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モバイル機器の開発プロジェクトで、Microsoft® Office Project によるプロジェクト マネジメントを実践。 100 名規模でのテスト運用を成功させ、全面展開に向けた整備を開始。
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IT やネットワーク関連技術、半導体といったさまざまな分野の研究開発、製造で先端を走る日本電気株式会社。同社において、携帯電話や無線などをはじめとする、モバイル向け技術や機器の開発、製造を扱うモバイルビジネスユニットでは、開発プロセスの管理に本格的なエンタープライズプロジェクトマネジメントの適用を進めています。それまで稼動していた、開発工程の進捗管理システムを刷新し、Microsoft Office Project 2003 をベースとした、新たなプロジェクト管理システムを構築。パイロットプロジェクトへの同システム適用を成功裏に完了させ、20 〜 30 にもおよぶ全プロジェクトへの適用にむけた準備を進めています。
<導入の背景>
生産力の改善のために、開発プロセスの改善が急務に。


日本電気株式会社
モバイル IP ネットワーク事業部
事業計画室
計画マネージャー
太田 好昭 氏
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エレクトロニクスメーカーのリーディング カンパニー日本電気株式会社 (以下、NEC) のビジネスユニットのひとつ「モバイルビジネス グループ」は、携帯電話のインフラとなる通信機器などをはじめとするモバイルネットワーク関連技術の研究や製品の開発に携わっています。モバイルビジネスは、携帯電話によるコミュニケーションの一般化や i-mode などのデータ通信といった新しいビジネスモデルにより、テレコミュニケーション市場でもっとも成長が期待されているマーケットであり、各キャリアが激しい競争を繰り広げています。その様な環境下、テレコムビジネスの中核を担うインフラを開発するモバイルビジネス グループにも、顧客からの厳しい要求が突きつけられています。日本電気株式会社 モバイル IP ネットワーク事業部 事業計画室 計画マネージャーの太田好昭氏は、次第に直面しつつあった問題を以下のように語ります。
「ビジネスの要求は日増しに高いレベルを求めるようになってきています。後継機器の開発にあてられる期間は先代機器の半分、といった案件も頻繁に出てくる様になりました。一方システムは多機能化し、ソフトウェアに関するものが機器の開発内容の 8 割を占めるまでになっています。納期と品質を満たせばある程度の顧客満足を得ることはできます。納期は各責任者のプロフェッショナリズムで間に合わせることができましたが、次第に品質にしわ寄せが来つつありました。開発プロセスに新しいやり方が必要でした。既存のビジネスサイクルを『品質』、『原価』、『開発スピード』の 3 つの観点から再度洗いなおし、全体のプロセス改善に着手したのです」。
<導入の経緯>
1995 年に Web 化された進捗管理システムをベースに、プロジェクト マネジメントへ。
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日本電気株式会社
モバイルネットワーク開発本部
PM 推進マネージャー
芝田 敦志 氏
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これまでの NEC のモバイル事業における製品開発を振り返ると、1995 年に大きな転換期がありました。開発の進捗管理について、それまで印刷した計画書をベースに管理していたものを Web 化し、システム上での管理を実現させていました。「私たちの開発プロセスを洗い出すと、マネジメント対象となる要素がいくつかありますが、特に全体の進捗を管理する領域は極めて重要な要素になります。そこで 1995 年の 4 月には、Microsoft Project 95 をベースとする進捗管理システム『さくら』を構築していました」(日本電気株式会社 モバイルネットワーク開発本部 PM 推進マネージャの芝田敦志氏)。
この「さくら」は、作業項目のスケジュールと実績管理に Project 95 を用い、開発の各マイルストーンが近づくとプロジェクトのメンバにリマインダーとして通知が E-Mail で配信されるという、当時としては画期的なものでした。それ以前は出力帳票をもとに実績管理がなされており、システム導入によるプロジェクトの進捗状況のオンラインでの可視化や最新情報の自動通知の効果で、開発チーム内の情報共有や相互のフォローアップが自動化されスムーズになっていったといいます。
およそ 2003 年頃まで、このシステムは安定稼動を続けます。ところが一方で、前述した市場環境の変化によって開発をめぐる状況が大きく変わりつつありました。「開発する機器仕様や要件は高度化、複雑化し続けています。そこで、システムの運用だけではなく、そのマネジメント手法自体についても見直す必要がでてきたのです」(芝田氏)。
2003 年後半、芝田氏を中心とするチームはこうした状況の打破に向け、PMO (Project Management Office) として 4 名のチームを組織、モダン PM 手法を適用したプロセスの改善を図りながら、プロジェクト管理システムを再構築する決断をします。太田氏を中心とした支援チーム、各部署のサポータなども順次組織されていきました。
