独立行政法人 国立高等専門学校機構

掲載日: 2008 年 4 月 9 日
全国の高専が PC の空きリソースをシェアし、高速演算環境を安価に実現する
「高専連携グリッド プロジェクト」が始動。
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ソリューション概要

プロファイル
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独立行政法人国立高等専門学校機構は、全国 55 校の国立高等専門学校を設置・運営する組織です。各学校における教育研究活動の活性化と個性化を積極的に支援し、教育研究環境の整備を進めると共に、地域との連携を一層活気あるものとする施策なども展開しています。

ソフトウェアとサービス
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Microsoft Windows Server 2003
Microsoft Windows Compute Cluster Server 2003


メリット
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高専連携グリッドが実現すると、全国の 55 高専にある教育用 PC がグリッド化されてネットワークで結ばれ、授業のない時間に高専の教職員や学生さらに地域連携などに開放することで、巨大な計算リソースを低コストに手に入れることができます。

日本全国に 55 校ある国立高等専門学校 (以下、高専)。中学校卒業後すぐに高度な技術専門教育を 5 年間の一貫教育として行うことで知られ、多くの優れた人材を主にものづくりの現場へと輩出しています。その国立高等専門学校は独立行政法人化の際、各校が地域との連携を独自に行いながらも、国立高等専門学校機構(以下、高専機構)がたばねる学校群として存在することになりました。55 高専が 1 つの法人にまとまったことで動き出したのが、「高専連携グリッド プロジェクト」です。このプロジェクトでは、各高専がそれぞれに学内でグリッドを構築し、授業で使用する PC を Windows Compute Cluster Server 2003 を利用して並行稼働させます。さらに、高専間をネットワーク接続し、高専をまたいだハイパフォーマンスなコンピューティング環境を実現しようとしています。2007 年度はその初年度で、岐阜高専、豊田高専、徳山高専の 3 校が試験導入に取り組んでいます。3 年後の 2009 年度に向けて、高専機構のバックアップを受けて進むプロジェクトの方向性を関係者に語っていただきました。
  • 独立行政法人 国立高等専門学校機構 理事 小田 公彦氏
  • 岐阜高専建築学科准教授 柴田 良一氏
  • 豊田高専建築学科准教授 山田 耕司氏
  • 長岡高専電子制御工学科准教授 竹部 啓輔氏
「国立高等専門学校機構」としてのスケールメリットを生かして高度なコンピューティング環境を創出

小田 公彦氏
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独立行政法人
国立高等専門学校機構 理事
小田 公彦氏
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小田 私はかつて、「地球シミュレータ」の開発に携わったことがあります。「地球シミュレータ」も並列処理で高性能を実現していましたから、複数のマシンを並行稼働させるアーキテクチャにはなじみがありました。しかも、最近の PC は高性能。仮に各校が 100 台持ち寄れば、55 高専で 5,500 台のグリッドが組めます。その 5,500 台がつながれば、スーパーコンピュータに匹敵するような計算能力を得られますし、それによって学生や教員が膨大な量の計算を素早く実行できれば、すばらしいと考えました。55 の高専が「高専機構」という 1 つの法人格にたばねられたことによるスケールメリットが最大限に生かせるはずだと考え、「高専連携グリッド」に期待しています。

柴田 私たち高専の教育現場では、伝統的に情報処理教育を重視し、積極的に取り組んでいます。私自身も、かつて高専で学んでいましたので、中学卒業後すぐに情報処理教育を受けることができ、早い段階からコンピュータに触れられたことを非常に価値のある経験だったと感じています。こうした経験があるため、指導者となったいまも、学生たちに新しく先進的な教育環境を提供することが極めて重要なことだと考えています。

