西部ガスリビング株式会社

掲載日: 公開日 2004 年 11 月 18 日
住民の安心と満足を追求したマンション管理サービス。
「見える」サービスの提案で
ゼロからの事業拡大を果たした手作りの IT 活用事例。


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ソリューション概要

プロファイル
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西部ガスグループの一員として 1984 年に設立。現在従業員数 217 名 (2003 年 7 月現在)。ガス機器、住宅設備機器、システムキッチン及び厨房関連商品の設計・施工・販売・メンテナンス 、印刷物の制作・管理、各種文化、教養スポーツ講座の開設、建築工事業請負業及び建築設計管理業務 、マンション管理業務を行っている。マンション管理部門では、資産価値管理、居住者支援、生活支援の柱で豊富なサービスを提供。

シナリオ
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パソコンを活用したプレゼンテーション、定期報告書作成
協力会社間での作業報告等の合理化

ソフトウェアとサービス
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Microsoft® Windows®
Microsoft Office

メリット
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写真、図、表などビジュアル要素を多用したプレゼンテーションや定期報告書作成により、顧客に対して提供するサービスの理解を深め、マンション管理サービスの事業化と拡大に成功。協力会社の作業報告書のフォーマット化や電子メールによる報告、各種文書の事業部内での共有化により業務効率向上。報告等の迅速化によりトラブル対応などが効率化して顧客満足度向上 = サービスレベル向上につながった。

ユーザーコメント
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「マンションの住民の皆さんは毎月管理費用を支払っているのに、管理会社が行っている管理サービスにはそもそもどういう業務があって、何をしているのかということを十分に理解・認識しておられません。パソコンを利用したビジュアルなプレゼンテーションや報告書により、それをわかっていただくことができます」

西部ガスリビング株式会社
マンションライフ事業部
宮田成一氏 談

「自分たちが何をしたいかを考えるべきです。最低限、こういうことが必要なんだということをきちっと見据えて、方法論としての IT 化を図る。自動車に軽自動車もあれば高級車もあるように、IT にもいろいろあります。軽自動車で十分なところに高級車を購入することはない」

西部ガスリビング株式会社
マンションライフ事業部
営業企画室室長
工藤青史氏 談

何かの「サービス」を利用するときに、「何にどれだけのコストがかかるのか、サービスレベルはコストに対して適正なのか」という問いかけを行うことは、企業活動にはもちろん家庭生活にも重要です。しかし現実にはその問題を見過ごしていることがままあります。その典型的な一例が「マンションの管理費」です。毎月毎月決った金額を支払いながら、その使い道は管理組合の総会で手渡される文字と数字ばかりの報告書からぼんやりと推定するしかないというケースは多いようです。「それでは住民を優先したサービスとはいえない」と、マンション管理業界に切り込んだのが西部ガスリビング株式会社のマンションライフ事業部です。同事業部は、発足当初わずか 4 名。ゼロから始まった事業の武器になったのは、4 人が自腹を切って用意した 4 台のパソコンでした。このパソコンに 4 人の知恵と努力を注ぎ込み、作り上げたのは画像や図・表を活用したプレゼンテーションや報告書、そしてそれらを効果的に活用する新しい管理サービスの方法です。極小サイズの IT から始まった同事業部の活動は、やがて多くのマンション管理組合から信頼を勝ち取り、発足から 5 年で 90 棟・4,600 戸の管理を担うまでに成長してきました。

<導入の背景と狙い>
新事業スタートにあたって今までにない管理サービスの提供を図る


西部ガスリビング株式会社は 1984 年設立、福岡、熊本、長崎の 3 県でガス機器や住宅設備機器等の設計、施工、販売、メンテナンスを中心に、ライフスタイルに関連する総合的な事業を展開している企業です。同社の数ある事業分野のなかに、いまマンション業界の注目の的になっている事業部があります。それがマンションライフ事業部。同事業部が提供しているマンション管理サービスの、これまでになかった新しい考え方を土台にしたサービスレベルの高さと、それが多くの管理組合に認められたことによる契約数の伸びとが、業界の注目を集めているのです。

