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※ 三井丸紅液化ガス株式会社は、2011 年 3 年 1 日、合併により『ENEOSグローブ株式会社』に社名を変更いたしました。
本事例記事は、合併前に作成されたものであり、旧社名 "三井丸紅液化ガス株式会社" を表記させていただきます。
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内部統制の強化と、操作性向上を目指し、Microsoft Dynamics AX を採用して ERP を刷新。Microsoft Officeライクのわかりやすいインターフェイスで、Excel でのデータ活用も容易になり業務効率も改善
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三井丸紅液化ガス株式会社は、2008 年 4 月に三井液化ガス株式会社と、丸紅ガスエナジー株式会社が合併し誕生しました。そして、内部統制の強化と操作性の改善を目指し、新 ERP システムの導入を検討。内部統制とセキュリティの徹底に役立つ基本機能の充実と、ガス業界独自の業務プロセスにも対応できる柔軟性、そして、Microsoft Office と同じインターフェイスで操作性も高い ERP システムとして評価され、選ばれたのが Microsoft Dynamics AX でした。
<導入の背景とねらい>
操作性を高めつつ、内部統制の強化を実現
三井丸紅液化ガス株式会社 (以下、三井丸紅液化ガス) では、「地球を守り共に繁栄する」という経営理念を掲げ、「地球環境に優しいクリーンエネルギーである LP ガスの供給を通じて、快適で健康的な暮らしをお届けする」ことを目指しています。三井丸紅液化ガスの情報システム室 課長代理 栗原氏は、LP ガスについて次のように語ります。
「弊社は、世界初の LP ガスのタンカーを用意して、50 年前から輸入業務を始めています。近年はエコブームにより、太陽光発電などの新しいエネルギーが注目されていますが、LP ガスは実は CO2 の総排出量が非常に少なく、とてもクリーンです。また、阪神大震災の時には、いち早く復旧したのが LP ガスだったという事実もあるように、災害に非常に強いエネルギーでもあります」
LP ガスの強みを生かし、他エネルギーとの競争に打ち勝つため 2008 年 4 月に、三井液化ガス株式会社と丸紅ガスエナジー株式会社が合併し、三井丸紅液化ガスが誕生すると同時期に検討が始められた「ERP システム刷新の目的」について、栗原氏は次のように説明します。
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三井丸紅液化ガス株式会社
情報システム室 課長代理
栗原 智 氏
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「従来使用していた ERP システムは 2002 年に導入したものでした。利便性向上、親会社となる三井物産との関係もあり、グローバル スタンダードとなっている SOX 法の IT 404 条への対応など、内部統制強化の必要性が高まっていました。しかし、当時の ERP システムではそこまでのニーズに応えきれませんでした」
既存の ERP システムに内部統制機能を追加することも考えられましたが、費用はかさみます。
さらにもう 1 点、古いシステムであるということで、「操作性」に難があるという課題もありました。そこで、機能強化と操作性の向上という課題を同時に解決するために、新規システム導入の検討が始められました。
そして、ガス業界独自の業務プロセスにも柔軟に対応でき、内部統制やセキュリティの徹底が図れること、そして操作性に優れ、Excel 連携などを容易にすることで、業務におけるデータ活用を促進するなど、さまざまな要件に沿って検討が行われた結果、選ばれたのが Microsoft Dynamics AX をベースとした、横河ソリューションズ株式会社 (以下、横河ソリューションズ) の提案でした。
<導入の経緯とシステム概要>
特殊な業務プロセスにも柔軟に対応できる使いやすいシステムを
新システムの導入に当たっては、5 社からのプランが検討されました。その中には、旧 ERP システムをサポートし、ガス業界の業務プロセスにも精通していた横河ソリューションズも含まれていました。そして、同社が最適な ERP ソリューションとして提案したのが Microsoft Dynamics AX でした。その経緯について、横河ソリューションズ 情報エンジニアリング第1事業部 1部 1 Gr 池田氏は、当時を振り返ります。