山田 私たち豊田高専の研究室でも、教員や卒業生、専攻科の学生などがさまざまな研究に取り組んでいます。研究の中には膨大な計算量をこなす必要のあるものも多いため、大学の大型計算機センターを使わせてもらうこともあるのですが、予算面で厳しい。学内にある PC をグリッド化してまとめて使うことができ、瞬時に計算が終われば研究も早く進みます。私の場合、短いもので 2 時間、長ければ 48 時間かかる計算を PC で実行することも多いため、高専連携グリッドへの期待は高いです。

司会(高専機構) 「高専機構」が置かれた最大の目的は、スケールメリットを生かした授業展開です。そして、現代の高専教育では、すべての分野においてコンピュータが必要です。計算の処理も複雑になり、多大な処理時間を要しています。しかし残念ながら、大規模なスーパーコンピュータを 55 高専すべてに導入するだけの予算はありません。今回のグリッド プロジェクトは、高専がすでに持っている教育用の PC を使って、高度な計算処理能力が得られるというものです。その意義は大きいと思います。

柴田 本格的にこのプロジェクトが開始されたのが 2007 年度でして、プロジェクトは 2009 年度までの 3 か年計画で進行しています。2007 年度は、8 高専が参加してスタートしました。まずは研究室レベルでグリッドに取り組み、続いて学科レベル、学校レベルと大きく展開しながら技術的な蓄積を進めていきたいと考えています。

2 年目には、改めて研究室レベルで参加募集し、利用技術の水平展開を図ると共に、高専機構のバックアップを受けながら情報発信活動に取り組みます。この段階で 25 高専の参加を目標としています。最終年度には、外部接続の準備ができた高専同士の接続を開始し、広域の高専連携グリッドを構築していく計画です。すでに Windows Compute Cluster Server 2003 のライセンスを 6,500 台分保有していますので、各校の先生と話をして、ニーズを聞いて、順を追ってグリッドの輪を広げて行きたいと思います。

学生が「当たり前に使える環境」を目指して
Windows Compute Cluster Server 2003 を採用


* 柴田 良一氏
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岐阜高専建築学科
准教授
柴田 良一氏
柴田 大量のコンピュータを活用して並行処理や分散処理させるしくみには、さまざまなものがあります。中には、UNIX や Linux ベースのものもあり、それぞれにメリットもあるのですが、今回 Windows Compute Cluster Server 2003 を選んだのは、私たちが実践的な人材育成を目的とする教育機関としても目的を実現するためです。

竹部 そうです。すべての学生は入学から卒業まで、常に Windows を使っています。卒業後に使うのも、Windows でしょう。
以前に卒業研究を指導したときに、学生に Linux を使ったシステムを触らせてみたことがあるのですが、普段触り慣れてないシステムなので、Linux の勉強に時間を使いすぎて、本来やるべき卒業研究の中身が進まなかったという反省があります。

グリッドの構築にあたっても、Windows 環境で使えて、さらに使い慣れた Windows のユーザー インターフェースを利用できれば、本来やるべき研究に取り組む時間をロスすることはなくなるはずです。

山田 耕司氏
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豊田高専建築学科
准教授
山田 耕司氏
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山田 仮に、高専にあって研究を行うのが私たち教員だけなのであれば、予算も考えて、無料の Linux を使用するという選択を迫られたかもしれません。しかし、私の指導する建築学科で学生にまで Linux を強制することはできません。なぜなら、卒業生から Linux や OpenOffice を業務に使っていると聞いたことがありませんから。竹部先生もおっしゃるとおり、Linux の学習をすることが目的ではなく、建築学のための計算を行うことが目的なのですから時間のロスは最小限に抑える必要があるでしょう。

建築学を学んだ生徒たちが、社会に出てから使うのは Windows であり、Microsoft Office なのです。教育機関は、デファクト スタンダードを取り入れなければいけません。

柴田 私も建築学科に所属していて、情報処理の専門家ではありません。ですから、グリッドは「ユーザーにとって使いやすくなければならない」とまず考えるわけです。

Windows Compute Cluster Server 2003 では、Windows の使い慣れた環境をそのまま使えるので、使いこなす上でわずらわしいことは全くありません。学生には、「並列処理がどういうものか」、「並列処理によってどんなメリットがあるのか」については学んでおいて欲しいのですが、すべての学生にコンピュータに並列処理を実行させるシステム構築までを指導するつもりはありません。

