株式会社富士総合研究所

掲載日: 2002 年 12 月 02 日
プロジェクトマネジメントの標準ツールとして Microsoft® Project を導入、組織的なプロジェクトマネジメントの最適化を図る
logo
*
* ダウンロード
*
*
*
Download File bs483_1.pdf
*
PDFファイル 1.13 MB
Adobe Acrobat Reader を利用してPDFファイルを閲覧・印刷することができます。ダウンロードはこちらleave-msからできます。

ソリューション概要

プロファイル
*
*
*
株式会社富士総合研究所leave-msは、旧富士銀行の関連会社として 1988 年に誕生した総合情報企業です。リサーチ、コンサルティング、システムインテグレーション、アウトソーシング、サイエンスなど、幅広い業務を展開。リサーチ・アンド・サイエンス部門、情報システム関連部門、銀行システム部門からなり「質の高い情報提供と、質の高い情報インフラ構築」を通して社会の発展に貢献しています。

シナリオ
*
*
*
プロジェクトマネジメント

ソフトウェアとサービス
*
*
*
Microsoft Project Professional 2002
Microsoft Project Server 2002
Microsoft Windows 2000 Advanced Server
Microsoft SQL Server 2000

メリット
*
*
*
SE 全員に同じプロジェクトマネジメントツールを配置することで、プロジェクト情報の蓄積による組織的な改善点の抽出が可能になります。また Microsoft Project 2002 で強化されたサーバーと連携した解析機能で、上位管理者が複数のプロジェクトの適正化を図ることも可能になります。

ユーザーコメント
*
*
*
プロジェクトマネジメントは、躾(しつけ)と考えます。つまりプロジェクトに携わる者が身につけていなければならない常識的なものです。

株式会社富士総合研究所
執行役員 プロジェクト業務部長
戎利昭氏談


株式会社富士総合研究所(以下、富士総研)は、以前から Microsoft Project 2000 を使ってプロジェクトマネジメントを推進してきましたが、Microsoft Project Server 2002 を導入し、ネットワーク環境を活用した、グループウェアやシミュレーションツールとして、プロジェクトマネジメントの最適化を図っています。

<導入の背景と狙い>
ソフトウェア開発の品質を向上させるため、属人的なプロジェクトマネジメントから、システマティックなソリューションへ


富士総研は、プロダクトの品質を保証していくシステムを重要視し、国内のソフトウェア業界としては早い時期の 1997 年に ISO9001(品質保証規格)の認証を取得しました。その後、プロジェクトマネジメントを強化・推進する部署として、プロジェクト業務部が 1999 年 4 月に発足、2000 年度から本格的に活動を開始しています。

プロジェクト業務部発足時の課題は大きく 2 つありました。第一が会社全体のプロジェクトマネジメント能力を向上させること、第二がプロジェクトマネージャの育成を図っていくことでした。

* PHOTO
*
株式会社富士総合研究所
執行役員
プロジェクト業務部長
戎利昭氏

*
「システム開発は不確実なリスクのかたまりと言われるように、変更が頻繁に起きます。特に大きなものほどリスクが増大しますので、プロジェクトマネジメントをうまく遂行していかなければなりません。プロジェクト計画立案の品質がその後のプロジェクト推進に大きく影響を与えます」と富士総研 執行役員 プロジェクト業務部長 戎利昭氏はこの課題について語ります。

そこで全社のプロジェクトマネジメント能力を向上させるために、まずプロジェクトマネージャ育成のロードマップを作成し、プロジェクトマネジメントのプロセスを標準化する作業が始められました。その結果まとめられたのが、PMBOK を下敷きにした「F-RIC PMSG“F-RIC(富士総研の英文社名略称) Project Management Standard Guide”」という SI 業務を対象にしたプロジェクトマネジメントの標準書です。PMSG で定められたプロジェクトマネジメント標準は、Microsoft Project のテンプレートに落とし込まれ、プロジェクトマネージャのアクション アイテムとなっています。

「最近のプロジェクトマネジメントは、PMBOK がグローバルなデファクトスタンダードになってきています。また、ISO9001 では常にプロセスを見直して改善を積み重ねていくことが要求されていますが、プロジェクトごとに異なったプロセスやツールが使われると、仕事の品質のばらつきが多くなり、何を改善しなければならないのかが不明確になってしまいます。ツールを Microsoft Project で統一することにより、改善のポイントが明確になってきます」(戎氏)

【用語解説 #1 】

・WBS
Work Breakdown Structure の略で、プロジェクトにかかわるすべての作業を階層構造にして表現したものをいう。プロジェクトで実施されなければならない作業がすべて定義されると同時に、進行中のプロジェクトをモニタリングする際の単位も明確にする。CBS(Cost Breakdown Structure)、OBS(Organization Breakdown Structure) とともに、プロジェクトマネジメントを構成する三大要素とされる。