住民を優先したマンション管理のための道具としてのパソコン導入

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西部ガスリビング株式会社
営業企画室長
工藤 青史氏
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「マンションを管理するのが目的じゃなくて、住んでいらっしゃる方の困りごとを解決するのが目的」と語るのは同社の工藤青史営業企画室室長 (現在)。工藤氏は事業部発足当時のリーダーです。1999 年に発足したマンションライフ事業部は、この考え方を基本に事業をスタートし、継続してきました。
マンション管理はマンション販売会社が関連会社に請け負わせるスタイルが一般的です。それに疑問を持つ住民、管理組合はまれでした。この状況下で果たして事業化ができるのかと社内でも疑問が出るなかで、同事業部はアンケートを作成して 2 万数千件に及ぶ調査を行い、マンション管理の問題点を洗い出すことから始めました。
「朝や夜にも福岡のマンションに 1 戸 1 戸アンケートを投函してまわりました。新しいことをやりたいから、そのためにできることは何でもやろうという気持ちでした」 (同事業部 杉山千晶氏)。

「アンケートからわかったことの 1 つは、マンションの住民の皆さんは毎月管理費用を支払っているのに、管理会社が行っている管理サービスにはそもそもどういう業務があって、何をしているのかということを十分に理解・認識していないことです」 (同事業部 宮田成一氏)。
一方で営業担当の古賀康隆氏は、福岡中のマンションに直接足を運び、住民の要望をこと細かに聞いてまわっていました。「いろんなお客さまがいらっしゃいますから、その状況に応じた報告や提案をすることが非常に重要だと思います」 (同事業部 古賀康隆氏)。
このような調査活動の結果、同事業部の事業の方向性は決まりました。「徹底的に、マンションの住民の方にわかりやすい管理をしていくこと」がそれです。工藤氏は、これを「見えるサービス」と呼びます。それは今まで一般的にはブラックボックスに近かったマンション管理のサービスを、誰でも容易に内容を確認できるようにすることであり、言い換えれば住民の方が管理費の使われ方が手にとるようにわかるサービスということです。

<導入の経緯と成果>
事業部総勢 4 名、4 台のパソコンで始めた新しいマンション管理サービス


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西部ガスリビング株式会社
営業本部 マンションライフ事業部
分譲管理グループ チーフ 課長
宮田 成一氏
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西部ガスリビング株式会社
営業本部 マンションライフ事業部
マネジャー
古賀 康隆氏
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工藤氏の当時の部下は 3 名のみ。マンション管理業務の経験者はいませんでした。しかもオフィスの小さな一角に設けられた事業部には、当初 IT 機器は何もありませんでした。そこで工藤氏がまず行ったのは、1 人 1 台のパソコンの調達でした。予算はありません。工藤氏は、自分で自腹を切って購入したのはもちろん、部下の 3 人にもパソコンの購入を求めました。
「その当時は 1 人 1 台のパソコンなんていう時代ではありません。しかしこれからパソコンが、いわばボールペンのように使われる時代が間違いなく来る、そのために自分に投資しようという話をしました」 (工藤氏)。
「正直、目が点になりましたが、『自分への先行投資だ』という言葉に動かされました」 (宮田氏)。
パソコンの導入は、工藤氏が企図していた新しいマンション管理サービスのあり方を実現するための手段でした。工藤氏が操作やスキルの指導を行い、事業部の 4 人はインターネットや LAN の環境を、これも自分たちでつくっていきました。

協力会社とともに IT 化を推進

工藤氏の思い描いていたのは、関係者が必要な情報を共有し合い、マンションの住民の方々のためのサービスに十分に活用できる情報基盤を作ることでした。それはまず事業部が取り扱う物件ごとに共有フォルダを作成し、誰でも物件の情報が活用できる下地を作ることから始まりました。しかし事業部だけの情報共有では十分ではありません。工藤氏のプランは、実際にサービス業務を実施する協力会社にまで及びました。マンション管理には協力会社とのチームワークが不可欠だったのです。まず清掃や点検などの報告作業にパソコンを使うことを協力会社に要請しました。そして行ったのは業務の進捗や状態管理に必要な情報を整理しやすく定型化するための作業報告書のフォーマット化でした。これには標準的な Office 製品を導入し、報告書のフォーマットをまず作成し、できあがった標準フォームを各協力会社に利用してもらうことにしたのです。
この仕組みは、単に書類作成を合理化しただけにとどまらず、従来の報告業務の流れを改善し、さらに合理的・効率的な業務プロセスを実現することにつながりました。作業報告業務を一例にあげると、協力会社は、作業報告書作成の際には作業状況をデジタル カメラで撮影することが求められました。作業報告書の標準フォーマットには画像をはめ込むスペースがあり、写真は必ずそこに貼り付けられます。他の管理に必要な情報も、フォーマットに沿って無駄なく、漏れなく入力していくことができます。出来上がった報告書は、Outlook® を利用した電子メールで西部ガスリビングに送付すればよく、報告業務はより正確に、詳細に、そして迅速に行われることになりました。
西部ガスリビング側では、パソコンのうちの 1 台を利用して用意された物件別共有フォルダに送られてきた報告書や各種の関連文書等を格納し、事業部員の参照・確認や必要に応じた対応、書類への引用など、さまざまな活用が行えるようになります。
この仕組みへの協力を依頼された株式会社エキスパートクラブ (協力会社の 1 社) の小倉徹社長は当初面くらいましたが、徐々にその効率性を実感していきました。「最初は抵抗がありました。購入するものも多いし、どれだけ役に立つのかな、と。しかしこうした方法にしてみたら、作業報告の効率が違います。作業の 1 時間後には報告書ができている。送付そのものは瞬時に行えます」。

