オリンパス株式会社

掲載日: 2003 年 11 月 17 日
「試作管理システム」 により試作納期の大幅短縮を実現
利用者自身が情報の価値を最大限に引き上げる
.NET が可能にしたシステム構築革命

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ソリューション概要

プロファイル
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オリンパス株式会社leave-msのオリンパスは、ギリシャ神話で神々が住むというオリンポス山にちなんだもので、「世界に通用する製品を作る」 という願いが込められています。最近では光学と最新のデジタル技術を融合した 「Opto-Digital Technology (オプトデジタル テクノロジー) 」 をコアコンピタンスとして活動を展開。世界レベルで企業価値の最大化に取り組んでいます。

シナリオ
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開発リードタイムの短縮
試作情報の共有

ソフトウェアとサービス
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Microsoft Visual Studio .NET 2003
Microsoft .NET Framework
Microsoft Windows Server 2003

メリット
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Visual Studio .NET 2003 は、単一の共有統合開発環境 (IDE) を持ち、Visual Basic や Visual C#® をはじめ、サードパーティにより提供されている 20 種類以上の異なるプログラミング言語をサポートしています。開発者は、使い慣れた言語により、共通のコンポーネント群を利用し、統一化されたデバッグ環境で効率的に開発を進めることができます。そのためデータベースや他のプラットフォーム上のシステムからデスクトップアプリケーションに至るまで非常に簡単に連携がとれ、専門的な深い知識を必要とせずにシステムを開発できる点が大きなメリットです。

ユーザーコメント
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「非常に高度な技術でありながら、敷居が高いとは感じませんでした。いくつかコードサンプルを使っていくうちに、開発のスピードが劇的に上がってきますし、開発者として日ごろ苦労している点などが実にうまくサポートされており、一定レベルの品質を維持する上でとても助かります」

オリンパス株式会社
研究開発センター
生産技術本部 DEM 技術部
試作技術グループ 主任研究員
飯島宣則氏談

「試作管理システムは限られたリソースで非常に短期間に完成する必要がありました。そのような条件下でしっかりとしたシステムを期日までに立ち上げるには、Web Service による異機種間連携と .NET Framework による開発支援機構の存在がキーとなったと思います」

オリンパス株式会社
研究開発センター
生産技術本部 DEM 技術部
試作技術グループリーダー 課長
松岡賢二氏談



PHOTO
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オリンパス株式会社

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オリンパス株式会社 (以下、オリンパス) はグローバル競争を勝ち抜くため映像、医療、産業に加え、ライフサイエンスという新たな事業を創生し、グループ全体の企業価値を高めるための経営の構造改革に取り組んでいます。2001 年 4 月には、社内カンパニー制の導入によりビジネススピードの加速を図りました。さらに社内情報システムにおいては、「部門最適から全体最適」 の方向でインフラ等の整備が進められています。

このような業務改革の先駆として、試作部門において Microsoft® Visual Studio® .NET 2003 を活用した 「試作管理システム」 が構築されました。開発は通常業務と並行しながらごく短期間で行われ、先端的な .NET技術を採用することで、利用者部門が自らの手で必要なシステムを迅速に開発できることを実証しました。

<導入の背景とねらい>
ビジネスのスピードアップが成長の命題に


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オリンパス株式会社
研究開発センター
生産技術本部 DEM 技術部
試作技術グループリーダー 課長
松岡賢二氏

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企業規模が大きくなるにつれ、迅速な意思決定と柔軟な業務遂行が難しくなる “大企業病” は、成長する企業が直面する課題です。オリンパスでは 2001 年 4 月、「映像システムカンパニー」 「医療システムカンパニー」 「産業システムカンパニー」 の 3 つに再編成して必要な権限を委譲し、よりスピーディーな経営体制の確立に向けて舵を切りました。現在、新たに 「ライフサイエンスカンパニー」 を加え、4 つのカンパニー体制で経営執行しています。一方、企業の共通項として残す方が効率の良い部分は 「センター」 として集約しました。「コーポレート・センター」 と 「研究開発センター」 の 2 つです。全社横断的な 「全体最適」 化を図りながら、各カンパニーの活動を支援しています。こうした構造改革によるビジネスのスピードアップ化は全部門に及んでいます。オリンパス 研究開発センター 生産技術本部 DEM 技術部 試作技術グループリーダー 課長の松岡賢二氏は、次のように語ります。

「カンパニー制への移行を目前にした 2001 年 1 月、リソースが散在していた基礎技術部門が DEM (Digital Engineering & Manufacturing) 技術部として統合されました。その役割はデジタルテクノロジの 5C (CAD/CAM/CAE/CAT/CAP) を駆使して製品開発をスピーディーに行う点にあります。試作技術グループに求められた課題の一つは、IT 基盤を構築して、高品質な試作品を迅速に社内顧客に提供することでした」

<ソリューション>
試作品製作の依頼、見積、データ管理等をシステム化することで
開発リードタイムの短縮を図る


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オリンパス株式会社
研究開発センター
生産技術本部 DEM 技術部
試作技術グループ 主任研究員
飯島宣則氏

従来の試作品製作は、設計者と試作者との間で発注書と図面を文書でやりとりすることが基本でした。オリンパス 研究開発センター 生産技術本部 DEM 技術部 試作技術グループ 主任研究員 飯島宣則氏は、手作業のロスタイムについて語ります。

