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大規模合併に伴う営業拠点システムの統合期間を .NET 環境の採用によって大幅に圧縮。サーバー台数も 1,400 台から 100 台へと大幅削減。
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2004 年度マイクロソフト認定パートナーアワード受賞事例:
新日鉄ソリューションズ株式会社
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Summary
大規模合併に伴うサーバー統合のプラットフォームに .NET 環境を採用。工期の大幅な短縮を実現するとともに、サーバー台数も 1,400 台から 100 台へと圧縮。
経営課題・ビジネス背景
生命保険の営業現場で活用される業務システムについて、企業合併を前提としたサーバー統合が必要となった。大規模な合併にともなうシステムの統一という要件を満たすために、工期必達の最適解となるソリューションが求められた。
導入目的
業務システムの統合をスムーズに完了させ、将来の業務拡張を見込んだ上で、開発工数が少なく多拠点でも均一にサービスを提供できる Web アプリケーションのシステムを構築する。
導入プロセス
統合するサーバーのプラットフォームに .NET 環境を採用。COBOL をはじめとする多言語で構成されていた旧来のソフトウェア資産を最大限活用しながら、安定稼動するシステムを構築。
導入効果
短期間の工期達成による両社のシステム統合と牽牛な基盤の確立により新会社システムの安定稼動を実現。また、サーバー統合により台数を 1400 台から 100 台へと大幅削減し、導入コストの圧縮と運用負荷の軽減を図る。
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2004 年 1 月 1 日、明治生命保険相互会社と安田生命保険相互会社の合併によって誕生した明治安田生命保険相互会社(以下、明治安田生命)では、両社の営業拠点事務系システムにおける全社統合を、1 年 6 か月の短期間で実現しています。Microsoft Windows® 2000 Datacenter Server 、Microsoft SQL Server 2000 Enterprise Edition を中核に据えた 3 階層の Web ベース事務系システムは、アプリケーション基盤に .NET Framework を採用し、堅牢なシステム基盤の確立と、従来のクライアント/サーバー型システムからのスピーディな移行に貢献しています。事前検証から構築までを担当した、新日鉄ソリューションズ株式会社の貢献も奏功し、短期間でのシステム移行に成功しました。
<事業戦略と導入の背景>
企業価値の最大化のために IT をインフラとして認識
新たに誕生した明治安田生命保険相互会社の一方の雄であった明治生命保険相互会社(以下、旧明治生命)は、生保業界の IT イノベータとして、最新のテクノロジを採用した IT インフラの構築を積極的に推進してきました。1997 年には Microsoft Windows NT® 3.51 ベースで、クライアント/サーバー型の全社システム「ほほえみネット」を構築。2002 年には、Microsoft Windows 2000 Datacenter Server 、Microsoft Application Center 2000 、Microsoft SQL Server 2000 Enterprise Edition をベースに、全社で営業系システムの Web 化に成功しています。クライアント/サーバー型の「ほほえみネット」に対し、この Web アプリケーション型のシステムは「マイリンク net」と呼ばれています。


明治安田生命保険相互会社
情報システム部長
(取材当時:
現 執行役員
京都支社長)
猪又 肇 氏
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この旧明治生命の「マイリンク net」は、2002 年に営業系システムを Web 化した後、2005 年をメドに事務系システムまでの Web 化を終えるという構想が、当初は描かれていました。
「旧明治生命の事務系システムは、各営業拠点に大きな投資を行っていました。全国を網羅する営業拠点ごとにサーバーを 2 台程度ずつ設置するという、広域拡散型のスタイルだったのです。そのため、Web 化とともに予定していた中央集中型システムへの移行作業には、相当な時間がかかると見ていました」(明治安田生命保険相互会社 情報システム部長 [取材当時:現 執行役員 京都支社長] 猪又肇氏)。
