大日本住友製薬株式会社

掲載日: 2007 年 6 月 22 日
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ソリューション概要

プロファイル
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大日本住友製薬株式会社は、高血圧症・狭心症治療薬「アムロジン」、消化管運動機能改善剤「ガスモチン」、末梢循環改善剤「プロレナール」、カルバペネム系抗生物質製剤「メロペン」を戦略 4 製品とする医療用医薬品事業をはじめ、動物用医薬品や食品添加物、半導体フォトレジストなどを研究、開発、販売する企業です。

メリット

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自由度の高い BI ソリューションを導入し、購買情報基盤を整備。取引先企業とのコミュニケーションを加速し、合理的かつ透明性のある平準化した購買業務を実行に移しました。

ソフトウェアとサービス
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Microsoft® Office Excel® 2003
Microsoft® SQL ServerTM 2005
Microsoft® Windows Server® 2003
.NET Framework

ユーザーコメント
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「購買業務のあるべき姿を追い求めた結果、採用したシステムです。自由度が高く、慣れ親しんだ Excel をフロントにしたことで、理想的な仕事のやり方に一歩を踏み出せたと感じています」

大日本住友製薬株式会社
購買部長
久光 清幸氏
合併に伴う新購買戦略の要とし、「あるべき購買の姿」を具現する情報基盤を Excel インターフェイスで実現。


大日本住友製薬株式会社は、2005 年に大日本製薬株式会社と住友製薬株式会社が合併して誕生した企業です。製薬会社 2 社の統合では、これまでの業務にとらわれず、全く新しい企業としてさまざまな新戦略を打ち出しています。中でも、購買業務においては、集中購買の実現をはじめとするさまざまな施策を実行。統合前から思い描いてきた理想の購買業務の姿を下支えする情報基盤に、マイクロソフトのソリューションが役立っています。

〈導入背景と狙い〉
合併を機にゼロから理想を創り出す


久光 清幸氏
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大日本住友製薬株式会社
購買部長
久光 清幸氏
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大日本住友製薬株式会社(以下、大日本住友製薬)は、大日本製薬株式会社と住友製薬株式会社という製薬中堅の合併で生まれた企業です。高血圧症・狭心症治療薬「アムロジン」に代表される主力の医療用医薬品のほか、動物用医薬品や食品添加物などの研究開発、製造、販売を手がけ、年間売上が約 2,600 億円、従業員数は約 4,900 人にのぼります。

その大日本住友製薬の購買部門では、合併にあたり、旧 2 社で行ってきた業務を抜本的に見直し、新会社としての戦略を立案、実行に移そうとしています。

医薬品原料には、“品質について安全であること”が当然のように求められます。さらに、市場に安定供給する「安定・安全調達」が欠かせません。

本社ビル
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大日本住友製薬株式会社 本社ビル
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一方で、購買部門には、市場からコスト ダウンを強く要求される側面もあります。この要求に対して大日本住友製薬の購買部門は、購買窓口の一元化によって取引先企業と健全かつより強固なパートナーシップを構築することで、すべての調達価格を説明可能な状態にすることによる「価格の透明化」を図り適正なコストを導き出せることができると考えています。

大日本住友製薬 購買部長 久光 清幸氏は、次のように話します。
「集中購買や調達コスト削減というと、取引先企業に値下げ要求を突きつけるイメージがあります。しかし、本当に重要なのは、真の信頼関係を築くことです。従来は、この信頼関係の構築について、個々の担当者の裁量に依存する部分が非常に大きかったのですが、データ分析のシステムを導入することで、すべての担当者が分け隔てなくさまざまな取引内容をきちんと把握し、“購買部全体として”緊密な連携を行える体制を目指したのです」。

これらを実現するためには、過去の調達実績を容易に参照し、購買部員のだれもが同じ判断基準をベースに取引先との交渉に臨むことが必要になります。大日本住友製薬は、そのための情報基盤として、Microsoft Office Excel 2003 をユーザー インターフェイスとする Microsoft SQL Server 2005 のデータ分析機能を活用しています。