「Microsoft Dynamics AX は、内部統制とセキュリティ機能が、基盤として用意されていて、データベースのログを管理したり、項目単位でセキュリティを設定できるといった部分などについては標準機能で設定できるため、作りこむ必要がありませんでした。もちろん、お客様の業務に合わせてカスタマイズする部分も多くありましたが、他の ERP と比べて作りこむ要素が少ないと考えました。
また、ほとんどの方が慣れ親しんでいる Windows や Microsoft Office と同じような操作性であることも、大きなポイントでした。このインターフェイスであれば、導入後、操作研修などに費やす労力も最小限で済むでしょう。
こうした条件と、弊社が持つガス業界のビジネス プロセスのノウハウと、提案力をご評価いただきました」
Microsoft Dynamics AX を最初に提案された時の印象を、栗原氏はこう語ります。
「提案を受けるまで、私はマイクロソフトの ERP があるということを知りませんでした。実際、日本での導入は始まったばかりと聞きました。しかし、マイクロソフトの製品ならば安心できると思いました。やはり基幹業務を支えるシステムを導入する際には、サポート体制の充実や、将来的なロードマップの存在が重要ですから。
さらに、ERP としては後発になるということは、その分、他社の ERP パッケージも研究されているということになります。その分、機能にも期待できると考えました。
また、システム刷新の大きな目的である内部統制強化のためのログ管理として、項目レベルで権限設定が行える機能が標準で提供されていたことも便利な点でした。今後当社の組織変更で部署が新設されるといったことも想定されます。当然、その部署の業務データが新規で発生しますが、そのような場合でも、新たにプログラムを組む必要もなく、それに合わせた権限の設定が簡単に行えるのは、大きなメリットです」
業務プロセスを熟知している横河ソリューションズと、高機能かつユーザーフレンドリーな Microsoft Dynamics AX の組み合わせを評価され、2008 年 10 月に採用が決まり、2010 年 2 月にサービスが開始されました。
三井丸紅液化ガスの業務プロセスに合わせたカスタマイズを含めて、システム構築はスムーズに進んだと池田氏は振り返ります。
「ガスなどの価格は、資源価格や外国為替相場の影響を受けるため、同じガスの仕入れ値でも常に変動します。そういう特殊な要件に応じて、多くの機能をカスタマイズする必要がありました。しかし、その部分で特に苦労したということもありませんでした。というのも、開発者はJava などのスキルがあれば Dynamics AX の開発をキャッチアップしやすかったためです」
そして、三井丸紅液化ガスとしてもまた、ガス業界独自のプロセスなどを熟知している横河ソリューションズだからこそ、現場の声を取り入れたカスタマイズ対応についても「安心して任せられた」と栗原氏は語ります。
「横河ソリューションズさんは、私たちの業務に精通し、旧システムも知っていました。そして、新 ERP の最低要件は、以前のシステムでできていたことを、すべてそのまま移行させることにあります。その上に各種機能の追加や、操作性の向上が図られているのですから、プロジェクト開始当初から何の心配もしていませんでした。もしも新しい協力会社さんにシステム構築をお願いしていたら、ガス会社の業務プロセスの説明から行う必要もあり、大変だったと思います」
<Microsoft Dynamics 採用のメリット>
Windows ライクな使用感で質の高いレポート制作も簡単に
三井丸紅液化ガスは、全国に数多くの支店を持ち、多くのユーザーがERPシステムを利用しています。各支社にシステム担当者を配置することはできず、サポートや教育の省力化のためにも、誰もが簡単に使えるシステムでなければなりません。
Microsoft Dynamics AX であれば、機能的な操作性が高いだけでなく、ユーザーが日常的に使用している Windows や Microsoft Office 製品と同じ操作体系のため、使い方がわからないという部分はほとんどありません。さらに、Microsoft Office 製品と Microsoft Dynamics AX との間で、容易にデータのやり取りができるところも評価できると栗原氏は語ります。
「当社では、Windows XP と Office 2003 を活用していましたので、社員は皆、操作に慣れ親しんでいます。Microsoft Dynamics AX の操作体系も、基本的には一緒ですから、操作方法の説明会の時にもエンドユーザーには比較的受け入れられやすかったです。さらに Excel との連携によって、データを手軽に活用することができますので、大変便利です。これまでは、専用の BI ツールを別に用意して、データウェアハウスという形でデータを蓄積し、レポート制作などを行っていましたが、この方法は面倒なうえに、その機能を使いこなせるユーザーが限定されていました。
