国立成育医療センター

掲載日: 2008 年 6 月 25 日
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ソリューション概要

プロファイル
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2002 年、国立大蔵病院と国立小児病院の統合により開設された国立成育医療センターは、東京都世田谷区大蔵に位置し、入院病床数 460 床、外来定数 900 人の比較的新しい高度専門医療センターです。「安心してこどもを産み育てるための医療」および「日本および世界トップレベルの医療」を目指して、病院と研究所が連携しながら成育医療を推進しています。

シナリオ
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システム更新を機にライセンス契約のあり方を見直し、Government Enterprise Agreement を採用。これにより、ライセンス管理体制を強化しつつ、最新テクノロジを活用した柔軟なシステム構築を可能にする。
ライセンス プログラムで提供される全製品群を包括契約し、長期的な視点で IT インフラの強化を目指すとともに、電子カルテ システムをも代替可能な高度なコラボレーション環境を目指す。

ソフトウェアとサービス
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Enterprise Desktop
Microsoft Office SharePoint Server 2007
Microsoft Exchange Server 2007

メリット

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IT 調達のプロセスやライセンスの運用管理を大幅に簡素化すると共に、エンド ユーザーのソフトウェア ライセンスに対する意識の向上にも貢献。また、常に最新バージョンの製品が利用可能となることで、数年先を見据えた長期的な IT 戦略の策定が可能になるだけでなく、テクノロジの進化に応じた効果的なシステム構築を実現します。

ユーザーコメント
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「我々が目指すのは、電子カルテだけでは実現できないような機能を補完するシステムです。ここに、汎用的なものをどんどん取り込んでいきたいと考えています。その意味でも、領域の広がりと共に、できることが確実に増えてきた拡張性あるマイクロソフトのプラットフォームを、安心して利用できるのは大きな強みです。また、今後どうテクノロジが進化していくかわからない中で、ソフトウェアの進化に対応しているだけでなく、教育支援や技術サポートも兼ね備えたライセンスのメリットが生きてくると思います」。

国立成育医療センター
医療情報室
室長
山野辺 裕二 氏 談
最新テクノロジの柔軟な選択を可能にする Microsoft Government Enterprise Agreement を採用し、世界の最先端医療の現場にふさわしい、セキュアでコラボレーティブなIT環境の構築を加速

* *国立成育医療センター
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国立成育医療センター
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最先端の高度専門医療を提供する国立成育医療センターは、開設から 6 年目を迎える 2008 年 3 月、システムの更新時期を迎えるにあたり、次期システム構想に基づく IT インフラの再構築に着手。ここに採用されたのが、目の前の課題解決に必要な製品から、長期的な視点で IT 活用に多くの可能性をもたらす製品まで、最新のマイクロソフト製品群を幅広くカバーする、政府および公共機関向けライセンス プログラム「Government Enterprise Agreement(ガバメント エンタープライズ アグリーメント(GEA))」です。2008 年 4 月、名称も新たに「Microsoft Enterprise Agreement for government organizations (エンタープライズ アグリーメント フォー ガバメント オーガナイゼーションズ(GEA))」にリニューアルしたこのプログラム。同センターが業界の先陣を切り、その真価を実証しつつあります。


<導入背景と狙い>
「EDNA 構想」が描いた新システムのテーマは、
セキュアな環境下での人と情報の高度な連携


山野辺 裕二 氏
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国立成育医療センター
医療情報室
室長
山野辺 裕二 氏

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従来の小児医療の枠を超え、胎児から大人への健やかな成長および発達を図る、総合的かつ継続的な医療が成育医療です。これを専門に推進する医療機関として、2002 年 3 月、国立成育医療センターが開設されました。約 8万 u の広大な敷地に緑豊かな中庭、威圧感や堅苦しさとは無縁の優しい配色の外観。エントランスを抜けると、広々とした吹き抜けにガラス張りの壁面から差し込む光が柔らかく、そこかしこに母と子の穏やかな笑顔があります。東京都世田谷区大蔵の閑静な住宅街に位置する同センターには、思わずここが病院であることを忘れさせてくれる、開放的で快適な空間が広がっています。まさに、基本理念の 1 つである「アメニティに配慮した医療」が、こうしたところから実践されているのです。また、日本にある 6 つの国立高度専門医療センターの中でも比較的新しく、次世代の牽引役として日本および世界の高度医療をリードすると共に、医療 IT の分野においても最先端であることが求められています。

