 |
高度なコンテンツが初心者でも容易に開発可能。
Microsoft® Visual Studio® .NET と Web サービスを活用して
多数の EC サイトの運営効率化を実現。
|
 |
サンテク株式会社は岡山県に本社をもつ社員 167 名の会社。同社は EC サイトやコミュニケーションサイトなど、数十に及ぶインターネット B to C あるいは B to B サイトを自社内で運営しています。単なるネットショップではなく物流センターも備え、コンピュータおよび関連機器の直販なども行っている同社では、サイト運営に携わるスタッフの数も限られます。それなのにこれだけ多数のサイトを自社で運営していける秘訣は、Web サイトの制作やサイト内で動的に行われる各種処理の開発とメンテナンスを担当者が「1 人 1 カテゴリ」という責任体制で行っているからです。しかも担当者は専門技術者ではありません。この体制による合理的なサイト運営を可能にしたのが、「.NET」ベースのシステム開発のための開発ツールである「Visual Studio .NET」です。
<導入の背景と狙い>
幅広い客層個々に対応したサイトづくりが必要
1974 年に創業、91 年に現社名となったサンテク株式会社は、岡山市に本社を置く社員数 167 名、資本金 3,000 万円の企業です。自社物流センターを持ち、カタログ (印刷媒体) を利用した通信販売事業も推進してきた同社ですが、年々早まる商品ライフ サイクルに対してカタログが即応しきれないことに悩んでいました。特にコンピュータ関連商品では、カタログの制作をはじめ消費者の手元に届くまでの間に機種がなくなる、あるいは価格が変わるなどということが頻発していたのです。また消費者の方でも情報の探し方が変わってきていました。印刷媒体への需要はもちろん引き続きあるのですが、インターネットの普及により、インターネット経由での商品探し、情報収集が盛んに行われるようになってきたのです。
そこで同社が選んだのが、インターネットを活用して事業展開する道でした。もともとグループ企業に家庭用のソフトウェア開発、パッケージ販売を事業とする会社を持ち、コンピュータおよび関連機器を販売してきた経緯もあり、最新の IT を相手に取り組むことも同社にとっては壁ではなかったようです。98 年からネット事業に取り組んだ同社は、毎年次々に新しい EC サイトやコミュニティサイトを立ち上げていきました。
顧客層ごとに違ったサイトで訴求効果を期待
同社のネット事業の最大の特長は、さまざまな EC サイトやコミュニティサイトなどを 1 つに統合せず、別々のドメインを取得して独自のサイトとして機能させている点です。インターネットへ公開するシステムそのものは同一ですが、コンテンツを企画、開発し運営していく仕組みがサイト別になり、また商品カテゴリ別になっているのです。それは同社社長の山田省三氏の考えによるものでした。
「お客さまには多様な年齢の方がおられ、知識や教養の異なる方々がおられます。それぞれのお客さまが見てわかりやすい情報提供をしなければなりません」(山田氏)。
業務体制としても、「商品 1 カテゴリが 1 プロジェクトで、その責任者は 1 人」という制度が敷かれています。同社のコンシューマ事業部 企画営業部 部長の高橋伸彰氏は、そうすることにより「売れたときの喜びが全然違う」と言います。社員のモチベーション向上のためにも、この個別の責任体制、分散したサイト運営の手法が効果的だというのです。

【顧客層によって分けられたサイトの例】
・http://telaffy.jp/
・http://www.direct.santec.co.jp/
リソースの浪費を防ぎ、生産性を向上させることが課題
従来、同社のサイトのコンテンツは ASP (Active Server Page) と呼ばれる仕組みを利用しながら、Web サイトを担当者が記述し、必要に応じて修正を重ねるスタイルを取っていました。各事業部などに担当商品のデータベースがあり、それをもとにコンテンツやサービスが開発されてきました。しかし、この仕組みでは、事業が拡大すればするほど、人材もストレージなどの機器も増やしていかなければなりません。また同じ情報を複数部署で重複して登録、管理していることは実際に起こっていましたし、同じサービスのための機能を各部署が別々に新規に開発してしまう無駄も発生しがちでした。山田氏と高橋氏は、こうしたリソースの浪費や人手 (人件費) の無駄をいかに合理化し、生産性を上げていくかが、同社のビジネス発展のカギだと考えていました。
そんなとき、山田氏が出会ったのがマイクロソフトの「.NET」でした。「.NET」が発表された当初こそ「ピンと来なかった」山田氏でしたが、やがて調べるにつれ、「.NET」はインターネット上での商取引に最適な特徴をもっていることがわかってきました。これをベースにすれば、同社の事業が従来よりもはるかに合理的に推進できるのではないか、と同社は考えました。「私どもが直面している問題、いろんなところにデータがあり、いろんなところにサイトがあるという状態を統合していくのに非常に便利な技術だということがわかってきました」(山田氏)。同社では、2003 年から「.NET」への移行への取り組みを始め、翌年から本格的な移行をスタートさせました。
<導入システムの特徴と効果>
「.NET」ベースのシステムを容易に開発するための Visual Studio .NET


サンテク株式会社
コンシューマ事業部
企画営業部 部長
高橋 伸彰氏
|
 |
 |
「.NET」はもともと「Web サービス」などを利用したインターネット上の商取引も念頭に構想されました。Web サービスの利点の 1 つは、例えばネットワーク上にあるコンピュータが持つ機能 (サービス) を、別のコンピュータ (システム) 用に再度、開発することなく、他のコンピュータから呼び出して利用できることです。この仕組みを上手に使うことにより、複数のビジネス システムが合理的、効率的に開発できるようになります。この開発生産性も顧客層ごとに Web サイトを開発しようとしていた同社が注目した点でした。
プログラミング専門知識を必要としないコンテンツ開発と運営
