パイオニア株式会社

掲載日: 2003 年 3 月 26 日
Microsoft® BizTalk® Server 2002 Enterprise Editionで
世界中の拠点データを統合、ビジネススピード向上と在庫削減を実現

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ソリューション概要

プロファイル
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パイオニア株式会社leave-msは全世界に広がるグループ企業のネットワークを利用して、ホーム AV エレクトロニクス事業やカーエレクトロニクス事業、映像と音楽ソフト事業などをグローバルに展開しています。ホーム AV エレクトロニクス事業ではプラズマディスプレイや DVD レコーダー、DVD プレーヤーなどを、カーエレクトロニクス事業では carrozzeria ブランドのカーナビゲーションやカーステレオなどの製品を企画製造、販売しています。映像や音楽ソフト事業では音楽、映画、カラオケ、ゲーム、アニメなどの DVD や CD コンテンツを手がけています。国内に連結子会社を 62 社、海外連結子会社を 88 社、連結グループ全体で 151 社を抱えています。
(2002 年 3 月 31 日現在)

シナリオ
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EAI
データウェアハウス

ソフトウェアとサービス
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Microsoft Windows 2000 Advanced Server
Microsoft BizTalk Server 2002 Enterprise Edition
Microsoft BizTalk Server 2002 Developer Edition
Microsoft SQL Server 2000 Enterprise Edition
Microsoft SQL Server 2000 Developer Edition

パートナー
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日本ヒューレット・パッカード株式会社leave-ms

メリット
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全世界に分散する連結子会社の情報を BizTalk Server 2002 Enterprise Edition によって収集、リアルタイムで全世界の情報を把握してビジネスオペレーションできるようになりました。誰でも情報にアクセス可能にすることで一種の自主統制機能が働き、ビジネスプロセスや在庫などの無駄が大幅に削減できると見込まれています。

ユーザーコメント
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「BizTalk Server 2002 Enterprise Edition を導入することで、これまで月次で出していた報告書と同等の内容をリアルタイムに近いかたちで参照できるようになりました。他の EAI 製品と比較したところ、導入コストについては群を抜いて安かったのです」

パイオニア株式会社
連結情報戦略部
部長
平石厚氏談

北米工場
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北米工場
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パイオニア株式会社 (以下、パイオニア) は、世界中に広がる子会社、グループ企業のネットワークによってエンターテイメント分野のハード、ソフト両面の製品を生産、販売しています。統合的な情報管理を実現するために、同社が EAI (Enterprise Application Integration) プロジェクトにおいて選択したのは BizTalk Server 2002 Enterprise Edition でした。EAI システムはわずか 5 か月で開発され、以前は月次収集であった全世界の生産、販売拠点からのさまざまなデータを日次で収集、閲覧することが可能になりました。

<導入の背景とねらい>
部品製造から完成品の在庫までを一貫した最適化で在庫削減を目指す


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パイオニア株式会社
連結情報戦略部
部長
平石厚氏
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パイオニアは 1997 年にカンパニー制を導入、1998 年には経営戦略に顧客サービスを主眼にした CS 経営を実現するなど、常に先進的な経営手法によって経営改革を続けてきました。1999 年には、連結経営指向を推進すべく、グループ全体の情報を連結して管理すると同時に、連結本社のスリム化に向けた活動を強化し、それまで売上高重視だった経営をキャッシュフロー重視型の経営に転換しました。翌 2000 年には間接部門を別会社化してシェアード サービス化を実現するなど、グループ統合とスリム化へ向けた動きを加速させます。そして 2001 年には SCM 改革プロジェクトを発足し、情報統合などの経営改善を段階的に進めています。

特に近年の主要課題となっているのが在庫の圧縮です。"在庫圧縮" 自体は古くからあるテーマですが、IT 関連機器を始めとして AV 機器、映像 & 音楽ソフトなどの製品寿命は、近年著しく短くなっているため、在庫を多く抱えてしまうことは致命的になってきました。

「たとえば、かつては新製品を出してからでもある程度の移行期間を設定し、価格政策で在庫を売り切ることができました。製品在庫だけでなく工場に部品として残っていたものまで、移行期間が長ければ売ることが可能であったわけです。ところが最近では製品ライフサイクルが短くなっており、ひとつひとつの製品サイクルの見極めと在庫管理を誤ると、材料となる基礎部品の在庫が残り、それを組み上げた部品在庫が残り、さらに製品の在庫が残る、といった最悪の事態になります」 (パイオニア 連結情報戦略部 部長 平石厚氏)

