株式会社ローソン

掲載日: 2009 年 6 月 26 日
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ビジネス インパクトから見た事例記事

ローソン様 事例をビジネス的な視点から読む


ソリューション概要

プロファイル
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「私たちは "みんなと暮らすマチ" を幸せにします」という企業理念を掲げ、コンビニエンスストア業界のイノベーションリーダーたるべく、さまざまな先進的サービスの提供に努める株式会社ローソンleave-ms。同社では、"みんなと暮らすマチ" にある多彩なニーズに応えるために、「ローソン」、「ナチュラルローソン」、「ローソンストア 100」、そして「SHOP99」とマルチフォーマットなサービスをグループとして提供。国内 47 都道府県に約 9,600 店舗を展開しています。

ソフトウェアとサービス
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Active Directory
Microsoft Exchange Server 2007
Microsoft Office SharePoint Server 2007
Microsoft System Center Configuration Manager 2007
Microsoft Windows Server 2008
Microsoft Forefront ファミリ

メリット
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情報システムの刷新と、業務プロセス変革を同時に進行させることで、IT 投資の効果を最大化
トップメッセージなどの全社情報の伝達を確実にする「全社ポータル」と、営業情報に特化した「運用ポータル」を運用。情報を探しやすく配置したレイアウトや、全文検索機能を備えることによって、従前のグループウェア環境に比して、社員の業務効率を大幅に向上
ダイレクト コミュニケーションのしくみを導入。時間の大幅な効率化・削減
全営業所にワイヤレス LAN を導入

ユーザーコメント
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「情報を起点としたイノベーションに、オペレーション エクセレンスのイノベーションと、カスタマー インティマシーのイノベーションがあります。この 2 つはまさに、SCM (Supply Chain Management) や、VCM (Value Chain Management) の話であり、CRM (Customer Relationship Management) の話です。情報を起点として、これらのイノベーションを推進するために、店舗系の『店舗の業務改革システム』があります。業務変革があって、初めて情報基盤の価値が出てくるのですから」。

株式会社ローソン
常務執行役員
CIO IT ステーション
ディレクター
横溝 陽一 氏
各種情報システムと基幹システムを連携させると同時に、業務プロセス変革に配慮したシステム構築を標準的技法によって実施。社員のモチベーションと生産性を高めるユニファイド コミュニケーション環境を実現

* 株式会社ローソン
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株式会社ローソン

「"みんなと暮らすマチ" を幸せにします」という企業理念を実践し、「ナチュラルローソン」や「ローソンストア 100」など、多角的な店舗展開を推進している株式会社ローソン。同社では、全国に散在する営業所に対して、必要かつ多様な情報を確実に伝達し、社員個々の創造性を発揮できる環境へ刷新するために、ローソンのユニファイド コミュニケーション システムを構築。このうえで「次世代 IT システム」システムを構築。このうえで情報活用のコアとなるポータル サイトとメール システムに採用されたのは、Office SharePoint Server 2007 と Exchange Server 2007、人事システムと自動連携によるユーザー ID 管理に採用されたのは、Active Directory でした。

<導入の背景とねらい>
情報を起点としたイノベーションのために「次世代 IT システム」を構築中

横溝 陽一 氏
株式会社ローソン
常務執行役員 CIO
IT ステーション
ディレクター
横溝 陽一 氏

「"みんなと暮らすマチ" を幸せに」するという企業理念を実践する株式会社ローソン (以下、ローソン) 。同社では、2008 年 3 月から「選ばれるローソン!」をスローガンとして、「次世代 IT システム」の 1 つとして、社内の活性化を図り、生産性を高め、IT を便利に使える「ユニファイド コミュニケーション」を 2008 年 8 月から本格的に開発着手し、実質 6 か月後の 2009 年 2 月に、システム サービスを開始しました。

