 |
Microsoft Office SharePoint Server 2007 と Microsoft Exchange Server 2007、Microsoft Office Communications Server 2007 によるコミュニケーション & コラボレーション環境を刷新。情報システムの連携と統合管理を可能に
|
株式会社スタートトゥデイ (以下、スタートトゥデイ) は、アパレルを中心としたインターネット ショッピング サイトの「ZOZOTOWN」や、各種情報サービスを提供する「ZOZORESORT」などを展開。2009 年 5 月現在、134 万人を超える会員数を誇るネット ビジネス企業です。同社では 2008 年初頭から 2009 年 4 月にかけてグループウェアやメール環境の大幅な刷新を実施し、Office SharePoint Server 2007、Exchange Server 2007、そして Microsoft Active Directory の導入で、シングル サインオンやコンプライアンス面にかかわるセキュリティの強化などを実現。これらのシステムに、Office Communications Server 2007 によるユニファイド コミュニケーションを連携させるなど、ネット ビジネスの変化とスピードに柔軟に対応できるコミュニケーション & コラボレーション環境を実現しました。
<導入背景と狙い>
複数の ID 管理の負荷やセキュリティ強化に向けて統合メール製品の導入を決意


株式会社スタートトゥデイ
創造開発本部
システム部
ディレクター
大蔵 峰樹 氏
|
 |
スタートトゥデイが、社内のコミュニケーション & コラボレーション環境の刷新に着手したのは、2008 年 1 月のことでした。それまで国産のグループウェアと POP3 を用いたメーラーを採用していましたが、ここ数年のビジネスの成長に伴い、スタッフ数の急激な増加による ID 管理の煩雑化やコンプライアンス面での課題など、既存システムでは解決できないさまざまな問題が生じていたと言います。
「まず運用面では、システムごとに ID とパスワードが存在するため、これらを管理する手間が大きな負担になっていました。またメールボックスのバックアップなども各人任せになっており、PC に障害が起こってメールがすべて消えてしまうといったトラブルもありました。そこで、早急に統合メール製品を導入して、サーバーによる統合管理とシングル サインオン環境の実現を図ろうという機運が盛り上がってきたのです」と、株式会社スタートトゥデイ 創造開発本部 システム部 ディレクター 大蔵峰樹氏は語ります。
また、アパレル製品を中心としたショッピング サイトを運営している同社では、新商品の写真データなどを社内でやりとりする機会も少なくありません。容量の大きなファイルをメール添付でメーリング リストに送信してしまい、サーバーが停止してしまうといったアクシデントも、従来のメール システムでは実際に起こっていました。
「こうした事態に対してシステム管理側がサーバーによる全体の容量制御を行うことで、アクシデントを未然に防ぎ、同時にメールとファイル サーバーの使い分けルールを社内に意識付けしていくというねらいもありました。また当社は 2008 年に東証マザーズに上場したことで、パスワード管理などセキュリティ面での体制強化が急務となっていました。そこでメール システムとグループウェア、さらに認証基盤の 3 つを同時に刷新、導入することで、これらの緊密な連携の下に強固なセキュリティを構築しようと考えたのです」。
さらに今回のシステム刷新では、こうしたコミュニケーション & コラボレーション環境に、新たなソリューションを加えました。Office SharePoint Server 2007 によるポータルと Exchange Server 2007 によるメッセージング、そして Office Communications Server 2007 による、ユニファイド コミュニケーション環境です。
「特に、Office Communications Server 2007 の採用は新しい試みでした。当社では業務の変化に合わせて頻繁に組織の変更が行われます。このため座席の変更もしばしばで、多い時には月に 1 〜 2 回あることも。しかし従来からのアナログ PBX (構内交換機) では、座席変更のたびに設定を変えるのが大変で、手間も工事費用もかさみます。これを IP 化してしまえば、座席が変わっても電話機の抜き差しだけで変更が完了します。また当社は倉庫に出向いての作業も多いので、無線 IP 電話を使えば出先でも同じ番号で通話できるといったメリットも生まれます。こうしたことからも、IP フォンの導入がぜひ必要だと考えたのです」。
<導入の経緯>
「カスタマイズが容易でビジネスのスピードに応じた開発が可能」とマイクロソフト製品を選択
コミュニケーション & コラボレーション環境の刷新にあたっては、すべてマイクロソフト製品が採用されました。ポータルには Office SharePoint Server 2007、グループウェアおよびメールには Exchange Server 2007、ユニファイド コミュニケーションには Office Communications Server 2007、そして認証基盤には Active Directory がそれぞれ選ばれています。
マイクロソフト製品を採用した理由を大蔵氏は、「私たちのビジネスでは、とにかくスピードや納期が求められます。その点、マイクロソフト製品はカスタマイズが容易であること、さらに私たちの持っているスキル セットに合っていることが決め手になりました」と説明します。
また今回のシステム構築を担当したデル株式会社 (以下、デル) はマイクロソフトの導入パートナーであり、特に Office SharePoint Server 2007 や Exchange Server 2007 では豊富な導入実績とノウハウの蓄積を持っていたことも、重要な決定要因になりました。
「そうしたスキルに加えて、デルとは当社の EC サイトの構築でこれまでも信頼関係を築いていました。そこで、今回のグループウェア、メールなどの導入にあたっても、最初に声をかけて相談したところ、Exchange Server 2007 の提案をもらいました。そこから Exchange Server 2007 を入れるならば、当然ポータルは Office SharePoint Server 2007 だという具合に話が進んでいったのです」。
最初からマイクロソフト製品を想定していたこと、またデルへの信頼感もあり、他社製品との比較検討にはほとんど時間をかけませんでした。
「実はグループウェアについては、今まで使っていた国産の中規模企業向け製品から、大規模企業向けの上位製品にアップグレードする選択肢もありました。しかし当社のビジネスのスピードを考えると、方向性や戦略の変更に合わせて迅速にシステムを対応させていく必要があります。その点で、カスタマイズが容易で "土壇場でもすぐに構築できる" Exchange Server 2007 と Office SharePoint Server 2007 を選んだのです」と大蔵氏は選択理由を明かします。
2008 年 5 月のゴールデン ウィーク明けからは本格的に構築が始まり、わずか 2 か月後の 7 月中旬には Office SharePoint Server 2007 と Exchange Server 2007 共に、本番環境への切り替えが完了。さらに同年 12 月には早くも Office Communications Server 2007 の提案がデルから行われ、翌 2009 年 2 月から開発がスタート。3 月末にはカットオーバーと、順調かつ迅速に導入が進められました。
<システムの概要>
Windows プラットフォームを介した完全なシステム連携が運用管理の負荷を劇的に軽減


