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ISO9001 取得と業務プロセス改善を同時に遂行。
Microsoft® Office Outlook® による情報伝達の電子化で経営効率向上を実現。
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株式会社速水組は、岐阜県で 50 年のキャリアをもつ中堅土木建設企業として地元に密着した活動を行っています。木曽川の川岸にある河川工事事務所では、今日も同社の現場技術者が働いています。本社から離れた現場事務所ですが、現場で業務上の判断に迷うことはありません。1 人に 1 台が割り当てられたパソコンにより、いつでも本社の責任者などに連絡し、判断を仰ぐことができるからです。これが同社の IT の最大の特長。報告書や伝票を使わず、直接電子データで社内のコミュニケーションを行うことで、起案〜承認のプロセスが極めて短縮されているのです。このシステムは業務の効率化を果たしたばかりでなく、信頼できる企業の証ともいえる ISO9001 (品質管理・品質保証のための国際標準) 認定の取得も可能にしました。
<導入の背景と狙い>
業務効率向上と ISO9001 取得へのチャレンジ


株式会社速水組
専務取締役
速水 伸治氏
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株式会社速水組
工務部長
浅井 昭治氏
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業務の効率化による経営改善は、すべての企業の永遠のテーマ。しかし土木 建設業や製造業などでは、業務プロセスが特に複雑になりがちで、しかもプロセス内の各段階に大量の書類や帳票がついてまわり、それが業務効率改善を阻む大きな要因になっていることが多いようです。岐阜県で土木 建設業を長年営んできた株式会社速水組でも、それが悩みのタネでした。業界では品質マネジメントシステムの確立が競争上不可欠とみなされるようになっており、同社にとっても品質管理レベルの高さを示す「お墨付き」としての ISO9001 の認定取得が重要な課題となっていました。折から「電子政府」「電子自治体」構想が具体化し始め、電子入札や電子納品といった新しい業務の流れへの対応を図る必要性が高まってきました。
業務効率改善が ISO 取得に結びつく
同社の速水伸治専務は、こうした課題の解決には IT の導入が必要だとかねてから考えていました。さまざまな IT ツールを検討した速水専務でしたが、業務の効率化と、それによる経営改善のためには ITツールの導入だけでは足りないことに気がついていました。その典型的な例は膨大な量に及ぶ書類や帳票です。業務プロセスのそれぞれに書類、帳票が関与し、その処理のために多大な時間と労力がかかることが業務効率化のネックとなっていたのです。
これら課題を解決するには、業務プロセス自体を見直し、合理的、効率的な新しいプロセスに構築し直すことが必要だと考えた速水専務と浅井部長は、その方策としての IT 化をめざし、プロジェクトをともに推進していくことにしました。
業務プロセスの見直しも含めた効率化は、同社のもう 1 つの課題である ISO9001 認定取得への布石でもありました。品質管理の国際標準である ISO9001 の基本は、業務プロセスを明確化にし、第三者が客観的に評価できるように書類上も適切に整理、記録・保管しておき、継続的な改善を図るところにあると言えます。兼務で ISO 運用責任者として任命された浅井部長は、 IT による業務効率改善は、やがて必ず ISO 取得に結びつくと考えていました。実は、同社ではかつても ISO9001 取得をめざして活動したことがありました。その時点では IT 導入は進んでおらず、Excel へのデータ入力は行っていても、基本はすべて紙の書類や帳票を使い、浅井部長が参考図書を片手に独力で奮闘したのです。ところが、審査に必要な書類や帳票類は日々増えていくばかり。作業は困難を極め、やがて必要な書類を発見することだけでも苦労するようになってしまい、志半ばで断念せざるを得ないことになりました。この教訓を踏まえ、紙ベースでの情報利用をやめ、電子化することにより、ISO 取得への道を開こうと考えたのです。
<システム導入の経緯>
度重なるミーティングで社内業務を整理しながらシステムを導入
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株式会社ニッセイコム
名古屋支店 営業第2課
林 健一氏
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中部コンピューター株式会社
第三システムソリューション営業部リーダー
荻巣 博樹氏
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業務効率向上と ISO9001 取得という課題解決のために同社が協力を求めたのは、システムのインフラ構築を担当する中部コンピューター株式会社の荻巣博樹氏と、コンサルテーションを担当する株式会社ニッセイコムの林健一氏でした。「IT は万能の道具ではありません。業務プロセスを見直したうえで IT を上手に利用していかなければ、システムが徐々に使われなくなってしまうものになってしまいます。」(林氏)。「国や県の電子入札のスタートにあわせ、インフラの整備をしていく必要があります。これからの見通しを考えながらシステムの提案をすることに 1 番注意しました」(荻巣氏)。
やさしい操作性と業務ノウハウが盛り込まれた G.System
