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対応時間と規制プロセスを改善
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連邦航空局 (FAA) の仕事は、米国の航空旅行客の安全を確保することです。FAA は 1 日に約 20 万回の発着陸を管制し、年間 7 億人近くの民間航空旅行客を移動させています。FAA の責務には、事故対応、民間航空の規制、安全に関する研究、航空管制システムなどが含まれます。FAA では、事故対応能力を改善するとともに、新たに規制を制定する時間とコストを削減し、内部の連携体制を強化する必要がありました。そこで FAA では、Microsoft Windows SharePoint Services と、マイクロソフトが提供するその他のコミュニケーションおよび情報管理技術を導入したのです。その結果、事故対応時間が大幅に短縮し、規制プロセスも迅速化するなど、さまざまな効果がすぐに表れました。しかもそれらの改善点は、競合する他のソリューションよりもはるかに少ないコストで実現したのです。
<導入の背景>
連邦航空局 (FAA) の仕事は、米国の航空旅行客の安全を確保することです。5 万人の職員を擁する FAA は、1 日に約 20 万回の発着陸を管制し、年間 7 億人の民間航空旅行客を移動させています。FAA の責務には、事故対応、民間航空の規制、安全に関する研究、航空管制システムなどが含まれます。
改善を必要としていた事故対応システム
米国では航空事故が発生した場合、FAA 指令伝達センターと国土安全保障省、運輸保安局 (TSA) に直ちに連絡しなければなりません。それにより、地方自治体、州、連邦レベルの対応要員がすぐさま行動に移ります。その場合、テロリストの攻撃、領空侵犯、航空会社のサービス記録の不備など、事故の内容にかかわらず、タイムリーで正確な情報が不可欠です。これまで、そうした情報は口頭による報告、電話、ファックスなどの定型書式で、「指揮系統」を通して伝達されていました。典型的な例としては、ある地方の保安官が墜落した飛行機を発見した場合、地元の FAA 担当者に通報し、その担当者がメモをとって、20 人の「初期対応要員」にファックスで通報します。対応要員は電話会議を行い、情報を確認します。担当者は収集した情報を書類に書き写し、意思決定者がそれらを元に一連の措置を決定します。2001 年 9 月 11 日のテロリスト攻撃の余波を受けて設置された新たな規制により、このシステムはますます複雑で柔軟性を欠くものになりました。意思決定者は短時間で変化する状況に対応するため、より良いシステムを必要としていました。
規制プロセスの行き詰まり
FAA は、民間航空規制の制定、施行も行っています。新たな規制を制定する場合、従来のプロセスは常に論議を呼んでいました。一般的な例としては、FAA が北米のある大都市へ進入する場合の飛行経路を変更したときのことです。新しい規制は、パイロットと航空会社の代表数十人が出席する公開ミーティングに提出されました。ところが彼らの批判は辛らつでした。パイロットたちは「新たな飛行経路は最適ではない」と指摘し、航空会社は「わが社の航空機の設計は、この経路の飛行に適していない」と主張。反対派は、FAA が関係者全員の意見を考慮せず、独断で規制を決定する傾向があると批判しました。この後、法律の規定に従い、高額な法廷費用と 6 か月の日時を要する審理が続いたのです。
航空界の変化
このような事例から、FAA 首脳部では、情報管理のボトル ネックを解消するための手立てが必要だと確信しました。連邦航空局の科学技術顧問、ロナルド シモンズ氏を責任者とするチームは、FAA のビジネス コミュニケーション プロセスの連携体制と能率を大幅に向上させる方法を調査するという課題を与えられました。FAA の改革を成功させるには、新しい技術以上のものが必要なことに同チームはすぐに気付きました。「改革にともなうスタッフの問題についても注意を払いました。CIO がソフトウェア ソリューションの購入を承認さえすれば、成功が保証されるというものではありません。現場リーダーの高い意識やスタッフへの効果的な教育がなければ、『草の根』レベルの改革は進まないのです」とシモンズ氏は語ります。
<システムの概要>
パワフルでありながら使い勝手のよい技術と、強力なエンド ユーザーへのサポートがあれば、ソリューションは短時間で普及するとチームは考えました。以前、Microsoft SharePoint Team Services を試験的に導入し、成功を収めたことから、Microsoft Windows Server 2003 の核である Microsoft Windows SharePoint Services へ移行するのは自然な流れでした。シモンズ氏によると、移行はスムーズに行われました。「以前のバージョンから Windows SharePoint Services への移行にあたって、ほとんど問題はありませんでした。実際のところ、再研修はほとんど、あるいはまったく必要ありませんでした」とシモンズ氏。
このソリューションは、Windows SharePoint Services に加え、Microsoft InfoPath 情報収集プログラム、SQL Server 2000 エンタープライズ データベース、Microsoft Office FrontPage 2003 Web サイト作成管理ツール、Live Communications Server 2003 および Microsoft Visual Studio 開発システムなど、他のマイクロソフト技術も網羅していました。
Windows SharePoint Services の早期導入と迅速な成長