ビジュアルなプレゼンテーションや報告書で「わかりやすい」と定評を獲得

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西部ガスリビング株式会社
営業本部 マンションライフ事業部
杉山 千晶氏

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こうした仕組みを通して工藤氏が目指したのは、マンションの運用に必要な情報をビジュアル化し、誰にでもわかりやすく提供することでした。提供する相手はマンションの管理組合、提供する情報は月次の管理報告書や、各種のプレゼンテーションなどです。
例えばマンション管理契約の前のプレゼンテーション。これには PowerPoint® を活用し、図表や写真を多用したプレゼンテーション資料をプロジェクタで投影するなどして、住民 (管理組合) を前に説明することができました。また、設備点検や清掃などの定期的なサービスのありさまを写した写真や、修繕などにかかった経費の月次集計など、管理業務として何をどのように行ったかを月次報告書に盛り込み、管理組合に報告することができるようになりました。こうしたプレゼンテーションやきめ細かくわかりやすい業務と経費の報告は、住民 (管理組合) の大きな共感を得ることができたといいます。
最初の 1 棟の契約が決まるまでは同事業部のメンバーも自信を持つことができないでいましたが、最初の契約が実現したあとは、連戦連勝の勢いで契約数が増えていきました。サービスのコンセプトや内容は、調査に基づいて住民のニーズを反映したものです。パソコンはそれを明確に、わかりやすく住民に伝えるための道具として機能しました。他社ではこのような形でのプレゼンテーションをしていなかったため、同事業部のサービスは「わかりやすい」との定評を勝ち取るに至ったのです。
この仕組みを歓迎したのは住民ばかりではありません。前出の小倉社長は、「住民の方々への報告もビジュアル化してわかりやすくなっているので、今までは『見てもわからない』と言っていた方も、西部ガスリビングさんのサービスを見て、自分たちの財産は自分たちで守る、自分たちの目でサービスを確かめたい、という要望を強くしているようです。これは異例のことです。(住民に喜ばれ契約数が増えることによって) 私たちも一緒に成長させてもらっています」といいます。

スタートから 5 年で契約棟数は 90 棟 (住戸数 4,600 戸) を超える

こうした徹底した住民優先の姿勢は、多くの管理組合の共感を呼び、瞬く間に契約を増やしていきました。スタートから 4 年で獲得した契約は 80 棟。住戸数にして 1,400 戸です。当初 4 名のみだった事業部は、現在では 17 名の部員を抱えます。リーダーの工藤氏は、営業企画室室長に昇格し、同社の事業拡大の任にあたっています。
工藤氏は、自前で作り上げてきた IT を振り返り、その考え方を語ってくれました。「自分たちが何をしたいかを考えるべきです。最低限、こういうことが必要なんだということをきちっと見据えて、方法論としての IT 化を図る。自動車に軽自動車もあれば高級車もあるように、IT にもいろいろあります。軽自動車で十分なところに高級車を購入することはない」。また、IT の運用については「当初から情報の共有化を行っていますが、4 人だけのチームなら共有化をそこまで徹底することはなかった。しかし事業部は現在ですでに 17 名、将来はもしかすると 30 名、40 名になるかもしれません。そのときに、ずっとやってきたことが生かせるだろうと思っています」と語った。

5 年前にわずか 4 名で始めた新ビジネスは、身の丈サイズの IT を巧みに活用することにより、事業化の成功、拡大を果たすことができました。また、システムの背後にある住民優先の管理サービスという考え方は、マンション管理業界にも一石を投じることになりました。「やはり、管理会社を替えてよかったと言われると一番うれしいですね。単なるマンションの管理ではなく、お客さまが暮らしていらっしゃるその生活という部分を捉えたからこその成功だと思います」 (工藤氏)。



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