「.NET」導入を決めた同社は、その開発用の統合環境である Visual Studio .NET を開発に利用することにしました。Visual Studio .NET は、Visual Basic (Visual Basic .NET) を始めとする一般的な開発言語を用いて効率的に「.NET」フレームワーク上で動作するアプリケーションを開発できるツールです。例えば登録された Web サービスは、メニューから選んでプログラムに挿入するだけで利用可能になります。またプログラムのミスを見つける「デバッグ」のときにも、問題のある箇所を自動的に発見して強調表示するなど、さまざまなプログラミング上の便利な機能を備えています。
Visual Studio .NET を利用することにより、従来、テキストエディタでコンテンツを開発してきた同社のサイト担当者の仕事は劇的に変わりました。
「今までなら、とんでもない量のコマンドを叩かないといけないところを、Visual Studio .NET では Web サイトをブラウザで開くような要領で Web サービスの URL をプログラムに追加することができ、それだけで目的の処理が実行できてしまいます。Web サービスがたったこれだけの手間でもう使えてしまうわけです」(高橋氏)。
実際にシステムやコンテンツの開発、運用にあたる社員にも Visual Studio .NET の操作性や機能は好評を得ました。「エラー箇所を自動的に表示してくれたり、ブレイク ポイントという処理の流れの中のポイントごとに確認できたり、作る側としてはすごく便利になりました」「ASP に替わる ASP.NET を使ってデータベース問合せのための文を書いておけば、ネットワークが違っていても、ドメインの違うサイトでも同じように使えます」とは実際の開発現場の社員の声です。従来同社が開発してきた ASP のノウハウはそのまま継承しながら新しい機能を容易に組み込める ASP.NET に移行することにより、生産性は大いに高まったといいます。現在、コンテンツ開発にかかわる社員のほとんどは 20 代です。しかも、プログラミングの専門技術者ではありません。
「大事なのは、Web サイトをお客さまがどう見るかということ。サイトを作る人に期待するのは、デザインも含めてお客さんにわかりやすい流れをもった Web サイトにするということです。技術的にどうこういうのはあまり関係ない。技術はわからなくても Visual Studio .NET ならイメージどおりのページができますから」(山田氏)。
「技術があればノート パッドでも同じように Web サイトが作れるかもしれない。しかし SE やプログラマーだった人でないと無理です。それが、我々のような言語も作り方も知らない人間でもできるところが、Visual Studio .NET のすごいところだと思います」(高橋氏)。
商品を「売る」のに適した人材配置でコンテンツ企画、運用が可能に
Visual Studio .NET により、専門技術者ではなく対象商品のカテゴリに最も適した若い人材をコンテンツ企画から運用 (コーディングを含む開発やメンテナンス) の任務に就かせることができるようになりました。個性的でフレンドリーなコンテンツを効率的に開発でき、またメンテナンスも容易になったことで、生産性はおおいに上がりました。
また、従来は同じ情報が別々のデータベースに登録されることがありました。事業部ごとに業務の都合でそのようになっていたのですが、現在は、ある部署で作ったデータベースが Web サービスによっていろいろな部署で簡単に利用可能になりました。データベースを複数箇所に設置することによる運用の手間、情報の登録の手間などが省け、大きな効率化を実現しています。
さらに特筆すべきことは、Visual Studio .NET を利用してコンテンツ開発、運用を行う社員が生き生きと、楽しそうに働いているということです。山田氏のいう、商品 1 カテゴリに 1 人という責任体制によるモチベーション向上効果もさることながら、「いかに商品を売るか」に工夫を凝らしたサイトを自分自身で企画し、デザインや仕組みを開発し、その結果商品が売れていく様子を、日々実感できることの楽しさが表情にもあふれています。「自分が作ったページから注文がたくさん入ったときがうれしい」、「自分が特集した商品が売れ筋上位にランクされたのを見るのがうれしい」。そんな声が聞こえてきます。このような「楽しさ」が推進力となり、同社の Web サイトにはさらに「売れる」ための工夫が凝らされていくでしょう。
<今後の展望>
さらなるコンテンツ充実と新規ビジネスの拡大を期待
もともと山田氏が「将来性を考えて」導入した Visual Studio .NET だけに、今後のコンテンツやビジネスの展望もより幅広く考えられるようになりました。例えば携帯電話による注文を受け付けるサイト開発もその一例です。さらに、ネットでしか提供できない商品であるネットオンリー (登録商標) 商品、ネットオンリー サービスを企画している最中であるといいます。
さらに、他業種のサイトとの提携も、Web サービスの利用によって実現の見込みが立ちました。「私どもの販売しているモバイル端末を、例えば旅行会社の Web サイトに『アフリカに行くときはこれが便利です』といった形で載せてもらうということも、従来のような手順を踏まずに Web サービスによって簡単に実現できるようになります。違う業界との連携が、これからは頻繁に実現できるようになるんじゃないかと思います」(山田氏)。
ビジネス システムそのものではなく、開発環境に着目した同社の IT 導入は、見事に成功を収めたようです。プログラミングという、従来は技術者だけが行える作業をも、現在は多少のトレーニングさえ済ませれば、誰でも行えるようになりつつあります。「.NET」技術、なかでも Visual Studio .NET の操作性とコンセプトは、同社の目指すところにマッチし、生産効率を大きく高めたばかりでなく、社員のモチベーション向上や維持にも大きな役割を果たすことになりました。
|
|  |
本ケーススタディに記載された情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。
本ケーススタディは情報提供のみを目的としています。Microsoftは、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。
|
|
 |
|
|
|