HMVジャパン株式会社

掲載日: 2009 年 5 月 29 日
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ソリューション概要

プロファイル
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HMVジャパンleave-ms は、1990 年に渋谷に第 1 号店をオープンして以来、日本国内に 66 店舗を展開する音楽・映像ソフトの専門店です。また、1999 年に開始した「HMV ONLINE」、2000 年に開始した「HMV MOBILE」は、280 万タイトルを有する音楽・映像・書籍の専門オンライン ショッピング ストアとして成長を続け、月間 8,000 万ページ ビューを集めています。

シナリオ
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1999 年に立ち上げられた EC サイトの売り上げが伸びるに従い、店舗販売と EC 販売を統合したデータ分析ニーズが高まっていった。しかし、業務系システムは個別に構築、運用されており、両者のデータを統合するには個別にデータ抽出を行い、Microsoft Office Excel 等のツールでマージする必要があった。
この作業は IT本部が担当しており、月間 200 件に上る抽出依頼が大きな負担になっていた。また分析結果の共有が難しく、データ活用の効果がなかなか上がらないという問題もあった。
これらの問題を解決するため、ユーザー自らが自在にデータ分析できる BI の構築に着手。そのプラットフォームとして、圧倒的なコスト パフォーマンスと拡張性を持つ Microsoft SQL Server 2005 が採用された。
2007 年 10 月に第 1 次開発版をリリース。その後も機能拡充のため、2 〜 3 か月ごとにメジャー リリースを繰り返してきた。現在は第 6 次開発版がリリースされている。
データ件数は既に 10 億件を突破。さらにパフォーマンスを高めるため、データ圧縮機能を装備した SQL Server 2008 の採用も検討されている。

ソフトウェアとサービス
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Microsoft SQL Server 2005
Microsoft SQL Server 2005 Integration Services
Microsoft SQL Server 2005 Analysis Services

メリット

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ユーザーが自在にデータ分析できる BI を提供したことで、IT本部の作業負担が大幅に低減するとともに、これまで見えなかった事実が見えやすくなりました。より正確な現状認識によって、業務の最適化も可能になっています。

ユーザー コメント
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「SQL Server 2005 なら BI に必要な機能がすべて揃っているうえ、スケールアップも容易です。他社製品に比べて圧倒的なコスト パフォーマンスを実現できます」

HMVジャパン株式会社
IT本部
情報システム開発課長
市川 秀樹 氏
店舗と EC のデータを統合分析できる BI を Microsoft SQL Server 2005 で構築、
現状認識の正確性を向上、業務最適化に向けた取り組みも推進

* *HMV 渋谷
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HMV 渋谷
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全国で 66 のリアル店舗を展開する一方、280 万タイトルをラインアップする国内最大級の音楽・映像専門ショッピング サイトも運営する HMVジャパン株式会社 (以下、HMVジャパン) 。ここでは店舗販売と EC 販売のデータを統合し、ユーザーが自在に分析できるビジネス インテリジェンス (BI) システムが構築されています。そのプラットフォームとしては、BI に必要な機能をオールインワンで装備し、圧倒的なコスト パフォーマンスと拡張性を実現している SQL Server 2005 を採用。「小さく生んで大きく育てる」という BI 成功の定石に従い、データ活用の効果を高め続けています。データ分析による正確な現状認識に基づき、業務の最適化に向けた取り組みも推進。10 億件を突破したデータをより効率的に処理するため、今後は SQL Server 2008 を導入することも検討されています。


<導入背景と狙い>
切り離されていた店舗とオンラインのシステム
両者を統合したデータ分析の実現が大きな課題に


市川 秀樹 氏
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HMVジャパン株式会社
IT本部
情報システム開発課長
市川 秀樹 氏

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リアルな店舗を展開し続けながら、EC サイトでも販売を行う。現在の小売業にとって、このようなビジネス形態は当たり前のものになりました。販売管理を行う業務システムも、POS を核とした店舗システムと、EC 系システムの両方を運用しているケースが増えています。ここで大きな課題になるのが、これらのシステムに格納された販売データを、いかにして統合的に分析するかということです。消費者側もリアル店舗と EC サイトの両方をケース バイ ケースで使いこなす時代になっているため、両方のデータをまとめて分析しなければ、顧客行動を正確に把握することができないからです。

