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Microsoft Office Project Server 2007 によるプロジェクト管理システムを導入し、明確な数値基準にもとづく、ソフトウェア製品の工程管理を実現。品質向上とコストの最適化を可能に
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北陸コンピュータ・サービス株式会社は、富山、石川、福井の 3 県を地盤とし、さらに東京、大阪にも拠点を置く、北陸地域の有力ソリューション ベンダです。顧客視点の製品開発をモットーに、「地域の企業にとって、なくてはならないパートナー」を目指して、ソリューション開発を始めセキュリティ コンサルティングや各種業務のアウトソーシング、さらに最近はデータ センタ運営など、積極的なサービス展開を行っています。同社では近年、「高品質、低価格、短納期」が進む中で、いかに高い品質を維持し、なおかつプロジェクトの円滑な進行とコストの適正化を実現するかが大きな課題でした。そこで、同社では 2007 年、Office Project Server 2007 によるプロジェクト管理ツールを導入し、これまでの属人的でスキルのばらつきが多い生産管理から、明確な数値基準に基づいて工程を可視化し、高い生産効率と高品質を実現できる体制へと移行。さらに経営指標としてのデータ活用までを視野に入れた、システム整備に乗り出しました。
<導入背景と狙い>
品質確保を最優先に、明確に基準化された品質管理のための IT ツール導入を決意
「ソフトウェア業界の動向を見ると、ユーザーから『高品質、低価格、短納期』を求められる傾向はますます強くなってきています。その一方で、欠陥品などによるリコールの件数も増加しつつあります。ソフトウェアの需要が急増し、その機能も高度化と複雑化していく中で、いま『品質』という問題が大きくクローズアップされつつあるのです。もちろん当社においても、これはもっとも重要な課題の 1 つです。とりわけ『品質』は、ソフトウェア開発を中核のひとつとする当社にとっては、最優先の課題として取り組まなくてはなりません。私たちシステム本部も、システム改善を通じて高品質のソフトウェア製品を提供することを、最優先ミッションとして取り組んできました。そこで確実な品質管理を実現する上で何が必要かを入念に検討した結果、優れた IT ツールが不可欠だという結論に達したのです」と、北陸コンピュータ・サービス 取締役 システム本部長 津田行則氏は語ります。
同社では近年、生産管理面でのさまざまな問題が発生しつつあることに、危機感を募らせていました。たとえば上流工程における受注見積もりです。見積もりは「コスト見積もり」と「期間見積もり」に大きく分けられますが、価格という客観的な数値で計れるコスト見積もりに比べ、スケジュールの見積もりは大まかな各人の経験や勘に頼りがちになります。
「属人的なばらつきが多く、中には『(この期間で) 本当にできるのか ?』というものもあって、まったく客観的な基準がないまま進んでいたのが実情です。この結果、時間やコストの損失、赤字プロジェクトを生む原因の 1 つとなっていたのです」(津田氏)。
プロジェクトの進捗に不透明さをもたらす要因には、システム要件のあいまいさもあります。これも今までは各人のスキルや手法に委ねられており、上流工程におけるシステム要件の明確化と、それを的確にシステムに落とし込む基準の確立が求められていました。この他にも、腕の良いエンジニアに仕事が集中したり、北陸 3 県に展開する拠点の管理も、各拠点ごとに独自の尺度で実施しているといった、品質管理の妨げとなる多くの要因が重なっていたといいます。
「人的リソースの負荷配分が可視化されていないとか、各拠点ごとに我流の管理だったりと、表面化してくる問題はさまざまですが、根本はやはり “明確に基準化された品質管理のルール” と、それを実現できるしくみがないことだったのです」と津田氏は語ります。
<導入の経緯>
開発過程をトータルに把握し、経営判断にまで活かせるシステムを目指して構築開始
「以前は、途中のプロセスはどうあれ、最後に請求書が出せればそれでいいといった風潮すら感じられました。しかし、それでは品質管理など、とうていおぼつきません。そこで、開発プロセスをトータルに把握、管理することで、最終的には経営にまで活かせるようにしようという意気込みで始めることにしたのです」と、同社 システム本部 システム推進室 室長 岡崎武俊氏は、新システム導入に踏み切った当時を振り返ります。
