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IP ネットワーク上に電話や FAX、メールを統合し、既存銀行の業務スタイルを打ち破る大規模なユニファイドコミュニケーション環境を実現
Web やコールセンターを効果的に使った顧客サービス、通帳の廃止、キャッシュカードの即日発行、イメージを一新した店舗など、これまでのスタイルを打ち破るサービスを相次いで実現し、リテールバンキングに本格参入した株式会社新生銀行 (以下、新生銀行)。この新たな試みを支えているのが CT(コンピュータテレコミュニケーション) および UMS(ユニファイド メッセージングシステム) のプラットフォームである Microsoft® Exchange 2000 Server です。
<導入背景と狙い>
ネットワークのフル IP 化に伴う、新たなコミュニケーション基盤の構築
旧日本長期信用銀行の経営を引き継いだ新生銀行は欧米の一流金融機関等の出資による初めての日本の銀行であり、従来の邦銀のスタイルを打ち破る新しいサービスを次々に投入しています。本格的なリテール業務への参入など新たな経営方針のもと、迅速で柔軟なビジネスへの対応を求められていた新生銀行は、新たにコミュニケーション基盤の強化に着手しました。
「当行の方針は、収益を多角化することです。新しい商品やサービスを顧客に提供し、新しいビジネスに参入し、ビジネスを大きくしたい。もう一つは、行員の数を増やさず、コストを抑えることです。そしてこれらをスピーディに実施することが重要なのです」(新生銀行 執行役員 ジェイ デュイベディ氏)
新生銀行の基幹システムは大規模なネットワークで結ばれ、本社と支社間の電話連絡も多く、これらインフラの構築、整備、維持には莫大な費用がかかります。なかでも電話は、社員間の情報共有手段の基本でありながら、不在時のメモによる伝達時に間違いが入る可能性が高いという点や、回線数に応じて固定費用が発生するという課題を抱えていました。これを解決するため、電話 (音声)、FAX (画像)、電子メール (文字) などを統合しようというのが、マイクロソフトが提唱する CT ソリューションです。メッセージを統合し、必要な情報に自由にアクセスできる環境を整備することで企業の情報共有は確実になり、生産性が向上します。
新生銀行は CT ソリューション実現のため、ボイスメールなど、これまで使ったことのないコミュニケーションツールの検討や、通信費、PBX の運用保守など、コスト削減に有効と思われるさまざまな比較を行い、シスコシステムズ株式会社 (以下、シスコシステムズ) の Cisco Unity、Cisco CallManager を核とした UMS と Cisco IP Phone の採用を決定しました。UMS の実現により社内コミュニケーションが円滑になり、顧客へのスピーディな対応ができるようになるのではないか、これまでにない効率的な業務処理フローが構築できるのではないかと考えたのです。
<導入システムの紹介>
CT パートナー、シスコシステムズによる UMS ソリューション
新生銀行はこれまで SNA、TCP/IP、電話回線など数多くのネットワークでインフラを構築していました。新システムではこれらをすべて IP ネットワークに統一し、PBX を含む、全支店の勘定系、OA 系をすべてルーターで接続しました。国内の金融機関でネットワーク環境を IP に統一したのはこれが初めてのケースです。今回、新しいコミュニケーションツールとして、電話機に代わって Cisco IP Phone が採用されました。Cisco IP Phone は、Microsoft Windows® 2000 Server 上のソフトウェアスイッチで呼制御を行う Cisco CallManager によって動作する IP 電話機です。また一部のパソコンには、ソフトウェアベースの Cisco IP SoftPhone が導入され、自宅や外出先からもメッセージの利用ができるようになりました。
社内外から送られてくる電子メールやボイスメールなどは Cisco Unity から Exchange 2000 Server の Web Storage System によって、サーバーのフォルダに単一のマルチメディアフォーマットメッセージとして蓄積されます。行員はその時々の環境に応じて、PC 上の Microsoft Outlook®、あるいは IP Phone や携帯電話などの機器から自由にメッセージを引き出すことができます。なお、FAX はオランダ Fenestrae 社の FAX ソリューションシステムである Faxination を採用し、Exchange 2000 Server と統合しています。現在、IP ネットワークを利用した FAX over IP 網の構築を進めており、12 月までには利用可能になる予定です。これが稼働すると、600 ユーザー ID 以上で利用する世界でも稀にみる IP ベースの FAX ネットワークが完成することになります。
UMS の実現により電話、FAX、電子メールなどが統合されると、次に問題となるのはそれぞれの機器がもつ膨大なアカウント管理です。電話番号、FAX 番号といった機器に属する ID、電子メールアドレスなど人に属する ID、さらには、社員 (ユーザー) 情報そのものにいたるまで、すべての企業内リソースは Windows 2000 Server に搭載された Active Directory® で一元的に管理することが可能です。新生銀行もアカウント管理について将来、Active Directory へ移行を予定しており、システム管理者の負荷軽減を狙っています。
