いちよし証券株式会社

掲載日: 2008 年 6 月 4 日
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ソリューション概要

プロファイル
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「お客様に信頼され、選ばれる企業であり続ける」を経営理念とし、これまでの日本にない金融証券業界の「ブランド・ブティックハウス」を目指しております。徹底したリテール資産運用サービス、中小型成長株への特化を特徴としています。

シナリオ
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金融商品取引法に対応した内部統制を実現するため、新たなワークフロー システムの構築に着手。Microsoft Office SharePoint Server 2007 と連携する「SmartWorkflow (スマートワークフロー) 」が採用された。
フロントエンドの開発に Microsoft Office InfoPath 2007 を採用することで、帳票開発のノンプログラミング化を実現。ワークフローの設定も Office SharePoint Server 2007 のカスタム リストを活用しユーザーが設定できるようにするなど、カスタマイズ性を高めている。
柔軟性の高いシステムを実現することで、細かい仕様変更にも短時間で対応可能に。また外部システムとの連携も容易になったため、ユーザーの利便性も高まった。
今後はワークフロー化する業務を拡大すると共に、IRM を活用した文書管理なども実現していく予定。

ソフトウェアとサービス
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Microsoft Office SharePoint Server 2007
Microsoft Office Infopath 2007
Microsoft SQL Server 2005 Enterprise Edition

メリット

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ポータルと連携した柔軟性の高いワークフロー システムを構築することで、金融商品取引法に対応した内部統制をスケジュールどおりに実現できました。帳票開発に Office InfoPath 2007 を採用しているため、カスタマイズ性も高くなっています。

ユーザーコメント
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「金融商品取引法に対応するにはワークフロー システム活用が必須条件。しかもルール変更および人事異動にも短時間で対応できる、柔軟なシステムが必要です」

いちよし証券株式会社
システム部 開発課 係長
ア川 将司 氏 談

「SmartWorkflow を採用したのはポータル連携を高く評価したからです。また Web サービスなどの最先端テクノロジが積極的に活用されていることも重要なポイントになりました」

いちよし証券株式会社
システム部 開発課
係長
山内 光秀 氏 談
Microsoft Office SharePoint Server 2007 と連携するワークフローを構築。
柔軟性の高いシステムで金融商品取引法に対応した内部統制を支える

* *いちよし証券株式会社
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いちよし証券株式会社
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「今までの日本にない証券会社をつくろう」を合い言葉に、金融証券業界のブランド・ブティックハウスを目指した取り組みを積極的に進めているいちよし証券株式会社。ここでは 2007 年 9 月に施行された金融商品取引法に対応するため、Office SharePoint Server 2007 と Microsoft Office InfoPath 2007 をベースにしたワークフロー システムが導入されています。Web サービスなどの最先端テクノロジを活用することで、基幹系システムと連携したワークフローを実現。Office InfoPath 2007 を活用したノンプログラミングの帳票開発によって、業務の追加や変更にも迅速に対応できるようになっています。


<導入背景と狙い>
金融商品取引法に対応した内部統制実現のため
新たなワークフロー システムの構築に着手


ア川 将司 氏
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いちよし証券株式会社
システム部 開発課
係長
ア川 将司 氏

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2006 年 6 月に可決され、2007 年 9 月 30 日に施行となった「金融商品取引法」。この法律によって上場会社の内部統制の強化が図られることになりますが、金融商品の利用者保護を徹底するルールも設けられました。たとえば顧客に金融商品を販売する場合、「重要事項の説明を実施したこと」の記録を求めています。このようなルールは「貯蓄から投資へ」の流れを作るための市場機能の確保や、金融、資本市場の国際化を図るうえでもきわめて重要なものだといえます。

このような新たなルールへの対応を、Office SharePoint Server 2007 に搭載されている InfoPath Forms Services を利用したワークフロー システムによって実現しているのが、いちよし証券です。

1944 年に設立された同社は、最も強固な財務体質を持つ証券会社の 1 つとして知られています。証券会社の健全性を測る指標の 1 つである自己資本規制比率は 446.0% に達しています。金融商品取引法ではこの比率を 120% 以上に維持することが義務付けられていますが、いちよし証券の健全性がいかに高いかは、この数値を見るだけでも理解できます。

「今までの日本にない証券会社をつくろう」を合い言葉に、金融証券業界のブランド・ブティックハウスを目指した取り組みを進めており、そのためにリサーチ部門をベースにした経営スタイルを確立。顧客に良質なアドバイスを提供することで、新しい時代における顧客のパートナーにふさわしい証券会社を目指しています。

「金融商品取引法を遵守するには、システム的な対応が欠かせません」というのは、いちよし証券株式会社 システム部 開発課 係長のア川将司氏。たとえば「重要事項説明」を徹底するには、顧客が説明内容を確認したことを記録するのはもちろんのこと、アドバイザ(営業担当者)自身がどこまでの説明を行ったのかを確認できることや、その経過情報をいつでも参照できる形で保存しておく必要があると説明します。つまり「重要事項説明」という業務の流れを標準化、見える化していかなければならないのです。

