四国中央市

掲載日: 2005 年 2 月 14 日
4 つの庁舎を結ぶ「IT の渡り廊下」。
文書管理システムを利用して実現した
情報共有とペーパーレス化。


 
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ソリューション概要

プロファイル
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2004 年 4 月 1 日に川之江市、伊予三島市、宇摩郡土居町、宇摩郡新宮村の 2 市 1 町 1 村が合併し、誕生したのが四国中央市。人口 10 万人弱、面積約 420 平方キロメートルの同市では、行政の拠点として旧 4 市町村の役所を本庁と統合支庁として活用し、4 つの庁舎が同じ機能を持つことにより、従来からの住民サービスの質を落とさずに地域的偏りのない行政を行うことを目指している。

シナリオ
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地理的に離れた 4 庁舎で同一業務を行うために情報の共有化を実現
メンテナンス性の向上のために庁舎内の PC 環境を統一
文書管理システム導入で情報共有とペーパーレス化が実現
Active Directory を用いたアクセス権設定や職員管理を実現

ソフトウェアとサービス
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Microsoft® Windows 2000 Server
SQL Server 2000
Windows 2000 Professional

パートナー
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四国リコー株式会社

メリット
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地理的に離れた 4 庁舎で同一の業務を行うための情報共有化が図れ、住民サービスの質が向上した。さらにペーパーレス化が進展し、回覧文書はすべて電子化され、定型文書についても順次電子化している。

ユーザーコメント
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「4 庁舎が同じ機能を持つために、ある課の課長は 4 人いる。仕事は横の連携を取らなければなりませんが、そのために時間がかかり意思決定がすぐにはできない。その意思決定の手助けにネットワークや情報システムを使うことができます」。

四国中央市
総務部情報システム課情報政策係 係長
曽我部 和司氏 談

「中央から遠く離れた地域住民にも、同じ住民サービスを提供するのが責務。イメージとしては 4 つの庁舎が『渡り廊下』でつながっているように、住民に地理的な距離を感じさせず、不安を抱かせないことが大事です。それを実現したのが IT です」。

四国中央市長
井原 巧氏 談

愛媛県の四国中央市は近隣 4 市町村が合併し、2004 年 4 月に誕生した新しい自治体です。従来の 4 市町村の役所だった建物はそのまま四国中央市の市役所本庁舎と支所になりました。市庁舎は 4 つに分散しても、行政サービスの質は均質でなければなりません。そこで問題となったのが、市役所と地理的に離れた地区の住民が抱く、行政サービスの質的低下に対する不安の解消でした。不安解消に向けて同市の井原巧市長がとった対策は、4 つの庁舎で情報の共有化を図るためのシステムとネットワークの導入でした。4 庁舎が情報を共有し、ネットワークにより瞬時に必要な情報交換が行える新システムは、数キロも離れた庁舎間を「情報の渡り廊下」で結び、どの地区でも同じ速さで行政サービスを利用できるようにしました。同時に行った業務のペーパーレス化も成功し、同市は業務効率化とコスト削減、そして住民サービスの質的向上を、一度に果たすことができたのです。

<導入の背景と狙い>
すべての住民に均質な住民サービスを提供するために


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四国中央市長
井原 巧 氏
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「本庁舎からどんなに遠く離れている地域の住民の方々にも、同じ住民サービスを提供できるように、政策として取り組んでいかなければならないと思っていました」と語るのは同市の井原市長。四国中央市は川之江市、伊予三島市、宇摩郡土居町、宇摩郡新宮村の 2 市 1 町 1 村が合併してできた新しい自治体です。本庁舎があるのは旧伊予三島市ですが、旧土居町、旧新宮村は地理的に大きく離れており、従来からの役所が市役所の支所として利用され、各地域の住民サービスにあたっています。市長は言います。「市町村の行政は住民にとって 1 番身近でなければならないはず。しかし、市の中央から山 1 つ隔てたような遠方の地域に住む住民の皆さんにとっては (合併によって行政の中心が離れることにより) 、行政が心理的に遠くなってしまうという不安感がすごくあります」。その不安の解決策は、市長の頭の中にすでにありました。「それには IT だと。4 つの庁舎が長い『渡り廊下』でつながっており、頭の中の感覚では 3 メートルから 5 メートルくらいの距離感で業務が行えるようにしなければ。その渡り廊下の役目を果たすものは IT だ」と市長は考えたのです。

意思決定のスピードを向上し、職員管理や文書管理に利用できる IT が必要

同市の市庁舎は現在、本庁舎と川之江総合支所、土居総合支所、新宮総合支所とに分かれています。その体制の中で実務を担当している職員にも、市長と共通する思いがありました。同市の総務部情報システム課情報政策係の曽我部和司係長は言います。「当市には例えば市民課が 4 か所あり、市民課長も 4 人います。市民課長などの仕事は 4 人が連携して行っていく形になるので、どうしても横の連絡をとるのに時間がかかり、意思決定が遅れることになりがちです」。その意思決定の手助けに、ネットワークを中核にした情報システムを活用することは、曽我部係長にとっても望むところだったのです。
曽我部係長にとっては、地理的に離れた庁舎の職員をどう集中管理するか、それぞれが使うパソコンをどうメンテナンスしていくのかも大きな問題でした。庁舎内にはパソコンが当時合計で 1,100 台ほどありました。それぞれの OS は統一されておらず、そのままの形でメンテナンスを行っていくのは困難と考えられました。また、情報共有のために利用されていた「回覧文書」も、従来のように同一庁舎内だけでの回覧では済みません。さらには「紙」そのものの量の多さも問題と考えられました。
どのように情報を共有していけばよいのか、紙の削減をどう図るか、職員管理をどう行うか。これらの課題を解決するためには IT の利用が不可欠であることに曽我部係長は気付いていました。

