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Microsoft® Dynamics CRM 3.0 による CRM システム導入で、高精度の顧客情報管理とリアルタイムのサポート対応を実現。さらに、全社的な情報共有基盤の構築にも先鞭をつける
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インフラジスティックス・ジャパン株式会社は、米インフラジスティックス社の日本法人として、2006 年 8 月に設立されました。同社は Windows® ベースの商用アプリケーション ユーザー インターフェイスの開発者を対象に、プレゼンテーション レイヤ コンポーネント群に特化した開発ツールを提供しており、日本でも約 10 年前から Infragistics NetAdvantage に代表される製品を展開しています。同社では日本法人の設立にあたって、顧客情報を一元管理するために、Microsoft Dynamics CRM 3.0 を中心にした CRM システムを構築。より質の高い顧客情報管理とサポートの実現に向けた体制づくりを積極的に進めています。
<導入背景と狙い>
国内法人設立に合わせて、日本独自の新たな顧客情報管理システム構築を決定


インフラジスティックス・ジャパン株式会社
代表取締役
デビッド・クーニング 氏
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インフラジスティックス・ジャパン株式会社では、日本での拠点設立にあたって、新たな顧客情報管理システムを独自に立ち上げることを決めました。同社代表取締役のデビッド・クーニング氏は語ります。
「米国のインフラジスティックス本社を中心に、社内にはすでに稼働している顧客情報管理システムがありましたが、日本法人ではまったく新しいシステムを作ることにしました。そこでいろいろと検討を重ねた結果、せっかく作るのなら CRM システムを構築しようということになりました。我々スタッフおよびすべてのお客様が、顧客情報を 1 つのシステム上で使うしくみを作ることによって、360 度の角度から顧客を見ることができて、お客様のニーズや満足度をより幅広く把握できるようになると考えたのです」。
インフラジスティックス・ジャパンが CRM に強い関心を抱いた背景には、販売やサポートにおける同社独自のモデルの存在があります。同社の製品はいわゆるパッケージとしての売り切りではなく、サブスクリプション契約に基づいた使用権の形をとっています。このためユーザーは、購入後 1 年間にわたってバージョン アップやサポートが受けられるしくみになっています。このサポート業務にぜひ CRM を使いたかったと、クーニング氏は語ります。
「お客様から問い合わせやトラブルの連絡をいただいた場合、CRM システムがあればすべての情報検索や対応手配などが同一のシステム内で行えるため、サポートの品質が大きく向上します。またそれを可能にするには、1 つの画面からすべての手配が可能な Web ブラウザ ベースのインターフェイスなども必要です。加えて当社の製品はバージョン アップのペースが速く、通常は年に 3 回の更新が行われます。そのアップデートを提供する Web サイトの使いやすさも追求していきたい。そうした意味でも単なる顧客データベースではなく、CRM システムである必要があったのです」。
また新システムでは、本社の経理部門とのシステム接続も重要な要件であったとクーニング氏は説明します。「インフラジスティックスの本社経理部門では、すでに Microsoft Dynamics GP 9.0 という業務管理アプリケーションが導入されていました。このシステムと新しい CRM システムを接続したかったのですが、いくつかのベンダに相談したところ『不可能だ』と断られてしまっていたのです」。
もともと Windows 環境下での開発者向けコンポーネントを提供してきた同社にとって、CRM においても Windows 環境と親和性の高い Dynamics CRM を指定するのはごく自然な選択でした。米国本社で 100 ライセンスを購入し、そのうち 10 ライセンスが日本法人に割り当てられました。この結果、日本法人の新しい CRM システムは Microsoft Dynamics CRM 3.0 を中心に構築されることが決まり、事態は実装レベルでの開発とそのための課題解決に向けて動き出しました。
<導入の経緯>
日本語版と英語版の連携などの難問を乗り切り、わずか 1 か月でサービス インを実現
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インフラジスティックス・ジャパン株式会社
テクニカル エバンジェリスト
松原 晋啓 氏