「そのためにはワークフロー システムの活用が必須条件。しかもルール変更および人事異動等にも短時間で対応できる、柔軟なシステムが必要です」。

* 山内 光秀 氏
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いちよし証券株式会社
システム部 開発課
係長
山内 光秀 氏

実はいちよし証券では、2005 年にもワークフロー システムが導入されています。このシステムは ASP 型で、比較的手軽に導入できるというメリットがありました。しかしその反面、社内の他システムとの連携が取れず、ワークフローのルート定義を柔軟に行えないなど、いくつかの問題を抱えていたといいます。

「証券会社は社内の届出書類が多く、このシステムももともとはペーパーレス化のニーズに対応するために導入されたものです」というのは、いちよし証券株式会社 システム部 開発課 係長の山内光秀氏。書類の数は 200 種類を超えており、そのフローも煩雑でわかりにくいものだったといいます。「当初はこれらを ASP に乗せていく予定でしたが、柔軟性の問題があったため、結局乗せることができたフローは 40 種類にとどまってしまいました」。

そこで 2007 年初頭に新たなワークフロー システムを構築するためのプロジェクトをスタート。金融商品取引法に対応した内部統制を支えうるシステムの実現が目指されたのです。


<導入の経緯>
Office SharePoint Server 2007 との連携を評価し SmartWorkflow を採用
先端技術の活用や柔軟性の高さも重要なポイントに


まず内部統制に関する「文書化チーム」が置かれ、今後の内部統制にどのような文書が必要なのか、どのようなワークフローが必要なのかが検討されていきました。しかしいちよし証券における新ワークフロー システム構築への取り組みは、すでに前年から始まっていたとア川氏は振り返ります。どのようなシステムが理想的なのか、検討作業が進められていたのです。

具体的なシステム イメージができるきっかけになったのは、2006 年 7 月に株式会社 CSK Winテクノロジが行った「SmartWorkflow」のデモだったといいます。この時点で「SmartWorkflow を導入しよう」という方針が決定。同年 12 月には要件定義に着手し、プロジェクト開始早々の 2007 年 1 月には CSK Winテクノロジのエンジニアが参画しています。

それではなぜ SmartWorkflow が採用されたのでしょうか。山内氏は「ポータルと連携できる点を高く評価したから」と説明します。実はいちよし証券では以前から「ポータルを導入しよう」という話が進んでおり、金融商品取引法への対応でも、ログ管理が可能なポータルによって文書管理を行うことが検討されていました。Office SharePoint Server 2007 と連携する形でワークフローを実現できる SmartWorkflow は、まさに一石二鳥の選択だったのです。

また Web サービスなどの最先端テクノロジが積極的に活用されており、他のシステムとの連携が容易な点も重要なポイントになりました。さらに、帳票フォームの作成や修正が Office InfoPath 2007 の活用でノンプログラミングで行える点も、大きなメリットだったといいます。

2007 年 2 月末には Office SharePoint Server 2007 と SmartWorkflow の環境が整備され、Office InfoPath 2007 を利用した開発方法の検証と、実機での動作検証が進められていきます。2007 年 5 月には動作環境が確立され、実際の業務で使われる帳票やフローの開発を開始。2007 年 9 月には第一次サービスインを実施し、3 種類のワークフローをリリースしています。

その後、帳票とワークフローを順次追加。現在 (2008 年 4 月) までに約 60 種類の文書を帳票化し、業務のワークフロー化を進めています。

Office InfoPath 2007 で作成された帳票フォーム
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Office InfoPath 2007 で作成された帳票フォーム[拡大図]



<システムの概要>
帳票やフローを簡単にカスタマイズ可能
基幹系システムとの連携も実現


椋梨 紀子 氏
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株式会社 CSK
Winテクノロジ
第一開発部
第一開発グループ
担当課長
椋梨 紀子 氏

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ソフトウェアの構成は図に示すとおりです。まずユーザー インターフェイスとしては Internet Explorer を使用し、ここから Office SharePoint Server 2007 で構築されたポータルにアクセス。このポータルのバックエンドで SmartWorkflow が稼働し、業務に必要なワークフロー機能を提供しています。ワークフロー関連の情報を格納するストレージとしては、Microsoft SQL Server 2005を使用。帳票フォームの作成および実装には Office InfoPath 2007 が活用され、ワークフローで使用される帳票類は Office SharePoint Server 2007 の機能である InfoPath Forms Services を利用してInternet Explorer 上から入力され、入力されたデータがフォーム ライブラリに格納されます。