・PMBOK
Project Management Body Of Knowledge の略で、一般には「ピンボク」と呼んでいる。アメリカにある、世界最大のプロジェクトマネジメントの標準化団体 PMI(Project Management Institute) が、1996 年に発表したプロジェクトマネジメントの知識体系。現在は世界的なプロジェクトマネジメントのデファクトスタンダードとなっている。

プロジェクトマネジメントは躾

PHOTO
*
株式会社富士総合研究所
プロジェクト業務部
次長
萩原篤久氏

*
*
真にプロジェクトマネジメントを組織の体質とするには、プロセスの標準化の様にしくみを整えるだけでなく、人的なプロジェクトマネジメントへの習熟度を高める必要があります。

「システム開発は人間中心(人間の行動)の仕事なのでプロジェクトマネジメントは、躾(しつけ)と考えます。つまりプロジェクトに携わる者が身につけていなければならない常識的なものです」(戎氏)

富士総研のプロジェクトマネージャをサポートするプロジェクトマネジメントツール導入が検討されたのは、最初は 1999 年でした。それまでのプロジェクトマネジメントでは、Microsoft Excel などで作成したガントチャートが中心となっていました。2000 年に Microsoft Project 2000 を試験的に評価してみたところ、相応のコストパフォーマンスを得られることから、全社の標準ツールとして採用されることになりました。現在は、プロジェクトに関係する約 1000 人のプロジェクトマネージャ・SE 全員に Microsoft Project がインストールされ、利用されています。

「この 2 年間で 150 人の上級リーダーを対象にした PMSG の技術研修を実施しましたが、実際の業務に適用する際のツールとして Microsoft Project を導入しました。年に 2 回、リーダー総会というシンポジウムを開催して成果を発表し合い、Microsoft Project の活用例を紹介していく試みも実行しています」(富士総研 プロジェクト業務部 次長 萩原篤久氏)

そして 2002 年夏、Microsoft Project 2002 のリリースの機会に早期導入プログラムに参加。実際に使いながら、新しい利用形態も開発していくことになりました。

<導入システム>
Microsoft Share Point™ Team Services との連携で、プロジェクトに関連するファイルを一元管理、グループの情報共有に活用


* PHOTO
*
ガントチャート画面

*
今年新しく導入された Microsoft Project Professional 2002 で作成されたデータは、Microsoft Project Server 2002 に保存され、プロジェクトメンバーは Microsoft Internet Explorer を使って必要な情報にアクセスすることができます。さらに Microsoft Project Server 2002 は SharePoint Team Services とも統合していますので、プロジェクトにまつわる企画書や指示書などのドキュメントをタスクやプロジェクトにリンクさせて、プロジェクトメンバーが必要とするときに即座に参照できチームの生産性を向上させることができるようになっています。

「Share Point Team Services ですぐに処理しなければならない問題や依頼事項の確認がひとめでできる点も、業務を効率化し、確実な処理を実行するうえで大きな効果があります」(戎氏)

* 図
*
Microsoft Project 2002 試行環境 [拡大図]
*


ポートフォリオ分析で全社のプロジェクトを最適化

PHOTO
*
ポートフォリオ分析画面

*
*
Microsoft Project 2002 が旧バージョンと比較して、最も改善されたことは個別のプロジェクトの管理から、全社で進行している複数のプロジェクトを管理できるようになったことです。

たとえば上級管理者は、Microsoft SQL Server™ 2000 の OLAP 分析機能を使って、複数のプロジェクト情報を任意の切り口で抽出することができるようになっています。自分の管理下にあるリソースの使用状況やコスト、進捗状況などを、グラフなどで視覚化して、一覧して確認することができるのです。

「新しいバージョンになって、サーバーと連携した解析機能が強化され、複数のプロジェクトを同時に確認しながらシミュレーションして、効率的に運営できる点が大変魅力的です。コスト、人員などのリソース、進捗状況といった要素で全体のプロジェクトを確認できるので、ボトルネックに対して早期に手を打っていくことができます。当社だけでなく、これからはプロジェクトを中心にした企業活動が増えていくと思いますので、こうした機能は、経営の観点から非常に重要になってくると思います。」(戎氏)

さらに社内システムと連携させ、プロジェクトモニタリングに活用していくことも検討していくとのことです。

「社内のシステムにおいては、受注した案件がコストや納期などが計画内で進捗しているかどうかを判断するようになっていますので、進行途上での、なし崩しのコスト増加を抑えられています」(萩原氏)

プロジェクトマネージャの作業の省力化

* PHOTO
*
株式会社富士総合研究所
プロジェクト業務部
主事システムエンジニア
岸正通氏

*
PHOTO
*
プロジェクトのビュー画面

*
*
各プロジェクトの進捗状況のレポートは、メールでではなく Microsoft Project 2002 を使って、サーバーで自動的に処理するようになっています。

