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的確なプロジェクト マネジメントに向け、「座標式工程・予算管理ツール」を導入。
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沖縄の建設行政と建設事業の円滑な推進により、国土開発の発展に寄与することを目的に設立された公益法人である社団法人 沖縄建設弘済会。道路事業のプロジェクト マネジメント業務の実施にあたり、業務の効率化を図るために、Microsoft
Office Project 2003 および Microsoft Office Visio 2003 による新クライアント システムを導入。その結果業務の大幅な効率化を達成すると共に、労力の削減と作業ミスの防止をも可能にしました。
<導入背景と狙い>
公共事業の説明責任を向上
社団法人 沖縄建設弘済会(以下、沖縄建設弘済会)は、沖縄の建設行政と建設事業の円滑な推進により、国土開発の発展に寄与することを目的として 1985 年に設立された公益法人です。また、1996 年には、技術環境研究所が設立されており、その事業内容としては、1)調査・企画事業、2)研究事業、3)支援事業の 3 つの事業に大別されます。1)の調査・企画事業では、沖縄県内の道路や河川、ダムなどに関する調査や計画等の受託業務を行っています。2)の研究事業では、個性豊かな地域文化を有する沖縄の歴史や風土を深く理解し、地域特性に根ざした自主研究や大学等との共同研究を実施しており、研究成果の情報発信についても積極的に行っています。研究事業の一例としては、「美しい沖縄の風景デザイン研究」(自主研究)や「赤土砂等流出防止のためのろ過沈殿地開発に関する研究」(共同研究)等があります。3)の支援事業では、沖縄の地域・気候・歴史・文化等の特性を踏まえた建設技術の開発及び調査研究に意欲のある県民に対し、研究費の助成や NPO と連携して自然環境に配慮したさまざまな取り組みを行う等、地域に根ざした視点で事業を展開しています。
2005 年には、沖縄県内数か所の道路工事を対象とするプロジェクト マネジメント業務に着手。同業務では、個別事業毎に事業の進捗管理及び予算管理を行うための「事業進捗管理ツール」の作成が必要とされました。
具体的には、道路を供用開始するまでに必要な各種・各段階での関係機関との協議事項の抽出や用地買収に係る地権者との交渉、調査・設計・積算・工事等の発注計画及びそれに関連するクリティカル
パスを抽出し、1 枚の用紙にわかりやすく表現する事が求められました。また、インプットしたそれらのデータは、事業の進捗に応じて随時アップデートしていく必要も出てきます。
対象事業の中には、供用開始時期と工事予算を国民に対し宣言・約束し確実に実行していくという「目標宣言プロジェクト」に位置づけられていた事業もあったため、高いスキルの進捗管理が求められました。
当初、沖縄建設弘済会は、発注者が使用していた Microsoft® Office Excel® を使用していました。これは、Excel
上に事業年度と道路の工区割を一覧できる表を作り、年度ごとの予算と累計執行額を図示できるもので、プロジェクト全体を一目でビジュアル的に把握することは可能でしたが、事業進捗管理ツールとしては、十分とはいえませんでした。たとえば用地買収の予定が 1 年遅れたとした場合、全体的にどうなるかということをシミュレーションする場合に、セルに色をつけただけの図形では後続作業や関連作業まで連動して動かないため、1
つ 1 つ手作業で図形を動かすことになり手間がかかる上に作業が繁雑になりました。
これらの問題をクリアするため、沖縄建設弘済会では Microsoft Office Project 2003 による工程管理のしくみと、Microsoft Office
Visio 2003 による新たなクライアント システムを導入しました。
<システム導入>
Project 2003 と Visio 2003 で作業負担の軽減を目指す


社団法人
沖縄建設弘済会
技術環境研究所
技術環境部
技術環境室
主任研究員
森 繁司 氏
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沖縄建設弘済会では、的確なプロジェクト マネジメントに向けた作業の効率化を目指す第 1 のステップとして、プロジェクト マネジメントに知見のある沖縄 PM 研究会
代表 本間 克三氏の協力の下に、Project 2003 の導入に踏み切りました。沖縄建設弘済会 技術環境研究所 技術環境部 技術環境室 主任研究員 森 繁司氏は、その当時を次のように話します。
「発注者側はビジュアルな図面を求めているため、アウトプットは Excel で十分でしたが、実務担当者が実際に工程管理をするにはあまりにも大ざっぱすぎて使いづらいのではないかと考えました。そこで、Excel
ベースの工程管理表は会議などの説明用として位置づけ、実際現場での工程管理ツールとして Project 2003 に切り出すことにしたのです」。
導入後、Project 2003 側での作業を本間氏のチーム、Excel 側の作業を森氏のチームが担当しました。しかし、それでも頻繁に発生するスケジュール変更に追いつくために、現場にはかなりの負担がかかっていました。そして最大の問題は、1
つの変更を 2 つのシステムにそれぞれの作業者が入力していたために、人的な単純ミスが発生するリスクが高かったことです。Excel の入力作業そのものも大変だったこともあり、沖縄建設弘済会は新たな手段を模索していました。本間氏は、次のように話します。
「アカウンタビリティを向上させられるプロジェクト管理ツールと、図表を美しく表現できるビジュアライズツールが連動すれば、さらに効率が上がることは明白でした。そこで、マイクロソフトに相談したのです」。
そこで本間氏は、Visio 2003 と Project 2003 を連動させるソリューションを森氏へ提案し、マイクロソフトの協力を得て、事業の進捗管理に最適な
Visio のアドインツールとして「座標式工程・予算管理ツール」が開発されました。
「座標式工程・予算管理ツール」では、 Excel を使用していたときのようにセルで図形を描く必要がないため、変更が発生した際の手間が格段に向上しました。さらに、
Visio 2003 ならではの機能も使用されており、図形に数値データを持たせてビジュアルなデータ管理を実現しています。その他にも、橋を図示する際に、橋脚の本数を自由に変更できる機能などが追加されています。