顧客情報や商品情報が必要なワークフローに関しては、基幹系 DWH (データウェアハウス) とデータ連携することで情報を取得します。この機能は Office SharePoint Server 2007 のデータ接続ライブラリで作成された Web サービスによって実現されています。顧客とのやり取りが発生するワークフローに関しては、更新された顧客のステータス情報が既存の CRM システムに反映されます。これはフォーム ライブラリから直接、夜間バッチで CRM のデータベースに書き込むしくみになっています。

株式会社CSK Winテクノロジ 第一開発部 第一開発グループ 担当課長の椋梨紀子氏は、「このシステムの最大のポイントは、一般ユーザーの方でもメンテナンスしやすいように設計されていることです」と説明します。たとえばフォームの作成は、Office InfoPath 2007 でノンプログラミングで行えるため、システムの知識がないユーザーでも簡単に行えます。

ソフトウェア構成図
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ソフトウェア構成図


* 菊地 慎太郎 氏
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株式会社 CSK
Winテクノロジ
第一開発部
第一開発グループ
主任
菊地 慎太郎 氏

「人事異動などで変更が多くなりがちな承認者の設定も、Office SharePoint Server 2007 のカスタム リストを使うことでカスタマイズしやすくなっています」というのは、株式会社CSK Winテクノロジ 第一開発部 第一開発グループ 主任の菊地慎太郎氏。現在は CSK Winテクノロジの開発者が設定を行っていますが、これも今後はいちよし証券内部で行えるように作業を移管していく予定だといいます。

このようなメンテナンス性の高さは、金融商品取引法への適切な対応を行ううえで、きわめて大きな効果を発揮しています。「新しい法律への対応は、最初のうちは手探り状態で進めざるを得ません」とア川氏。そのためシステム構築の最中にも社内ルールが何度か変更され、ワークフロー システムもこれに対応する必要があったのです。

「今回構築したシステムは、帳票やフローの定義を柔軟に行えるため、このような微調整にも迅速に対応できました」。

またユーザー認証を Active Directory に統合したため、フローの不備がなくなったことも大きなメリットだとア川氏は指摘します。以前のワークフローではユーザー認証が統合されていなかったため、誤った承認先にフローが流れることもあったのです。さらに他システムとの連携が実現できたことも大きな効果であると評価されています。以前は基幹系 DWH から顧客情報を取り出すことができなかったため、ワークフロー システム側で顧客属性を入力しなければなりませんでした。しかし今ではその必要はありません。

現在のユーザー数は約 1200 名。「重要事項説明に関係するものだけで、毎日約 1000 件のフローが発生します」と山内氏。このフローが動かないと業務にも大きな影響を与えてしまうため、システムには高い信頼性が求められるといいます。

いちよし証券ではこの要求に対して、ハードウェアの冗長化を行うことで対応しています。まずフロント側のサーバーは、2 台の Web サーバーが負荷分散構成になっており、この上で Office SharePoint Server 2007 と SmartWorkflow が稼働しています。バックエンド側のサーバーは MSCS (Microsoft Cluster Service) で二重化されており、SQL Server が稼働しています。これらに加えてインデックス サーバーも 1 台設置されています。

システム構成図
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システム構成図



<今後の展望>
今後は稟議等もワークフロー化
IRM による文書管理の実現も視野に


「当初はワークフローを内部で開発することも考えていたのですが、CSK Winテクノロジにお任せしたことで、予定どおりのスケジュールでサービス インできたと評価しています」とア川氏。CSK Winテクノロジでは早い時期からエンジニアを常駐させたため、いちよし証券の内部事情を深く理解したうえで、仕様変更などの要求にも迅速に対応できたのです。

「今回は新しい法律への対応だったため、標準スケジュールどおりにプロジェクトを進めるのは決して簡単ではなかったはずです。CSK Winテクノロジのエンジニアが、私どもの要求の “行間”を読んでくれたため、本当に助かりました」。

以前使用していた ASP 型ワークフロー システムからの移行も順調に進んでおり、2008 年 6 月末には移行が完了する予定です。稟議のワークフローはまだシステム化されていませんが、今後ワークフロー システムに乗せていく予定です。また 2008 年 3 月には役員専用ポータルも稼働を開始しています。今後は文書管理もポータルへと移行予定。IRM (Information Rights Management) もすでに導入されており、これを活用して文書保護の徹底を実現することも視野に入っています。

内部統制の実現というと、ルールの厳格化やその徹底した適用など、“堅い側面”に目がいきがちです。しかしそれを支えるシステムには“高い柔軟性”が必要になることを忘れてはなりません。柔軟性に乏しいシステムでは徹底した適用が難しくなり、運用上の抜け道ができやすくなるからです。このような問題を回避するためにどうすべきか。いちよし証券の事例は 1 つの方向性を示唆しているといえるでしょう。



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本ケーススタディは情報提供のみを目的としています。Microsoftは、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。
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