 |
学生サービスと全学のセキュリティ レベル向上のために、Microsoft Office & Forefront Client Security などを「包括ライセンス」で、コストを抑えて一括購入
|
「外部化」、「統合化」そして「スリム化」の 3 つをキーワードとして、新しい情報化戦略を推し進めている明治大学では、その一環として、“全教職員+全学生”の人数に準じて、優位な価格レベルでライセンスを一括調達できる、マイクロソフトの高等教育機関向け「包括ライセンス」を 2008 年に締結。研究教育環境において必要な Windows Vista と Microsoft Office、Visual Studio を、学内の PC だけではなく、学生所有の PC にも低価格で配布できるように環境を整えるとともに、PC のセキュリティ レベルを向上させるため、Forefront Client Security を導入。学生サービスの向上と同時に、責任ある教育研究機関として求められるセキュリティ環境の一層の充実に向けて準備を進めています。
<導入背景とねらい>
「外部化」、「統合化」そして「スリム化」を柱とした情報化戦略の実施へ
我が国屈指の総合私立大学として世界に向けて大きな飛躍を目指す明治大学。同学では「権利自由」、「独立自治」を基本理念として「質実剛健」、「新しい知の創造」、「時代の変化」に応える人材の育成に努め、すでに 40 万人を超える卒業生を社会に送り出してきました。
「時代の変化」に敏感な明治大学は、情報化への取り組みの歴史も長く、「セキュリティに関する講義を受けなければ、学内でのインターネット接続を認めない」など、学内における情報セキュリティに対する意識作りなどを、以前から行っています。


明治大学
情報基盤本部長
商学部教授
村田 潔 氏
|
 |
そして今、明治大学では「外部化」、「統合化」そして「スリム化」の 3 つをキーワードとして、新しい情報化戦略を推し進めていると、同学 情報基盤本部長 商学部教授 村田潔氏は説明します。
「今までは、大学の中に機器やシステムを抱えてしまうことが多かったのですが、限られた予算で、効果的に情報システムを使いたいという思いがあります。なるべく、資産として抱え込まないようにして、情報化を進めていきたいのです。
しかし大学の場合は、すべてのシステムを外注して、学内にナレッジがたまらない状況を作ってしまうと、『大学独自の情報化戦略が立てられなくなる』という問題があります。
そこで、システムのどこを外注できるのか? 何を内製すべきなのか? というようにシステム全体を捉え直して、情報化戦略を練るようにしています」。
そして、「統合化」、「スリム化」を進める一環として、2008 年に全教職員 (非常勤講師含む) +全学生の人数でライセンス契約を行うマイクロソフトの高等教育機関向け「包括ライセンス」が、締結されました。
「大学としては情報化戦略の立案と運営に関して、良いパートナーが必要です。今まではシステムを作るたびに、入札して、システムごとのメンテナンス契約を結んできました。しかし、今後は大学全体の情報化戦略について、意見を出し合って相談しあえるような、本当のパートナーシップが欲しいのです。その意味では、今回、マイクロソフトさんと包括契約を結んだことが 1 つの良いきっかけになると考えています」。と村田氏は言います。
明治大学が期待する「本当のパートナーシップ」とは、従来からの課題を解決し、長期にわたり、学内全体のシステムの最適化を推し進めていくための、馴れ合いのない「緊張感のある関係」を指しています。
解決すべき課題の 1 つは、コストの最適化。これには、学生たちが学習のために日々利用するオフィス アプリケーションのライセンス費用が含まれます。また、研究室ごとに調達されてきた PC やソフトウェアの購入を一元化して、学内全体でコストを見直すことが求められています。この購買の一元化には、コンプライアンスを徹底させるために、学内のライセンス管理を徹底させることもねらいとして含まれています。
そしてもう 1 つの重要な課題がセキュリティであると、村田氏は続けます。
「従来、システムごとに入札を行って予算を絞ってきましたが、実は見積額を下げるために、セキュリティに関する項目が削られていたということがありました。これが問題でした。セキュリティにほんの少し脆弱性があったとしても、すぐにはわからないのです。しかし、公的な機関である大学としては、強固なセキュリティが必要です。ここ 1 〜 2 年で、セキュリティに関するチェックを強化してきた中でわかったことは、外部のベンダーさんに依頼して『そこは大丈夫』と請け負っていただいていた部分も、実は大丈夫でなかった、という実態があるということです。これが現在非常に大きな問題になっています」。