山田 単純にグリッドを動かすだけでなく、メンテナンスにかかる時間も考えなければならないでしょう。

私は以前、 Linux のグリッドを導入しようと考えたこともあるのですが、個人で数十台規模の Linux はメンテナンスできません。私たち高専の研究者は、自分の研究と学生の指導をどちらもこなさなければならず、さらに地域社会との連携活動などもありますから、システム管理に使う時間は限られてしまます。

システムのコストと言えば、システムを買うときにかかるお金のことと考えられてしまいがちですが、最も大切なのは、システムによって得られる時間とかけるお金のバランスです。

高専連携グリッド
全体システム構成 1[拡大図]

授業や自習の時間以外には利用されない 高専内の PC を有効共用

* 竹部 啓輔氏
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長岡高専電子制御工学科
准教授
竹部 啓輔氏
竹部 長岡高専は高専連携グリッド プロジェクトの初期メンバーに登録していませんが、Windows Compute Cluster Server 2003 のライセンスを使うことはできます。まずは、私の研究室で学生実験に使っている PC が 10 台程度あるので、そこから始めてみようと考えています。

柴田 岐阜高専では、すべての学科を合わせると、10 部屋以上 PC 教室があり、PC の台数は 500 台近くになります。これらの PC は授業や自習の時間以外に使われていませんから、これらをすべてつないで、空いている時間にリソースを有効利用したいと考えています。たとえば、夜中はすべて研究用に開放するなどのやり方を模索していきます。現在は、20 台程度の中型のグリッドを作るなど、構築技術を開発している段階です。

竹部 私のところでも語学教育教室や、CAD 関係の教室など、授業時しか使わない PC は増えてきています。長岡高専には情報処理センターが 2 クラス分あって、約 120 台の PC があります。これらの PC はシンクライアント システムになっていて、各 PC には OS が入っていません。この環境で Windows Compute Cluster Server 2003 を使うとどうなるのか、試してみたい気持ちはありますね。

山田 豊田高専は、計算センターに 100 台の PC があり、CAD 室にも 40 台の PC が設置されています。ただ、計算センターの PC は 32 ビットにしか対応しないスペックの古いもので、64 ビットのマシンを要求する Windows Compute Cluster Server 2003 に対応していないのでまだ導入できない状況です。次回のシステム更改の際には、Windows Compute Cluster Server 2003 を使うことを前提に発注することが必要になってくるでしょう。

司会  機構としても、この計画が進む中で、少しでも計算機環境が整えられるようにサポートしていきたいと思います。

グリッドをつなぐネットワーク回線の細さが今後の検討課題

竹部 高専連携グリッド プロジェクトはまだ始まったばかりですが、3 年後をめざして全国の高専をネットワークで結ぶとなると、ネットワークがボトルネックになることを危惧しています。現在の基幹ネットワークは非常に細く、リソースを振り分けるために情報やデータを送ることに時間がかかってしまいそうです。

竹部 確かに学内の研究室単位で接続するだけでは発生しない問題が出てきそうですね。
すべての高専で校内ネットワークはできています。外部との接続には、大きく言えばファイヤーウォールを通ってセンターのスイッチを経て端末に至る構成になっています。しかし構成の細かな部分は各校で異なるはずで、クラスタとしてまとめるために PC をつなげる手法を共通化できるかどうか。これは実際にやってみないことにはわかりませんね。

柴田 地理的にも、北海道から沖縄まで日本を網羅しているわけで、ネットワーク事情は千差万別でしょう。同じ県の中でも、ネットワークの太い県庁所在地から各高専が遠く離れているケースもありますし、各校が工夫してネットワーク環境を作っています。今後は、グリッドだけでなくその基盤となるネットワークも重視しなければならないでしょう。