業界のフラグシップともなるその IT 活用に注目が集まる中、2008 年 3 月、開設当初に導入したシステムが初めての更新時期を迎えることになりました。当然ながら、単に電子カルテ システムを置き換えるだけでは、新たな展開は望めません。同センターには、次期システムが目指すべき方向性について、数年前からあたためてきた基本構想がありました。チャーリー チャップリンの短編映画の相手役として出演した女優、エドナ パーヴィアンスの名前に由来するという「EDNA 構想」です。

「我々の仕事が、人々に笑顔と幸せを届けることであるとするなら、情報システムは、そこになくてはならない名脇役であって欲しい。そんな願いを込めたのです」と語るのは、自らも医学博士であり、同センター医療情報室の室長を務める山野辺裕二氏。EDNA 構想が描く次期システムは、業務の効率化、システム運用コストの削減といった観点から既存システムの弱点を補強すると共に、よりセキュアな環境下で人と情報の高度な連携を図ることが重要なテーマに掲げられていました。山野辺氏は、次のように振り返ります。

「主治医が患者さんを診る、そこにカルテがある、といった従来の一人責任体制では、今の医療は成り立ちません。一人の患者さんに多くの人がかかわっています。もちろん、電子カルテ システム自体は非常に完成されているのですが、一方で、紙のカルテを電子化したところから抜け出せていない。また、病院の情報システムは電子カルテだという頭があり、世の中はどんどん進化しているのに、電子メール、グループウェアなど、なくてはならないライフラインのようなものがやや後まわしにされてきたと言えます」。

チーム医療の推進を IT がサポートしていくためには、もはや電子カルテ システムだけでは十分ではなく、周辺を固めるインフラを強化し、コラボレーション機能を備えたトータルなシステムとして構築を進める必要があったのです。同時に、情報セキュリティに対する社会的要請の高まりに応えつつ、そこに現場の利便性を両立させたいとの考えもありました。


<導入の経緯>
政府調達における課題に踏み込み、
IT 投資を最適化するライセンス形態を選択


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次期システムで優先すべきこととして EDNA 構想に盛り込まれた計画の中には、次の2点が含まれていました。1 つは、セキュリティを確保した統合ネットワークと統一認証基盤の確立。もう 1 つは、グループウェアと電子カルテ システムの統合です。これにより、電子カルテ システムを核に、医療に密着したセキュアなコラボレーション環境を構築するのが狙いです。そこで同センターは、Active Directory を基盤に、Microsoft Office SharePoint Server、Microsoft Exchange Serverを組み合わせることで、既存のグループウェア製品を代替するという方法を選択しました。これら 3 製品の頭文字を取って、「SPADE(スペード)」("S" hare "P" oint+"A" ctive "D" irectory+"E" xchange Server)と名付けられた次期グループウェアは、ゴールではなく、あくまでも 1 つのステップに過ぎません。その先に目指すのは、いざとなれば電子カルテ システムの手が届かないところを代替できるようなしくみ。ここに、上記の 3 製品に限らずマイクロソフトが豊富に提供する製品群が、中核的な役割を果たすことになるだろうと考えたのです。

「正直なところ、以前の私はマイクロソフト製品を使わない主義でした。ところがここに来て、製品が十分に成熟してきたことに加え、広がりも出てきました。わざわざ他社製品を探さなくても、目をつぶってマイクロソフトにお任せしていれば安心。そういう状況になってきたなと感じています」と山野辺氏。

また一方で、これを機にソフトウェアの調達方法を見直すべきであるとの判断もありました。以前より、調達面での改善点を強く認識していた山野辺氏は次のように語ります。

「これまでは、政府調達の特性上、ライセンス契約について組織として主体的にかかわってこなかった経緯があります。一度に大がかりな投資をして、それ以降にもう少し端末を増やそうかとなれば、そのつど必要なソフトウェアを追加してきました。民間企業と違って、病院には IT 部門のような専門組織がありませんから、結果的に全体で何ライセンスあるのかさえ把握できなくなっていたのです。このあたりをきちっと管理できる体制に持っていきたいという思いがありました」。