〈システムの概要と導入経緯〉
情報システム部門に負担をかけず、低コストに導入


購買部門では合併前から、あらゆる取引先企業に対して公平・公正な取引を行うことはもちろん、取引内容を透明化して合理的で説明可能な発注先選定を行うために、どのように業務プロセスを改善するべきか検討されていました。取引先企業と共に成長するためのコミュニケーションをよりあついものとし、法令の遵守や秘密保持を徹底させるためでもあります。

理想を実現するための第 1 歩として、従来紙で管理していた取引先に関する情報を電子化することが不可欠でした。取引先情報と購買実績を PC から容易に参照できる状態にすることで、すべての購買部員が合理的で透明性のある交渉を行うことができるようになります。そのためには、誰にでも容易に扱えるデータ分析システムの導入が不可欠でした。

「これまでの業務プロセスは、属人的なものとなっており、取引先のさまざまな情報やノウハウは、各個人の中に蓄積されるばかりでした。けれど、業務を効率化するうえでは、全員が過去の貴重なノウハウを参照できる方がいいに決まっています。今までは、過去の書類は、キャビネや段ボールなどに整理され、保管されていました。みんな忙しいですから、段ボールの山をかき分けて書類を探し出している時間はありません。しかし、デジタル化された過去データを自分のパソコンから呼び出して、簡単な操作で傾向を分析して参照できれば、そんな便利なことはないですよね」(久光氏)。

* 釣部 修史氏
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日鉄日立システムエンジニアリング株式会社
関西システムソリューション事業部
シニアマネジャー
釣部 修史氏
また、このデータ分析システムには、取引先を第三者的な立場で評価するしくみも望まれました。取引先企業の技術力や過去に納入されたものの品質評価を含む評価情報を参照できるようにすることで、購買部員が取引先企業に適切なフィードバックを行い、相互発展につなげることが期待できます。

この 2 つの要件を満たすシステムの導入には、もう 1 つ「基幹システムの統合作業にほとんどのリソースを割かれている情報システム部門に、大きな負担をかけないこと」という大きな選定要因がありました。

低コストに導入できて、情報システム部門に負荷のかからないやり方を模索する中で、大日本住友製薬が選んだのが、日鉄日立システムエンジニアリング株式会社(以下、日鉄日立システムエンジニアリング)が提案した、「Excel をインターフェイスとしたデータ分析システム」だったのです。

日鉄日立システムエンジニアリング 関西システムソリューション事業部 シニアマネジャー 釣部 修史氏は、次のように話します。
「市場で BI ツールと位置づけられる大がかりなものではなく、使いやすく自由度の高いしくみとして、マイクロソフトの BI ソリューションを提案しました。だれもが使い慣れた Excel をフロントに使うこと。そして、ユーザー自身の視点で自由に欲しい情報を取り出したり分析したりできることが最大の特長です」。

購買部門による厳しいレビューを経て正式な採用が決定し、2006 年 9 月には、開発がスタート。SAP ERP から購買実績データを取り込むしくみや、新規に開発した取引先評価データベースの実装を経て、2007 年 6 月中旬に稼働しました。システムには、過去 10 年以上のデータが登録されて、活用されています。

* 図
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システム概要図 [拡大図]


〈システムの導入効果〉
取引先との関係を強化できるしくみ


新しいシステムと共に始まった購買業務改革として、大日本住友製薬は取引先企業の特徴を把握し、今後の取引を円滑に進めるための評価を開始しました。

大日本住友製薬の取引先企業は約 3,000 社。そのうち、定常的な取引のある約800社をデータベース化し、品質管理が問われる相手を優先して定期的に評価するようにしています。評価にあたっては、実際に工場を見学するなど、中立的な視点を崩さないことを念頭に置いているといいます。