株式会社スタートトゥデイ
創造開発本部
システム部
荻原 直也 氏
|
 |
Office Communications Server 2007 のカットオーバーで、今回のコミュニケーション & コラボレーション環境の刷新は一段落を迎えたことになりますが、「現在は、ようやくツールや基盤が揃ったところ。本格的な活用やメリットの実現に向けては、まだまだ過渡期と認識しています」と、株式会社スタートトゥデイ 創造開発本部 システム部 荻原直也氏は気を緩めません。
「一般のスタッフ レベルではまだ、新しいシステムに慣れて、使いこなしをマスターしていくという段階にあります。たとえば IP フォン 1 つとっても、プッシュ ボタンがない電話機を見て、"どうやって使うのか?" というところからスタートしている状態です。とはいえ、最近では Office Communications Server 2007 のプレゼンス機能など、コミュニケーション ツールならではの機能の便利さに開眼して、各人なりに使い始めているようです。また、メールを出すとその返事を Office Communications Server 2007 のチャット機能で返してくるとか、離席時の着信を携帯電話に転送するといったことも、ごく普通の処理として行うようになりました」。
これまではデスクの PC 以外ではメールが読むことができませんでしたが、出張先から Microsoft Office Outlook Web Access (OWA) を使って外部から Web ブラウザーで読むことが可能になり、出張の多い役員などには特に好評です。
この他にも、「大きな容量のファイルはメールで送らずに、ファイル サーバーへアップするといった "使い分け" の意識も着実にスタッフの間に育ってきました。こうした意識の向上を追い風に、各ツールの連携が生むサービスを、これからもどんどん使いこなしていってほしい」と荻原氏は期待を語ります。
運用の側から見たメリットも大きいと語る荻原氏は、中でも Active Directory を基盤としたシステム間の認証連携は、運用業務の負荷軽減に大きな効果をもたらしたと強調します。
「旧システムでは製品ごとにバラバラの管理が要求されていたのが、Active Directory と Exchange Server 2007 を軸に、統合的に管理できるようになりました。いわゆるシングル サインオン環境による管理の容易さだけでなく、マイクロソフト製品= Windows プラットフォーム上でのシームレスなツール連携が、より容易で確実なシステムのトータル運用を可能にしていると感じます」。
現在は社内システムのすべてを 2 名の担当者が運用していることもあり、この統合管理のもたらした効率化は予想外に大きかったと、荻原氏は新システムの手応えを語ります。


デル株式会社
ソリューション・サービス・デリバリー本部
インフラストラクチャ・コンサルティング・サービス
コンサルティング第2部
テクニカルコンサルタント
和田 健太 氏
|
 |