しかし、2002 年の合併の発表によって、状況は大きく変わりました。当初 2004 年 4 月を目標とした旧明治生命と旧安田生命の合併によって、「マイリンク net」の完成とともに、両社のシステム統合をも実現するという大きな課題が課せられたのです。この合併によるシステム統合は、旧明治生命で約 1,500 拠点、旧安田生命で約 700 拠点の、合わせて約 2,200 拠点の統合という規模でした。通常、この規模でのシステム統合には莫大な投資が必要とされます。
「つまり、Web 化を先に行ってから合併しないと、投資コストがかさみ合併効果が出ないというのが情報システム部の判断でした」(猪又氏)。
大規模な企業合併が検討される場合、社内システムの統合については大きな懸案となります。そのため、システム統合の方針は、旧明治生命と旧安田生命の両社から数名の情報システム担当者が集って構成された、特命チームによって検討されました。その結果、旧明治生命の「マイリンク net」を早期に完成させ、旧安田生命の事務系システムもそれに合わせるという英断が下されたのです。
Web ベースのシステムとすることによって、旧安田生命も拠点に新たな投資を行うことなく、旧明治生命の事務系システムを利用することができます。「Web 化によって拠点コストを削減し、合併によって拠点が増えてもコストがかからないようにするのが最優先です。さらに、拠点の統廃合を容易にできるというメリットも重視されました」(猪又氏)というのが、決定の大きな理由でした。
しかし、そもそも事務系システムの Web 化については、2005 年までの期間が必要とされていました。旧明治生命の各拠点では、大規模なクライアント/サーバー型システムとホストシステムで、事務系の業務処理が行われていたからです。「2003 年の早期のうちにシステムを稼働させた上で、合併を迎えることが急務でした。当初 4 年間をかけて行おうとしていた事務系システムの Web 化を、いかにして 1 年半にまで圧縮するかが考えられました」(猪又氏)。
<システム構築の経緯>
「単純移行」の徹底によって、既存資産を最大限活用
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明治安田生命保険相互会社
情報システム部
営業サービスシステムグループ
スタッフ
(取材当時 :
現 システム化推進グループ スタッフ)
早川 寛 氏
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こうした経緯を経て、「マイリンク net」における事務系システムの Web ベースへのマイグレーションには、なによりも短期開発が求められました。そのため、既存の業務処理のロジック部分を大きく作り変えることなく、Web クライアントと業務アプリケーション、データベースという 3 層構造へいかにスピーディに移行するかがテーマとなったのです。
「今回のテーマは " 単純移行 " でした。既存資産を生かしたスキームをいかにつくり、開発生産性を上げるかに成功の可否がかかっていました」(明治安田生命保険相互会社 情報システム部 営業サービスシステムグループ スタッフ [取材当時 : 現 システム化推進グループ スタッフ] 早川寛氏)。
旧明治生命の「ほほえみネット」は、Windows 上のパッケージソフトや Visual Basic®、COBOL で構築されていました。とくに、COBOL 資産は 250 万ステップにもおよぶ巨大なものでした。さらに、ホストオンラインシステムでは約 1,000 画面の画面帳票定義体で作成された画面群が存在していました。
明治安田生命は 2001 年 12 月、このプロジェクトの担当パートナーの候補として、新日鉄ソリューションズ株式会社(以下、新日鉄ソリューションズ)へ提案を依頼しました。当初、新日鉄ソリューションズは、Java 環境への移行を検討しました。
「しかし、現行システムの詳細、プロジェクト計画の考察を進めたところ、1 年半の期間で移行を完了させ、また Web 化にあたって最優先事項とされた、既存資産を可能な限り再利用するという要件をクリアするためには、Java 環境への移行は、ほぼ不可能という結論に達しました。」(新日鉄ソリューションズ株式会社 金融ソリューション事業部 シニア・マネジャー 荒垣 毅一郎 氏)。
また、コストについても、可能な限り低減することも、重要な要件でした。「そこで、弊社の、システム研究開発センタ(100 名規模の人員を擁する研究機関)で評価、検証を実施していた、.NET アーキテクチャの採用を提案しました。これにより、既存のアプリケーションロジックは変更することなく、当初想定のコストも、大幅に低減することが可能となりました」(新日鉄ソリューションズ株式会社 金融ソリューション事業部 レガシーリエンジニアリング・グループ グループリーダー 宮原 誠治 氏)。