6 年先となる次のシステム更新のタイミングまでには、SPADE の実現をはじめ、Microsoft Office のバージョン アップ、さらなるインフラの強化などが見込まれており、コスト面でも運用管理面でも効率的な調達方法が求められたのです。事実、テクノロジが劇的なスピードで進化を続ける中で、常に先進性を要求されるシステムの長期的なロードマップを描くのは、決して容易なことではありません。業界動向や時代の潮流を見極めつつ、柔軟に最新の IT 環境を利用できれば、大きなメリットにつながると考えられます。また、これまでのように、各部門が必要に応じてソフトウェアを調達していたのでは、ライセンス管理はますます煩雑になるばかりです。さらには、システム上の依存関係から、電子カルテ システムとセットで購入した OS や Office を、簡単にアップグレードできない事情も抱えていました。

こうした課題への解決策として迷わず導入を決めたのが、Microsoft Government Enterprise Agreement (ガバメント エンタープライズ アグリーメント(GEA))です。これは、一般企業向けの Microsoft Enterprise Agreement (エンタープライズ アグリーメント)に相当するボリューム ライセンス プログラムであり、250 台以上のデスクトップ PC を有する政府および公共機関向けの包括契約です。契約期間中にリリースされる製品の全バージョンへのアップグレード権のほか、さまざまな特典が用意されたソフトウェア アシュアランスが付属している点も魅力の 1 つ。

同センターは契約にあたり、OS からデスクトップ アプリケーション、サーバー ソフトウェア製品まで、GEA で提供される最新のエンタープライズ製品をフル活用可能な、Microsoft Windows Vista Enterprise、Microsoft Office Enterprise 2007、Microsoft Enterprise CAL Suite の組み合わせを選択。Enterprise CAL Suite だけを見ても、10 以上ものサーバー ソフトウェア製品群のクライアント アクセス ライセンス(CAL)を包含しており、最新テクノロジを効率よく導入するのに最適な"フル プラットフォーム" とも呼べる構成です。

「今すぐ必要ではないものでも、この先 6 年間システムを運用していく中で、必ずや従来の電子カルテ システムでは足りないところが出てくるでしょう。そこをカバーできるインフラとして必然の選択でした」と山野辺氏は強調します。


<システムの概要>
"フル プラットフォーム" の選択を活かして、
医療に密着したコラボレーション環境へ好発進


さらに、「同じものを買うなら、包括契約のほうがリーズナブルなのは確かでしょうし、予算を組みやすいのもメリットです。この製品の最新バージョンさえあれば……というときに、予算がつかずに断念することもありません。契約自体も、非常に楽だったという印象です」と山野辺氏。GEA が、政府および公共機関における入札制度に対応していることに加え、契約に際して複雑な手続きを必要としない点も評価につながったといえます。こうして 2007 年 12 月、センター内の計 750 台を対象に GEA の契約期間がスタート。まずは Active Directory、Exchange Server、Office SharePoint Server の組み合わせで、従来からあるメッセージング環境をはじめ、スケジュール管理、施設予約、ファイル共有などの既存のグループウェア製品が担ってきた領域を継承することから着手しました。そのうえで、さらに高機能なコラボレーション環境を実現し、少しずつ医療に特化した部分に近づくよう充実させていく予定です。

次期システムは、2008 年 9 月の完全移行を目指して構築中であり、現場のニーズを具現化するための準備にも余念がありません。たとえば一部のユーザーを対象に、Microsoft Windows SharePoint Services を利用した情報共有基盤が提供されており、その活用状況を見ながら、Office SharePoint Server での本格的な運用に狙いを定めています。実際、ファイル共有を中心に頻繁に活用されており、ユーザーの反応は至って好感触。評判を聞きつけた他部門からは、同様の環境を実現したいとの声が上がっています。現在は個々のファイルにパスワードをかけて運用しているセキュリティも、次期システムでは Active Directory を認証基盤としたシンプルでセキュアな環境へと移行され、さらに使い勝手が向上するはずです。また、ゆくゆくは全職員の勤務表をOffice SharePoint Server上に展開させるという構想や、Microsoft Office InfoPath を使って申請業務を行う計画など、具体的な活用のアイデアも浮上しています。

日々の業務に役立つデスクトップ アプリケーションから、IT インフラの強化に欠かせないサーバー ソフトウェア製品まで、GEA で提供される製品群をいかにフル活用していくか。ライセンス契約によってもたらされたこの一大テーマによって、早くも病院業務における IT 活用に新たな可能性が広がりつつあるのです。

