住友信託銀行株式会社

掲載日: 2006 年 1 月 30 日
土地信託、不動産信託、不動産投信など複数の不動産管理業務システムを Microsoft .NET Framework によって、一気に統合。
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ソリューション概要

プロファイル
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住友信託銀行株式会社leave-msは、従来からの強みである信託・財産管理事業を核とした銀行・信託・不動産兼営による「トップクオリティ・トラストバンク」と、顧客からの信頼と支持に基づく「お客様本位 No.1 銀行」を目指しています。邦銀トップ クラスの財務基盤、とりわけ資本の質と量を背景とした積極的投資により、住友信託銀行グループ全体で顧客基盤・事業基盤を拡充し、グループ全体の事業の外延的な発展を志す攻めの経営を加速しています。

シナリオ
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.NET Framework を活用することで、約 1 年半という短期間でメインフレームの土地信託システムと Windows の不動産投信システムを統合し、時代ニーズに柔軟に対応できる不動産総合管理システムを構築

ソフトウェアとサービス
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Microsoft .NET Framework 1.1
Microsoft Windows Server 2003
Microsoft SQL Server 2000
Microsoft Visual Studio .NET 2003
Microsoft Visual Basic .NET
Microsoft Consulting Services (MCS)

パートナー

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株式会社NTTデータleave-ms

メリット
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.NET Framework によるプラットフォームの統合で開発コストとランニング コストを低減
業務の効率化、事務堅確性を向上
ニーズに柔軟に対応できる不動産総合管理システムを実現
業界標準を意識したシステム化により、外部展開も視野に入れたシステム構築を実現

ユーザーコメント
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「承認も含めたワークフローを実装したことによって、事務の正確性と効率性が飛躍的に高まりました。システム上のチェック機能も備えていますので誤入力などのミスを防止し、事務の堅確性も向上。またメインフレームから移行することでランニング コストも低減でき、予想どおりの投資対効果が期待できます」。

住信情報サービス株式会社
開発第二部
担当部長
上田 浩 氏 談



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住友信託銀行株式会社
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住友信託銀行株式会社は、メインフレームや Windows ベースのシステムに分散していた各種不動産管理業務システムを Microsoft .NET Framework によって統合。90 万ステップに上る「不動産総合管理システム」を Web アプリケーションとして構築し、今後の市場拡大やニーズにも柔軟に対応できる体制を整えました。


<導入の背景>
システムの分散による、「二重入力」などの手間を解消


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住信情報サービス株式会社
開発第二部
担当部長
上田 浩 氏

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住友信託銀行株式会社 (以下、住友信託銀行) は銀行事業と信託事業を両輪に、さまざまなサービスを展開。中でも、資産運用と資産管理分野では圧倒的な強みを発揮しています。

住友信託銀行のその強みのベースの 1 つとなるのが、1984 年に業界で最初に土地信託を商品化するなど先進的な取り組みにあります。この先進性は、2000 年の改正投資信託法の施行においても、オフィス ビルなどの不動産運用を行う不動産投資信託 (REIT:Real Estate Investment Trust) にいち早く取り組んだことでも発揮しています。特に REIT 市場は、2001 年当時、4000 〜 5000 億円程度 (不動産投資法人の保有資産ベース) であったものが、今や 2 兆円規模に拡大。いち早くこの REIT 市場に取り組んできた住友信託銀行では、土地信託事業、REIT 事業共に業界トップ クラスの受託額を誇っています。

しかし、これらのビジネスを支える不動産管理業務システムに課題がありました。住友信託銀行では、80 年代からこれまで、不動産管理業務をメインフレームで運用してきたため、新しい機能を迅速かつ低コストで追加することが難しく、新興の REIT ビジネス用に、パッケージ ソフトウェアを用い、2001 年に別の新システムを構築せざるを得ませんでした。このため、相互に関連するデータをシステム上で連携させることができず、各システム別に用意された専用端末を使ってデータを二重に入力するなど、非効率な作業が発生してしまっていたのです。

