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全社の営業員、エンジニア向けに約 3,500 台の Windows Mobile を活用。Exchange Server とのメールおよびスケジュールを連携、さらに独自のアプリケーション開発により、エンジニアと営業員の業務効率を大幅に向上
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株式会社大塚商会では、営業員の早期帰宅の実現や、エンジニアの業務効率化を目指して、2007 年 4 月から、Windows Mobile 搭載の携帯電話を導入。現在に至るまでの 2 年半に渡り活用を続ける中で、さまざまな成果を挙げています。特に、コール
センターに寄せられたお客様のご要望に応じて、適任となるエンジニアを探し出し、現状のステータスを確認した後にお客様先に派遣する業務に関して、専用のアプリケーションを開発。加えて、Exchange Server との連携によって、移動先からでもメールやスケジュールを確認できることで、お客様への対応を迅速化。営業員、エンジニアそれぞれの業務効率の大幅な向上を実現しています。
<導入の背景とねらい>
「少しの時間」を効率よく活用し、早期帰宅・業務効率の最大化を図るためにモバイル環境を改善


株式会社大塚商会
トータル情報システム室 課長
川崎 多 氏
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国内最大級のソリューション プロバイダー として、オフィスの抱えるさまざまな課題に対する解決策を提供している株式会社大塚商会 (以下、大塚商会) では、お客様との接点となる営業員、エンジニアが利用するモバイル環境の利便性を高めて業務を効率化し、「お客様本位」のビジネスを強化していくために、 2007 年 4 月から、ソフトバンクモバイルが提供する Windows Mobile 端末を導入。現在に至るまで、活用を続けています。
「早期帰宅・営業効率 UP プロジェクト」(以下、SKP) という業務改善の取り組みをきっかけとして始まったこの Windows Mobile 利用は、端末の進化などにつれて、段階を追って最適化されてきました。2008 年秋には Microsoft Exchange Server 2007 と Microsoft Internet Security & Acceleration Server (ISA Server) が導入され、ActiveSync の活用が始まりました。
これにより、Windows Mobile 端末にメールやスケジュールが自動的にリンクされるようになり、利便性は大幅に向上しているといいます。
大塚商会 トータル情報システム室 課長 川崎多氏は、Windows Mobile 導入当初からの経緯について、次のように振り返ります。
「当社で導入を検討した当時は、まだスマートフォンの種類も少なかったと思います。その中で、通信が速くて、スペック的に優れている機種を、ということで検討した結果、ソフトバンクさんから提供されていた SoftBank X01HT という端末を採用することになりました。この端末は、電話をかけるのもタッチパネル式だったのですが、当時はまだ慣れていない人が多く、『電話がかけにくい』など、さまざまな声が寄せられました。そこで、キーボードを搭載した SoftBank X03HT が発売されたときに、すぐに乗り換えたという経緯もあります。
皆、最初のうちは戸惑いがあったようですが、今では慣れてきて、ごく普通に活用しています。携帯電話と PHS と、それからこの Windows Mobile とを、自由に選択できる方法で導入を始めたのですが、途中から『端末を統一しよう』という話も持ち上がり、今では台数も全社で 3,500 台活用するまで増えています」。

株式会社大塚商会
トータル情報システム室
企画開発第 4 グループ
山田 隆男 氏
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もともと、大塚商会の社内では、個人の携帯を利用して、通話料の一部を経費として計上するというしくみが採用されていましたが、「業務上の通話と、プライベートな通話とを区別し難い」という問題があり、端末を会社が支給する方針に変更。そのときは、携帯電話と PHS を自由に選べるようになっていました。
その選択肢の中に、Windows Mobile が加えられたのは、「SKP」の議論の中で「(業務効率改善のために) モバイル環境を、もう少し便利にしたい」と検討されたことがきっかけでした。川崎氏は、次のように説明します。
「ノート PC を携帯し、データカードを使って社内のシステムに接続するということを、従来から行っていました。しかし、外出先でノート PC を起動する手間などがあり、ちょっとした時間で活用するには、時間がかかりすぎていました。そこを、もう少し便利にして、営業員やエンジニアの業務効率を向上させることがねらいでした。まず電話のニーズがあり、+アルファで、ノート PC に代わる利便性を追加できること。それが Windows Mobileの採用理由です」。
<システムとの連携について>
エンジニアへの連絡、状況確認、業務報告を独自アプリケーションで迅速化
Windows Mobile 導入後の活用状況について、川崎氏は次のように説明します。