「3 年先、4 年先に効果が現れることを見越して GEA を採用したわけです。我々にとって、大規模な IT 調達のチャンスは 6 年に一度。第 1 ステップ、第 2 ステップと、段階的にシステムを強化していくためには、今その器を用意しておかなければなりません。しかも、今後テクノロジがどう進化していくかわからない。だからこそ、このライセンスのメリットが生きてくるのだと思います」と山野辺氏は語ります。

2、3 年単位で組織ががらりと変わるような変化の激しい職場にあって、新しい担当者が着任するたびに、IT 調達をゼロから行わなくてよいというのもメリットです。この点で GEA は、組織上の長期的な IT 戦略策定の難しさをカバーするサービスといってもよいでしょう。

もちろん、課題となっていたライセンス管理が大幅に簡素化されたことは言うまでもありません。GEA の導入が組織変革の呼び水となり、センター内の管理体制を強化しようという動きも出てきました。また、導入済みのライセンスの範囲内で使うという考え方がベースとなることで、ソフトウェア ライセンスに対するエンド ユーザーの意識が確実に向上しつつあります。同時に、利用可能なアプリケーションの選択肢が増え、病院業務を支えるデスクトップ環境の充実にも成功しています。

「エンド ユーザーにとっても、これまで馴染みの少なかったような便利なアプリケーションが、いつでも使える環境にあります。これは大変喜ばしいことです。たとえば、私自身が愛用している Microsoft Office OneNote なども、好奇心の強い医師を中心に浸透してくれば、すべての職員に効果的に使ってもらえる製品です」(山野辺氏)。

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<今後の展望>
医療 IT の最前線にこそ求められる、
テクノロジの親和性と柔軟性


GEA の導入を機に、マイクロソフトの最新テクノロジをフルに活用できる環境が整い、次のステージに向けて新たな第一歩を踏み出した同センター。数年先を見据え、ソフトウェアに対する投資から最大限の効果を引き出していくためにも、ライセンス契約に含まれるソフトウェア アシュアランスには大きな期待を寄せています。各製品の最新バージョンへのアップグレード権はもちろんのこと、デスクトップ アプリケーションを自宅のパソコンにインストールして利用できる「自宅使用プログラム」や、情報システム担当者向けの「トレーニング受講券」、職員のソフトウェア スキルの向上に役立つ「E-Learning」、製品に関する問題解決を支援する「年中無休(24 × 7)技術サポート」など、さまざまな特典を今後積極的に活用していく方針です。

「現在は、どう使っていけばよいかを検討している最中です。病院の場合、自分の机を持っている職員がほとんどいませんから、特に自宅使用プログラムなどは間違いなく希望者が多いでしょう。単純に先着順で利用者を募る方法もありますが、まずは運用ルールや運用形態を整備してから利用を促進していきたいと考えています。「年中無休(24 × 7)技術サポート」なども同様です。運用面の難しさはありますが、逆にそれは、ソフトウェア アシュアランスに対する期待の大きさの裏返しだといえます」(山野辺氏)。

目下構築中の新規システムにおいては、新しい環境への移行に向けて、最適なアプローチの実現を支援する「デスクトップ導入計画サービス」の利用にも高い関心を示します。最終的な目標として、電子カルテ システムの受け皿となり得るしくみを模索する中で、同センターの 1 つひとつの挑戦を力強く後押しするのが GEA であり、その計画から運用に至るまで、ソフトウェア ライフサイクル全体をフォローアップするソフトウェア アシュアランスが、重要な役割を果たそうとしているのです。

「マイクロソフトには、実にさまざまな製品があります。電子カルテが求める保存性、堅牢性、完全性などの要件も、汎用的な製品の組み合わせで十分満たせる時代になってきました」と語る山野辺氏。Active Directory を基盤に、親和性の高い製品群をシームレスに連携できることの強みを実感しつつある今、早くも次なるテクノロジの進化を待ち望む余裕さえ伺えます。何より、IT 投資に躊躇して好機を逸することなく、いつでも業務変革に着手できるという安心感。これこそが、医療 IT の最前線を目指す同センターの原動力となり、世界をリードする高度医療を支えていくことでしょう。



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