 |
社内情報共有基盤の刷新を機に、the 2007 Microsoft Office system を導入。
美しく理解しやすい文書を効率良く作成できる環境に加え、将来的な情報基盤との連携も視野に
|
日本興亜損害保険株式会社は、1892 年の創立以来 120 年近い歴史を持つ企業です。わが国の経済の発展とともに着実な成長を遂げ、2001 年以降は何度かの合併を経て業容をさらに拡大しながら、わが国の損害保険大手 5 社の一角を占めるに至っています。同社では、2007 年にそれまで 9 年間にわたって使用していた社内情報基盤の刷新を決定し、その動きに合わせて 2007 Office system を同年 10 月から順次導入。2008 年 1 月から全社での供用を開始しました。現在は社内外向けドキュメントの作成はもちろんのこと、Microsoft Exchange Server 2007 や Microsoft Office SharePoint Server 2007 といった情報基盤との将来的な連携を視野に入れた、全社的な活用方法を積極的に探っています。
<導入背景と狙い>
社内の情報共有基盤の刷新に合わせて
文書作成プラットフォームも一気に刷新を図る


日本興亜損害保険 株式会社
IT企画部
企画管理担当 マネージャー
山本 裕 氏
|
 |
日本興亜損害保険株式会社が 2007 Office system の導入に向けて具体的に動き出したのは、2006 年 6 月のことでした。同社 IT企画部 企画管理担当 マネージャー 山本裕氏はその背景について語ります。
「最も大きなきっかけとなったのは、当社の情報共有基盤の刷新でした。当社では『にこねっと』と呼ばれる Lotus Notes ベースの情報共有基盤システムがすでに稼働していたのですが、導入からすでに 9 年が経過して老朽化が目立ってきていました。そこでこのシステムを Office SharePoint Server 2007 へ移行する計画が立ち上がったのですが、それならば合わせて文書作成のプラットフォームも含めて一気に刷新してしまおうということになったのです。」
同社の文書作成では、それまで長年にわたり Office 97 が使用されていました。しかしこの製品はすでにサポートが終了し、対外的にもバージョンの互換性で支障が生ずるなど、かねてからバージョンアップの必要性が叫ばれていたといいます。情報基盤の刷新に合わせて、Microsoft Office もアップグレードするのはごく自然の成り行きであり、すでにその移行準備は着々と進められていました。
「実はこの時点で、すでに Office 2003 へのアップグレードが決まっていました。しかし、その後すぐに 2007 Office system のリリース情報が入ってきて、せっかくなら最新バージョンを導入しようという動きが出てきました。やはりより新しい製品の方が機能的にも優れていますし、同時に導入計画が進んでいた Office SharePoint Server 2007 との相性もいいとの判断でした。そこで 2007 年 1 月に、導入製品の 2007 Office system への変更が正式に決まったのです。」
同社が Office SharePoint Server 2007 と 2007 Office system の組み合わせにあえてこだわったのには理由があります。同社の保険契約処理やデータ管理、事故対応といった業務はホスト コンピュータによる基幹システムで処理されており、これらに付随する膨大な量の文書処理を約 15,000 台の PC によって行っています。このドキュメント作成やさまざまな OA ツールに当たる部分を、同社ではこれら 2 つの Office 製品によって担わせようと考えたのです。
「2007 Office system と Office SharePoint Server 2007 の組み合わせならば当然製品同士の親和性も高く、動作連携も保証されています。また Office SharePoint Server 2007 については Lotus Notes の最新バージョンとの比較検討も行いましたが、RSS フィードの配信機能や自動情報収集、検索といった多くの機能面やコスト面での優位性が認められ、やはりこちらにしようということになりました。」
<導入の経緯>
入念な文書互換性の検証と二重三重のトレーニング体制で混乱なく移行を完了
2007 Office system の導入にあたって最も懸念されたのが、ユーザー インターフェイスの大幅な変更でした。2007 Office system では従来のプルダウン メニューに代わる「リボン」を始めとした、これまでに類を見ない革新的なインターフェイスが採用されました。このためエンド ユーザー側から見ると、旧バージョンで慣れ親しんできた操作性が大きく変わることになり、新たに操作方法を覚えなくてはなりません。また日本興亜損害保険では Microsoft Office と連携する業務アプリケーションも多く、これらの連携検証や確認も重要な課題となっていました。