「営業員の利用方法としては、やはり Exchange Server と連携してメールとスケジュールを確認するということが、圧倒的です。SFA のようなシステムの顧客情報も参照できますが、液晶画面が小さいこともあり、それほど多くの情報量を表示できるわけではありません。ですから、出先で予定より早く商談が終わり、近くのお客様を回る余裕が出たときに、情報を検索して参照するなど、ほんのちょっとした利便性が追加できれば、それだけでも効果はあると考えています。
一方、エンジニアの方からは、社内システムと絡めて、『外でこれができた方がいい』といった要望が多くあがってきていました。使用している台数も、社内にある Windows Mobile 3,500 台のうち、2,000 台以上をエンジニアが利用しています」。
エンジニアの方々の Windows Mobile 利用は、主に作業報告と、コールセンターとの連絡に活かされていると、大塚商会 トータル情報システム室企画開発第4グループ 山田隆男氏は説明します。
「現状、社内システムとしては、『タイムスタンプアプリ』というアプリケーションを用意しています。お客様先での作業が終わったら、その場で『何時何分にこの作業が終わりました』という報告が入れられるようになっています。また、エンジニアの業務として重要なことに、お客様の障害対応がありますが、コールセンターにお客様から連絡があった際も、このシステムを通じてコールセンターの担当者がエンジニアのスケジュールを確認し、お客様対応を迅速化できるようになっています。
従来は、コールセンターの担当者がエンジニアに電話をかけて、つながらなかった場合は返電を待つなどの無駄があったのですが、今は、お客様の近くを担当しているエンジニアの状況をシステムに登録している報告の状況から確認して、打診のメールを出すことができます。
打診を受けたエンジニアが『承諾』のボタンを押すだけで、システムのデータベースに登録されて、一連の処理がつながっていきます」。
こうして対応にあたったエンジニアは逐一、予定と作業実績をシステムに入力していくことになりますが、そのインターフェイスは、非常にシンプルに作られていると山田氏は続けます。
「手入力する内容はほとんどありません。単純に、リストの中から案件を選んで、プルダウン メニューの中から項目を選んで決定キーを押すだけです。
Windows Mobile に対する慣れ不慣れに左右されないよう、インターフェイスを工夫しました」。
コールセンターのシステムと連携したこのアプリケーション利用ですが、普通の携帯電話を使って Web システムを使用した場合とは、大きく異なる点があるといいます。それが、「オンラインでなくても利用できる」というメリットです。
「携帯電話の場合、電波がつながっていないと使用できませんが、Windows Mobile に乗せたこのアプリケーションでは、オフラインの時にはデータを蓄積しておいて、オンラインの時に一気にアップロードするように作っています。この差は非常に大きいです」と山田氏は言います。
「通常、モバイル端末から社内システムにアクセスする場合には、ワンタイム パスワード認証を行っています。しかし、この『タイムスタンプアプリ』で同じ認証を行っていると不便ですから、ステータスを受け取る専用のサーバーを DMZ に置いて、受け付けるようにしています。そのため、送信する情報も最低限、『誰が』『何時に』という情報が、50 桁の数字で表現できるようになっています。
これ自体は個人情報でも何でもない簡易的なデータですが、これをデータベースに反映することにより、コールセンターの情報に紐づいて作業進捗の管理ができる、意味を持ったデータになります。
さらに、通信の接続回数も少なくなるように工夫しています。
いくつかのステータスを選択して送信する間に 1 回でもエラーが発生してしまうと、その処理自体がエラーになってしまいますから。接続回数を減らすことで、電波状況に左右されるリスクを軽減しています」(山田氏)。
<導入の効果>
ActiveSync を含む社内システムとの連携でコミュニケーションのスピードがアップ
複数あるスマートフォンの中で Windows Mobile を今も採用し続ける主な理由として、川崎氏は、「アプリケーションの開発生産性」を挙げています。
「Windows Mobile という汎用 OS でアプリケーションを開発できるということは、大きなメリットになっています。単に Windows Mobile 端末を導入するだけでは、オンラインになっていないと、いろいろな作業が行えないなどの制約があります。そこで、アプリケーション開発の重要性が出てくるわけですが、汎用 OS であればこそ、将来的な機種変更の際にも、簡単な修正だけで開発済みのアプリケーションを利用できるというメリットがあります。
一度開発したアプリケーションを、長期間、最小限のメンテナンス コストで利用できる。携帯電話ですと、どうしても独自の OS、キャリア独自の仕様に左右されてしまいますから」。
開発の生産性について、山田氏も声を揃えます。
「社内システムは Windows 上で動いていますので、慣れ親しんでいるVisual Studio を使い、.Net Framework を利用してアプリケーション開発できるのは非常に有難いです。
携帯端末の場合は、独自のプログラム言語で開発しなければならないため、当社の業務を知らない企業に発注をしなければならなくなります。しかし、.Net Framework での開発であれば、いつもお願いしているパートナーさんに依頼できますから、ブリーフィングから各種業務内容をレクチャーする手間などが省けます」。
こうして、大塚商会製のアプリケーションによって社内システムと連携したことで、エンジニアの生産性は確実に向上していると言います。