「以前もプロジェクト マネージメント (PM) への取り組みはありましたが、あくまでソフトウェアのエンジニアリングの延長という程度の認識でした。しかしこれではやはり限界があります。そこで、PM は PM として独立させ、それを支える “ものづくりの基盤” としてシステムを導入しようと考えました。これは品質管理をエンジニアリングの 1 部ではなく、顧客満足度向上という大きな枠組みでとらえ直し、複雑化したユーザー ニーズに応えようという、全社レベルでの新たな試みでもありました」(岡崎氏)。
具体的なシステムの検討が始まったのは、2005 年のことでした。手始めにシステム本部では、プロジェクト管理ツール選定のポイントとして、いくつかの原則を決めました。その第 1 は、「『何でもできるけれど高い』ではなく、『最低限行いたいことが確実にできて、コストも適正』だったといいます」。
「『予定と進捗の把握』、『リソース負荷の把握と現状の共有』、『アーンド バリュー (達成額) 把握』がそれぞれ実現できることが条件でした。言いかえればこの要件だけ確実にできれば OK で、他のマネージメントは既存の他システムでまかなえばよいという考え方です。そうした割り切りをすることで、必要充分の機能とコスト節約を両立させようというわけです」(岡崎氏)。
この他、細かい機能としては他システムとの連携を容易に行うため、SOAP などのインターフェイスに対応していること、既存のデータベースを活かすうえで必要なデータベース レイアウトが公開されていることなどがありました。
「こうした基本条件に基づいて具体的な製品検討に入り、3 〜 4 社ほどに絞り込みましたがどれも価格が非常に高く、その点マイクロソフトは手頃なコストで、なおかつ必要な機能を満たしていました。そこで、手頃なところからまず始めようと、Office Project Server 2007 に絞り込んでいったのです。またカスタマイズや活用法に関する書籍が多く出ていること、ユーザー コミュニティなど情報源が豊富なことも、決め手の 1 つでした。Office Project Server 2007 の前に検討していた他社製品はそうした情報ソースがほとんどなく、カスタマイズはベンダに頼むしかなかったのです」(津田氏)。
2006 年 12 月には社内稟議も通り、2007 年 3 月までの調査、開発を経て、2007 年 4 月から社内への試験的展開が始まりました。2007 年 6 月からは富山本社の産業流通グループでの試験運用が行われており、7 月からは金沢本社と高岡支社、福井支社、さらに 8 月からは金融システム グループを始め、他の部門へ全社的展開が始まりました。
「アプリケーション導入そのものは容易に行えたため、苦労というほどのことはありませんでした。しかし、このシステム構築にあわせて当社標準の WBS (Work Breakdown Structure) を整備できたことは大変でしたが、大きな成果です。もちろんこれはワークフローを明確にするという意味で社内的な制度改善にすぎませんが、結果的にはお客様に提供する製品の品質向上にいささかでも貢献できたと自負しています」と岡崎氏は語ります。
<システムの概要>
プロジェクトの進捗が明確に把握できるようになり、さらに今後は予実管理やリスク管理にも


システム本部
システム推進室
室長
岡崎 武俊 氏
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新しいプロジェクト管理システムでは、システムに登録されている業務プロジェクトの進捗や工数などを具体的な数値などで可視化し、スケジュールに沿ってどれだけの工数を費やし、誰がどのタスクごとにどれだけの成果物を挙げたかが、明確に把握できるようになっています。
同社 企画部 副部長 大橋一郎氏は、今回の新システムを自分で使ってみた感想をこう語ります。
「まだ試験運用段階なので充分な評価を得られるところまではいっていませんが、今年中にやってみたいと思っていることが、これならば実現できるのではという手応えを既に感じています。たとえば見積もりにしても、WBS を使って各タスクのレベルまで落とし込んだ、精度の高い見積もりが可能になります。これによって、タスクごとの責任者や成果物がはっきりと見えるようになり、生産管理のルールが確立できるようになると思います。プロジェクトの収支状況を『管理レベル』、『オーダー枠』、『職制ごとの予定工数の根拠』などで管理でき、予定工数に対する実績を比較することで正確な予実管理が行えるようになりました。いわゆる現場レベルでの『言った』、『いや、言ってない』といった部分でのトラブルやタイムロスも大きく減っていくでしょう」。