「サーバー上でのレポートのやり取りは、ストレスが少なくプロジェクトマネージャの作業も省力化でき、本来のプロジェクトマネジメント行為に注力してもらうことができます。またリアルタイムで進捗状況の把握ができるので、トラブルに対していち早く対応することができます」(富士総研 プロジェクト業務部 主事システムエンジニア 岸正通氏)

さらに、Microsoft Project 2002 の新機能「プロジェクト ガイド」を使って、案件の受注が確定した段階で、規模やコスト、納期をパラメータとして入力すると、リソースのデータベースから動員可能なものを抽出して、基本的なプロジェクトが編成できるようにもしていくことができます。

<今後の展望>
環境を整備し、より多くの案件へ利用を広げていく


図
*
プロジェクトマネジメントの概要と Microsoft Project の位置付け[拡大図]
*
*
富士総研のプロジェクトマネジメントへの取り組みにより、2000 年からはいわゆる「失敗プロジェクト」は皆無になったそうです。

「大きなプロジェクトでは、わずかな問題が大きなものに発展することが多分にあります。そうした問題を初期段階で予測できるという点でも、マネジメントツールが持つ意義は小さくありません。したがって大きなプロジェクトのマネジメントに Microsoft Project が有効と考えます」(戎氏)

さらに、これからは小さなプロジェクトについても、無駄や遅れを最小限にしていきたいと戎氏は言います。また、開発フェーズだけでなく、保守業務のように一定期間に定期的に行う業務についても、モデルを作っていく方向で検討されています。富士総研が提供するバリューをプロジェクト単位で捉え、企業活動の最適化をはかるエンタープライズ プロジェクトマネジメントへの移行が求められているのです。

「統合基幹業務アプリケーションを中心にビジネスを展開している部署では、標準のWBSを持ち、それに仕事をしています。この仕事をモデルにして、Web を含めた Microsoft Project Server 2002 らしい使い方を考えています」(岸氏)

大きな業務パッケージを取り扱う場合には、既存の基幹システムと後から付け加えたシステムとが混在します。既に蓄積され、利用されているデータの加工なども必要になります。

「既存データの扱いでは、お客様にあらかじめ処理していただかなければならない業務も多くあって、いつどちらが業務を行うか、という確認を事前にしておかなければなりません。こうした連携プレーを要求されるプロジェクトマネジメントでは、受発注の双方が実行する共同作業に、Microsoft Project が大いに力を発揮します」(岸氏)

プロジェクトマネジメントオフィスの拡充に向けて

今後は、個別のプロジェクトを管理するツールとしてだけでなく、Microsoft Project Server 2002 を利用して、全社のプロジェクトマネジメントを最適化することが考えられています。

「Microsoft Project 2002 を有効に使い、モデルに沿って全社のプロジェクトマネジメント品質を向上させていくことが必要です。プロジェクトを管理していくだけでなく、将来どのようなスキルを持った人材が必要になるかなどの予測もできるように、さまざまなデータを整備する必要があります。たとえば人材面で、スキルやキャリアの記録を充実し、Microsoft Project の『標準リソース』機能を利用して、プロジェクトを編成することなどの仕掛けも考えています」(萩原氏)

さらに複数の小さなプロジェクトをグループ化して、群としてプロジェクトを管理していくことを考えていると言います。

「当社では、年間に2000件程度のプロジェクトが実施されています。これだけ多いと、全社のプロジェクト間の調整をして、個別のプロジェクトを支援する機能を受け持つ専門部署が必要だと考えています。欧米で最近盛んに導入されているエンタープライズ プロジェクトマネジメントを推進する『プロジェクトオフィス』のようなものです」(戎氏)

プロジェクトオフィスの導入は既に欧米では盛んに行われていますが、日本ではプロジェクトマネジメント手法そのものの歴史が浅いこともあって、組織形態や運営の方法、個別のプロジェクトへのかかわり方などが試行されている段階です。富士総研の取り組みも、その先進的な事例の 1 つであると言えるでしょう。

「プロジェクトマネジメントツールは、必要なことを表現できて使いやすいことが最も重要です。これからは社内で Microsoft Project を使いこなしていくだけでなく、お客様とも Microsoft Project を用いたプロジェクト情報の共有化を図り、より最適なプロジェクトが実施できるようにしていきたいと考えています。Microsoft Project 2002 自身にも、他の Microsoft Office 製品のように、企業間でのコミュニケーションのプラットフォームとなっていくことを期待しています」(戎氏)

富士総研の経営方針「質の高い情報提供と、質の高い情報インフラ構築を通して社会の進歩発展に貢献する」を実現するためのプロジェクトマネジメントへの真摯な取り組みは止まりません。その試みを Microsoft Project は支えています。

本ケーススタディに記載された情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。
本ケーススタディは情報提供のみを目的としています。Microsoftは、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。
ページのトップへ