「導入後の効果を数値として出すことは難しいですが、今まではエンジニアの業務報告などは Web システムを利用していましたので、PC を起動して、ネットに接続して、という手間と時間がかかりましたが、今は、Windows Mobile の画面上で項目を選んで決定するだけです。かなり手間を省くことができているのではないでしょうか。
また、コールセンターの担当者にしても、『エンジニアに電話をかけているけれども、返事がない』などの状況が解消されましたので、業務自体、簡略化できています」。
アプリケーションの開発によって、社内システムとの連携を図ることで、エンジニアの業務効率を改善した大塚商会ですが、しかし、もっとシンプルなシステム連携として、Exchange Server を導入した効果も大きいと、大塚商会 マーケティング本部 プロダクトプロモーション部 Microsoftグループ 相澤孝氏は言います。
「エンドユーザーの立場から言うと、何の手間もなく、いつでもメールを参照できるというのは、非常に助かっています。私も外へ出る機会が多いのですが、外出中にお客様からどんなメールが、どれだけ届いているかというのは、非常に気になるものです。
ですから、Windows Mobile 端末を使って、いつでもメールを確認できるのは、精神的にも非常に安心できますね。帰社してから初めて 30 通のメールが届いていることを知って慌てるのと、移動中にすべてのメールを確認して対応を考える時間を作れるのとでは、業務効率が大きく異なります。
電話とメールをうまく使うことができるようになって、コミュニケーションのスピードが格段に速くなりました。営業としては、『Windows Mobile がなかった頃に戻れ』と言われても、もう戻れないですよ」 。
通話プランの組み合わせで通話料を前年比 20% カット
ソフトバンクが提供する Windows Mobile 端末を利用しているもう 1 つのメリットとして通信費の削減があります。
ソフトバンクテレコムの法人向け固定電話サービス「おとくライン」を導入することで、固定電話と Windows Mobile 端末との通話料が無料になるプランを利用できるので、試算では前年比にして約 20% の通話料削減が見込めると、川崎氏は言います。
「今年 (2009 年) の 6 月から 7 月末までの時点で、固定電話の通信プランの切り替えが 55% ぐらい完了した段階です。試算では、前年比にして約 20% の通信コスト削減と出ていましたが、8 月末には 80% 程度切り替えが完了しそうだという現状を踏まえると、試算以上のコスト削減も期待できますね」。
「しかも」と川崎氏は続けます。「通話だけを考えれば、30% は削減できているはずです。電話の料金が安くなっても、ActiveSync 導入後、モバイルでのメール利用が活性化しているため、パケット通信料金が増加しています。
ノート PC などから社内へ接続する際には、セキュリティを高めるために、ワンタイム パスワード認証を行っていますが、Windows Mobile においてはその手間が省け、ボタン 1 つで Exchange Server とシンクするため、頻繁に使われるようになりました。これはとても大きなメリットだと思っています。
現在、バッテリーの持ちを優先し、リアルタイム同期ではなく、手動で同期させるようにしていますが、利便性は損なわれていません。
セキュリティ上の処置として、Windows Mobile では、もしも紛失した場合など、リモートでデータを消去して初期出荷状態に戻すということができるようになっています。セキュリティと利便性のバランスで、活用度合いが向上しているのは良いことだと思います」。
<今後の展望>
プレゼンス情報の追加などシステム連携をさらに強化
今後の予定として、「タイムスタンプアプリ」に、エンジニアのスキルなどの情報を追加していくことを考えていると、川崎氏は話します。
「今はまだ準備中ですが、今後は『この近くに、どんなスキルを持ったエンジニアがいるのか』が分かるように、ロケーションの情報とスキルの情報を組み込んでいきたいと思っています。これが完了すれば、より効率の良いお客様対応が実現できるということで、今取り組んでいます。
スキルについては、データベース上に個人に紐づいた評価が上がっていますので、後は、そのエンジニアの担当地域がどこか、今現在の状態はどうなっているか。そして、お客様からのニーズや緊急性について、すべて自動的にわかるようにしていきたいと思っています」。
スキルや担当地域などエンジニアのステータスを表示し、よりスムーズなお客様対応を実現する。そのために、プレゼンス (在席情報) を合わせて表示することが考えられていますが、これは Microsoft Office Outlookのスケジュール情報と、営業やエンジニアのそれぞれの CRM システムとを同期して利用しています。
これに加えて今、Microsoft Office Communications Server 2007 R2 を近々サービスインする予定になっていると川崎氏は続けます。
「Windows Mobile との連携はもう少し先になると思いますが、全社的に、ある人が『そこにいるのか、いないのか?』がひと目でわかるようになることで、もう一歩、コミュニケーションのスピードを速めることにつながると思います」。
日本国内において、最大級といえる規模で Windows Mobile を活用している大塚商会。ActiveSync による Direct Push で利便性の高いメール利用環境を構築すると共に、汎用 OS であることの強みを活かしたアプリケーション開発で、確実に営業員とエンジニアの生産性向上を実現させてきた同社のコミュニケーション環境は、今後もまだ進化を続けていきます。
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