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庁内の PC 約 3,000 台に、Microsoft Office 2007 と Windows Vista を採用
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高知県では、職員の業務用パソコン約 4,500 台のうち、3,000 台についてのオフィス ソフトを更新するにあたり、OpenOffice.org と Microsoft Office 2007 を比較した結果、Microsoft Office 2007 を導入することになりました。
雄大な自然に恵まれた南国土佐。稀代の英雄・坂本龍馬ゆかりの観光地や、黒潮に育まれた豊かな海の幸、日本最後の清流・四万十川を誇る高知県。
高知県では、従来から IT 施策にも積極的に取り組んでおり、「高知県方式」と呼ばれる手法で、基幹業務システムをメインフレームから Web 化を含むオープン系の共通基盤にダウンサイジングし、かつ全国の自治体にも、この手法を公開するなど、さまざまな取り組みを行ってきました。
その高知県庁では、職員の業務に活用してきた Microsoft Office 2000 が 2009 年の夏に、そして、Microsoft Windows 2000 が 2010 年の夏にそれぞれサポート切れを迎えることを契機として、新しい OS とオフィスソフトを導入。
採用されたのは、Microsoft Office 2007 と Windows Vista でした。(全庁約 3,000 台分のライセンスのうち、約 1,800 台は新規の PC に Microsoft Office 2007 と Windows Vista をインストールして配布。残り約 1,200 台は、Microsoft Office 2000 + Windows XP で稼動していた PC の Microsoft Office 2000 を 2007 にアップグレードしました)
OpenOffice.org の検討
高知県では、Microsoft Office 2000 のサポート切れを契機として、オフィス ソフトの入れ替えが必要となりました。
高知県文化生活部 情報政策課 チーフ (電子県庁担当) 松田由紀氏、主任 吉本幸弘氏に話を伺いました。
高知県では、ほとんどの県職員は、オフィス ソフトの基本的な機能を中心に使っているので、Microsoft Office 2000 を継続して使用したい意向でしたが、セキュリティ上、サポートが切れた製品を使い続けることはできないので、オフィスソフトを更新することになりました。
そこで情報政策課では、次期オフィス ソフト候補として OpenOffice.org について、調査・研究・試用を行いました。
具体的には、全国の自治体の導入事例の調査、中四国の都道府県情報主管課長会議などでの意見交換、県内外の情報関連企業や専門家からの意見聴取などを行いました。
その結果、OpenOffice.org の導入に向けた課題として、次のことが挙げられました。
- 都道府県の大規模な導入事例がまだないこと
- Microsoft Office との互換性が完全でないこと
- 国や他の地方自治体の文書のほとんどが Microsoft Office で作成されていること
特に、次の 2 点が大きな課題となりました。
- メーカーサポートがないこと
- 脆弱性情報が得られにくい。アップデート用のパッチも自主的に確認しなければ、その有無さえ分からないこと
サポートの有無は、管理者側の負担増が懸念されるポイントであり、脆弱性情報の不足も、全職員に自分でアップデート用のパッチを確認するように義務付けても、確実に運用することは難しい、と考えられました。
また、導入時の経費が削減されるとしても、導入後の運用管理コストなどのトータルコストを考えると、経済的メリットも少ないということも予想されます。
こうして OpenOffice.org の採用は見送られ、代わりに採用されたのが、Microsoft Office 2007 でした。
それまで、Office 2000 を利用していたので、「庁内の職員が Office 2007 を使えなくて困る」ことはないだろうということと、脆弱性情報が早く、セキュリティ アップデートが確実なのは、管理部門として安心できるという判断による決定です。
また、Microsoft Office 2007 を導入するにあたり、Windows 2000 では Office 2007 が動かないので、Windows 2000 のサポート切れまではまだ 1 年の猶予がありましたが、Windows 2000 を搭載している全てのパソコンを Windows Vista に更新することにしました。
Web ベースの基幹業務システムの動作を Internet Explorer 7 で確認
Microsoft Office 2007 および Windows Vista 導入に際しては、Vista で標準になっている Internet Explorer 7 上で、Web ベースの基幹業務システムが問題なく動作するかどうか確認する必要がありましたが、Vista については、18 年度に 600 台を導入する際に検証済みでしたので、特に問題はありませんでした。
Excel を使用して県職員様が各種データを利活用している部分に関しても、アップグレードの影響を確認したと、今回の Microsoft Office 2007 および Windows Vista 導入を落札した、株式会社高知電子計算センター (以下、高知電子計算センター) の情報事業本部 営業部 営業 1 課 主任 釣井雅史氏は説明します。
高知電子計算センターは、メインフレームで稼動している基幹業務システムを、独自の手法で、オープン系のシステムにダウンサイジングする「高知県方式」にも携わり、高知県庁のさまざまなシステムに、長く関わってきた地元企業です。高知県を本拠地として、現在は日本全国へサービスを提供しています。
「Excel のマクロを利用している場合、OpenOffice.org では、Excel のマクロが利用できず、Excel 2000 から OpenOffice.org に変えるよりも、同じマイクロソフト製品に移行した方がリスクは少ないと思います」(釣井氏)。
そして、実際に全庁への導入が完了した後、情報政策課に寄せられたサポート要請は、ほとんどありませんでした。
ただし、Microsoft Office 2007 の使用に際しては、気をつけていることがあります。
業務用の PC の Microsoft Office は、現在のところ XP と 2007 の 2 つのバージョンが混在しているうえ、庁内で利用しているシステムの中には、Office 2007 に対応ができていないものがあるので、ファイルを保存する際には、必ず Office 97-2003 のファイル形式との互換性を配慮しなければならないということです。
現在導入している OS やオフィス ソフトの中で、次に、サポート終了を迎えるのは Microsoft Office XP の 2011 年なので、それまでに改めて今後導入するオフィス ソフトについて検討を行っていくことになる、と情報政策課では考えています。
オフィス ソフトから基幹業務システムまで、IT に対して明確な意思を持ち、さまざまな取り組みを続けている高知県。
コンプライアンスとセキュリティに対する意識の高さや、IT コスト適正化に向けて全国の自治体に「高知県方式」を公開するなど、公平かつオープンな姿勢を持つ同県の IT 導入は、こうした、厳しくも確かな目に支えられています。
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