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Microsoft® Project 2002でシステム開発を管理
プロジェクトの最適化を図り、全社標準の構築へ |

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パワー半導体や無停電電源装置で知られるサンケン電気株式会社 (以下、サンケン電気) の情報システムグループは、社内の各部署から要望を受けて、新たなシステムの開発やメンテナンス業務にあたっています。要望は日増しに増加し、このままでは十分に応えられない状況になりつつありました。これまではチームリーダーが各人各様の方法で、プロジェクト管理を行ってきましたが、業務の効率化を図るため、Microsoft Project Server 2002 を使用したプロジェクト管理の標準化に取り組みました。
<導入の背景とねらい>
これ以上案件が増えると管理が不可能な状況に


サンケン電気株式会社
管理本部 経営企画部 情報システムグループリーダー 三上隆明氏
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サンケン電気では、全社的な IT 投資を管理する「IT 推進会議」からの重要開発案件に始まり、現場サイドで発生する IT 関連のトラブルへの対処まで、大小合わせると年間 200 件余りの案件が、総勢 21 名の情報システムグループに寄せられ、同時進行されていました。これまでは案件ごとにチームリーダーを任命して計画立案や管理を任せ、月 1 回の進捗会議で、進捗状況の確認を行ってきました。
「同時進行の担当案件は増えつつあり、担当者の負荷のバラツキなどが発生、全体の実状を把握しきれないという問題に直面していました」。とサンケン電気 管理本部 経営企画部 情報システムグループリーダー 三上隆明氏は悩みを語ります。全社的に寄与度が高い案件が優先され、さほどでもない他の多くの案件は進捗が滞留し、また完了時期さえ不明確になることも多かったと言います。
「月 1 回の進捗会議の場は『P (Plan = 計画) - D (Do = 実施) 』の進捗状況確認だけで手いっぱいとなり、『Check = 評価』と『Action = 是正処置』を十分に検討する余裕がなくなっていました」 (三上氏)
また各チームリーダーの進捗管理の方法は統一されておらず、Microsoft Excel や Microsoft Project 2000 などそれぞれが使いやすいソフトウェアを使用し、書式も個人に任せていたと言います。プロジェクトの成果は各個人のスキルに依存するというリスクを抱え、またプロジェクトに関する情報も効率的に共有されていませんでした。
<システム導入の経緯>
PMBOK に沿いつつ社内の言葉を使用したガイドラインを作成
このような状況を改善しようと、情報システムグループ内のプロジェクト管理の標準化を図るため、2002 年 7 月に Microsoft Project 2002 早期導入プログラムに参加しました。
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サンケン電気株式会社 管理本部 経営企画部 情報システムグループ主事 田中一誠氏
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情報システムグループが最初に着手したことは、過去の開発案件の資料を集め、共通する手法や問題点を抽出しながら、プロジェクト マネジメントの国際標準 PMBOK をベースにプロジェクト管理の標準を作成していくことでした。この業務分析の作業には、Microsoft
Consulting Services (MCS) の「プロジェクト管理ガイドライン支援サービス」を活用。8 月中旬から 9 月末まで約 1 か月半にわたって、毎週情報システムグループとマイクロソフトのコンサルタントとの合同会議が開かれ、徹底したヒアリングと議論を重ねました。
「PMBOK は幅広い業種を対象としており、無理に社内業務をこれに合わせても理解に時間がかかるだけと思いました。社内において違和感のない表現で理解してもらうために、PMBOK から必要なエッセンスを抽出し、情報システムグループにあった業務フローの標準化を図りました」(サンケン電気 管理本部 経営企画部 情報システムグループ 主事 田中一誠氏)
細かな作業を積み重ね、PMBOK をアレンジした『IT プロジェクト運営管理ガイドライン』を完成させました。