チームはまず、FAA Knowledge Service Network (KSN) と呼ばれる FAA 内部のサービスを拡大するために、Windows SharePoint Services を使うことから始めました。当初、2 つの部門と 50 人のインフォメーション ワーカーが利用していましたが、利用者は 1 年間で 3,000 人にまで急増しました。現在、Windows SharePoint Services の導入により、KSN は全米 9 地区で導入が進み、利用者数は 1 万 3,000 人に達しています。
事故対応の迅速化
シモンズ氏のチームは、ビジネス的に直接大きなメリットが得られる KSN の試験プログラムから手をつけました。この試験プログラムに Windows SharePoint Services を導入して、航空事故報告システムを改善したのです。その結果、意思決定者はより合理的な判断を迅速に下すことができるようになりました。
それが航空事故報告システム (AERS) です。このソリューションは、SharePoint サイトやドキュメント ライブラリ、InfoPath 2003 (Windows SharePoint Services と同時に導入された情報収集プログラム) で構築した電子フォームで、既存の通信技術を補うものです。米国領空内で航空事故が発生すると、地域の対応要員は直ちに適切なフォームに記入し、チーム サイトに送信します。送信された情報には、指揮系統のすべての人々が即時にアクセスできるのです。全員が同時に同じ情報を目にするため、最新の情報に基いて対応を決定することが可能になりました。また、書き写したときの間違い、電話のとりそこない、電子メールの見落としなどのエラーも激減しました。さらに、Live Communications Server を利用したインスタント メッセ―ジングを導入することで、対応要員は安全かつ迅速なメッセ―ジングを通じて、すばやく連絡を取り合うことが可能になりました。
ワシントン オペレーション センターや地域オフィスが Windows SharePoint Services を採用
ワシントン オペレーション センター (WOC) のすべての部署に、Windows SharePoint Services が導入されました。センターでは、FAA の「中枢部」当直担当者が米国の領空を 24 時間監視し、航行中の数百に上るフライト情報を常時受信しています。2001 年 9 月 11 日の同時多発テロのあと、WOC のリーダーたちは Microsoft SharePoint Team Services を導入して、オペレーションの効率を高めることにしました。当直担当者に 2 台のコンソールを与え、一方でレーダーと航空機情報を、もう一方で SharePoint チーム サイトを表示するようにしたのです。「SharePoint は、当直担当者が情報を得るための窓口です」とシモンズ氏は説明します。現在、このシステムは日報からシフト変更通知にいたるまで、文字通りすべての業務に利用されています。
<導入効果>
Windows SharePoint Services をベースとする FAA の Knowledge Service Network は、すぐに画期的なビジネス ソリューションとして認知されました。シモンズ氏とそのチームは 2003 年、最も優れた官庁系ソリューションに与えられる「eGov」賞を、また 2004 年にはマイクロソフト政府ソリューション賞を獲得しました。高い信頼性を証明するこうした賞を受賞できたのは、はっきりと目に見えるビジネス上のメリットを真摯に追求した結果といえます。
迅速な展開と急速な普及により数百万ドルを節約
ソリューションの展開はスムーズに進み、Windows SharePoint Services は、またたく間に組織全体に行き渡りました。経験の浅い部署でも普及を促進するため、シモンズ氏は自分自身をモデル ケースにしました。「どこへ行っても、『私は技術者ではないが、Windows SharePoint Services は十分使いこなすことができる。みんなもがんばれ!』と激励しています」。そうした『草の根』活動は驚くほどの成果を挙げました。「とくに力を入れて宣伝しなくても利用者が拡大したので、Windows SharePoint Services の導入は必ず成功すると確信しました。現在利用している 1 万 2,000 人の大半は、隣のデスクの人がチーム サイトにアクセスしているのを見て、『私も使いたい』と言った人たちです」とシモンズ氏。
迅速な展開と急速な普及のおかげで、数千万ドルの費用と数千時間の労働時間をセーブできました。シモンズ氏によれば、「ソリューションに 2,500 万ドル 〜 1 億ドルを投資することもできましたが、実際に要したコストは人件費も含めて 100 万ドル以下です。利用者は、FAA のスタッフ、パートナー、スポンサーやその他の航空業界メンバーを含め、すでに 1 万 2,000 人に達します」
事故対応時間、情報の質的向上
Windows SharePoint Services の導入により、航空事故に対する対応時間が大幅に短縮しただけでなく、対応策をとるために必要な情報の質も向上しました。チームのサイトと InfoPath で作成される電子フォームを利用することで、報告書の作成時間は半減しました。送信された情報は、直ちに関係者全員が閲覧できます。これにより、意思決定者や現地の対応要員は、情報の正確性や適時性を再確認する必要がなくなりました。