<学習環境の整備と、学生への配慮>
学生に必要なソフトウェアを、適正なコストで提供
前述した課題を解決するために、今回マイクロソフトの「包括ライセンス」によって 2008 年に明治大学が導入したのが、日々の学習に利用する Windows Vista と Microsoft Office Professional 2007、さらに Visual Studio 2008 でした。そして 2009 年には、クライアント PC のセキュリティ対策として Microsoft Forefront Client Security が新たに導入されました。
先に導入されている Windows Vista と Microsoft Office、Visual Studio は、日々の学習に欠かせないツールとして、学内の PC だけではなく、学生個人の PC にもインストールして利用できるよう、CD-ROM のほぼ実費での販売も行われています。
明治大学 情報基盤本部副本部長 理工学部情報科学科准教授 齋藤孝道氏は、次のように説明します。
「最近、学生によるレポートの作成は、手書きではなくワープロソフトを使うことが多くなっています。理工学部ですと、一部 TeX の利用もあるのですが、全学的にみれば Word の利用が大多数だと思います。また、研究発表などプレゼンテーションを行うときには、PowerPoint が圧倒的です。もちろん、学生だけではなく、業務での利用など、教職員にとっても、Microsoft Office は欠かせないソフトウェアです」。
そして今、大学では、PC は学ぶ対象から学ぶための道具の 1 つになっており、キャンパス生活においては、PC を利用することがあらゆる前提となっています。
「明治大学では、キャンパス内に PC 教室を数多く設けており、充実した環境を用意していますが、学生個人が自宅で作業をするとなると、大きな課題がのしかかります。つまり紙と鉛筆程度であればまだよいのですが、PC のみならずアプリケーション ソフトを個別に用意してもらうとなると、学生やその父兄への経済的な負担が大きくなります」と、齋藤氏は続けます。
「今回、大学トップを含めた関係者のお力添えをいただき、学生や教職員の自宅においても、Microsoft Office をほぼメディア代の実費のみで利用できる環境を用意できました。学生からも、大好評です」。
また、Visual Studio 2008 も、学内の教室に設置された約 1,400 台のPC にインストールされ、授業に利用されていると言います。
「包括ライセンス」の締結には、こうして学生たちに必要な環境を、適正なコストで提供するとともに、全学でのライセンス管理を確実にして、コンプライアンスの徹底を図るというねらいも含まれています。村田氏は次のように説明します。
「私たちは教育研究機関です。たとえ学生個人の話だとしても、ソフトウェアの不正利用は避けたいところです。そのためにまず、学生たちが必要とするソフトウェアを安く提供することが重要でした。
そして学内には、研究室ごとに購入している PC もあれば、学生個人が購入して持ち込む PC もあります。つまり、PC の台数を正確に把握することが非常に難しいわけです。
しかし、包括ライセンスであれば、全教職員と全学生の人数を基にして契約できますから、管理の漏れなどによるライセンス違反を防ぐことができます」。
<大学のセキュリティについて> 教員や学生の個人所有 PC まで幅広く、確実な対策を
そしてセキュリティの強化において、重要な役割を担うことを期待されているのが、導入されたばかりの Forefront Client Security です。
 |


明治大学
情報メディア部
システム企画事務室
田山 善裕 氏
|
大学において使用されるとはいえ、学生個人の所有物であるノート PC に「必ず入れるように強制することは難しい」としながらも、本製品の導入に踏み切った理由は明白であると、明治大学 情報メディア部 システム企画事務室 田山善裕氏は説明します。