技術的問題は解決が可能。それよりも、「高専機構」としてまとまっている強みの方が大きい

柴田 ネットワークの問題を含め、組織が連携してグリッドを進めるには、さまざまな障害が出てくるものです。ただ、高専連携グリッド プロジェクトは、そうした障害をはねのけられると考えています。

私は過去に、岐阜で地域のグリッドを作る実験プロジェクトを推進したことがありますが、本当に大変な経験をしました。ここで、そのときの話をさせてください。

このとき感じた困難さは、技術的な課題もさることながら、協力を仰いだ岐阜県の研修施設、高校、私立大学、そして国立大学で文化が異なることでした。文化とは、組織の文化です。

たとえば、「どうしたら県立高校の施設を国立大学の先生が使えるようになるのか?」と質問されたこともあります。そういうものの積み重ねがあって、いよいよ 1,000 台の PC をつなぐ実験の日を迎えるにあたって、また問題が発生しました。実験日が祝日だったのです。学校では、祝日にカギがかかっているため、「カギを開けるためには、職員を休日出勤させなければならない。その手当はどうするか」という問題が浮上してしまったのです。技術的な問題ではありませんが、重要な問題です。

これらは、決して後ろ向きの意識から出た言葉ではありませんし、プロジェクトを阻害されたわけではないのです。それぞれの組織を運営するためには約束があって、約束があるからこそ組織はきちっと固まって動いている。だからこそ、異なった組織間の調整には難しい問題が多々あるのです。

そう考えると、高専連携グリッド プロジェクトは、高専機構という 1 つの法人、1 つの組織の中で進められるわけで、仲間として一体化して取り組めるわけです。法人として 1 つの大きな目標に対して向かっていけることを考えれば、必ず大きな一歩を踏み出せるはずです。

もちろん、今回、Windows Compute Cluster Server 2003 を使用する上で技術的な課題もあります。

たとえば、これまで教育演習に普通に使っていた Windows PC にグリッド システムを後から入れるのが大変でした。また、多くの PC を連携させながら、セキュリティ ポリシーをどうやって守るかということにも悩みました。ただ、こうした技術的な課題は、技術で解決できます。

グリッドでは、コンピュータがつながります。このとき、その周りにそれを動かす学生や教職員がいます。コンピュータのつながりが人間のつながりになり、学校のつながりになり、その中でさまざまな情報や目標がつながります。高専は全国にあり、これからはますます連携が必要になりますが、沖縄の高専と北海道の高専が交流しようとすると距離の壁がある。コンピュータは時間と距離を超えるので、これまでにないような交流のやり方が高専連携グリッドを通して生まれることも期待しています。

システム構成図
全体システム構成 2[拡大図]

学生たちに、大型計算機を使う時のコストを気にせず、気軽に計算できる環境を

山田 グリッドコンピューティングの費用対効果について、私なりに試算した結果がありますのでこの機会に披露させてください。

私たち研究者は、大量計算が必要なときに大学の大型計算機を借りて計算をやらせてもらうのですが、それにはもちろんコストがかかります。名古屋大学の大型計算機の場合、並列 64 台を 1 秒あたり 0.1 円で使うことができます。PC の処理速度を大型計算機の 4 分の 1 と考え、16 台のグリッドを構成したと仮定するだけで、名古屋大学の大型計算機を借りるコストよりも割安になります。

もちろん構築したグリッドの維持費が高額でなければ、という仮定においての話ですが、高専グリッドを構成する PC の台数は今後さらに増えるわけですし、自分の校内において十分な数の PC を接続できた段階で損益分岐点に達すると考えられます。

たとえば、さきほどお話しした数千万自由度の膨大な数値解析に大型計算機を借りると、500 万円もの計算機使用量が必要になります。これが高専連携グリッドで行えるようになれば、さまざまな研究が自由に展開できるようになるでしょう。