「評価する、というと語弊もありますが、お互いをきちんと把握して、すべてがよりスムーズに運べるように品質管理、価格、技術力など、さまざまな角度から取引先企業を評価しています。これは、点数をつけるのが目的ではなく、取引先企業にも、当社自身にも現状と課題をフィードバックし、お互いに成長するための基準にしたいと考えています」(久光氏)。

新システムは、この評価情報と過去の取引履歴を Excel 画面からだれもが容易に参照できる共通の情報基盤として機能します。

俵谷 篤コ氏
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大日本住友製薬株式会社
購買部
マネージャー
俵谷 篤コ氏
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使い慣れた Excel をフロントとするシステムは、現場からも好評でした。操作の習得に特別なトレーニングを要せず、使い勝手が良いために浸透は早く、購買部員の作業フローは自然と変わってきたといいます。

このデータ分析システムの稼働により、たとえば、数年に 1 度あるかないかの機械設備の購入など、手近にない書類を探すケースが発生した場合にも、ワンクリックで欲しい情報にたどりつけるようになりました。こうして、購買部員は見積明細を過去の実績や他社のデータを見比べながら、取引先企業に個別の数字の根拠を求められるようになったのです。

各担当者は、常に数十件の発注案件を抱え、その処理に追われています。従来は自身の記憶に頼って発注を行うケースもありましたが、今では「まず Excel から過去の履歴を参照して、取引先企業との交渉にあたる」という姿勢が自然と身についてきました。たとえ担当者が変わっても、交渉するポイントが共通化されるようになったことで、取引先企業も、より効率的に交渉に臨めるようになったといいます。

また、自由度が高く、“なんでもできる”システムにしたことで、現場ではさまざまな角度から取引を分析できるようになりました。大日本住友製薬 購買部 マネージャー 俵谷 篤コ氏は、次のように話します。
「Excel に生のデータを取り込んで、自分が求めているデータを、比較的自由に、簡単に抽出できるようになったことで、非常に便利になりました。たとえば、『頻繁な打ち合わせが必要だから、大阪にある会社の中からこの案件に強い発注先を選びたい』などと考えた時にも、すぐに該当企業を選び出すことができます。また、実績別や品目別と、現場の担当者が分析の切り口を変えながら考えられるようになったことで、スキルの標準化を進めながら自由度を失わないしくみになっています。システムのありようとして、非常に良いものが出来上がったと自負しています」。

〈今後の展望〉
ユーザー部門での活用を促したい


新システムは、それを使用する購買部員の手によって、年と共に役に立つ情報が増えていくように設計されています。

釣部氏は、「システムは、各担当者が自由に項目を設定できる仕様になっています。このため、担当者は決められた形式のレポートを参照できるだけでなく、部門で共有したい情報を付加することができます。SAP ERPから取り込んだ情報を見るだけではなく、付加情報を加えていくことで、一層便利なしくみになっていくはずです」と話します。

この柔軟なしくみにより、さまざまな展開が可能になります。たとえば、見積段階で交渉した内容をシステムに登録しておくことで、後に同様の見積があったときの交渉を円滑に運ぶことが期待できます。

また、新業務では、購買部門がユーザー部門から委託され、購買業務を一手に引き受けることになります。つまり、ユーザー部門の予算を使って購買部門が業務を代行するという形になるのです。このため、購買部門はユーザー部門に対して、発注先を選んだ理由を説明する責任が出てきます。そうした際に、ユーザー部門にもシステムを開放し、根拠を明確化することも視野に入っています。外部に流れると迷惑のかかる取引先評価などは隠すなど、公開範囲の切り分けを行い、段階的に実行していく予定といいます。

そして、最も重視する取引先企業との相互発展に向けた取り組みも積極化する方向です。取引先企業と頻繁にコミュニケーションをとりながら改善してほしいポイントを正直に伝えていくことで、万全な「安全・安心調達」体制をさらに高いレベルで維持したいという考えです。

大日本住友製薬は、今回の取り組みによって思い描いてきた理想像に向かって大きな 1 歩を踏み出すことができました。今後は、新システムをさらに使いこなしながら、理想の調達業務を実現すべく歩みを続けていきます。

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