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「設計がスタートしたのは、2006 年 11 月初頭です。それが 12 月 11 日にはもうサービス インしてしまったのですから、ほぼ 1 か月で導入完了というペースでした。日本法人の設立が 8 月でしたから、新会社スタートから 4 か月で CRM システムを立ち上げたことになります。私たち自身が驚いたほど、ものすごいスピードでした」とクーニング氏は導入までを振り返ります。
この導入スケジュールでの作業を通じて最も苦労した点は、やはり懸案の本社経理システムとの連動でした。導入時のシステム開発に当たった、同社テクニカル エバンジェリストの松原晋啓氏は次のように語ります。
「すでに本社で稼働している Microsoft Dynamics GP 9.0 は英語版で、新たに導入しようとしている Microsoft Dynamics CRM 3.0 は日本語版。この言語の異なる 2 つの製品を連携させるのが難しかったのです。まだ世界でも実施例がなく、最初はマイクロソフトの担当者もできるかどうか即答を避けるほどでした」。
連携を実現するには、1 台のサーバー上に日本語版と英語版を共存させ、なおかつ 1 つのデータを扱うしくみを作らなくてはなりません。しかも日本側ユーザーには日本語表示、本社には英語表示する必要があります。しかし言語が異なる版ではお互いの項目もまったく異なっているため、項目どうしがうまく当てはまりません。
この問題の解決について、松原氏は「最終的には、オリジナルの項目を追加して何とか収めました。作業そのものの大変さもさることながら、Microsoft Dynamics CRM 3.0 もまだリリースされたばかりで資料が少なく、まして日本語版と英語版のマッチングとなると前例もありません。情報が乏しい中での開発という点が厳しかったですね。最も日英両バージョンの連携というきわめて特殊な例で、しかも世界初の事例ということで無理もなかったと思っています。むしろ Microsoft Dynamics CRM 3.0 は、単体では非常にカスタマイズしやすく、作業効率にもすぐれているといってよいでしょう。逆にいえば、ここまで前例がなく細かなカスタマイズを予定の期間内で終えられたのは、その扱いやすさがあったからだともいえますね」と語ります。
Microsoft Dynamics CRM 3.0 はカスタマイズを手がける技術者の側から見ても、Microsoft .NET Framework に準拠しているため専用のスキルを習得する必要がなく、ライブラリも豊富に提供されているので、効率的な作業が可能です。反対にまったくカスタマイズを施さなくとも充分に使える基本性能を持っており、ユーザーのレベルや事情に合わせて使い方を選択できる点も、評価できる柔軟性の 1 つであると松原氏は語ります。
また同社では Windows 環境の開発ツール ベンダの強みを活かして、自社製品の Infragistics NetAdvantage を使って CRM システムの UI コントロール環境を開発、実装しました。このカスタマイズについて松原氏は、「通常の手法で行おうとすると、かなりの時間を費やすことになります。しかしMicrosoft® Visual Studio® 2005を使っている開発者であれば、Infragistics NetAdvantage をそのまま組み込めば動かせるので、UI 開発の作業時間をかなり節約することができます。今後 Microsoft Dynamics CRM 3.0 のカスタマイズを試みられる方には、先行事例としてぜひ参考にしていただきたいですね」と説明します。
こうしたカスタマイズの柔軟性に加えて、ソフトウェア自体のポテンシャルも充分に高いとクーニング氏は評価します。
「エンド ユーザーの立場からすると、せっかく導入するのだから、あれもやりたい、これもやりたいという希望がいくつもありました。しかし今回はサービス インまでの時間も限られていたので、基本的にはできるだけカスタマイズなしで行くことにしたのですが、事実上アウト トゥ ボックスでそのまま使えたのは、製品の持っているもともとの基本機能が高かったからだと思います」。
<システムの概要>
すべてのビジネスを 1 つのシステムで、しかも誰もが簡単に行える CRM システム
インフラジスティックス・ジャパンでは、今回の CRM システムがもたらした中で最も大きなメリットは「すべてのビジネスを 1 つのシステムで行えること」だと評価しています。