「そこでまず比較的 PC リテラシーの高い本社部門を選んで、100 名規模での試行展開を行いました。期間は 2007 年 2 〜 6 月の 5 か月間にわたりました。いわば “お試し期間” ですが、ここでさまざまなユーザーからの声を吸い上げ、問題点についてはマイクロソフトのプレミア サポートの支援なども受けながら解決していったのです。」
文書の互換性の検証にも非常に力を入れたと、山本氏は強調します。
「当社の場合、既存の文書資産が非常に多く、これらの文書が 2007 Office system できちんと継承できるかどうか時間をかけて検証しました。特に念を入れたのは、印刷した場合の仕上がりです。保険業務ではお客様向け書類など実際に紙に出力して用いる文書が多いため、印刷時に正しく出せるかが重要なのです。部門によっては 1 つずつ手作業で開いてみて照らし合わせるといった方法で問題をつぶしていくなど入念な検証を行った結果、実際の運用に入ってからの大きな問題の発生を未然に防げたと思っています。Microsoft Office Excel に関してはマクロの互換性チェックも厳しく行いました。」
ユーザー インターフェイスという、最も現場ユーザーに近い部分での変更に備えて、同社ではユーザー トレーニングにも、今回非常に力を注いできました。
「教育コンテンツの整備では、マイクロソフトの協力を受けました。マイクロソフトの 2007 Office system の Web サイト上にある“即効テクニック集” を切り出してもらい、当社のイントラネットのコンテンツとしてアップしました。また『操作レッスン ムービー』という動画をマイクロソフトのプレゼン用ビデオをもとに、当社向けのオリジナル コンテンツとして作成してもらい、これもイントラ上に公開してあります。さらに『Office 2007 早わかり』と題した 6 ページくらいのリファレンスを作成してイントラに載せ、そこに各人の PC のデスクトップからリンクを張ったのです。こうした二重三重の学習環境を講じた甲斐あって、導入当初の基本的な事柄や知識に関する混乱がほとんどなく、導入が完了したのです。」
日本興亜損害保険は、企業内のすべてのコンピュータに対して包括契約するライセンス制度 「Enterprise Agreement」 を利用しています。Enterprise Agreement にはマイクロソフトのソフトウェアを最大限に活用するためのさまざまな特典を提供するメンテナンス プログラム 「ソフトウェア アシュアランス」 が標準で装備され、これらはその特典を活用したものなのです。またソフトウェア アシュアランスのサービスの 1 つに、ソフトウェアの自宅使用プログラムがあります。これはユーザーがソフトウェアのライセンス コピーを取得して自宅のコンピュータにインストールできるサービスで、「2007 Office system を全社的に展開する前に自宅で使って勉強してもらうために、社内に案内を流したところ、ユーザーの 1 割弱が申し込みました。これもユーザー トレーニングと新しい製品が導入されることを広く知らせるために役立ちました」と山本氏は語ります。
<システムの概要>
美しく理解しやすいドキュメントをスピーディに作成でき、
印刷コスト抑制にも貢献
 |


日本興亜損害保険 株式会社
IT企画部
主任
森田 雅敏 氏
|
懸念された導入当初の混乱もなく、アプリケーションの操作環境に慣れてきた現在、2007 Office system の新機能に対する新たな評価も次々に出てきています。そのいくつかを同社 IT企画部 主任 森田雅敏氏は例を挙げて説明します。
「まず Excel を例に取ると、表を作るのが非常に簡単になったと感じています。前バージョンに比べてスタイルもフルカラーで視覚的に美しく見分けやすいし、色づけ作業もボタン 1 つですばやく行えます。また『条件付き書式』の『データ バー』を使えば、セル内の数値を同じセルの中に横棒グラフで表示できるので、ぱっと見ただけでデータの量の多い少ないが直感的に把握できます。これは、売り上げ成績の分析といった作業にも活用できるのではないでしょうか。こうした文書の多彩な表現力は、表だけでなくさまざまなワークシートを視覚的に見やすく理解しやすくするうえで大きなポテンシャルを秘めていると思います。」
Excel でセルを選択する際に、データ範囲の終端に近づくとスクロールが徐々にゆっくりとスピードを落としていくといった工夫なども、インターフェイスの向上に関する細かな配慮を感じることができると森田氏は評価します。


日本興亜損害保険 株式会社
IT企画部
佐川 真希 氏
|
 |