モバイルビジネスユニットの PMO は、プロセスの改善とその中心となるシステムの重要性を認識し、その整備を進めていきます。「プロジェクトマネジメントの現場では、『意気込み』だけの計画では実現が難しくなってしまうことが多々あります。本当に実現可能な計画を立てるためには、定量的な数値を客観的に導き出すことが必要です。そうした要件に対して、タスクレベルの入力に対応し、見積もりの精度を高めるツールの利用が有効であることは、以前のシステム運用時から実感していたことでした」(芝田氏)。
Microsoft Office Project については、1995 年の導入時点で他製品も含めた評価を実施しており、モバイルビジネスユニットの開発プロセスとの親和性を認識できていたといいます。また、他部署でも同様に Microsoft Office Project が導入過程にあったこともあり、新たなシステム構築にあたっては、Microsoft Office Project 2003 をベースとすることが決定されました。
<プロジェクトマネジメントの導入と推進>
あえてより大規模なプロジェクトをパイロットプロジェクトとして選定。
2004 年の年頭から、本社スタッフ部門と協力し、モバイル ビジネスユニットのモバイル IP ネットワーク事業部で検討を開始、2004 年後半からの新システム全面稼動を目指した環境の整備が進められています。この推進の過程は大きく 3 つのフェーズに分けられ、WBS (Work Breakdown Structure) の策定や評価指標の設定、体制の整備などを行う「導入準備フェーズ」、一般のスタッフや経営層へのコミュニケーション、報告ツールとしての定着化を図る「運用定着化フェーズ」、パイロットプロジェクトの成果を全面的に展開させる「展開フェーズ」が規定されています。
このステップには、モバイルビジネスユニットの導入への意志の高さがうかがえるエピソードがあります。ひとつはパイロットプロジェクトの選定時に特に注意を払われたのが、できる限り規模が大きく、社内の注目度が高いプロジェクトをパイロットプロジェクトとすることであったことです。「実際の運用で効果を発揮することができなければ、意味がありません。そのため、150 名規模の担当者がいる大きなプロジェクトを適用対象に選び出しました。ここで可能な限りの失敗パターンや運用ノウハウを洗い出しておけば、展開を拡げていく際にも、直接適用することができます」(太田氏)。
もうひとつは、各メンバに対する動機付けについての細やかなケアです。プロジェクトマネジメントの導入支援を担当する太田氏は、進捗報告や連絡をプロジェクトメンバ全員に対して毎日 E-Mail で送信し、メンバ個々に対する意識付けを高めていきました。「最終的にはメンバの意識にかかる度合いが高いので、ただ入力を促すだけでは、無機質なやりとりになってしまいかねません。現在の進捗度などをメッセージとして毎日伝えていき、生きたコミュニケーションが生まれるよう、心がけています」(太田氏)。
こうして導入が進められた新しいシステムの中心となる Microsoft Office Project Server 2003 は、Microsoft Windows Server 2003 上に実装され、NEC のデータセンタで管理されています。また、プロジェクトメンバは Microsoft Office Project Professional 2003 で進捗を入力し、マネージャー層以上の担当者は Microsoft Office Project Web Access によってプロジェクトの状況を視覚的に確認しているといいます。プロジェクトに関わるメンバ全員が、同じ進捗状況をほぼリアルタイムで確認できるようになりました。


複数拠点からプロジェクト情報を共有しながら行う進捗会議 [拡大図]
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<今後の展望>
1,000 〜 2,000 名規模への全面展開、外部協力企業との共有も視野に。
パイロットプロジェクトは成功裏に推移しており、芝田氏、太田氏はその効果に対する自信を深めています。「各プロセスにおける定量的な進捗管理がなされるようになり、メンバ各人の納期と品質に関しての意識向上とともにコストも明確に把握できるようになりました。また、進捗を定量化する意識付けによって、プロジェクトマネジメントの手法自体が定型化され、マネジメントや意思決定の精度向上が得られています」(芝田氏)。
そして、このパイロットプロジェクトで得られたノウハウをもとに、2004 年度下期から新規に始まる全プロジェクトへの適用を予定しており、その準備を進めています。「すべてを適用することになれば、常時進行するおよそ 20 〜 30 本のプロジェクトがその適用対象となり、1,000 名規模のメンバがこのプロジェクトマネジメントの手法にそって開発を進めていくことになります」(太田氏)。
さらに今後は、開発プロセスに参加する外部協力企業との連携も、Microsoft Office Project をベースに進められていくことが検討されているといいます。「今回の導入を進めていくことで、私たち自らの開発プロセスが洗練されていくだけでなく、その蓄積を NEC グループの他部署がコンサルティング サービスとして提供していくことなども可能になってくるでしょう。今回のシステム導入を契機として、プロジェクトマネジメントをキーワードに、多面的な展開を実現していきたいと考えています」(太田氏)。
属人的な管理から、指標を明示的に定め、定量的にプロセスを管理していくことで、NEC の開発プロセスは一層の飛躍を遂げていくことが期待されています。エンタープライズプロジェクトマネジメントの大規模実践例として、同社の取り組みに大きな注目が集まっています。
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