「日々の業務を進めていく中で、"サポートが行える"、"営業ができる"、そして"マネージャがすべての動きを見ることができる"。こうした全部の活動を 1 つの画面から進められることが、ビジネスの質の向上に大きく貢献しています。サポート業務を 1 つとっても、従来はお客様の連絡を受ける部門、サポートに当たる技術者、売り上げを計上する営業担当と各セクションがバラバラに動いていました。しかし今ではお客様からのメールが来たらすぐにサポート履歴を参照して、問題点があれば担当者にメールを送り、同時に売り上げとコストをデータから比較して営業判断を下すといった、一連の動きがシームレスに、しかもリアルタイムで可能になっています。従来の米国本社のシステムでは、おのおのの情報があちこちのシステムに散在しているので、何か 1 つのデータを見ようとするだけで大きなストレスになってしまうのです。米国本社の役員が私たちのシステムを見ると、いつもうらやましがっているほどです」とクーニング氏は語ります。
またクーニング氏は、「マネージャが喜ぶシステム」であるとも評価します。カスタマイズが容易なため、ビジネス サイドから「こういう機能を追加して欲しい」と要望が出てきた場合も、技術者側がすぐに可能かどうかを判断して即答できます。マネジメント サイドの経営判断がシステムにすぐさま反映できるため、ビジネス環境の変化にも迅速に対応できるのです。
「実際の例としては、レポートを出力したいと考えたときに標準機能では難しかったので、レポート サーバー経由で出せるようカスタマイズしました。この際も試しては直しながら、わずか 1 週間でできあがりました。このことからも、CRM としては他に例を見ないほど、ビジネスの動きを優先したシステム開発が可能だということがわかると思います。今回の新システムのすばらしさは、何か新しい機能が増えたというよりは、むしろ前々から皆が実現したくてできなかったことを、ごく当たり前に行えるようになった点にあるといえるでしょう」と評価するクーニング氏。
一方、松原氏は「誰でも使える簡単さ」を高く評価。「特に日本のビジネスの現場で役立つのが、Microsoft Office Excel® 2003 との親和性の高さです。たとえば営業担当者が売り上げを Excel にエクスポートしてピボットテーブルで開くだけで、最新の売り上げ情報がいつでも見られるようになっています。それぞれの業務担当者が、自分の見たい情報だけを見たいときに取り出して参照することができるのです。またサポート担当者の場合、顧客の案件単位でデータを切り出せるので、問い合わせ対応の能率も大きくアップできます。これはデータがあちこちに散らばっている従来のシステムでは、とうてい実現できなかった成果ですね」。
CRM システムによってすべての顧客に関するデータがシンクロされて見やすくなった結果、作業効率が大幅にアップし、動きや工程にムダがなくなったと松原氏は語ります。


Microsoft Dynamics CRM 3.0 による CRM システム[拡大図]
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<今後の展望>
全社でのフラットな顧客情報共有基盤を目指して、さらにシステムの改良と展開を
同社では今回の新システムを、すでに長年にわたり稼働している本社のシステムといかに融合させ、単に CRM にとどまることのない、全社的情報共有基盤として発展させていくかを検討していきたいと考えています。
「私たちの日本語版システムを除けば、社内ではすべて英語版のシステムを共有する体制ができあがっています。したがって、あとは私たちのシステムと本社系のシステムをうまく結びつける方法を具体的に探っていけばよいわけです。それが実装レベルで実現できれば、アメリカの情報と日本の情報がお互いにリアルタイムで共有できるようになる。つまり地域差を超えた、全社的でフラットな情報共有基盤が確立できるわけですね。それが実現すれば、たとえば海外にサポート事案の協力を依頼する際にも、いちいち経過を説明する必要がなくなります。お互いに CRM システム上で共有しているデータをもとにディスカッションできるので、効率も精度も格段に向上するでしょう。まだ具体的なスケジュールは決まっていませんが、できるだけ早いペースでこうしたナレッジ共有への取り組みを進めたいと思っています」と松原氏は語ります。
インフラジスティックス社全体のレベルでも、こうしたシステム発展への布石は着々と行われています。
「今回 100 ライセンスを購入したうち、10 ライセンスをこの日本、40 ライセンスをアメリカに付与しています。本社の経営陣として、残りをロンドンを始めとしたヨーロッパの拠点に展開することで、さらにグローバルな情報共有体制を築いていこうと考えているのではないでしょうか。そうした大きな視点と同時に、私としては日本のシステムをさらに使いやすく改善し、自動化できる部分は極力自動化して社員の負担を軽減するなど、自分たちのビジネス フォースを強化する方向で改良していきたいと考えています」とクーニング氏は語ります。
日本で構築された新しい CRM システムが、インフラジスティックス社のビジネスをワールドワイドでドライブしていく今後の展開に、CRM 導入を検討中の企業は大いに注目です。
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