製品寿命が縮まることで、在庫を抱えるリスクはさらに急激に拡大しています。

「このようなビジネス環境では在庫削減が最優先課題です。しかも、全世界の工場や研究所で協調し合って 1 つの製品を完成させるという体制の下では、全世界のグループ企業それぞれで在庫を減らす必要があります。そのために全体を統合して管理できるシステムが必須でした」 (平石厚氏)

在庫を削減するためにはまず、いつどこにどれだけの在庫があるか、製品の細かな部品ごとに把握してサプライチェーンをチューニングする必要があります。それには全世界のグループ企業のさまざまな情報を、リアルタイムで収集しなくてはなりません。そこで EAI システムが必要になるのです。

<マイクロソフト製品を選んだ理由>
BizTalk Server 2002 を利用し、
豊富な機能を低コストで、かつ短期で導入


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パイオニア株式会社
連結情報戦略部
副参事
石野喜久治氏
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2001 年 6 月に、全世界のグループ企業のデータを連結管理する取り組みが開始されました。10 月にはグループとしてのプロジェクトを発足させ、それぞれの企業のコンセンサスを統一して歩調を揃え、プロセスの洗い出しを開始しました。情報の可視化と詳細なデータ管理を目指したのです。

またこの頃、パイオニア 連結情報戦略部 副参事 石野喜久治氏らは、構築を担当した日本ヒューレット・パッカード株式会社 (以下、日本ヒューレット・パッカード) と共に、主要な EAI ツールの比較を開始し、必要な機能や性能、コストを検討しました。

「EAI ツールの中には、特定の ERP ツールやミドルウェアに強く依存しているものもありました。そうした製品では、今回必要としていない機能が多かったり、逆に他の同種アプリケーションとの連携に高価なオプションが必要になったりします。特定のアプリケーションとの連携には楽かもしれませんが、さまざまなメーカーの製品を統合する場合にはコストがかさんでしまう傾向にありました。ところが事前調査により、BizTalk Server 2002 で同等のことを行うのは、まったく難しくないとわかりました」 (パイオニア 連結情報戦略部 副参事 石野喜久治氏)

「BizTalk Server 2002 の何よりのメリットはコストパフォーマンスでした。BizTalk Server 2002 を使ったシステムの初期導入費用は、同等機能を持つ他のソフトウエアと比較して群を抜いて低コストだったのです」 (平石氏)

最終的に BizTalk Server 2002 を選択したのは、特定のアプリケーションに依存していないこと、信頼性が高く導入が容易な Microsoft Windows® プラットフォームで稼働すること、既に利用しているジョブ管理ツールとの連携が可能なこと、そして強力な開発環境で開発工数が短く、負荷状況に応じて柔軟に拡張できるというさまざまな優位性が確認されたからでした。

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日本ヒューレット・パッカード株式会社
コンサルティング統括本部 SCM プロジェクト本部 開発部 第一グループ
嶋崎貴章氏

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EAI ツールを BizTalk Server 2002 に決定してから、検証期間として約 2 か月を費やし、実質的に 5 か月という短期間でシステム構築を完了。この開発を担当した日本ヒューレット・パッカード コンサルティング統括本部 SCM プロジェクト本部 開発部 第一グループ 嶋崎貴章氏は、マイクロソフトのコンサルティング サービスが導入時の重要なポイントになった点を指摘しています。

「全世界同時カットオーバーを目標にわずか 5 か月で開発というのは、われわれにとっても非常に厳しいミッションでした。BizTalk Server 2002 を選択したことで、マイクロソフトのコンサルタントの充実したサポートを受けながら、汎用的な Microsoft Visual C#™ に精通した SE を投入して開発できたことも、このプロジェクトの成功につながりました」 (嶋崎氏)

<導入システムの紹介>
24 時間無停止に備えサーバーを多重化、
将来の拡張をスケール アウト クラスタで対応


中国・上海工場
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中国・上海工場
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システムの役割は、BizTalk Server 2002 をメッセージブローカーとして機能させ、全世界のグループ企業内のさまざまなデータを収集し、データ ウェアハウスに格納することと、異なるアプリケーション間の通信を実現することです。

全世界にグループ企業が散らばっているため、特定の時間で一斉にバッチジョブを走らせて実行するわけにはいきません。また、夜中にマシンが停止してしまうことも許されません。24 時間均質に稼働させ続ける信頼性が非常に重要なのです。

