しなければなりません」と言うのは、ウェブシステムテクノロジー株式会社 取締役 副社長の中本和彦氏。これに対して SharePoint Server 2007 であれば、.NET Framework の中に Windows Workflow Foundation があり、共通基盤の上でアプリケーションを開発できると説明します。「共通基盤がしっかりしていれば、開発者のスキルに依存する部分も少なくなります。そのためアプリケーション内部の状態も把握しやすくなり、メンテナンス性も高まります」。
マイグレーション決定を受け、最初に行われたのが SharePoint Server 2007 に必要なサーバー構成の検討および決定と、その環境でのポータルの構築でした。その後 2007 年 11 月から 2008 年 1 月にかけて、Notes/Domino 上のデータベースの棚卸しが行われます。既に 150 を超えていたデータベースのうち、今後も継続的に必要になるもの、重複しているもの、既に不要になっているものが振り分けられていったのです。その結果、マイグレーション候補として残ったのが 35 データベース。さらに 2008 年 3 月までにユーザー部門からのヒアリングを実施し、最終的に 14 データベースがマイグレーション対象として絞り込まれました。これと並行して、マイグレーションの難易度によってデータベースを分類。その結果に基づいて計画が立てられていきました。
2008 年 4 月にはマイグレーション作業がスタート。まず第 1 フェーズでは SharePoint Server 2007 のテンプレートがそのまま利用できる共有カレンダーなど、最も難易度の低いものが移行されました。またこの間に、移行プロセスの骨格も明確化。移行に必要なツール類も整備されていきました。
2008 年 7 月から始まった第 2 フェーズでは、情報共有のための掲示板などを移行。ここで 10 データベースのマイグレーションが行われました。2008 年 10 月からの第 3 フェーズでは、比較的容易なワークフローを伴うものを移行。
そして 2008 年 12 月から 2009 年 3 月の第 4 フェーズで、複雑な業務ワークフローと、きめ細かいセキュリティ機能が必要なものを開発し、マイグレーションを完了させるのです。
<システムの概要>
運用や開発に必要な人員確保も容易に
ライセンス保守料も大幅に削減
SharePoint Server 2007 へとマイグレートされたアプリケーションは以下のとおりです。
これらのアプリケーションを実現するために使用されているテンプレートの数は 50。マイグレーションに伴い思い切った棚卸しを行ったことで、アプリケーション構成が非常にすっきりとし、全体的な見通しも良くなったことがわかります。
また、保守料も大幅に削減され、運用管理の負担も分散化されました。簡単に権限設定が行えるため、人事異動で権限変更が必要になった場合でも、それぞれのユーザー部門で対応できるようになったからです。またユーザー管理も Active Directory に統合され、シングル サインオンも実現されました。Notes/Domino のころはプログラムの中に権限情報をハード コーディングしたものも存在していましたが、現在では Active Directory の情報に基づいた権限マスターを利用することで、このようなハード コーディングは皆無になったと言います。
開発技術者の確保・育成も容易になりました。ワークフローなどのアプリケーション基盤が整備されているので、コーディングが必要な部分が少なくなり、特殊なノウハウも不要になったからです。「マイクロソフト製品は汎用的な技術だけで開発を行えるので、アプリケーションの内製化も容易になりました」と石川氏。新たなアプリケーションが必要になった場合でも、ウェブシステム テクノロジーからアドバイスを受けながら、自社開発できると言います。


NTTドコモ 四国支社 グループ イントラネット画面図[拡大図]
|
<今後の展望>
低コストで開発可能な基盤を確立
今後も製品機能の進化に期待
「SharePoint Server 2007 へのマイグレーションによって、ハイレベルな社内アプリケーションを低コストで実現できる基盤が整備されました」と祝田氏。他のシステムでもマイクロソフト製品を利用するケースが一般的になっているため、マイクロソフトの共通基盤を活用できる環境に移行したことにも、大きな意味があると指摘します。
また中本氏は「SharePoint Server 2007 は非常に高機能なうえ、これからの進化にも期待が持てます」と評価。他の Office 製品との親和性があり、コーディングを行うことなくデータ連携できる点も大きなメリットだと指摘します。「今後は Office InfoPath 2007 との連携をさらに強化し、機能を拡張していきたいと考えています」。
現在では、Notes/Domino を "レガシーマイグレーション" の対象に位置づけている IT 関係者も少なくありません。NTTドコモ 四国支社のマイグレーション事例は、Notes/Domino に閉塞感を感じているユーザー企業に対して、1 つの方向性を示唆しているものと言えるはずです。


議事録承認状況の確認画面
自分に関連する承認依頼タスクが承認ステータス別に表示される[拡大図]
|
 |


議事録の作成画面 (1)
議事録が作成者別、承認ステータス別に表示される[拡大図]
|
 |


議事録の作成画面 (2)
議事録に関する情報を登録する[拡大図]
|


議事録の承認ワークフロー開始画面
作成側承認ルート・閲覧側承認ルートを選択し、ワークフローを開始する[拡大図]
|
 |


議事録の承認画面
議事録を承認する[拡大図]
|
 |


議事録の承認履歴の確認画面
議事録中に承認者・承認日付が記載され、承認履歴を確認できる[拡大図]
|
|
|  |
本ケーススタディに記載された情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。
本ケーススタディは情報提供のみを目的としています。Microsoftは、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。
|
|
 |
|
|
|