新日鉄ソリューションズは、開発プロジェクト実施前に、要請に基づき、「事前検証(Feasibility Study)」を実施しています。新環境向けのプロトタイピング等で事前検証を実施し、2002 年 4 月から、要請通りの工期でプロジェクトをスタートさせました。こうした経緯を経て、明治安田生命と新日鉄ソリューションズは本格的な運用テストを 2003 年 4 月から開始。2003 年 8 月には、全国拠点への展開を実施しています。


明治安田生命保険相互会社
情報システム部
営業サービスシステムグループ
スタッフ
(取材当時 :
現 システム化推進グループ
グループマネジャー)
吉田 和正 氏
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「.NET でスキームを作れば、Windows 上の既存のプログラム資産をできるだけ活かしたまま、Web アプリケーションに移行できることがわかりました。また、.NET であれば Visual Basic のプログラマが入りやすく、スキルも活かせます。さらに、UNIX でも高いスキルと経験をお持ちの新日鉄ソリューションズ様が、プロトタイプを作成する過程で .NET を高く評価されたことも大きなポイントです」(明治安田生命保険相互会社 情報システム部 営業サービスシステムグループ スタッフ [取材当時 : 現 システム化推進グループ グループマネジャー] 吉田和正氏)。
また、.NET が業界標準の技術を全面的に取り入れていることも大きな理由とされました。
「.NET が、XML や Web サービスといった業界標準のテクノロジをベースとしていること 、また構築運用に必要とされるサポートを行っていること、それらによって他のシステムとの高い親和性を持っていることなどに注目しました。さらに .NET のプログラミングモデルが、さまざまな言語で同一のターゲットのアプリケーションを開発できる点も評価しました。弊社の情報システムの将来を考えると、いま .NET を採用しておかないと、採用しないことが逆にリスクになると判断したのです」(明治安田生命保険相互会社 情報システム部 営業サービスシステムグループ グループマネジャー [取材当時:現 高松支社長] 綾井康之氏)。
各営業拠点の事務系業務は、大きくは「拠点内の会計や顧客の領収証管理等の業務」、「顧客の契約内容照会業務」の 2 つに分けられます。前者の会計、領収証管理等のシステムは、クライアント側が Visual Basic 、サーバー側に COBOL プログラムが採用されたクライアント/サーバー型のシステムでした。もう一方の契約内容照会系は、クライアントに画面帳票定義パッケージを利用した、メインフレームと接続するホストオンラインシステムです。この両者のシステムで運用されていた業務ロジックが、.NET の採用によってセンター側に移行されたのです。
<システムの概要>
旧アプリケーションを迅速に ASP.NET 化
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明治安田生命保険相互会社
情報システム部
営業サービスシステムグループ
グループマネジャー
(取材当時:
現 高松支社長)
綾井 康之 氏
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.NET 採用の理由は、開発生産性の高さにもありました。Web 画面の設計においては、ASP.NET によって画面設計とプログラムが分離されることで、開発が容易になります。とくに今回は約 1,000 ユニットにもおよぶ画面帳票定義体で開発されたホストオンラインシステムの画面を、コンバータを用いて自動的に ASP.NET へコンバートできたことが、開発期間の大幅な短縮につながりました。
「新日鉄ソリューションズが作成した画面コンバータを使って、旧アプリケーションを ASP.NET にコンバートしたあと、微調整を入れました。大きな工数が想定された作業でしたが、コンバータを利用したために約半年の期間で ASP.NET への移行ができました」(吉田氏)。
こうして従来のホストオンラインシステムの画面を ASP.NET に移行、ASP.NET とメインフレームを SNA 通信のパッケージで接続し、既存の資産をそのまま活用できるようにしたのです。
一方、Visual Basic と COBOL で構築されたクライアント/サーバー型システムは、Visual Basic で作成したユーザーインターフェイスをクライアント側にそのまま残し、250 万ステップにもおよぶ COBOL 資産をデータセンターに移管しました。クライアントとデータセンターの通信は、 .NET の採用により SOAP 通信で構築しました。