こうした配慮のもと、両社が速水組に提案したのは、日新建工株式会社が自社の業務支援の仕組みとして使用しえいる「G.system」でした。G.system は、Microsoft Outlook と Exchange Server を利用して社内の全ての業務を PC 上でデジタルで行うシステム(ノウハウ)で、もともと自社の業務支援システムとして開発されたものです。その性格から速水組の業務とはおおいに親和性があり、しかもある程度パソコン操作を経験した人であれば誰にでも簡単に利用できる操作性を備えていました。同社は協力企業と各部門の責任者を集めて入念なミーティングとシステムのデモを重ね、2002 年暮れの時点で G.System の導入が決定しました。導入の決めてになったのは、G.System に内包されていた業務ノウハウと言えるでしょう。そこには ISO の運用に必要な業務が整理された形で盛り込まれていました。「ほぼ同業種の企業が開発したものだけに、同じ内容がほとんどそのまま利用できました」(速水専務)。「業務形態が似ているので、開発元のマニュアルさえ、欲張りさえしなければそれほど変更せずに使えました」(浅井部長)。
同社はこのシステムを「HM System」と名づけ、「ISO 取得」の大目標達成に向けて邁進することになりました。ISO 取得を目標とすることにより、社内業務のワークフローを合理的に整理することができるからです。社内ミーティングは導入決定後も頻繁に行われ、業務ごとに行うべき処理をまとめ、それぞれに必要な書類を抽出していきました。この過程で業務プロセスがどんどん整理されていきました。「社内業務は徐々に、できる範囲で無理なく整理を進めるように注意しました。もっとも協力してくれたほかの社員には無理をかけたかもしれませんが…」(浅井部長)。
<システム導入の効果>
数分の一の労力で ISO 取得を実現、紙の書類が半分以下に減少
HM System は 2003 年 5 月から稼働を始めました。同社は社員 1 人に 1 台のパソコンを用意し、システムは全社員が利用するようにしました。もともと操作性のよいシステムであったため、特別な操作教育などは不要でした。効果はすぐに社内コミュニケーションの場面で表れてきました。「営業や管理部門が起案した案件について、すべての関係部門の責任者の承認を得るまでに、システム導入以前の回覧板方式だと 1 〜 2 週間かかることもありました。しかしシステム化以降はほとんど瞬時に承認が行えます」(浅井部長)。同社が最も効果を感じているのが、この情報伝達のスピードです。浅井部長は社内の情報を「承認」のラインを前提にしたものと、「閲覧」すなわち情報の周知を目的にしたものとに分けました。「承認」プロセスは起案から各責任者の承認 / 不承認の進捗が、システムの機能によりリアルタイムに視覚化され、いつでも確認が行えます。これにより,起案、審査、承認という 3 段階のプロセスに携わる人の数は最小にしつつ、そのプロセスの進捗は誰でも把握できるようになりました。この仕組みにより、紙の移動、配布にかかる時間はなくなり、承認までの時間が大幅に短縮できました。
一方で「閲覧」だけでよい情報も、従来の紙による回覧とは違い、全社員の手元のパソコンに資料などが届きます。周知徹底したい情報が、即座に社内の隅から隅まで行き渡るようになりました。
業務書類が電子情報になることにより、業務の各プロセスで発生していた紙の書類、帳票は従来の半分以下に削減されました。またこれは同時に、書類、帳票の保管の手間やオフィス フロアの占有スペースを削減することにもなったばかりか、最大の目的であった ISO 取得にも大きな役割を果たしました。
ISO9001 の運用に必要な書類、帳票の整理、保管が容易に
その役割の 1 つは、システム導入を契機に業務プロセスの明確化と合理化が、社内のコンセンサスのもとで行えたことです。もう 1 つは、ISO が求めるレベルの品質管理を継続的に改善しながら運用していける道筋が作れたことです。同社はこのシステムを道具にして、2003 年 12 月 には見事、ISO9001 の認定を受けることができました。
「ISO9001 を運用していくためには、従来の紙の量の半分くらいでないと無理でした。運用には記録の保存が大切ですが、このシステムのおかげで特別なファイリングを行わなくても、パブリック フォルダの中に記録がどんどん蓄積、保管されていきます。内部および外部の監査を行う場合には、その電子化されて蓄積された情報を見てもらえばよいわけです」(浅井部長)。2003 年 1 月にISO 取得のための作業を実質的にスタートした同社は、その年 4 月頃にはほとんど完成といえる状態になっていました。他のツールでシステム構築をした場合に比べると数分の 1 の労力で済んだのではないかと同社では評価しています。
システム導入を行った協力会社にとっても、同社の試みは画期的なものでした。「ISO 取得は『体力』のいる仕事です。業務の効率化を一方で行いながら取得のための活動も行うというのは驚きでした。1 人 1 台のパソコンをもち、専務が IT 化にたいへん意欲的であったという条件がそろってはじめてできたことと思います」(林氏)。
最大目標をクリアした浅井部長は、システム導入をふりかえって「年配の社員だけが持っているような業務プロセスの知識まで、関係者が集まった場で 1 つ 1 つ整理し、誰にでも知りうるルールとして定義できたことがよかった」と語ります。IT は単なる新しい道具としてだけでなく、社内を変革していく原動力にもなったのです。
「とはいえ、このシステムは完成形ではありません」と語るのは速水専務。「これはどんどん機能を作りこんで、いつまでも発展させていけるシステムです。これからもっとよくしていきたい。私は新しいことにチャレンジするのが好きなんです」。
IT は目的と企業の実情に沿った導入こそが要。速水組の成功は、明確な目標を掲げ、社内の業務にフィットする IT 導入を図ることが成功の秘訣であることを示しているようです。
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