西松建設株式会社

掲載日: 2004 年 6 月 30 日
Microsoft® Office Visio® 2003 と Microsoft Office Project 2003 の
双方向連携で効果的に工程管理
工程表作成、修正の手間を軽減することで作業効率を向上

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ソリューション概要

プロファイル
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西松建設株式会社は明治 7 年に創業されました。建設工事の請負、企画、設計およびコンサルティング、不動産の賃貸借、売買および仲介、建設用機器、材料の設計製造販売および賃貸などを事業内容としています。国内、アジア、ヨーロッパ各国で難度の高いダムやトンネル工事を数多く手掛け、高度な土木、建築技術で知られています。

シナリオ
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BPM

ソフトウェアとサービス
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Microsoft Office Visio 2003
Microsoft Office Project 2003
Microsoft Excel 2000

パートナー

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株式会社網屋

メリット

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Visio と Project で構成された工程管理システムの導入により、高度な作図機能とシミュレーション機能の連携が可能になり、工程の柔軟な見直しと工程管理の精度向上が実現されました。工程管理の精度が高まれば、施工や管理業務の効率が上がり、最終的には品質向上につながることが期待できます。

ユーザーコメント
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「工程管理システムの話を聞いた時、直感的に我々の業務にプラスになると思いました。自分が今まで頭の中でやってきたことが実現されていたからです。まず、大まかに全体の工程を決めて、細部の工種の期間を伸ばしたり縮めたりしながら、全体の工程を調整する。それを PC ソフトで自動化しようと思って、いろいろ試したのですが難しかった。それが Visio と Project を連携させると可能になりました」

西松・東急建設共同企業体
西巣鴨出張所
所長
菅谷 智浩 氏 談



<導入背景と狙い>
複雑な工程管理を効率化し、労力を削減


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「東京シティトリエ」建設現場
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西松建設株式会社 (以下、西松建設) は工事の件数減少、単価下落など、厳しくなる業界環境に応じて経営改革に力を入れており、その手段の 1 つとして「IT の戦略的活用」を掲げています。特に施工部門の合理化推進に焦点を当て、本支店と建築現場を結んだイントラネットを整備し、文書の電子化を進めてきました。

しかし、現場管理者が大きな労力をとられる工程管理だけは、統一化が遅れていました。大規模な建築プロジェクトは工期が長く、何千人もの作業員がさまざまな作業を同時に手掛け、工程は極めて膨大で複雑になります。しかも気候条件などで工程は常時変化するため、その管理は煩雑です。その複雑な工程を帳票にまとめて管理するノウハウは、まさに " 職人技 " の領域でした。それをシステム化して工程管理を効率化できないか、それが同社の課題だったのです。

図
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<導入の経緯>
作図機能とシミュレーション機能の連携を実現するため
Visio と Project を融合したシステムを採用


西松建設が工程管理システムの開発に取り組み始めたのは、2003 年 5 月のことです。同社内の業務改革研究グループの 1 つで、IT 活用推進を研究する「一般建築委員会情報部会」が工程管理の見直しを行ったところ、いくつかの課題が判明したことがきっかけでした。その課題とは、Microsoft Office Excel や CAD による工程表作成の電子化こそ浸透していたものの、

  1. 作成や修正に労力をとられる
  2. 統一したフォーマットがない
  3. 個人のスキルに依存する

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西松建設株式会社
建築設計部 設計課 副課長
一級建築士・上級建築情報技術者
山岸 雄一 氏

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というものでした。Excel や CAD では容易に工程図を作図できるものの、工種 (建築プロジェクトを構成する大きなタスク) 間の連携を設定したり、一部工程の修正を工程全体に自動で反映したりすることはできず、工程のシミュレーションや修正、追加が簡単にできません。そのため、電子化された工程表があっても、結局は、現場管理者が頭の中で工程を管理している部分が大きかったのです。

これを受けて情報部会では、情報システム部とも連携して、操作が容易で全社的に導入できる工程管理システムの可能性を探っていきました。システムに求めた要件は、作図した工程図からタスク別の工期を自動計算し、工程を自由自在に組み替えられるものでした。情報部会のリーダーである西松建設株式会社 建築設計部設計課 副課長の山岸 雄一氏は、システム選定の経過を次のように説明します。「CAD ベースの市販ソフトはありましたが、操作そのものが難しく、作図機能しかありません。大手ゼネコンが利用している専用システムは機能こそ充実していましたが、価格は高く、工程表の書式が独特で使いづらかったのです。そこでプロジェクト管理ソフトで知られる Project に注目しましたが、ネットワーク工程図は作図できない。その時にマイクロソフト株式会社 (以下、マイクロソフト) より Visio を紹介されました。Visio にこれほど汎用性があり、作り込みが可能だとは思ってもみませんでした。Visio と Project を組み合わせれば、きっと我々がイメージしたシステムができると考えたわけです」。

それまで、建設業界で Visio と Project を双方向でデータ連携させた開発事例はありませんでした。そこで同社は、マイクロソフトのパートナー企業である株式会社網屋 (以下、網屋) が開発した工程管理システムをベースに、建設業界向けに独自シェイプを加え、カスタマイズを行って、建築プロジェクト用の工程管理システムを作り上げたのです。


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工程表テンプレート部品 (左)
工程表ネットワーク部品 (右)

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図
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施工管理工程表


