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Microsoft® .NET テクノロジで、インターネット世代の学生に
個人情報管理システムとWeb上のコミュニティを提供
長年、私立学校会計システムを手がけてきたグレープシティ株式会社(旧文化オリエント株式会社)は、ActiveX® テクノロジを利用したコンポーネントの開発で培ってきたインターネット技術と、次世代プラットフォーム Microsoft .NET の環境を活かした学生情報管理システムの構築に着手。XML Web サービスを駆使して、学校側からの学生情報の管理だけでなく、生徒による自宅からの情報変更の手続きや各種証明書発行の申し込みを可能にしました。Microsoft .NET Framework の特徴を最大限に活かし、中国と日本とに分散した開発チームで、効率よく品質の高いソリューションの実現を目指しています。
<導入の背景と狙い>
Web を通じて自宅から個人情報の変更手続きや各種証明書発行の申し込みが可能
Web 上にコミュニティを用意し、学習補助ツールにも
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グレープシティ株式
会社
eSolutions 事業部 SI 部長
田中久史氏
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システムの発注者である学校法人八洲学園(本部:大阪市)は、通信制高等学校を運営しており、早期から簡易データベースソフト等を使ってコンピュータによる情報管理を行ってきました。現行のシステムは Microsoft Visual Basic® 4.0、Microsoft SQL Server™ 7.0 によるクライアント/サーバーシステムで構築されているものです。今回、システム刷新をする最大の目的は、インターネットの普及に伴い、業務を Web 化することによって、学校側の事務管理だけでなく、生徒、教師、保護者ら関係者すべてが学校に関わりやすいものへと変えたいということでした。
これを受けたグレープシティ株式会社 CSA (Chief Strategy Analyst)兼eSolutions 事業部 SI 部長の田中久史氏は、開発の経緯を次のように解説します。
「私たちの提案は、大きく 2 つのシステムに分けられます。まず 1 つめは『学生情報管理システム』など高等学校側の基幹システムです。生徒が自分自身の個人情報の変更手続きや各種証明書発行の申し込みを、自宅にいながら Web 上で行えるようにします。八洲学園は全日制の高等学校と違って通学がないため、自宅でこうした処理を行えるということはたいへん大きなメリットとなります。これは従来クライアント/サーバーシステムであった情報管理自体を Web 化することで実現し、同時に学校側の事務管理も効率化することができます。
また、通信制の教育では、生徒が郵送で提出するレポート(紙ベース)の添削指導がメインですが、このレポートの管理も一括して同じシステム上で行えるようにします。
もう一つは、『コミュニティ Web 』として提供する生徒のための補助システムです。掲示板、会議室、Web メールなどのほかに、スクーリングのスケジュールなどを確認できるようにします。学習補助ツールとしてだけでなく、ポータルサイトとして生徒が気軽にアクセスできるよう、占いや友達紹介など、学習とは直接関係のない、楽しさを演出するコンテンツも盛り込む予定です。通学の機会が少ない通信制の高等学校という環境において、このようなシステムは校内の交流を活発にするためのツールとして、大きな柱となるといえるでしょう」(田中氏)
「学生情報管理システム」をメインとしながら、「コミュニティ Web 」で生徒、教師、保護者、事務など学校関係者全員のコミュニケーションを円滑にする、真の意味での学校ポータルサイトとして利用されるものを目指しています。
<技術的特徴>
Microsoft .NET Framework を採用し、XML Web サービスを利用して
効率のよいデータの処理と転送、ユーザーにフレキシブルな利用環境を提供


グレープシティ株式
会社
eSolutions 事業部
高倉真一氏
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八洲学園の基幹システムは特殊な環境にありました。まずアプリケーションサーバーとデータベースサーバーがまったく別の場所にあるということ、しかも両サーバーをつなぐ回線が 1.5 Mbps と、大量のデータ転送にはかなり低速であるということです。