「OLTP 通信で行っていたクライアントとサーバー間の通信を、SOAP による通信に置き換えました。SOAP 通信を実現するためにクライアント側で行うことは、 .NET Framework をインストールすることと、通信部分に若干のプログラム修正を施すのみです。今回の移行では最も単純移行できた部分といえますね」(早川氏)。
すなわち、OLTP 通信を SOAP 通信に置き換えるというシンプルな移行スキームによって、いわば WAN を介したクライアント/サーバー間の通信が可能になったわけです。


新日鉄ソリューションズ株式会社
金融ソリューション事業部
ソリューション企画推進部
ソリューション企画推進グループ
シニア・マネジャー
荒垣毅一郎氏
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また、C 言語で書かれていたサーバーサイドの共通機能も、多くの部分を Visual Basic .NET で書き直しています。VB.NET で再実装された機能は、クライアント/サーバー間の通信機能、オンラインゲートウェイ機能、帳票印刷機能、ログイン認証機能などがあります。
VB.NET を使うメリットとして早川氏は「.NET 環境での VB.NET プログラムは、メモリリークを防ぐことができます。従来の C 言語による開発では、プログラマのミスによるメモリリークが発生しやすく、サーバー側の動作を不安定にする要因となっていました」と説明します。
マイグレーションを無事完了させた新日鉄ソリューションズの宮原氏は、 あらためて .NET を、エンタープライズ向けのプラットフォームとして完成されたものだと評価しています。「多言語環境での連携においても、安定稼動し、オーバーヘッドもそれほどかかりません。予想していた以上に性能が出ることが実証されました」。
荒垣氏も次のように振り返ります。「私たちにとっては今回が .NET アーキテクチャを採用した初の案件であったため、.NET そのものを評価しながらのマイグレーションとなりましたが、工期を守ることができたのみならず、本番稼働後も、大きなシステム障害は発生していません。このような経験からも、マイグレーションにおける、.NET の優位性は、現状よりも、より高く評価されてもいいと考えます。」(荒垣氏)。
<今後の展望>
旧環境で合計 1,400 台規模だったサーバー数を 100 台にまで削減
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新日鉄ソリューションズ株式会社
金融ソリューション事業部
金融基盤ソリューション部
レガシーリエンジニアリング・
グループ
グループリーダー
宮原誠治氏
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今回の Web 化によって、運用管理コストの大幅な削減に成功しました。コスト削減の効果は、新生明治安田生命が標榜する、「攻めの経営」を支える新たな投資にかけることができます。また、センターにサーバーが集約されることによって、情報を 1 か所に集約できるようになったメリットは非常に大きいといいます。
「これまですべての情報をセンター側で取り扱うには、各拠点から情報を収集する必要がありました。しかし、センターサーバーに直接情報が蓄積されることによって、情報が管理しやすくなり、情報セキュリティを考慮する上でもプラスになります」(猪又氏)。
また、現場の営業担当者が自在に情報を活用できるようになる点も期待されています。従来まで営業拠点まで出向かないと参照できなかった顧客の情報を、顧客の勤務先、自宅など、どこからでも Web ブラウザを使うことで参照できます。「営業系の機能では、代理店に向けた新しいサービスをすでに開始しています。保険の設計試算、新規契約の受付、本社側で査定した情報、契約成立などを常時参照できる仕組みです。センターに情報を集約するからこそ可能になるこのようなサービスを、さまざまなサービスチャネル、販売チャネルで提供していくことを考えています」(猪又氏)。
ビジネスのあらゆる局面で、迅速さや柔軟性が求められています。そうした業務を支える IT インフラストラクチャについては、十分な拡張性をもたせつつ、同時にコストも削減していかなければなりません。明治安田生命では、今回の .NET 環境での Web アプリケーション化によって、合計でこれまでおよそ 1,400 台程度稼動していたサーバーの台数を、最終的には 100 台にまで削減を実施しました。IT 活用の理想的な形態として、明治安田生命の取り組みに注目が集まっています。
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