「『ガイドライン』の作成にあたっては、マイクロソフトのコンサルタントは、PMBOK の理論的な枠組みを杓子定規に当てはめるのではなく、わが社の社内事情や希望を丹念にヒアリングした上で、かなり現実的なものに仕上げてくれました。現状分析の成果物として十分満足のいくものでした」 (田中氏)
「現行業務の流れが整理できたことに加え、スコープ、成果、スケジュールなどの設定がいかにこれまで不明確であったかよく理解できました。今後、起案から完了まで一連の流れをいつの時点でどのような単位で見ていくべきかが非常に明確になりました。マイクロソフトは OS やアプリケーション製品メーカーというイメージを持っていましたが、コンサルティングでも思いがけず大きな力添えを得ました」 (三上氏)
さらに提供後のシステムがユーザーにどの程度利用されているかといったフィードバックをプロセスに取り入れ、新しい案件に取り組む際に役立てるということも実施できるようにしました。
「ユーザーに活用され、業務の改善に役立ってこそ初めて会社の利益に貢献できます。よりよいシステム作りのための評価をきちんと行うことも、今回 Project 2002 導入とともに明確にしたことの一つです」 (田中氏)
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 Project Web Access 画面 [拡大図]
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<導入システム>
Project 2002 のプロジェクトセンター機能を使って進捗情報を共有
次にこの『ガイドライン』を基礎にして、Microsoft Project 2002 のプロジェクトガイドをカスタマイズしました。プロジェクトガイドにより、プロジェクト マネージャが行わなければならない一連のプロセスを作業ウィンドウ内にまとめ、ヘルプトピックの一覧とともに表示、プロジェクト ガイドの指示に従うと自動的にマニュアルに則ったプロジェクト計画を作成できるようになりました。これにより、策定したプロジェクト管理の標準化の導入を実現しました。
また、バージョン 2002 で強化されたプロジェクトセンター機能によって、関係者全員にプロジェクト計画や進捗状況を公開できるというメリットも大きなものでした。
「これまでだと依頼部署が、情報システムグループの担当者に逐一メールなどで進捗状況を確認していたのですが、Microsoft Project 2002 で作成したプロジェクト計画をサーバーに格納しておけば、誰でも都合のいい時にアクセスして確認できます。プロジェクトセンター機能を使うと、ガントチャートとプロジェクトのポートフォリオを表示できますので、進捗状況は一目瞭然です。逆に私たちもなし崩し的に開発を後回しにしたりしにくくなり、ユーザーとの間に良い意味での緊張感が持てるようになりました」 (田中氏)
プロジェクト案件を優先順位で区分
さらに増え続けるプロジェクトに対応するため、案件を規模や重要度、ユーザー部門別で分類して管理していくようにしました。案件は重要度の高い順に「IT 推進レベル」「企画レベル」「要望レベル」「その他」に分類。加えてシステムの利用者によって「全社レベル」「部門レベル」「関係会社レベル」「その他」にクロス分類します。これらを基にして開発の順位を決定し、合理的な資源配分ができるようにしました。
「Microsoft Project Server 2002 の新機能であるエンタープライズフィールドを使うと、優先度によりグループ化してプロジェクトの状況を一覧で見ることができます。また詳細なプロジェクト情報にドリルダウンして、進捗が思わしくなかったり、予算をオーバーしていたりする案件を瞬時に発見し、容易に問題点を把握でき、すばやい対応が取れます」(三上氏)
さらに Microsoft SQL Server の OLAP 分析機能を使用したポートフォリオ分析の機能を利用すると、スケールや優先度に応じた人員配分や、実績を基にしたコスト試算が高い精度でできるようになります。また将来的にはエンタープライズ リソース管理機能を利用して、メンバーのスキルをデータベースにしておき、新案件に参加できる人材を選抜して、素早くチームを編成するといったことも今後実現されていく予定です。限られた資源を最大限に有効活用する上で、大きく役立つと言えます。
<導入の結果>
大きな費用対効果を実感