<導入システムの紹介>
Visio と Project の連携により、工程の柔軟な見直しと工程管理の精度向上を実現


このシステムは、建設業界向けの工程管理システム「ProSioN」として、網屋より 2004 年 6 月に製品としてリリースされる予定です (問い合わせ先は 03-5643-1331 または pm-info@amiya.co.jp) 。Microsoft Office Visio 2003 の高度な作図機能と Microsoft Office Project 2003 の高度なシミュレーション機能を組み合わせることにより、工程の柔軟な見直しと工程管理の精度向上を実現しています。当面は低コストで導入、運用できるスタンドアロン環境を対象としたシステムとなっています。

このシステムで建築プロジェクトの全体工程表を作成するには、まず Visio でテンプレートを作成し、仮ネットワーク (工程) 図を作成します。ネットワーク図では、タスクどうしの連携や大まかな工期を決めます。次に、この図を Project に取り込み、工期を自動計算し、スケジュールを調整したりクリティカルパス (最適な工程) を発見したりします。その後でそのデータを Visio に戻すと、変更を工程図に自動的に反映することができます。最後に Visio 上で部品化された行事予定などを入力すれば、全体工程表が完成します。


図
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Visio と Project による全体工程表の仕組み [拡大図]



<導入結果と感想>
月間工程表の作図作業が 1 時間から 10 分に大幅短縮


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西松・東急建設共同企業体
西巣鴨出張所 所長
一級建築士
菅谷 智浩 氏

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西松建設株式会社 関東支店
西巣鴨出張所 係長
一級建築士
大坪 久 氏

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このシステムは 2003 年秋から実際の現場で導入され、実証実験が行われています。導入されたのは、東京の池袋駅に近い 25 階建ての都市型マンション「TOKYO CITYTELIER(東京シティトリエ) 」(施主、販売は西松建設株式会社、西松・東急建設共同企業体が工事請負) の建築現場です。西松・東急建設共同企業体 西巣鴨出張所 所長の菅谷 智浩氏は、次のように語ります。「工程管理システムの話を聞いた時、直感的に我々の業務にプラスになると思いました。自分が今まで頭の中でやってきたことが実現されていたからです。まず、大まかに全体の工程を決めて、細部の工種の期間を伸ばしたり縮めたりしながら、全体の工程を調整する。それを PC ソフトで自動化しようと思って、いろいろ試したのですが難しかった。それが Visio と Project を連携させると可能になりました」。他のソフトで工程表を作成していたころは、ある工種の工期を変更すると、それによって影響を受ける他の工種の工期もすべて手作業で調整しなければなりませんでした。時には調整するのを忘れ、工程にズレが生じる場合もありました。工種間のズレは作業を停滞させ、ロスを生み出します。実際に工程管理システムを操作する西松建設株式会社 関東支店 西巣鴨出張所 係長の大坪 久氏も次のように評価します。「Project でタスクを細分化して全工程を明確化しながら、それを Visio の工程図に自動で反映できる点が魅力です。トラブルなどで工程は常に変化するので、週に 1 度は工程表を見直す必要があります。Visio と Project 間でデータをやり取りすることで、簡単に修正作業ができています」。

工程表作成の時間も確実に短縮されました。大規模な建築プロジェクトになると、全体工程表だけでなく月間工程表や週間工程表も必要になります。たとえば、月間工程表の作成には以前は 1 時間程度かかっていましたが、今では 10 分もあれば終わります。Project から特定期間のタスクを抜き出し、Visio 上に月間工程表を作成できるようになったからです。


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テンプレートの作成 [拡大図]
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仮ネットワーク図の作成 [拡大図]
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スケジュールの調整 [拡大図]

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ネットワーク図の自動編集 [拡大図]
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全体工程表の完成 [拡大図]




<今後の展望・期待>
コスト計算なども可能なプロジェクト管理システムへ進化


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西松建設株式会社
情報システム部 情報システム課
課長
中尾 幸久 氏

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このシステムの導入が進められているのはまだ数か所の現場だけですが、西松建設では常時 600 件以上の建築、土木プロジェクトが稼働しているため、全体に導入されれば会社全体として大きな作業効率の向上が期待できるでしょう。また、工程データが蓄積されれば、全社共有のナレッジとしても再利用可能になります。工程管理の精度が高まれば、施工や管理業務の効率が上がり、最終的には品質向上につながることが期待できます。

このシステムは現状、工程管理のみを扱っていますが、将来的には本格的なプロジェクト管理システムへと進化していくことが期待されています。西松建設株式会社 情報システム部情報システム課 課長で、PMP(Project Management Professional) の資格を持つ中尾 幸久氏は、「Visio と Project の機能を活かして、コストや進捗状況、リソース状況を管理できるようにしたいと考えています。また、統括所長のような管理者が、ネットワーク上から複数の現場のプロジェクト状況を簡単に閲覧できるようにしたいですね」と語ります。Project の機能をうまく利用すれば、建設機材などのリソースの活用状況、コストの予実状況の把握や評価が容易になります。今後は、タスク別状況やクリティカルタスク、リソース別コストなどのレポート機能を装備していく予定です。現場責任者は、社内や施主に対してさまざまな報告書を作成しなければなりません。Visio と Project でプロジェクト管理ができれば、社内外への報告業務も効率化できるでしょう。また、Web 対応に優れた Visio と Project ならば、Web 展開による全社的なネットワーク運用も可能でしょう。

西松建設が開発した工程管理システムは、本格的なプロジェクト管理システム、さらには施工マネジメントとの連携へと進化していく可能性を秘めています。Visio と Project の組み合わせは、西松建設のみならず、建設業界全体でプロジェクト管理のあり方に大きな影響を与えるでしょう。


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みなほぼ同世代だというプロジェクトメンバー。右側手前が西松建設株式会社 関東支店 営業部 営業課 副課長・関戸 成文 氏

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図
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「東京シティトリエ」外観


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