「1 日 3 回の社内便にのせて送るのですが、速くても当日の夕方、遅ければ翌日になってしまう。そこだけで半日 〜 1 日のリードタイムができてしまうわけです。試作品自体は丸 1 日で作り上げる体制が整いつつあるにも関わらず、図面の伝達の段階で 1 日ロスすることは、開発競争の致命傷になりかねません」

また、組織が大きくなるにつれ、設計者と試作者の距離が遠くなりました。またグローバルレベルでの試作依頼にも対応しなければならないなど新たな課題も出てきました。

「今まではお互いが顔の見える範囲で試作を行っていましたが、シンガポールの事業所など海外からの試作依頼もくるようになり、紙で管理するレベルを超えて来ています。また試作情報を共有することで、データの再利用を促進して開発時間の短縮を図る必要もありました」 (松岡氏)

試作管理をシステム化しなければ、伝達ロスの解消や情報共有も難しく、開発リードタイムの短縮は実現できません。そこで試作技術グループでは、2003 年 4 月、試作依頼および進捗管理をカバーする統合管理システムの構築を決定しました。

システム構成図
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システム構成図 [拡大図]

<開発の経緯>
Visual Studio .NET の開発効率の高さにより
限られたリソースで短期間に高品質のシステムを開発


初めての試作管理システムの構築だけに、しがらみにとらわられず自由にできる反面、一から作り上げる苦労も覚悟しなければなりません。松岡氏と飯島氏は、システム構築には次のような条件をクリアする必要があると考えました。

●限られたリソース、知識で品質の高いシステムが短期に構築できること
●拡張性、柔軟性の面から将来にわたって投資保護ができること
●多様なクライアントアプリケーション利用面でレバレッジが図れること
●バックエンドシステムやポータルとの親和性があること
●低い投資で高い効果を実現できるプラットフォームであること

特に 「短期開発」 と 「低コスト」 という優先条件の下では、今回のシステム開発を外注することは不可能であり、利用者部門で迅速に作り上げるという必要がありました。そこで社内から技術者であり開発の経験もある飯島氏を引き抜き、 .NET の機能を徹底的に利用して限られた時間を効果的に使いながらの構築に着手することにしました。

「今まで私が Microsoft Visual Basic® やMicrosoft Visual C++® を使ってきたため、Visual Studio .NET 2003 であれば特別な研修を受ける必要がなかったということも理由の 1 つですが、新しい技術を取り入れないと市場で勝ち残れないという環境でもあり、 .NET Framework と Visual Studio .NET 2003 を選択することにしたのです」 (飯島氏)

「また他の Windows ベースのシステムもあり、保守性を考えるとマイクロソフトに統一した方がいいと考えました。また、社内情報システムの 『全体最適』 化の流れと、将来的な拡張性の面でも Microsoft .NET Framework という選択が適切でした」 (松岡氏)

2003 年 4 月、業務要件をとりまとめ UML を使って仕様書を作成。それをベースに開発を開始して、6 月には試作受付機能をスタートするというスピード開発でした。

「最初は戸惑いましたが、慣れるに従って効率が上がりました。デザイン画面とソースコードが分離されてわかりやすくなったことなどが効率的な開発を可能にしました。 .NET Framework による簡易な開発と運用管理に加え、Visual Studio .NET による効率的な開発環境を経験してしまうと、以前の ASP 開発にはもう戻りたくない気持ちになります」 (飯島氏)

今まで Visual Basic や Visual C++ などを使ったことのある人であれば 「ヘルプ機能を活用し、簡単なサンプルコードを参照すれば多くを覚えこまなくても簡単に使いこなすことができる」 と、飯島氏は指摘します。「数年前、受発注システムの構築に取り組んだことがありました。3 名の開発者が 1 年がかりで作ったのですが、いまだ運用面での問題が出てきます。今回は 3 か月でこれだけのシステムを仕上げたことを考えると、 .NET による開発生産性は予想していた以上の成果をあげてくれました」 (松岡氏)

試作管理システムの開発画面
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試作管理システムの開発画面 [拡大図]

試作管理システムの利用画面
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試作管理システムの利用画面 [拡大図]

<今後の展開>
今後は .NET の開発生産性の高さと優れた拡張性を活かして
見積と生産管理システムの連携など自動的なシステム間連携へ移行


試作管理システムは、事業部門から来る試作要求を統一されたWebベースのポータルで管理します。試作依頼者は部門ポータルで認証を受け、.NETベースの試作管理システムで必要要件を入力するため、試作依頼時のロスタイムはほとんどありません。システム開発上のメリットに加えて、試作管理システムの稼働は当初の狙い通り試作リードタイムの短縮につながりました。

「入力された試作要求を適宜バックエンドシステムと連携させると同時に、Webサービスを活用して、Microsoft Excelなどフロントエンドのアプリケーションで取り出せるようにし、従来と同じように印刷したり、文書管理したりできるようにしたことも、ユーザーに好評です」(松岡氏)

「今後は、見積りと生産管理システムを連携することが目標です。半年後には利用できるようにしたいと考えています」(飯島氏)

このように同部門では、従来は手作業が中心となっていた連携作業をXMLベースによる自動的なシステム間の連携に切り替えることも視野に入れています。

競合よりスピードのある経営を支えるためには、情報の鮮度と精度、再利用性やオンデマンド提供がキーとなります。

利用者自らがそのような情報の付加価値を限りなく高めてゆく。オリンパスにとって.NETはそのような熾烈な企業競争の中で、情報価値の向上になくてはならない情報技術であるといえるでしょう。


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