全国 7 支社 100 を超える営業所へ、ダイレクトにコミュニケーションが図れるしくみを導入することからスタートしたプロジェクトは、4,800 台の PC を刷新、ネットワークをより広帯域で通信品質を確保したものへ変更し、社内のメール システムを核にグループウェア基盤を一新。さらに各営業所のワイヤレス LAN やモバイル サービスの利便性を高める、非常に大規模な生産性と利便性向上をねらったものでした。ローソン 常務執行役員 CIO IT ステーション ディレクター 横溝陽一氏は、次のように説明します。
「ローソンは全国展開しており、7 支社 100 を超える営業所の生産性をどうやって向上させていくかを、まず考えました。今までグループウェアとして、Notes を利用してきましたが、情報の検索もできないし、そもそも、他部署のどんなナレッジが社内で共有されているかということさえ、わからなかったわけです。これが、社内の創造的プロセスに対する阻害要因であることは明らかでした。そこで、ダイレクトにコミュニケーションが図れるしくみや全社ポータル、業務システムとの連携、そしてモバイル環境を便利に使えるユニファイド コミュニケーションで『全部、やってみましょう』となったわけです。ファースト ペンギンとして初めの一歩を踏み出すために、私のチームにユニファイド コミュニケーションの構築に取り組んでもらいました。
それが、ローソンの『次世代 IT システム』の 1 つです。これと連携し、顧客起点を実現する『業務改革システム』を同時並行で開発しています」。

「次世代 IT システム」と「業務改革システム」。この 2 つは、どちらも欠かすことはできないと、横溝氏は続けます。
小畑 康治 氏
株式会社ローソン
IT ステーション
IT 基盤 部長
小畑 康治 氏

「コンビニエンスストアというのは、ある意味では、システム産業であると言えます。ローソンには、グループである SHOP99 を含めると、全国に 9,600 の店舗があります。これら全店からの受発注が毎日行われます。そのデータの処理を本部の IT で一元化しています。それから、マルチな店舗を展開するうえで、顧客の属性等を把握する必要もあります。そこで、マイローソンポイントとかローソン CS カードの会員データが活きてきます。そこから見える販売傾向から、店舗ごとに求められている基本商品がわかります。これはシステムがなければできません。これはシステム産業、ならではのものだと思います。そして、今回新しく構築した『業務改革システム』は、こうした会員データと POS データを掛け合わせて、顧客起点の品揃え・発注を実践していくためのものです。これを SV (スーパーバイザー) を通じてオーナーさんとか、専従者の方々と話をして、お客様の求める品揃えを、実現するわけです」。

そして、この顧客視点での品揃えと発注を実現するためには、従来の現場発信型の情報共有に加えて、情報分析機能を本部に集約し、社内の情報を本部発信型のインテリジェンスへと昇華させ、個店の顧客対応能力を高めていくことが求められたのです。そのために情報の流れを整理し、必要な情報を全社にスムーズに周知徹底させ、社員各人が自分で考えて行動するに十分なインテリジェンスを提供するためのユニファイド コミュニケーション環境を含む大規模なシステム刷新をする。それが、ローソンの「次世代 IT システム」です。

「イノベーションには、いくつかの定義がありますが、情報を起点としたイノベーションに、オペレーション エクセレンスのイノベーションと、カスタマー インティマシーのイノベーションがあります。この 2 つはまさに、SCM (Supply Chain Management) や、VCM (Value Chain Management) の話であり、CRM (Customer Relationship Management) の話です。情報を起点として、これらのイノベーションを推進するために、店舗系の『業務改革システム』があります。業務変革があって、初めて情報基盤の価値が出てくるのですから」(横溝氏)。

<導入の経緯>
わずか 6 か月で全社のコミュニケーション基盤を一新

ポータル画面の比較図
ポータル画面の比較図[拡大]