「世間で、個人情報の流出事故が多発しています。大学で同様の事故が起きる場合を考えると、いろいろなケースが考えられます。たとえば、先生があるクラスを担当し、自宅の PC で資料などを作ります。そこに学生の成績や個人情報も含めたさまざまなデータを入力している最中に、流出してしまったら…それはやはり明治大学としての責任問題になります。
また、学生のノート PC から、クラブの名簿などが流出することもあるかも
しれません。
つまり、大学がセキュリティ対策を講じるべき範囲は非常に広いのです。
だからこそ、しっかりとしたセキュリティ ソフトを選んで、学内で利用されるすべての PC にインストールして利用できるように準備することが肝心なのです」。
明治大学では、今までは別のセキュリティ ソフトを利用してきました。それを今回、Forefront Client Security に切り替えるに至った主な理由も、この「セキュリティ対策を講じるべき対象範囲の広さゆえ」だったと、村田氏も声を揃えます。
「従来利用してきたセキュリティ ソフトは、ライセンス契約上、学内に設置した PC にしか使えませんでした。しかし、今はもう学生も教職員もノート PC を使っていて、デスクトップ PC をあまり使わないようになっています。各人がノート PC を使って、どこにでも持っていく。もちろん、自宅でも使います。しかも、常にオンラインでつながっているとは限りません。たとえば、海外出張に 2 週間行っている間に、ウイルスの定義ファイルも古くなっていますよね。
この定義ファイルの更新が遅れるだけでも、ウイルス感染の危険性は高まりますから、困るわけです。ウイルスに関することだけでも、従来のソフトウェアでは実情に適していなかったのです」。
こうした懸念を払拭したのが、以下の 2 点でした。
 |
 |
| ● |
「包括ライセンス」により、自宅 PC へのインストールも可能になった。 |
 |
 |
| ● |
オフラインの PC に対しても、手動で最新のウイルス定義ファイルをあてることができる。 |
 |
 |
特に、オフラインの PC に対しても最新の定義ファイルを利用できる点が、大学にとっては重要だったと、田山氏は強調します。
「学内には、それこそ、いろいろな使われ方をしている PC があります。Web サイト (※) にアップされている定義ファイルをダウンロードして、オフラインの PC にも適用できると聞いたときには、非常にありがたいと思いました」。
しかし、全学の PC に対して有償のセキュリティ ソフトを導入するには、それだけのコストが必要となります。無償のアンチウイルス ソフトの導入も選択肢として考えられることは事実です。
ですが、「無償のソフトを、全教職員および全学生に向かって推奨することは、大学の責任においてはできない」と、3 氏は声を揃えます。
その理由は、「確実なサポートが受けられない」、「アンチウイルスの機能だけでは十分とは言えない」という 2 点でした。
齋藤氏は言います。
「マイクロソフト社でも、単機能版の無償のアンチウイルス ソフトの配布を検討していると聞いていました。しかしながら、昨今マルウェアは多様化しており、その侵入ルートやリスクもさまざまです。よって、アンチウイルス機能だけではなく包括的なセキュリティ対策が必要だと考えています。また、サポートの問題はもっと重要で、より手厚いサポート体制の有無だけではなく、ユーザーに速やかに適切な対処方法を示せるのかということも、規模の大きい組織にとっては重要なことだと思います」。
また、齋藤氏は、Forefront Client Security を選定した理由について、さらに次のように説明を加えます。
「やはり、マイクロソフト製品ですから、今後の OS への対応も早いでしょうということが、理由として挙げられます。
そしてもう 1 つ、“マイクロソフトだからこそ”という意味では、Windows Live Hotmail などを運用されているということで、非常に多くの検体を持たれているであろう、ということも挙げられます」。
<導入の効果> 研究費への負担もなく、全 PC のセキュリティを充実
Forefront Client Security の導入はまだ始められたばかりで、現時点ではまだ一部での利用が開始された段階です。しかし、これから学内への告知を徹底し、1 年をかけてでも、Forefront Client Security の利用を浸透させていく予定であると、田山氏は言います。