今回、UMS 構築の中心的役割を果たした新生銀行のシステム企画部、岑豪龍 (サムホウロン) 部長代理は「日本ではまだボイスメールという文化が浸透していませんが、席を外している隣の人にかかってきた電話を代行してとり、要件をメモして置く文化を、IP ベースのユニファイド メッセージで統一することでコミュニケーションの仕方を変えたいと考えました」と、意気込みを聞かせてくれました。


新生銀行の IP ネットワークをベースにしたメッセージングの統合 [拡大図]
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<本システムの投資効果>
5 年間で約 9 億円の投資効果、回収期間 10 か月を見込む
Microsoft REJ(Rapid Economic Justification) は、IT に関する投資効果をビジネス中心のアプローチにより分析する手法で、投資コストと投資から得ることができるビジネス上の利益をもとにキャッシュフローを算出し、現在価値 (NPV)、内部収益率 (IRR)、回収期間を導き出します。本システムの導入によってもたらされる投資効果を REJ によって分析してみると、IRR は 86%(10 か月で投資を回収)、5 年間でおよそ 9 億円の投資効果があるという結果を得ることができました (投資コストに含まれるのは、IP Phone、Unity、CallManager、Faxination、Windows 2000 Server、Exchange 2000 Server に関連する費用です。ネットワークの投資は対象外となっています)
IT 投資においては、このように投資効果を定量的に算出するほか、投資によりもたらされるビジネス上の利益を考慮することが重要です。新生銀行の場合、本システム構築により達成した UMS の実現と IP Phone の導入により、どのようなビジネス上の利益がもたらされたのでしょうか ?
UMS は音声、FAX、電子メールといった全てのメッセージを単一インターフェイス (Outlook) に統合し、FAX 送受信やボイスメールのやりとりを楽にしてナレッジワーカーの生産性を向上させます。Outlook の検索、転送、一斉配信などの機能により、情報共有に要する時間が大幅に短縮され、従来の電話や FAX と比較して格段にアクセス性が向上しているからです。外出先や他支店で自分宛てのメッセージを確認し、シームレスに業務を遂行することもできます。
IP Phone を使うと、電話会議を簡単に開催したり、所属部署以外の支店、外出先、自宅からも自分のオフィスと同じように使うことができます (自分あての着信を他の IP Phone または一般アナログ電話に転送することが可能です)。この機能により、コールセンターに許容量を超える電話が届いた場合、これを新生銀行の支店に着信させたり、夜間は在宅社員に直接対応させるというバーチャルコールセンターとしての利用も可能です。これは素早い顧客対応による満足度向上とナレッジワーカーの生産性向上をもたらします。また IP Phone は移設、新設が簡単で時間がかからないため、社員を場所にこだわらず素早く最適配置できます。これはビジネスニーズにフレキシブルに対応する上で、たいへん重要なポイントといえます。
また、今回の IP をベースとしたシステムは旧来の電話や FAX に比べ初期投資額が小さく、運用管理コストも 3 分の 1 になりました。新生銀行は新しい顧客サービスに対応するため、機動的に組織を編成しており、今後多くのレイアウト変更や人事異動が発生する可能性があります。これに伴う電話の設定変更が自社で簡単にでき、配線工事や PBX 設定のコストが大きく削減できるというのも本システムの特徴です。さらに、順次、旧来のシステムを撤去していくため、PBX や FAX の保守費用も不要となっていきます。これら費用の削減効果が大きく見込まれた点が、今回の新しいコミュニケーションシステムへの投資の健全性を高めています。


REJ によるユニファイドコミュニケーションシステムの投資効果分析
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<導入結果、今後の展開>
総合的なコスト削減、顧客サービス改善に貢献
「当行の戦略の 1 つはカスタマーサービスを改善することですが、新システムによって、どこの支店でも、世界中のどんな場所でも、カスタマーからのメッセージを簡単に受けることができます。このインテグレーションによって、総合的なコストを削減し、カスタマーサービスの改善に大きく貢献できました」と、システム企画部のピーテル フランケン部長は新システムを高く評価しています。
新生銀行では、今後さらなるユニファイド コミュニケーションシステムの拡張を計画しています。現在のシステムは、新生インフォメーション・テクノロジーがそのノウハウを多くの人と共有すべく、外部にも販売する予定です。
「我々が持っている強みとノウハウによって、新生銀行を変えるだけではなく、すべての企業が恩恵を得るため、我々のノウハウとテクノロジを共有することを促進します。新生銀行が現在使用しているテクノロジと同等のレベルを達成するために、新生インフォメーション・テクノロジーがお手伝いをします」。ジェイ デュイベディ執行役員は、CT および UMS がもたらす利益を多くの企業が採用してほしいという希望を語ってくれました。
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