ローソン IT ステーション IT 基盤 部長の小畑康治氏は、このプロジェクトの経緯を次のように振り返ります。
「プロジェクトの検討が開始されたのが、2008 年の 3 月。同年 8 月から、パートナー数社との協力体制の下、本格的に構築を開始し、実質 6 か月後にサービスインするという短期間での構築でした。
ローソンのユニファイド コミュニケーション システムは、全社の情報の流れを整理し、情報分析機能とアクションをつなげられる本部発信型のインテリジェンスなコミュニケーション基盤へ昇華する IT 基盤です。これにより、顧客対応能力を高められる各種個々のシステムを融合することができる IT 基盤への刷新を図ることを目的にしました。構築に際しては、システム開発手法と基幹システムとの連携が図れ、標準的な技法を適用したシステム基盤を整備しつつ、業務改革が図れるしくみを両立させることを大切にしました」。
そもそも、従前のコミュニケーション環境では、社内での効率的な情報共有ができていなかったと、ローソン IT ステーション 本部 IT マネジャーである石田剛彦氏は言います。
「弊社では 10 年間 Notes を使ってきました。社員のワークスペースにはデータベースにリンクするアイコンが、それこそ無数に並び、さらに人事異動の際には、それらのアイコンも移動先の部署にあうように置き換えていたのです。しかも、それだけ大量なドキュメントの全文検索ができず、基幹システムとはまったく連携できていませんでした。情報がそれぞれ孤立していたのです」。

そこで、認証基盤に Active Directory を採用して、システム利用「ID」管理を一元化し、Microsoft Office SharePoint Server 2007 でポータルを構築。メール環境も Microsoft Exchange Server 2007 に切り替え、全社の情報共有基盤を一新し、それぞれの情報を連携しました。さらに、クライアント PC と SharePoint Server、Exchange Server のそれぞれに Microsoft Forefront を適用し、PC も Microsoft System Center Configuration Manager 2007 でセンターから一元管理、ソフトもセンターから一斉配信することで、セキュリティの強化を図っています。

マイクロソフト製品を選択した理由について、横溝氏は次のように説明します。
「やはり、今の時代、ディファクト スタンダードとしてマイクロソフトの製品があると思っています。IT がビジネスに不可欠なテクノロジーとして使われるようになった中で、Word や Excel、PowerPoint など、誰もが使っている製品が、マイクロソフトから提供されています。今は、非常に変化の激しい時代です。システムに関しても『自前で開発して保有する』という時代は終わっています。スタンダードな製品を使って、スピーディに対応していくことが重要です。要件定義に 1 年を費やして開発にまた 1 年を費やして、ということをしていると、システムが出来上がったときには、もうニーズがずれてしまいますから」。

同社 IT 基盤 マネジャーとしてネットワークやセンター側プラットホーム、人事システムと自動連携を図れる認証システムなどの構築を統括した高原理彦氏 は、マイクロソフトの製品群について、次のように評価します。
「これだけの大規模かつ多岐にわたるしくみを短期間で設計し構築・展開を行いましたが、社員が毎日活用するコミュニケーション基盤にふさわしく安定稼動しています。これらを支えるしくみとして、いろいろなプロダクト検討を行いましたが、認証からコミュニケーション機能、クライアント管理にわたるまで、マルチベンダーで構築を進めたものの、マイクロソフト製品に標準化したことが、スピード対応とシステム安定性の面で非常に良かったと思っています」。

<導入効果>
コミュニケーション環境の「不」を解消し、業務効率を 10% 向上

石田 剛彦 氏
株式会社ローソン
IT ステーション
本部 IT マネジャー
石田 剛彦 氏

「次世代 IT システム」のベースとなるローソンのユニファイド コミュニケーション システムの効果は、明らかだと皆、口を揃えます。ダイレクトなコミュニケーションのしくみによる確実な意思の伝達と時間の効率化は、社内からも好意的な声が聞こえてくる中で、もっとも多い意見は、「Active Directory で認証基盤を統一したことによるシングルサインオンの実現」がとっかかりであると石田氏は言います。
「今までは Notes だったり、ローソン独自の業務システム・メニューでしたが、あちらこちらから情報を得るためには、いちいちパスワードと ID を入力する必要があったのです。今では、全社ポータルにログインするだけで、すべてのシステムに行き来できるようになっています。この便利さを、皆さん特に実感されているようです」。