こうして作成された表と、 Project 2003 で作成するガント チャートは、双方向からのエクスポートにより連携。従来の 2 重作業を排し、作業の効率化を実現。たとえば、部分修正が発生した場合にも、Visio
2003 か Project 2003 のどちらかのデータをアップデートしてエクスポートすれば、修正が確実に反映されるしくみになっています。
また、 Visio 2003 では図形にデータを付与できるため、図形に「工事名」「測点 av「開始・終了日」「予算」などのデータを持たせておき、それを Project
2003 のガント チャートに置き換えることが可能になっています。
さらに、シミュレーション機能も搭載。Visio 2003 で工事工程の基本計画を作成し、その計画をビジュアルに表示し変更について画面上でシミュレーションすることが可能です。
森氏は、「それまで Visio の存在は知っていましたが、使ったことはありませんでした。シェイプ(図形)にさまざまな情報を持たせられるしくみはすごいと感じました。座標の情報まで持てますからね」と語ります。
本間氏も、「私も昔、報告書をきれいに作るために Visio を使ったことはありました。しかし、今回のように Visio 2003 と Project 2003
を組み合わせて工事の進捗管理に使うという発想はありませんでした。優れたしくみを構築することができたと考えています」と話しています。
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A 0 版の図版[拡大図]
提出資料となる図表。Excel を縦に使って A 0 サイズに打ち出された。
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<システムの導入効果>
労力の大幅削減と作業ミスの防止を達成
新システムの導入により、沖縄建設弘済会では、優れた PMT による質の高い業務の遂行と同時に、労力の大幅削減も実現しました。
それまでは変更が発生した場合に、Excel 側と Project 2003 側とで 2 人が作業する必要があったものを、エクスポート機能の活用により、 1 人の作業で済むようになったのです。それだけではなく、作業時間も大幅に削減できたのです。
森氏は、「A 0 版の資料を作る際に、Excel では 2 日から 3 日かかっていましたが、新システムでは半日くらいで作れます。Project 2003 に変更を反映させる作業にも同じくらいの工数がかかっていましたが、エクスポートするだけで済みますから、ボタン 1 つで、瞬時にすべての情報を共有できます」と話します。
ツールが変わることで作業者の習熟が心配されましたが、実際に使ってみると操作は簡単。作業者が業務内容をよく理解したうえで使っていたため、Excel ベースのものより使いやすいという声が多数を占めるまで、そう時間はかかりませんでした。
また、作業ミスの防止にも役立っています。今回のシステムでは初めに入力する作業者がミスを犯さないかぎり、システムが誤った情報を登録する危険はありません。また、作業者による人為的なミスが発生したとしても、片方のシステムだけを見て原因を発見すればよく、エクスポート機能の活用により、修正は容易になります。さらに、2
つのシステムが常に整合性を取った状態に置かれるため、過去のミスが放置されて気づかないままスケジュールが進んでしまうこともありません。
森氏は、「当初、このような 2 つ別々のツールを連動させるシステムが本当に出来るのかと思っていました。それが、システム構築の打ち合わせを重ねるたびに徐々に現実味が増してきて、システムのすごさに感激しました。使い込むことによってさらにその良さを実感しています」と話しています。
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画面ショット(Excel)[拡大図]
Excel で作っていた時代の画面
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画面ショット(Visio)[拡大図]
座標式工程・予算管理ツールの画面
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<今後の展望>
啓蒙活動を積極化し、広く使われるシステムに
本間氏は、「発注者側も、組織内のさまざまな部署でコミュニケーションをとりながら事業を進めていく必要があります。たとえば、用地課、調査課、工務課などの課をまたいだ調整などです。その際に、原型のデータは
Project 2003 で管理し、Visio 2003 をコミュニケーションのための可視化ツールとして使っていくというやり方が役に立つはずです。こうしたメリットを普及すべく、発注者側への啓蒙活動も行っていきたいと考えています」と話します。
今回システムが適用されたのは道路工事の進捗管理ですが、森氏は、ほかの用途での使用も視野に入れています。
「今回は道路事業で本システムを適用しましたが、それ以外の分野でも本システムの優れた力を存分に発揮できると考えています。たとえば港湾事業の防波堤築堤工事や河川工事、下水道工事、トンネル工事などにも適用可能だと思われます。また、本システムをベースとしてそれぞれの事業にあったかたちにカスタマイズしていくことにより使い勝手が向上し、質の高いプロジェクト
マネジメントが可能になると考えます」。
また、Visio と知り合ってからは、このシステム以外の用途でも Visio を活用して資料作成する場面が増えてきており、現在では、案内チラシや配席表、その他多くの会議資料の作成などに活用しているとのことです。
2005 年に沖縄を訪れた観光客は 550 万人を突破、今後ますます増加していくものと考えられています。そのような入域客数の増加への対応及び今後さらなる誘引を図っていくためにも、インフラの充実・強化を図っていくことが必要と考えられます。また、一方では沖縄の豊かな自然環境や特有の文化、歴史、風土に配慮した取り組みも欠かすことのできない極めて重要な課題です。そのような、地域社会の要請に応えるため、地域に根ざした技術開発及び調査研究を行い、広範な専門的知識を長年にわたって蓄積し、公益法人として地元沖縄の発展に寄与していきたいと森氏は熱く語ります。
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