シモンズ氏自身、新システムの効果に気付いた感動的な場面について、次のように語っています。「2003 年 2 月にスペース シャトル コロンビア号が墜落したとき、Windows SharePoint Services の力はいかんなく発揮されました。この事故は午前 9 時 45 分頃発生しましたが、午前 11 時ごろ、私は SharePoint にログインし、事故の詳細を確認するとともに、FAA やその他の連邦機関の主な連絡先、シャトルの残骸や事故に関する物的証拠を報告するための電話番号など、現地の対応要員が必要とするすべての重要情報を得ることができました。以前のシステムでは、こうした情報を入手するまでにもっと時間がかかっていたでしょう」
新たな規制プロセスでコストと労働時間を大幅削減
FAA では、Windows SharePoint Services を規制の制定プロセスの改善にも役立てています。異論が多く、費用のかかるプロセスに代え、FAA、パイロット、製造業者、航空会社など、すべての関係者が早い段階から継続的に規制プロセスにアクセスできる体制を確立しました。これにより今後は、長期にわたる法的手続きを経ることなく、より迅速に関係者全員の同意が得られるようになるはずです。
従来の規制プロセス、とりわけ議論の多い規制会議に手を焼いていた FAA は、Windows SharePoint Services を利用して対策を講じることにしました。SharePoint サイトの設定経験がある FAA チームの 1 人がホテルの部屋に戻り、新しいサイトを立ち上げ、翌日の会議で参加者に、サイトを利用してインタラクティブに規制草案を作成することを提案したのです。その結果は目覚しいものでした。2003 年 11 月、サイト を利用したインタラクティブなオンライン作業が始まってからわずか 3 か月で、最初の原案が完成したのです。以前のシステムでは、3 か月に 1 度、膝を付き合わせた会議を開き、同じ段階にたどり着くのに通常 1 年以上かかっていました。当初から参加者全員がオンラインで規制を起草、見直すことができたため、時間をかけて法的なレビューを行う必要はありませんでした。義務となっている 30 日間の民間意見調査期間が終了すると、それ以上審議は必要なかったのです。かつてないほど大幅なサイクル タイムの短縮でした。Windows SharePoint Services ベースの新しいプロセスは、新規の規制が施行されるまでの時間を 1 年以上から 4 か月に短縮したのです。弁護士費用、議会証言の準備、文書作成費用、公聴会などを省くことで実現したコスト セーブの総額は莫大なものでした。結論的には、大幅にコストを削減しながら、市民の安全を迅速に向上させることに成功したといえるでしょう。
安全なコラボレーションによる信頼の育成と時間の節約
参加者全員が、いつでも同じ情報にアクセスできるようになったため、Windows SharePoint Services は、まったく新しいレベルの信頼感と安全性を実現しました。チーム サイトやインスタント メッセ―ジングを利用すれば、個々に情報を検索してアクセスするよりも、結果的に時間の節約になり、作業効率は向上しました。例えば、これまで最新のドキュメントだと思って編集していたのに、あとになってそれが古いバージョンのものだったことが分かり、時間と労力を無駄にすることも少なくありませんでした。シモンズ氏は、Windows SharePoint Services の利点を次のように話します。「エラーの修正よりも、むしろ損なわれた信頼関係を修復するために多くの時間がかかることがあります。SharePoint の価値は、『いま我々は同一のドキュメントを見ている。そのドキュメントはチーム サイトに置かれていたものだ』といえることです。情報の出所や最新性について疑う余地はありません。電子メールの見落としや電話の受けそこねなどでミスすることもなく、いままでにないほど大きな信頼関係が生まれました」
迅速なプロトタイプ化で、コストをかけず短期間にソリューションを実現
変化を続けるニーズに迅速に対応できるかどうかが、持続可能なソリューションと老朽化するソリューションを分けるポイントです。Windows SharePoint Services では、チーム サイトの設計やコンテンツをすばやく容易に変更できます。ときにはクライアントも加わり、「リアルタイム」で修正作業ができるでしょう。より優れたソリューションを、より早く、より少ないコストで実現できるのです。Applied Knowledge Group (FAA と共同開発を進めるマイクロソフトのパートナー) のアンドリュー キャンベル副社長は、次のように説明しています。「KSN と SharePoint Services がこれほど成功したのは、ほぼリアルタイムでソリューションを開発できたからです。これまではクライアントのところへ出向いて話し合い、6 か月後に再び訪問して、正しいとも正しくないとも定かでないソリューションを提出していました。SharePoint を利用すれば、ほとんどの場合、複雑な分析や正式な文書、購入条件のすり合わせなどを省き、クライアントと話し合いながらソリューションをプロトタイプ化することができます。これには誰もが驚きます」
成長と統合のための強固な土台
Windows SharePoint Services の能力と柔軟性があれば、FAA は自信を持って将来に備えることができます。FAA はチーム サイトの継続的な発展だけでなく、組織全体で使用率を 60 〜 80% に引き上げる考えです。難しい設定を必要とせず、多くの機能を持つ SharePoint Services は、この目標に十分応えることができます。シモンズ氏は、最後に次のように語りました。「マイクロソフトは、柔軟性富むコスト効果の高いコラボレーション ツールを開発してくれました。機能拡張のためにカスタマイズする必要もないので、時間や費用を節約でき、老朽化も防ぐことができます。Windows SharePoint Services には大変満足しています」
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