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IT ガバナンスの実現に向け、情報システムの調達改善と業務改革を推進。サポート ツールとして、Microsoft® Office Project を活用。
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滋賀県は行政改革の一環として、情報システムの調達改善と業務改革を軸とする IT 投資の効率化に取り組んでいます。これまでも、システム調達の各段階におけるチェック機構を構築するなどの取り組みを行ってきた滋賀県では、システム開発段階におけるプロジェクト管理の可視化に着手。そのサポート ツールとして、Microsoft Office Project が利用されています。
<導入背景と狙い>
システム調達のライフ サイクルを確立し、IT 調達の最適化と業務改革を目指す
滋賀県は 2004 年度から 2006 年度までの国の「三位一体改革」を受け、他の都道府県と同様に、歳入が大きく減少しています。それに対応して、同県では 2002 年度から 2005 年度までの「財政構造改革プログラム」、2005 年度からの「財政危機回避のための改革プログラム」を起案し、投資的経費や市町村への補助金の削減を行うと共に、事業費や人件費の抑制、内部事務費の見直しによる行政のスリム化を進めています。


滋賀県
総務部
IT統括監 (CIO補佐官)
松田 成就 氏
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情報化の推進において最優先で取り組んだのが、「情報システムの調達の改善」であったと滋賀県 総務部 IT統括監 (CIO補佐官) 松田成就氏は説明します。
滋賀県では、縦割り中心の業務体系に起因する、「課ごとの視点、ニーズでシステム構築が進み、全庁での調和が後送りになる」という課題を解消するために、情報システム部門を事務局とした委員会を設置。課の枠を超えて、十分な要件定義を行うことで、各システムの品質を整えると共に調達と運用コストを低減させるため、システム化の妥当性の検証と調査、発注における妥当性の評価などに取り組んできました。
「しかし、委員会を組織しても、上流工程 (システム企画、基本計画) の段階から業務プロセスを可視化することは容易でなく、情報化を業務改革の視点で進めることが難しいという課題が残りました。やはり、IT ガバナンスの実現が不可欠であり、そのためには県庁全体で効率的なシステム構築を行える体制の下で、業務そのものを可視化し、簡素化するという切り口からメスを入れる必要があったのです」(松田氏)。
そこで、同県では IT ガバナンスを実現するために、2005 年度から副知事を CIO に、IT統括監を CIO補佐官に任命。さらに、IT推進課電子県庁推進担当を「行政経営改革室」に移管し、各課から提出される情報システムの企画を業務プロセスの可視化まで踏み込み、評価を行う体制を敷きました。情報システムの計画から運用保守に至るまでのシステムのライフ サイクル全体としての最適化を目指したのです。
「システムの企画、計画にあたっては、可視化された業務プロセスを基に、『行政経営改革室』でシステム化の妥当性を協議した後、システム計画の評価を CIO補佐官を委員長とする『情報システム計画調整委員会』で行います。そのうえで、システム調達の執行にあたっての要求仕様や経費積算、契約手続きの妥当性については『情報システム調達管理委員会』で行うようにしました」(松田氏)。
つまり滋賀県では、CIO が PMO (プロジェクト マネジメント オフィス) の機能を担い、企画段階では情報システム部門がライフ サイクルを考えたシステム化の妥当性を評価し、さらにシステム計画の具体化と発注段階では、それぞれの委員会で承認を得ないと次に進めないしくみを作りあげたのです。
「さらに、システムの開発から稼動までの工程において、プロセス レベルをもう少し細かくコントロールできるプロジェクト管理の実施が必要であると考えました。そこで、Microsoft Office Project を利用し、行政経営改革室の情報システム部門で各課のシステム開発をサポートすることにしたのです」(松田氏)。
<導入メリットと今後の展望>
体系的な業務の効率化とプロジェクト管理を目指し Microsoft Office Project を活用


滋賀県
総務部 行政経営改革室
県庁電子化・業務改革推進担当
主任主事
沖野 宏文 氏
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各課で行われるシステム開発のサポートにあたる滋賀県 総務部 行政経営改革室 県庁電子化・業務改革推進担当 主任主事 沖野宏文氏はプロジェクト管理の重要性について、次のように語ります。
「行政の場合、システム構築をする際に、入札という手順があるので、企画前にベンダに相談することは難しい状況があります。入札前に、業務主管課が機能要件をかなり詳細に明確化し、仕様書にまとめなければならないのです。しかし、機能要件が不明確なままプロジェクトが動き出し、開発に手戻りが生じることになりがちでした」。
その一方で、システム構築後に問題が発生した場合、企業では追加費用を認めることも可能ですが、自治体では認められないなどの厳しさもあります。
「開発プロジェクトが後戻りできないような段階で、業務主管課が仕様変更を言い出すことや、システムのカット オーバーを遅らせることは、本来あってはならないのです。これまでのプロジェクト管理は、ベンダ主導のスケジュールで動き、問題があるとベンダ責任とすることが多かったのです。しかし、これでは発注者としての県でのリスク管理が行えません。システムの最適化を行ううえでも、発注者側のプロジェクト管理を強化する必要があったのです」(沖野氏)。
そのため、行政経営改革室では、昨年度から稼動開始した文書管理システムの構築時において、上流の基本設計の段階でレイアウトを含めた画面設計に工数をかけるようにアドバイスするなど検討を重ね、その細かな部分までを業務主管課が決定する、という考え方の浸透に努めてきました。
「そのサポート体制の一環に、Microsoft Office Project を利用しているのです。現在、電子申請システムや公共料金を納入するための料金出納基盤 (マルチ ペイメント) ネットワーク構築のプロジェクト管理から使用を開始しています。実際には、ガバナンス部門が使用しており、WBS (Work Breakdown Structure) を切り、マイルストーンを明確に設定。業務ごとに WBS にしていくことにより、全体のスケジュールにおける、業務主管部門の当事者意識の向上につながっています。WBS を明確にすることにより、主管部門の要件定義といった先行タスクの遅れが、全体のプロジェクトの遅延にダイレクトに反映していることが、視覚的にわかるようになったことにより、発注者側にプロジェクトの当事者意識が根付いてきています。これが Microsoft Office Project を利用しての最初のメリットと捉えています」(沖野氏)。
「本来的には、それぞれのシステムを構築する各課でもツールを利用し、プロジェクト管理の徹底を図っていくことも考えられますが、まずは、ガバナンス部門が管理を行いサポートしていくことが現実的かと判断しました。スモール スタートがきれ、後々拡張していける。その点を考慮したことも、Server 製品を持つ Microsoft Office Project をツールとして選択した理由になります」(松田氏)。
「さらに」と松田氏は続け、今後の展開を語り次のように締めくくりました。
「Microsoft Office Project を利用して、リスク管理としての効果を出すには、予算規模の大きなシステムで、部門をまたがって活用していくことが理想です。また、タスク管理の観点からは、システム開発以外のもっと広い範囲での管理にまで応用が利くと思います。ですから、将来的には、そうしたタスクの棚卸しや課題の明確化を図り、業務の見直しや改革にも活用していきたいと考えています」(松田氏)。
早い段階で CIO の設置に踏み切り、IT ガバナンスの実現を目指す滋賀県では、今後は業務プロセスの可視化を本格的に実施し、情報システムからの行政改革を積極的に進めていくことでしょう。
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