この課題に対し、SQL Server 2005 をベースにした BI システムで対応しているのが、HMVジャパンです。

同社は英国を中心に世界的なビジネス展開を行っている、レコード販売店グループ「HMV」の日本法人としてスタートしました (現在は大和証券エスエムビーシー・プリンシパル・インベストメンツ株式会社が HMVジャパンの全株式を取得)。1990 年に東京渋谷区に日本第 1 号店を開店し、その後順調に店舗数を増やし、現在国内 66 店舗を展開、2008 年の年間入店客数は 4,000 万人を突破しています。その一方で 1999 年には EC サイトでの販売もスタート。同社のサイトは約 280 万タイトルをラインアップする日本最大級の音楽・映像専門ショッピング サイトとして、月間 8,000 万ページ ビューを集めているのです。

「現在の会員数は約 350 万人ですが、店舗と EC サイトの両方で会員になっているお客様がそのうち 1/3 を占めています」と言うのは、HMVジャパン株式会社 IT本部 情報システム開発課長の市川秀樹氏。店舗があるエリアでは EC 会員の数も多くなる傾向があり、店舗販売と EC 販売は相乗効果を生み出す関係にあると指摘します。「しかし、これらのシステムは個別に構築されており、以前は両者をまたいだ分析ができませんでした。仕入れも店舗と EC サイトで個別に行われており、2 つのビジネスを展開しているメリットを十分に引き出せていない状態だったのです」。

店舗と EC サイトのシステムが切り離されていた背景には、EC サイト システムの成り立ちも関係しています。1999 年当時のビジネスの柱は店舗販売であり、店舗システムに問題が発生することは許されませんでした。そのため EC サイトのシステムを構築する際に「店舗システムに影響を与えないこと」が条件になり、その結果として両者は個別システムとして運用されることになったのです。しかし、現在ではビジネスの状況も大きく変わりました。2008 年の EC サイトでの売り上げは、全体の 1/3 にまで拡大しているのです。

EC サイトの成長に伴い、店舗と EC サイトの両方を統合したデータ分析のニーズも次第に高まっていきました。以前は Microsoft Office Excel などにデータを抽出し、手作業でデータを合成しており、その作業が IT本部の大きな負担になっていたと市川氏は振り返ります。また、データ分析を必要とする担当者と IT本部とのやり取りが増えていった一方で、担当者同士の情報交換があまり進まず、分析結果が有効活用されていないという問題もあったと言います。

このような問題を解決するため、HMVジャパンは 2007 年 4 月に BI 構築の検討をスタート。SQL Server 2005 をベースにシステムを構築し、店舗販売と EC 販売を統合したデータ分析を実現するのです。


<導入の経緯>
SQL Server の活用を前提に BI の構築を開始
決め手は圧倒的なコスト パフォーマンスと拡張性


「BI システムの構築は当初から SQL Server の活用が前提になっていました」と市川氏。その最大の理由は、コスト パフォーマンスの高さだと説明します。「BI は直接収益を生み出すものではないので、できるだけミニマムな形でスタートしたいと考えました。しかし、将来発展していった時の拡張性やスケーラビリティも必要です。SQL Server 2005 なら BI に必要な機能がすべて揃っているうえ、スケールアップも容易です。他社製品に比べて圧倒的なコスト パフォーマンスを実現できるのです」。

また、HMVジャパンではもともと EC 販売の業務システムに SQL Server が利用されていたため、これを活用することで追加コストなしでスタートできるという判断もあったと言います。実際、最初に立ち上がった BI は、業務系サーバーのうち稼働率の低いものに間借りする形で実装され、2007 年 10 月に本番稼働を開始しています。これは 3 つのデータベースと 4 つのキューブから構成され、分析に使用できるディメンション数も 10 あまりというものでした。その後継続的な機能拡張が進められ、2 〜 3 か月に 1 回の頻度でメジャー リリースを実施。現在では 6 次開発版がリリースされており、ディメンション数も 40 以上に拡張されています。

「実際に SQL Server 2005 で BI を構築してみるとわかるのですが、非常に低コストでシステムを構築できるだけではなく、技術的な制約もほとんどありません。実は他のデータベース製品の採用を考えたこともあったのですが、SQL Server 2005 の登場で BI 関連の機能が著しく向上したため、他の選択肢を考える必要はなくなりました」。

システムの基本設計は社内で行われ、その実装とドキュメンテーションは社外の協力会社が担当。その後の微調整は社内で進められていると言います。

「SQL Server 2005 をベースにした BI は短期開発が可能なので、開発コストも抑えられました。BI は継続的に成長していくものですが、短期開発ができればユーザーの要望に対応するスピードも高まります。このような観点から見ても、SQL Server 2005 は BI に最適なプラットフォームだと言えます」。