「私個人は、もうインストールして利用していますが、非常に動作が軽いですね。PC を使用していてアンチウイルス ソフト独特のもたつきを感じず、スキャンされているという気がしないほどです。
それに、自動で更新するように設定している Windows Update で、まとめて更新されるのも、好印象です」。
また、包括ライセンスによる一括購入は、教員にとっても大きなメリットとなると、齋藤氏は言います。
「今回、包括ライセンスによって、学内のライセンス購入が一元化されたことは、私たち教員にとっても良い話です。今までは、それぞれの研究費の中から工面して、PC などを購入していましたから。自分で購入した PC の 1 台 1 台にセキュリティ ソフトを購入してインストールするというのも、大きな負担です。
研究費にも限りがありますから、1 つの研究室をあずかる身としては、大変ありがたいです」。
Microsoft Office の学内の PC への展開も、今は学内に 5,000 台ある PC に対して順次導入が進められている状況にあります。また、学内でのインストール メディア販売について、昨年秋からの販売数は、まだ約 1,900 枚にとどまっていますが、これは学内への告知を大々的に行っていないことが理由となっていると、齋藤氏は続けます。
「展開する方法について、しっかりと詰めていかないと大変だということが言えると思います。明治大学は、学生が 3 万人を超える規模で、キャンパスも 3 つに別れています。総合大学ですから、文系理系さまざまな学生がおり、そもそも、学生個々人の興味の有無によって IT へのリテラシーに大きな差があります。
こうした状況の中で、ルール違反が起きないように展開するのは、意外と難しい。そういう意味では、ようやく配布するしくみが整ってきましたので、今後本格的に告知していこうとしているところです。学生たちにとっても良い話なので、どんどん利用してほしいですね」。
<今後の展望> 標準的なシステムを積極導入
「今回、包括ライセンスによる投資コストの回収に関しては、以前に、Microsoft Windows XP などを個別に導入していますので、その分も含めて長期的に考えています。しかし、確実に回収できるでしょう」と村田氏は話します。
「Microsoft Office は、国際的にも標準のソフトとして利用されています。かつては私が出席した国際会議でも、Word Perfect などさまざまなソフトを使って原稿を提出することが可能でした。しかし、今は Word で作
成したファイルを提出しろと言われることがほとんどで、他はせいぜいリッチテキストか PDF、分野によっては TeX ぐらいしか使われていません。
したがって学生は、最新の Microsoft Office を利用できることによって、在学中だけではなく、卒業後も役立つスキルを身につけることになるでしょう。さらに、Forefront を個人所有のものも含めてすべての PC に導入できる準備も整いました。大学から各学生に対して『必ずこのソフトを使え』と強制することはできませんが、非常に価値のある契約を結んだと思っています」。
さらに、明治大学では包括ライセンスで締結した Core Client Access License を生かし、今後、全学メールシステムとして Microsoft Exchange Server を導入することも検討していると村田氏は続けます。
「学内の情報システムも、独自のものを作って運用していくという方法ももちろんありますが、資料や書類の作成、利用などにおいては特に、標準的なソフトウェアを使って構築、運用することに、大きなアドバンテージがあると考えています。
オープンソースを利用してシステムを組むことも考えられますが、その場合にオープンソースの利用に関しては『Everyone's Responsibility』であると言われると、それはつまり、責任の所在がないということですから、困ってしまいます。大学としての責任を果たしていくうえでは、やはり、しっかりとしたサポートを受けられるということが重要です」。
|
|  |
本ケーススタディに記載された情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。
本ケーススタディは情報提供のみを目的としています。Microsoftは、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。
|
|
 |
|
|
|