システム構成は、ユーザーセグメントとして BizTalk Server 2002 Enterprise Edition を 2 台配備し、バックエンドとなる管理セグメントとして Microsoft SQL Server™ 2000 Enterprise Edition を 2 台設置しました。また開発用のステージングシステムとして、BizTalk Server 2002 Developer Edition と SQL Server 2000 Developer Edition をそれぞれ 1 台ずつ設置しています。オペレーティングシステムはすべて Microsoft Windows 2000 Advanced Server です。

ユーザーセグメントにある BizTalk Server 2002 は 2 台ともアクティブなクラスタ構成とし、並列処理が行われ、全世界に点在する 40 社間のシステム連携処理をこなしています。2 台の BizTalk Server は負荷分散と並列処理を行いつつ、一方で障害が発生すれば他のサーバーが処理を継続する「BizTalk Server グループ」としてのクラスタ構成となっています。

* ヨーロッパ地区統括本社
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ヨーロッパ地区統括本社
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SQL Server 2000 は Windows 2000 Advanced Server の機能である Microsoft Clustering Service によってクラスタ化され、徹底した可用性の向上が実現されています。

グループ企業がアジア、アメリカ、ヨーロッパにほぼ均等に散らばっており、データを送受信する時間が分散しているため、現在はトラフィック集中の問題は起こっていません。将来的に処理量が増大した場合は、BizTalk Server グループにサーバーを追加することで容易に対応することができます。

今後は、各グループ企業でデータ ウェアハウスに蓄積した情報を OLAP などで分析するなどの効果も期待されます。BizTalk Server 2002 は「統一する部分はまとめて、各企業で自由にする部分はなるべく手を加えないで済むようにする」というコンセプトの下で、アプリケーション統合を実現する最適な EAI ツールとなっています。

システム構成図
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システム構成図 [拡大図]
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<導入の結果>
月次で届いていた情報をリアルタイムで提供、「在庫 3 割削減」を目指す


EAI システムは 2002 年 8 月に稼働を始め、当初の目標であった 40 社のデータ連結を 2003 年 2 月に完成させました。これにより各製品や部品ごと、全世界の子会社にあるすべての倉庫の在庫が統合的に管理され、製品や部品の流れをリアルタイムに把握することが可能になりました。

「システムの基本コンセプトは情報の可視化であり、"誰でも情報が見られる" 事です。人は情報公開で良い方向に行動するものだと信じています。自分が在庫削減に貢献したことが皆に分かるなら、一層目標に向けて努力するものだと思います。どこに在庫があるか一部の人間だけで管理していたのでは、なかなか在庫削減に結びつかないかもしれませんが、そうした情報を公開すると大きな効果が出るものなのです。誰がどのようにして経費を使ったかを情報公開したところ、大幅に経費が削減されたという事例もあります」 (平石氏)

もちろん、全世界に広がるグループ企業の情報を 1 つにまとめるのは、多くの困難がありました。大きい点はシステムの違いによるデータ形式の違いです。グループ企業の中には Windows プラットフォームだけでなく、各国独自のオフコンや UNIX システムがありました。また国や地域によってデータの内容は同じでもデータ形式が違うこともあり、それらを同じレベルに揃え、フォーマットを整える必要がありました。

「システムを構築するうえで最も重要と考えていたのは、できるだけ既存システムには手を加えないということでした。そのためにデータ統合する前段階にデータを集約するサーバーを設置しました。複数のオフコンをまとめるためのサーバーと、複数の UNIX をまとめるサーバーを設置しました。これらのサーバーでまとめたデータは BizTalk Server 2002 に送られ、データ ウェアハウスに蓄積されることで、全世界で同時に利用することガ可能になっています。さらに各企業で異なる製品管理番号などを統一するために、独自のアダプタを作成してコード変換しています。これらの工夫によって、短期間での導入と全世界において均質な情報収集を可能にしているのです」 (石野氏)

今回のシステム導入以前には、グループ企業から月に 1 回の報告を受けてその内容をまとめたものを翌月の半ばまでに集計、報告していました。つまりグループ企業がビジネスプロセスの改革などを行い、翌月に結果が現れても、数字としての結果を確認できるのはさらに 1 か月先になっていたのです。ビジネスのスピードが高まっているうえ、結果がわかるまでに 2 か月以上経ってしまうようでは、革新的なプロセス変更などはできないといいます。リアルタイムに情報収集し、参照できることが必要になるのです。

今回の EAI システムでは、在庫情報にとどまらず、製品別の売上、荒利などから、在庫回転率や ROA までを日次で管理することが可能になり、世界各国で頻繁に行われるビジネス プロセスの変更にともなう効果をリアルタイムに把握することが可能になったのです。パイオニアの大幅な在庫削減は、BizTalk Server が裏で強力に支えています。


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