一方、実際に業務に使用している現場の社員ユーザーの間では、この新システムの使いやすさが早くも高い評価を集めているといいます。もともと同社では長いこと、進捗管理を Excel のシートで行ってきた経緯があります。このこともシステム選定の際にマイクロソフト製品を選ぶ重要な決め手となりました。
Office Project Server 2007 は製品名を見てもわかるように、the 2007 Microsoft Office system のファミリに位置付けられています。このためユーザー インターフェイスなどの操作性にも共通点が多く、これまで Excel になじんできたユーザーにとって、特別なトレーニングなどのストレスなく使い始めることができます。もちろんファイルの連携も保証されているため、Excel シートとして保存されていたファイルを Office Project Server 2007 に読み込んで活用することも容易です。こうしたユーザビリティの高さを足がかりに、さらに利用を促進しようと、システム推進室では独自の操作マニュアルを作成するなど、社内での普及に力を注いでいます。
Office Project Server 2007 のもう 1 つの大きな特長が、他システムとの連携が容易に行える点です。同社では、内部統制の一環として、社内の基本システムである「販売管理システム」および「原価管理システム」を今回の新システムと連携させているといいます。
「この基本の 2 システムの数字を、Office Project Server 2007 にヒモ付けて、個別の原価のサイクルを把握できるようにしています。これらの数値データを一定期間蓄積することで、今までは見えなかった原価に関する問題点などを科学的に分析する仕組みを作っていきたいと考えています」と津田氏は語ります。
同社ではこの機能をさらに拡張していくことで、リスク マネージメントのための布石にもなるのではと期待しています。
「プロジェクト管理データを SE 管理職だけでなく、営業や経営層といった複数のレイヤの担当者が共有できるようになれば、何か問題が発生したときのアクションを迅速に開始して、的確な対応をすることが可能になるのではと考えているのです。とはいえ、システムの能力が発揮されるか否かは、結局使う人の能力にかかってきます。そういう意味では、最後はエンジニアやマネージャの教育という問題に行き着きます。システムの完成はむしろ出発点と考えて、さらに教育に力を入れていきたいと思います」(津田氏)。
<今後の展望>
システム完成を新たな出発点に、コスト予測や業種ごとのテンプレート整備などの試みを推進
同社では 2007 年の本格稼働以降も、さらにシステムの充実と幅広い活用を目指して、さまざまな試みを行っていく予定です。そうした中でも、来年度以降の重要課題の 1 つは、販売管理システムとの連携です。
「販売管理コードと Office Project Server 2007 のコードを連携させて、商品企画や販売促進にデータを活用できるようにしていけたらと思っています。また、実行予算の管理システムを作って Office Project Server 2007 と連動させ、『過去にこうだったから、今回は多分こうなる』といった予測を可能にするしくみも作りたい。さらに、当社には金融や医療分野向けソリューションを開発している部署がありますので、こうした独特のスキーマを持った分野向けの WBS のテンプレートも作って展開していきたいと思っています」(岡崎氏)。
また北陸コンピュータ・サービス全体のビジネスという視点でも、新システムには大きな可能性を期待できると、津田氏は語ります。
「当社は各業種に向けたソリューション事業を展開していますが、それぞれの得意分野のノウハウを、各地域、分野のお客様に最適な形で提供するといった形での特化を図っていきたいと思っています。たとえば北陸地域には産業流通関連のお客様が多くいらっしゃいますし、医療分野は親会社である富士通とのタイアップで市場を広げていくなど、単に『何でもやります』ではなく、『これならお任せください』といえる技術とノウハウで、本当に経営者が困っている課題の解決に、少しでもお役に立てるよう努力していきたいと思います」。
従来のソリューション開発に加え、「データ センタを 2 か所持っているのを強みに、これからはお客様のデータをお預かりするといったビジネスにも進出したい」(大橋氏) といった、新たな業務領域への取り組みも進んでいます。北陸コンピュータ・サービスは、北陸エリアのリーダー的ソリューション ベンダとして、時代の 1 つ先を行く IT 関連サービスをこれからも地域に提案し続けていきます。
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