デル株式会社
ソリューション・サービス・デリバリー本部
グローバル・サービス・デリバリー
プロジェクト・マネジメント部
プロジェクト・マネージャ
金野 勉 氏
|
 |
こうしたスムーズなシステム連携や運用を陰で支えてくれているのが、デルのサポート体制です。
「今回の導入では、Office Communications Server 2007 などは、現在まだアナログの旧 PBX と共存した状態で稼働しています。こうした導入では、新システムと旧システムの担当者どうしによるすり合わせが不可欠なのですが、一般に外部の業者さんは自分の担当外のことをやりたがりません。しかしデルの場合は積極的に垣根を越えて交渉や調整を仕切ってくれたため、混在環境の構築もスムーズに進められました。こうした信頼感の積み重ねが、より良いシステムの下支えになっているのだと思います」 (荻原氏) 。
また、今回のプロジェクトにおける核となったのは、やはり既存のアナログ方式 PBX と Office Communications Server 2007 との連携です。
プロジェクトの構築で主担当を務めたデル株式会社 ソリューション・サービス・デリバリー本部 インフラストラクチャ・コンサルティング・サービス コンサルティング第2部 テクニカルコンサルタント 和田健太氏は、「具体的には PBX の配下にメディア ゲートウェイ装置 NET VX1200/NET Quintum BX408 を設置することで、既存 PBX と内線 IP 電話間の音声通話のルーティングを実現しました。とはいえ、PBX 側にどのような内線ボードを追加し、どのようなルーティング設定を行えばよいかなど、最初は暗中模索でした。そこで、スタートトゥデイ様の既存電話システムを取り扱っていた通信工事業者様と何度もやり取りを続け、入念な連携テストを重ねた末、ようやく連携を実現することができました」と振り返ります。このようにグローバルでもあまり例のない導入形態ではありましたが、2009 年 1 月下旬から 4 月上旬の実質 2 か月ほどの短期間でカット オーバーにこぎつけることができたのです。
一方、プロジェクト マネージャを務めたデル株式会社 ソリューション・サービス・デリバリー本部 グローバル・サービス・デリバリー プロジェクト・マネジメント部 プロジェクト・マネージャ 金野勉氏は、「2005 年から始まった EC サイトのリプレース案件や、2008 年に実施された Exchange Server 2007 ならびに Office SharePoint Server 2007 の導入案件など、スタートトゥデイ様とは既に数年にわたってお付き合いさせていただいています。そうした中で築かれてきた信頼感とリレーションのもとで、デルとしてもテクニカル面の問題解決に全力を注げたことが、プロジェクト成功の背景になっていると考えています」と総括します。もちろん、その前提として、Exchange Server 2007 と Office SharePoint Server 2007 の導入段階から、しっかりしたハードウェア、インフラの設計が行われていたことも重要です。
「マイクロソフト製品をベースとしたユニファイド コミュニケーション環境の構築に関して、デルはグローバルなレベルで多数の実績を積んでおり、その経験やノウハウを活かしつつ最適なサーバーの選定とストレージのサイジングにあたりました。したがって、そのインフラとして新たに Office Communications Server 2007 を追加することになった際にも、大きな変更や問題はまったく生じませんでした。もちろん、今後ユーザー数が増加してパフォーマンスが不足してきた場合でも、スケールアウトによりサーバーを追加することで、容易に拡張を図って対応できるようになっています」 (和田氏) 。
<今後の展望>
多様なワークスタイルへの対応など将来に向けたインフラ活用を目指す


株式会社スタートトゥデイ
想像戦略室
秘書広報ブロック
篠田 ますみ 氏
|
 |
今回のコミュニケーション & コラボレーション環境の刷新で、ようやく将来のビジネス展開への足掛かりとなるインフラ整備の下準備ができてきたと、大蔵氏は展望を語ります。
「当社は平均年齢が 26 歳という若い会社です。これがあと 3 〜 5 年もすると、特に女性は結婚、出産の適齢期を迎えます。そうなった時に今のシステムがあれば、子育て期間の在宅勤務なども実現できます。情報システムを活用することで、そうした新しい働き方のニーズにも、ぜひ積極的に対処していきたいと考えているのです。また当社のバイヤーは商品の買い付けで社外に出たきりの人が少なくありません。こうした人々が社外からメール チェックを行う際、セキュリティ上の懸念が付き物でしたが、これをセキュアなユニファイド コミュニケーションによって解決していきたいと思っています」。
さらに、将来的にブランチ オフィスを各地に立ち上げるといった場合にも、今回の新システムというインフラがあれば、少ない時間とコストで容易に可能だと大蔵氏は語ります。
もちろんエンド ユーザー側での期待も、これまで以上に高まっています。株式会社スタートトゥデイ 想像戦略室 秘書広報ブロックの篠田ますみ氏は、「既にインスタント メッセージ機能をさかんに利用して、簡単な伝言やちょっとしたアイデアなど、わざわざ電話で割り込んだり、メールを送ったりするほどではないことでも、スタッフどうしで気軽にコミュニケーションをとるようになっています。こうしたインフォーマルなコミュニケーションの活性化が、スタッフどうしのクリエイティブな感性を刺激しあい、やがては新ビジネスの創出につながっていくのではと楽しみにしています」と期待を語ります。
ショッピング サイトを始め、ネットワーク上でのビジネスに欠かせない情報共有と伝達のインフラを、コミュニケーション & コラボレーション環境の刷新という形で実現してみせたスタートトゥデイ。若さと創造性にあふれた企業の描く情報インフラの未来像から、ここしばらくは目が離せません。
|
|  |
本ケーススタディに記載された情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。
本ケーススタディは情報提供のみを目的としています。Microsoftは、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。
|
|
 |
|
|
|