「今回の移行にあたって、移行対象文書のチェックシートを作ったのですが、このデータが数十万レコードにも達しました。これまでこうした大きなデータは、データベース ソフトなどで管理するしかなかったのですが、Excel 2007 ではサポートされる行数が約 104 万行まで拡大されているため、先行展開しておいた Excel 2007 でデータ分析を効率的に進めることができました。移行作業の段階で、早くも新しい Office のメリットを体感できたというわけですね。」
同社 IT企画部 佐川真希氏も、導入後自ら 2007 Office system の良さを体感した 1 人です。
「2007 Office system 導入の説明会を行った際、その資料を Microsoft Office PowerPoint 2007 で作成したのですが、非常に作業効率が良いと感じることができました。“テーマ” を選択するだけでプレゼン シートがどんどん作れてしまいますし、“3D オート シェイプ” “SmartArt”などの機能を使うことによって、手間をかけずに美しい資料が作れることに感心しました。」
PowerPoint 2007 では 「PowerPoint テーマ」 を使用すると、クリック 1 回でプレゼンテーション全体のデザインを変更できます。プレゼンテーションのテーマを変更すると、プレゼンテーション内の背景色だけでなく、図表、テーブル、グラフ、フォントなどの色、および箇条書きの行頭文字のスタイルまで変更されるため、文書に一貫性のある洗練されたデザインを適用することができるのです。
<今後の展望>
Exchange Server や Office SharePoint Server との連携を目標に次のステップへ邁進中
2007 Office system では、「Open XML 形式」という新しい文書標準形式が採用されています。このファイル形式では、従来のファイル形式に比べ、最大で 8 割程度のファイル サイズに圧縮されるため、ディスク スペースを有効活用できます。また、ファイル破損にも強く、Open XML を採用したアプリケーションであれば、Microsoft Office 以外でも、文書を開くことができるという長所もあります。山本氏はこうした Open XML 形式のもたらすメリットについて、同社の業務から見た期待をこう語ります。
「保険業務での文書は長期間にわたって使用および保存され、法規や制度の改定などに対応した版の管理などがあります。アプリケーションに依存しないファイル形式であるため 10 年、20 年先でも開くことができる、万が一ファイルが破損しても修復できるという Open XML 形式の特徴を、こうした文書管理で活用できる可能性を感じています。また膨大な量の文書を長期間保管するうえで、ファイル サイズを圧縮できればストレージなどのリソースを節約することができるのではと思っています。」
2007 Office system の全社展開が完了した現在、早くも同社では今後の情報基盤との連携を見据えたフェーズに向けて動きを始めています。
「その第 1 歩として、現在導入を進めている Exchange Server 2007 と Microsoft Office Outlook 2007 との連携を実現するのが当面の目標ですね。その次の段階には Office SharePoint Server 2007 との連携が控えています。旧システムから Office SharePoint Server 2007 に移行することで、ユーザーにとっては飛躍的に使いやすくなると予想しています。そうなったときに、いかにユーザーに上手に活用してもらうか、そのためのトレーニング ツールや既存リソースの移行手順のマニュアル化などの良し悪しが問われてくるはずです。私たちシステム担当者としてはそうした部分に大いに力を注いで、製品の良さを最大限に引き出せるように努力していきたいと考えています。」
山本氏の言葉に応えるように、森田氏と佐川氏も「もっと社員の目に触れる場所に新しいツールのメリットをアピールしながら、ユーザー目線での『学びやすさ』、『使いやすさ』を理解してもらえるように頑張りたい」と抱負を語ります。こうした構想を具体化させるために、IT 活用のキーマンとなる「PC リーダー」を各職場で任命し、ユーザー向けのメール マガジンを発行するなど、活発な取り組みを進める日本興亜損保。2007 Office system というプラットフォームを得て、同社のドキュメント作成および管理は今新たな飛躍のステージを迎えようとしています。
|
|  |
本ケーススタディに記載された情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。
本ケーススタディは情報提供のみを目的としています。Microsoftは、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。
|
|
 |
|
|
|