事実、ユニファイド コミュニケーションの導入による初期段階における導入効果を試算した結果によると、下記のような数字が出ていると言います。

■ポータル サイト導入効果
情報を探しやすいレイアウトや、ドキュメントの全文検索機能により、必要な情報を探す時間が、1 人 1 日当たり平均で 35 分削減。
■メール システム刷新効果
操作性や検索機能の向上、会議室予約やスケジュール管理との直結によって電子メール利用に費やす時間を、1 人 1 日あたり平均で 50 分節約。

「このほか、ダイレクトなコミュニケーションのしくみによる時間の効率化や、全営業所へのワイヤレス LAN の導入による PC 接続の利便性向上、モバイル連携などの効果を含めれば、かなりの効果が得られています」と小畑氏は言います。
高原 理彦 氏
株式会社ローソン
IT ステーション
IT 基盤 マネジャー
高原 理彦 氏

また、事前の社内説明を十分に行っていたこともあり、導入に際して、社内にはほとんど混乱もなかったと石田氏、高原氏は続けます。
「サービスインの日から、10 人ぐらいメンバーを揃えて、『よろず相談室』というサポートの窓口を開設していたのですが、問い合わせは、非常に少なかったです。もっと爆発的に電話が鳴るかと思っていたのですが、ホワイトボードに貼った付箋の数も、ボード 1 枚で十分に足りました。マイクロソフト製品に関しては、みんな、Office 製品などを利用していますから、インターフェイスに馴染みもあります。そうした事実も影響しているでしょうね」。

そしてもう 1 つ、評価されているのが、Forefront Client Security であると言います。
「従前の PC 利用に関して、『昼休みに PC を使えるようにして欲しい』というものがありましたが、実はこれはウイルス対策ソフトを走らせていたのです。しかし、Forefront は動作が軽いです。それに、センターで集中管理して、チェックの度合いも変えられるので、管理がすごく楽になりました」(小畑氏)。

<今後の展望>
全国の声を集めて、ローソンの集合知を育てていけるコミュニケーション環境へ

児島 聡 氏
株式会社ローソン
元気になろーソン!
プロジェクト
児島 聡 氏

ローソンが目指すイノベーションは、これからも途切れることはないと、横溝氏は言います。
「これからは "個" が主体となって情報を発信していく時代です。だからこそ、社員が自発的に考え、創造性を発揮していけるような環境を構築したいと考えました。ある程度は会社でコントロールしながらも、"個" の良さを最大限に引き出し増殖していける環境とし、それぞれの創造性が掛け算で創発できる、イノベーティブなニーズに応えることが理想です。
そのための基盤というのは、やはり今回構築したような Web ベースのしくみだと思っています。たとえば、ローソン グループとして、全国に店舗があり、オーナーの方々と、その店で働くクルーの方々――こうした方々の声を集合知として、どういう風に取り込んだらいいか。そういうしくみにもチャレンジしていきたいですね」。

社員の創造性を阻むシステムから脱し、社員各人の良さを引き出すコミュニケーション基盤の活用へ。
システムの運用はすでに開始され、好評を得ていますが、しかし、ローソンが当初からねらっている効果―― "個の創発" が行われるためには、社員に「使いこまれる」システムであることが重要であるとして、ローソンではすでにシステムのアップデート、機能拡張などを予定しているといいます。

「社内では『続編の求められるような仕事がしたい』と言っていますが、ユニファイド コミュニケーション システムも、今回リリースしたから終わり、というものではありません。私たちの作っているものはあくまでもインフラであり、社員の方々に創造性を発揮していたくための額縁を作っていることになります。この上に文化を築くのは、ユーザーである社員の人たちです。そして、今回のプロジェクトで良かったことは、経営層からの要望、現場からの要望、協力いただいたベンダーの方々の声、そうしたいろいろな声を聞きながら開発できたことです。
その意味でも、今後も皆さんと一緒になって、このインフラの上で業務プロセスを変革し、より創造・創発できる機能を搭載し、使いこんでもらう取り組みを継続していきたいです」(小畑氏)。