「そこで新システムでは、効率よくデータ転送を行うために、ある程度まとまったオブジェクトに加工して転送する方法として XML Web サービス化を検討しました。XML Web サービスをネイティブ通信メカニズムとして使用するようにあらかじめデザインされているMicrosoft .NET Framework を採用した理由の 1 つはここにあります」(グレープシティ株式会社 eSolutions 事業部 高倉真一氏)
生徒の個人情報管理には、住所や電話番号、勤務先などの一般的な情報や成績、履修状況だけでなく、学習の基本となるレポートの提出や添削の状況などの管理も含まれます。
生徒や教師が利用する補助システム「コミュニティ Web 」のほうでは、フレキシブルにポータルサイトのメニューをカスタマイズする機能を盛り込みます。つまり、ユーザーが好みに合わせて、必要に応じて表示するメニューの順序や数を変更できるようにする予定です。
さらにどちらのシステムも、アクセスにはパソコンだけでなく、iモードも利用可能にすることが大きなポイントです。
<ソリューション開発の体制と環境>
Microsoft .NET テクノロジをフル活用し、国際的な分散開発に対応
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グレープシティ株式
会社
東京支店 マーケティングチーム
主任 熱海英樹氏
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グレープシティは中国、インドなど海外にも開発拠点を持っています。今回のシステムはMicrosoft Visual Studio® .NET テクノロジを採用し、中国のチームと共同開発するという方針をとりました。
「オブジェクト指向を取り入れることにより、分散した開発においても各コンポーネントの仕様、品質を高い水準で均一化しやすくなるということが、Visual Studio .NET テクノロジ採用の第一の理由として挙げられます。分散して開発したコンポーネントを今回のシステムだけでなく、今後他のシステムにも応用していこうという当社の戦略も理由の 1 つです。その点についても、XML Web サービスを利用することによって、より実現が容易になるといえます。また、コーディングからデバッグ、インストーラの作成まで統合された環境で開発が行えることも、たいへん大きな魅力でした」(グレープシティ株式会社 東京支店 マーケティングチーム 主任 熱海英樹氏)
今回は中国と日本での分散開発ということで、発生するソースコードのやり取りは、コストの低い転送手段として、どうしてもインターネットを使用することになります。そこで問題となってくるのがセキュリティの問題です。これに対応するため、Microsoft Visual SourceSafe にリモートアクセスするツールとして、自社製品である SourceOffSite を利用しました。Visual SourceSafe は、チームによる開発作業において、複数の開発者からアクセスされるソースコード、データのリソース管理、差分管理を行い、Microsoft .NET にも対応しているため、インターネットを通して機能をそのまま安全に利用できることになります。
「開発言語としては、Microsoft Visual C#™ .NET を採用しました。オブジェクト指向を取り入れるという観点から C++ を発展させた Visual C# .NET が最適だと判断しました。既存の COM コンポーネントや ActiveX コントロールをシームレスに利用できること、直感的な新しい言語コンストラクトを使用していることや、最新のコンポーネント指向言語として追加された機能もメリットとなるはずです」(高倉氏)
グレープシティには従来からコンポーネント開発に携わる Microsoft Visual C++® の技術者が多かったので、移行はスムーズでした。Microsoft .NET のベータ版が発表された頃から中国で結成した研究チームで半年間の研修期間を設け、プロトタイプを作成してきました。同社の技術者の多くは、言語レベルでの Visual C# .NET はほぼマスターしています。
「 Microsoft .NET Framework の構造は、一つ一つのコンポーネントを別々に独立した形で開発できるという点で、より扱いやすくなっています。たとえばカレンダー機能なら、カレンダー機能そのもののロジックの記述に専念できるので、より短期間に品質の高いコンポーネントとして作成でき、開発者にとってもたいへん有利な環境であるといえます」(高倉氏)


システム構成図 [拡大図]
<導入結果>
開発コストの削減と品質の向上、ユーザーの使いやすさを