「情報システム部門が使用するシステムは、コスト的にも手頃である必要がありました。その点でも Microsoft Project 2002 の導入効果は予想以上なものでした。標準化された手法でプロジェクト計画を立案し遂行するメリットを十分に理解でき、今後他部門に横展開をしても、業務改善に大いに役立つと感じました」 (三上氏)
またプロジェクト管理システムは、管理標準を改善していくに従って、細かなカスタマイズが必要になってきます。その際にシステム部門にとって、大きな負担にならないことも重要です。
「今回導入にあたっては MCS に多くの部分で助力をいただきましたが、運用は社内でできなければなりません。その点、Microsoft Project 2002 だと、日々の業務に影響を与えずに問題なく管理標準の変化に合わせカスタマイズできると思いました」 (田中氏)
サーバー製品との連携でより効果アップ


サンケン電気株式会社 管理本部 経営企画部 主管 筑紫俊一氏
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サンケン電気では、データの形式やユーザーインターフェイスの社内統一を図るため、以前から情報システムグループが、全社のソフトウェア導入を統括してきました。現状では Web ブラウザをはじめとして、一般的なクライアントソフトの多くがマイクロソフト製品になっています。そのため、Microsoft Project Server と併用する形で Microsoft Project 2002 を個別のプロジェクト管理に利用するようにしたことで、チームのメンバーやステークホルダーとの円滑なコミュニケーションを簡単に実現できる環境ができました。
チーム内での意思疎通は Microsoft SharePoint Team Services と連携している Microsoft Project 2002 のワークグループ機能を使い、1 つのプロジェクトに関連する企画書や設計図、仕様書など、すべてのドキュメントを一括して管理し、懸案事項の進捗管理もいつでも容易にできます。
また Microsoft Project Server のメールによる通知機能を使用してプロジェクト チームの効率的なコミュニケーションが図れるようになっています。プロジェクトの変更、終了日が迫っているタスク、懸案事項の発生など、事前に設定されたイベントが発生すると Microsoft Project Server から Microsoft Exchange Server 経由でそれらの通知が自動的に関係者に配信されます。これにより、常時 20 余りのプロジェクトに関わり、情報の洪水に見舞われているチームメンバーが、リアルタイムでプロジェクトの状況を把握し、全体の進捗に合わせてタイミングを逃さず作業を実行していくことができます。
「何か問題が発生した時、定例会議の席で初めて内容が明らかになるようでは、対策が後手に回り、影響が大きくなってしまいます。すべての情報を一括管理で共有して、段階ごとに確認できると、会議の場は対策の検討に集中でき、スピードアップが図れます」 (三上氏)
<今後の展望>
他部門への展開
今回分析された過去のプロジェクトは、情報システムグループ内のものですが、さまざまな条件を加味して、製品設計や生産、販売部門なども含めた全社で通用するものにし、資源を有効に活用する構想もあると、管理本部経営企画部主管 筑紫俊一氏は語ります。
「今回作成したプロジェクト管理の標準を、これからの案件にどのように適用して、改善していけるかが今後問われてきます。基礎ができたプロジェクト管理の標準を、実際に利用しながら、改善していくことも重要です。標準作成を通じて得られたノウハウは、他の部署でも必ず参考になるはずだと思っています」 (筑紫氏)
事例をデータベースにして過去に学び改善を続ける
また、これまでは進捗経過を一貫して記録し、保管していくことが難しかったため、成功したプロジェクト管理の手法を踏襲するだけだったと田中氏は言います。
「次々と新規案件に追われ、成果物についての評価が後回しになるということが少なくありませんでした。これからは、成功事例だけでなく失敗した事例についても十分な分析を行ってその要因を究明していきたいと考えています。それを知識として共有できれば、さらにプロジェクト管理の質を向上させ、開発の効率化が実現できると思うのです。こうしていくことで Plan − Do − Check − Action のサイクルがうまく回り、全社で大きな業務改善が可能になると期待しています」 (田中氏)
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