<システムの概要>
ユーザーが自在に操作できる BI を実現
正確な現状認識で業務の進め方も変化


構築されたシステムの概要は図に示すとおり。左側に並んでいる各種業務データベースから、SQL Server 2005 Integration Services で SQL Server 2005 のデータ ウェアハウス (DWH) にデータを格納。この DWH を元に SQL Server 2005 Analysis Services で OLAP キューブを構築しています。これとは別に、EC サイトで蓄積された明細データが顧客最適化用のデータベースに格納されており、このデータに対しても OLAP キューブからドリル スルーできるようになっています。

システム構成図
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システム構成図[拡大図]


たとえば、顧客からの注文がキャンセルされた理由を分析する場合、月別のキャンセル件数の一覧から商品タイトルごとのキャンセル件数や顧客ごとの受注履歴へとドリルダウンし、さらに個々のオーダー情報にまでたどりり着くことができます。このようにデータ分析を "一気通貫" で行うことで、キャンセルの理由が商品の発売延期や入荷遅れにあるのか、特定の店舗に関係した問題なのか、あるいは顧客固有の事情にあるのかが、正確に把握できるのです。

分析結果を他のユーザーと共有することも可能です。分析結果を XML のメタ データとして保存することができ、このデータを Excel で表示することもできるのです。HMVジャパンでは Excel に BI 用のアドインを組み込んでおり、これによって Excel 上でドリルダウン等の操作を行えるようにしています。

「このような BI システムをユーザーに提供したことで、IT本部に対するデータ抽出依頼は激減しました」と市川氏。以前は月に約 200 件の依頼がありましたが、現在では 2 〜 3 件程度になっていると言います。

ユーザーが縦横無尽にデータ分析を行うことで、これまで見えなかったことが見えてきたことも大きなメリットです。たとえば、以前は 30 歳代の顧客がヘビー ユーザーだと考えられていましたが、データを分析することで、実は 20 歳代の顧客が多いことがわかりました。「同じビジネスを長年やっていると固定観念ができてきますが、データ分析はこれを覆す効果があります」。

また、CD や DVD の販売では、リリースされてから 2 週間以内の "新譜"、2 週間から数か月程度の "準新譜"、それ以外の "定番商品" に分けて売れ行きを管理していますが、最近では準新譜の売れ行きが低下している一方、定番商品の売れ行きは大きな変化がないことも、データ分析で明確になったと言います。売れ行きのパターンが把握できれば、発注方法の最適化も可能になります。たとえば、新譜の初期発注量を抑えることで、準新譜の売れ残りリスクを回避できますが、発注量の減少は在庫切れのリスクの増大につながります。この問題を回避するために、店舗間の商品流通も行うようになりました。データ分析によって現状認識が変わったことで、業務のやり方も変わっていったのです。

さらに市川氏は「従業員のデータに対するリテラシーも高まっています」と指摘します。特にディメンションの数を大幅に増やした第 3 次開発版ではユーザー数も一気に増大し、BI に対するユーザーからのリクエストも増え、これに対応していった結果、個々のユーザーの利用頻度も高まっていったと言います。BI の機能強化がユーザーのリテラシーを高め、これがさらに BI の機能強化に結びついていくという、ポジティブなフィードバックが働いているのです。


<今後の展望>
今後の課題はパフォーマンスのさらなる向上
SQL Server 2008 のデータ圧縮機能に期待


現在の HMVジャパンでは、すべての従業員が BI を使うようになっており、経営会議も BI をベースに行われるようになっています。ユーザーからの要望も継続的に寄せられており、これに対応することで BI も日々進化しています。これまで 2 〜 3 か月に 1 回の頻度で行われてきたメジャー リリースも、今後さらに継続していく計画になっています。

このような状況の中、今後の課題として挙げられているのが、パフォーマンスのさらなる向上です。「そのために今考えているのが SQL Server 2008 への移行です」と市川氏。SQL Server 2008 が装備しているデータ圧縮機能を活用することで、パフォーマンス上のボトル ネックが回避できると期待されているのです。「OLAP キューブの構築は夜間バッチで行っているのですが、最近は在庫系データの件数も 10 億件を超えており、構築に時間がかかるようになりました。処理時間のほとんどはディスク アクセスなので、データを圧縮すればスループットが上がるはずです」。

小さく生んで大きく育てていくことは、BI 導入を成功させるための "定石" と言っても過言ではありません。HMVジャパンは SQL Server 2005 をベースにすることでこの定石に従った BI 導入を行い、社内の固定観念を覆すとともに、業務のあり方も変えてしまいました。そして現在もデータ分析の可能性を広げつつあるのです。



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