XML Web サービスで実現
「システムの全体が完成したわけではないので、まだ具体的な数値として表すことはできませんが、XML Web サービスを利用することで効率よく実現でき、開発コストを削減できているという実感があります。品質の向上にもつながり、メンテナンスもしやすいものに仕上がるでしょう」(田中氏)
「開発側としても一つ一つのフィールドがコレクションになっており、コレクションごとに追加や削除を行うことで簡単に画面構成を変更できます。入力のチェックなどについても WebControl が吸収し、クラスの継承によって共通部分の設計も簡単にできるので、開発者は業務処理の記述に専念できます。また、共通化された操作で設定ができるので、ユーザー側のメリットも大きいといえます」(高倉氏)
アプリケーションの開発ツールとしても、Visual Studio .NET テクノロジは非常に使いやすくなっています。いくつか追加された機能の中から例をあげるなら、セッション管理がその 1 つです。これまで IIS 側に頼っていた部分があったのですが、Microsoft .NET では開発者が自分で SQL Server にデータを作って、セッション管理の情報として使えるようになったという点です。今までできなかったことができる、それが開発の力になっています。
「たとえば、『郵便番号から住所を検索する』という処理をする場合、これまでのアプリケーションではそのたびにデータをリロードする必要がありましたが、XML Web サービスを読み込んで結果だけを返すという処理にし、ネットワーク負荷を軽減できる点も、非常に重宝しています」(高倉氏)
今回のシステムでは「学生情報管理システム」と「コミュニティ Web 」とはまったく別のシステムですが、たとえばアカウントやアクセス権限の処理など、共通する処理というものがあります。このような場合、共通したオブジェクトを作成し、その上で各システムを運用していくということになります。
<今後の展望>
Microsoft .NET に対応する開発ツールの早期リリースを検討中
学生情報管理システムのパッケージ化も
「Microsoft .NET でいちばん可能性を感じているのは、XML Web サービスです。クライアントの数に制限がなく、クライアント側のデバイスも選ばないということも大きな魅力です。いろいろな形でインターネットを通して情報を共有したり、1 つのインフラストラクチャとして活用したりということができるだろうと思います。我が社では既に Microsoft .NET を使った開発を手がけており、こうしたノウハウを蓄積して、今後他のプログラマの方々が抱えるであろう問題を解決するためのツールを、早期にリリースしていきたいと考えています。つまり eSolutions 事業部での開発で解決した問題をツール化し、またツール化したものを販売するだけでなく eSolutions 事業部自身も利用していくということで、相互に連携していくことができます」(熱海氏)
グレープシティでは、社内の技術者の間でも Microsoft .NET に対する関心は非常に高いと熱海氏は語っています。コンポーネント開発の技術者は、実際のソリューションではどのようなコンポーネントが必要とされるかということについての興味から、eSolutions 事業部の動向に注目しているといいます。
「社外から『PowerTools シリーズ』の Microsoft .NET 対応に関する問い合わせも増えており、Microsoft .NET に対する開発者の関心の高さを感じています」(熱海氏)
このことから、当初予定していたリリースの時期を早めることも検討中とのことです。リリースの具体的な時期については、グレープシティの Web サイト で発表されます。
「Microsoft .NET は、深く知れば知るほど興味が増します。これまで Microsoft 製品で開発に携わってこられた技術者の方には、早い時期にこの環境への移行をお勧めします」(高倉氏)
この取材を行ったのは部分的なリリースの段階で、その後、基幹システムから順次リリースし、2002 年夏ごろには全体が完成する予定で開発が進められているという状況です。その後は、このシステムをベースに学校法人向けシステムとしてパッケージ化していくことも検討しているといいます。「特にコミュニティ Web の基本構想においては、大学や専門学校も含めた学校に向けて幅広く活用いただけるサイトとして構築しているからです」(田中氏)。時と場所を選ばずにいつでも利用する、そんな姿を目にする日が来るのも遠くはないことでしょう。
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