つまり、これまではコストゆえに自由なトライが許されず、時間をかけて念入りに準備して、もし失敗しても「それで終わり」という環境だったのが、もっと自由にトライ アンド エラーを繰り返すことができるようになるわけです。これは非常に重要なことだと思います。

各高専、そして高専機構の今後の展望産学連携や災害時の業務継続にも期待

柴田 私は高専連携グリッドのユーザーでもあり、導入を推進する側でもあります。導入する立場で言うとユーザーはたいていわがままです(笑)。研究者は目的がはっきりしているので、「これがしたい。そのための手段はこれ」と具体的に提供されないと駄目だと言われてしまいます。

ですから、高専の研究者それぞれが自身の研究を続ける中で、共通するしくみをどうやって作っていくかが問われることになります。そのためには、現場のスキルを蓄積して共有していくことが大切になってくるでしょう。

いまある課題をネガティブにとらえず、高専連携グリッド プロジェクトが盛り上がってきたら、保有するライセンス分の 6,500 台がつながる未来が待っていると期待しながら、みなさんと協力しながらグリッドの情報発信活動に取り組んでいきたいです。

山田 私の研究テーマは建築構造解析で、主に地震応答解析 (地震時の建物の動きを計算し、揺れの大きさや安全性を調べる方法) にコンピュータを使っています。最近では、建物の倒壊確率を出すためのシミュレーションなどを行っています。そして、このシミュレーションでは似た計算を大量に繰り返し行うことで結果を求めます。

現在はまだ研究段階で、わからないことがあれば柴田先生に来てもらっていますが、このように同じ計算を一斉に走らせる処理はクラスタに向いているはず。研究者としての興味から言えば、溶接部のモデル化を 1 ミリメートル単位で行いながら建物の応答解析するために必要な数千万自由度の膨大な数値解析の実現に大いに期待しています。

デモンストレーション

竹部 今日の話をお聞きして、高専グリッドへの興味がいよいよ増してきました。早速、学校に帰ったら、研究室にある古い PC の CPU が 64 bit 対応だったかどうか確認したいと思います。

私のような、IT 側の人間は、システムを作ることに目的があって、実はそのシステムを使って何を研究するかをあまり考えていないところがあります。けれど、高専グリッドにはこうして柴田先生や山田先生のように、作ったシステムをどんどん活用してくれるユーザーがいます。その意味でも面白そうですね。

柴田 今日は私たちの仲間である徳山高専の原 隆先生が残念ながら都合がつかなかったので、私が代わりに、徳山高専の状況について説明させていただきます。

原先生も建築系で、数値解析のアプリケーションに重点的に取り組んでいます。コンクリートで作られた大規模構造物の解析などにおいて、構造解析の並列化アルゴリズムの検討を行うため、トラス構造を解析するプログラムを、グリッドに最適化して新たに作成し、研究室のグリッドで検証を行っている段階となっています。

司会  高専機構は、全国 55 高専、5 万人の学生が活動する巨大な高等教育機関です。多くは工学系の学科で構成されているため、数値解析需要は恒常的に大きく、教育研究における活用で大きな成果が期待されています。現有の教育用計算機を統合してグリッドを構築することで、高額なスーパーコンピュータを導入することなく潜在的なニーズにこたえられることになることを期待しています。

小田 高専連携グリッドが完成すれば、全国に分布する高専のスケール メリットを生かし、局所的に計算需要があるもののその地域でリソースを供給できない場合でも、余裕のある地域の計算リソースを活用することが可能になります。また、これだけ大きな計算機資源が手に入ると、産学連携の共同研究にも大きな力を発揮するはずです。さらに、災害時の研究継続の観点からみても、損傷を受けた地域に向けて他の地域にある計算リソースを振り分けられるようにもなるでしょう。まずは個々の高専の努力で始まり、それらが連携することで大きな可能性が生まれます。高専連携グリッドの実現をバックアップするために、機構としても、私自身も努力していきたいと考えています。



本ケーススタディに記載された情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。
本ケーススタディは情報提供のみを目的としています。Microsoftは、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。
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