Excel に直接データを落として活用できるのであれば、誰もが使えますから、さまざまな分析系の作業も手軽にできるようになり、データ活用の幅が大きく広がりました。その結果として、エンドユーザーのレポート作成のスキルも精度も、今後ますます上がっていくと期待しています」
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横河ソリューションズ株式会社
情報エンジニアリング
第1事業部 1部 1 Gr
池田 一行 氏
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また、ERP システム刷新の目的の 1 つ、内部統制の強化には、ID や権限の管理が重要です。旧システムは UNIX 系の OS 上で動いていたため、OS とアプリケーションに別々にログインする必要があり、エンドユーザーにも管理者にも、相当な負担となっていました。しかし、今は Active Directory でユーザー ドメインを一元管理できるようになり、ユーザーはシングル サインオンによって ID やパスワードを何度も入力せずに作業が行えるようになりました。管理者にとってもユーザーにとっても ID 管理の作業が軽減されています。
毎月報告の必要がある監査ログを取る作業も非常に簡便化され、統制の監査報告もかなり楽に行えるようになりました。内部統制には欠かせない権限設定についても、柔軟で使いやすくなったと栗原氏は言います。
「旧システムでは、プログラムを組んで権限設定を行っていました。そのため、プログラムの改変が追い付かず、最新の部署の役割と与えらえる権限が乖離してしまうケースもありました。それらを新たに整理したうえで、Active Directory のグループポリシーなどを活用して、詳細な権限設定を、集約管理しています。
当社は、大きな合併を行っていますので、組織が大きく変わるということが、今後も続くでしょう。そうした状況にあって、標準の権限設定で細かいレベルまで対応できる Microsoft Dynamics AX の活用は、非常に効果的だと思います」
さらに、エンドユーザーが行う作業である月次処理のステップを見直すことで、作業時間が劇的に短縮されたと、池田氏は説明します。
「Microsoft Dynamics AX の導入で、処理速度も向上しました。そして、さらに効果を出すために、月次処理のフローも見直しました。手戻りが生じた際に、旧システムでは相当前まで戻って行っていたのですが、今は少しだけ前に戻って処理を行えるように変更したのです。その結果、2 時間かかっていた月次処理が 5 分程度で完了できるようになり、『作業効率が飛躍的に高まった』という声も頂いています」
<今後の展望>
散在するシステムを一本化し、さらにシンプルで使いやすいシステムを
栗原氏は今後のシステム改善のポイントとして、「さらにシンプルで使いやすいシステムを目指したい」と話します。
「現在でも会社に報告するような統一化されたレポートは、データウェアハウスにデータをパスして、そちらのほうでBIツールを使って、帳票を作ったりしています。
しかし、将来的にはこれも一本化して、データの利活用の幅を広げていきたいと思っています。その際には Microsoft SQL Server のレポーティング機能を使うことになるのかもしれません。個々人で活用するデータについては、各担当者によって用途も違いますので、Microsoft Dynamics と Excel の直接連携だけで十分なのですが、全社で活用する定型のレポートについて、今よりももっと簡単かつリアルで確実に出せるようにできたらと思っております」
さらに栗原氏は、個人的な想いも含め、Microsoft Dynamics AX を中心に、「システムの一本化を目指していければ」と、今後への期待を話します。
「情報システム室の一室員としての考えですが、現在点在している小さなシステムやシステム化されていない部分など費用対効果の面もありますが、可能な限り取込み、統一化したいと考えています。現在は使用していませんが、Microsoft Dynamics AX のライセンスには、会計や人事、経費、CRMといった機能も含まれていますので、そうした機能も活用することができれば、もっとスムーズで作業軽減効果を目指した柔軟な運用ができると考えております」
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