<システム導入の経過と効果>
PC 環境の統一でメンテナンス性を向上、文書管理システムでペーパーレス化も進展


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四国中央市 
総務部情報システム課
情報政策 係長
曽我部 和司 氏
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曽我部係長がまず取りかかったのは、庁舎内の情報環境の整備でした。合併に伴って、リモート メンテナンスができる環境がどうしても必要になっていたのです。曽我部係長は、「まず OS を合わそうというところに労力を使いました」。またさらに、各庁舎で独自に作っていたネットワークも問題になりました。これも、標準化しなければなりません。その際、曽我部係長は、職員の管理を合わせて行えないものかと考えました。

1,100 台のパソコンの環境の統一からスタート

環境の統一には、Windows® のパソコンと Windows 2000 Server で構成されたネットワークが用いられました。Windows 2000 Server には、ユーザーを合理的に管理できる Active Directory® が用意されています。Active Directory の機能を使うことで、職員 1 人 1 人の管理が行えるようになります。また、同じように使っているパソコンの管理もできるようになります。パソコンとユーザーの管理、そしてパソコン環境の統一は、情報の共有化を短期間で実現するために避けて通れない大切な前提でした。

文書管理システムを利用した情報の一元管理と共有化

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四国リコー株式会社
愛媛支社
ソリューション営業部
ソリューション販売一課
竹田 愛 氏
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また、情報の共有化について曽我部係長はまず文書管理から始めることがよいと考えていました。当初係長が考えていたのは、ファイル サーバーを利用して、単純にファイルを共有しようということでした。しかしネットワーク上のセキュリティの問題から、暗号化されないままにファイルを単純にサーバーに置いておくわけにはいきません。そこで、既存のシステムで何かいいものがないかと、曽我部係長は探していました。実は合併前から旧伊予三島市と旧土居町では文書管理のシステムであるリコーの Ridoc というシステムが利用されていました。これは、大量の電子文書と紙の形の文書とを合理的に保管、管理することができる、数多くの実績を持つシステムです。このシステムを用いれば、さまざまな文書やイメージを、データベースである SQL Server 2000 に一括して保存し、いつでもネットワークを通じて個々のユーザーがアクセスできます。キャビネットと呼ばれる文書収納スペースにフォルダを置き、その中に文書ファイルを整理する形で管理でき、大量に保管されたデータの中から、自然語検索によって目的の文書を検索できます。この機能は、情報の共有を図りつつ、ペーパーレス化も同時に推進したい曽我部係長の思惑に合致していました。これを新システムに適用できると考えた曽我部係長は、四国リコー株式会社に協力を依頼しました。 このシステムのもう 1 つの特長は、キャビネットやフォルダ、ファイルのそれぞれにアクセス権限を設けて、「あるグループまたはあるユーザーだけが利用することができる」権限や、「あるグループやユーザーは、閲覧はできても編集や更新はできない」権限など、細かいアクセス権限を付けられることです。四国リコーの竹田愛氏は、このシステム構築について「セキュリティ、特にファイルへのアクセス権をどうするかが問題でした」と振り返ります。「隣の人のキャビネットを見えないようにするとか、他の人の文書は読むだけにするとか、アクセス権は非常に細かく付与する必要がありました」。このような場合、ユーザーの所属部署や役職など、組織上の情報との連携がどうしても必要になります。四国中央市の場合には、Windows 2000 Server を採用し、その機能の 1 つである Active Directory を利用して、職員管理に活用しようとしていました。その情報は、この文書管理システムにも生かすことができたのです。また、アクセス権の設定は Active Directory から抽出されたメンバーに Ridoc 側でアクセス権を付与することになります。このようなやり方をしておけば、人事異動や、今回のような合併の場合であっても、アクセス権を付け直すだけで済むことになります。曽我部係長が心配していたセキュリティの問題は、ファイルへのアクセス権限の付け方を工夫することで解決することができました。 また竹田氏は「一般企業と違って、役所の場合、やっている仕事の内容が課によって完全にバラバラです。全然違うものでも一括して全部検索したい場合に使える機能などを絞り込んでいく」ことに注意を払ったと言います。情報を集中管理し、高いセキュリティのもので自由な活用が図れるこの情報システムは、まだスタートして半年という短い期間ではありますが、目に見える改善効果をすでに現しました。曽我部係長が当初から狙っていた、ペーパーレス化です。 「回覧文書はすべて電子化し、ペーパーレス化が行われました。定型文書についても、文書管理システムに順次登録しており、現在では紙文書をコピーして利用するということがほぼなくなってきており、システムの活用のしかたがかなり浸透してきたと思います」(曽我部係長)。


直接住民の声を聞くための媒体としての IT

井原市長は、今後の IT の活用について、「市民の声が聞ける媒体として IT を使っていきたいと思っています」と語ります。情報の共有化によって意思決定の時間短縮が実現し、住民サービスのスピード化が行われましたが、そればかりでなく、行政組織のピラミッドを時と場合によっては超えて、直接住民の声を聞き、ダイレクトに行動を起こすことも必要だと市長は考えているのです。「市民の皆さんから血税をいただいているのです。一般企業に例えれば、市民の皆さんは株主です。株主にいかに大きな配当を行っていけるかを追求することが我々の使命だと思います。この四国中央市を、市民がすごく誇りに感じることができて、また全国的にも評価されるような街にすること、そしていずれ四国一の質の高い街にすることを目指していきたい。将来は四国の州都に名乗りをあげることを目標にしています」。


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