「事業拡大により事務作業が急増していたこともあり、この問題を解消させる必要がありました。“相互連携のないシステム”から、“シームレスなデータ連携を行えるシステム”へ移行し、事務の合理化、堅確性の向上、そしてコストの低減を図ることが重要だったのです」と語るのは、当時、住友信託銀行 システム部門からプロジェクトに参加していた上田浩氏です (現 :住信情報サービス株式会社 開発第二部 担当部長)。

そこで住友信託銀行では、2002 年から「土地信託」、「不動産信託」、「不動産投信」とそれぞれが分散運営されていた不動産管理業務システムを統合するプラットフォームの検討を開始。将来的なニーズを見据え、クライアント サーバー システムで、各機能を Web アプリケーションとして構築することを決断。そのプラットフォームとして採用されたのが、Microsoft .NET Framework 1.1 でした。


<システム構築の経緯>
将来性を考慮し、最新の Windows Server 2003 を採用


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住信情報サービス株式会社
開発第二部
主幹技師
大石 剛 氏

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住信情報サービス株式会社
開発第二部
谷本 佑介 氏

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住友信託銀行が目指した新しい不動産管理業務システムは、不動産の管理、テナントの賃料収入、共益費などの請求や管理、各種支払い、決算一般と複雑で多様な管理が必要になります。これらを統合するには、90 万ステップにも上るコーディングが必要となる大規模なものでした。

このシステムを、「安定稼動はもちろんのこと、将来性にも優れたもの」とするべく、選ばれたのが、Microsoft .NET Framework 1.1 を始めとする、当時最新のマイクロソフト製品でした。

上田氏と共にプロジェクトに参加した大石剛氏 (現 :住信情報サービス株式会社 開発第二部 主幹技師) は、次のように説明します。

「検討を開始した 2002 年から、1 年半ぐらいが構想準備に充てられました。当時、社内では Windows 2000 Server が主に使われており、実際に開発作業が始められた 2003 年 10 月ごろに、ようやく Windows Server 2003 が利用され始めたばかりでした。当然、Windows Server 2003 に対する社内のノウハウは少なかったわけですが、将来性を考えて、最初から Windows Server 2003 と IIS (Internet Information Services) 6.0、Microsoft .NET Framework 1.1、そしてデータベースに SQL Server 2000 を採用することにしました」。

また、上田氏は「IT 資産の有効利用を考えると、.NET プラットフォームが最適な選択であった」と言います。

「その理由には、既に住友信託銀行では、.NET プラットフォームを活用した別システムを開発していた経緯がありました。そのため、Windows Server を利用した社内の IT 資産をそのまま生かせることが重要な判断材料でした」。

そして、2003 年 10 月。住友信託銀行システム部門のメイン パートナーである住信情報サービス株式会社 (以下、SIS) と、金融系業務に強く業界標準化へ数多くの取り組みを行っている株式会社NTTデータ (以下、NTTデータ) をパートナーとして、システム開発作業に着手。「Microsoft Consulting Services (MCS) のサポートもあり、2005 年 3 月、順調にサービス インを迎えることができました」(上田氏)。

この不動産総合管理システムでは、「プロジェクト管理」、「不動産/テナント管理」、「資産/負債管理」、「入出金管理」、「会計管理」、「納税管理」、そして各業務に共通の「システム管理機能」とが、SQL Server を介してシームレスなデータ連携を実現。土地信託、不動産信託や、不動産投信業務で管理する不動産の賃料、共益費などの請求、修繕費や借入金などの支払管理、それらにかかわる仕訳の登録および帳簿 (会計帳票、法定帳票) 作成などの会計管理を、スムーズに行うことができるようになっています。

さらに、可用性を確保するために、Web サーバーはロード バランシングを行い、データベース サーバーはクラスタ構成としています。

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不動産総合管理システムのトップ画面



<.NET 採用のメリット>
Visual Basic の経験だけで「苦労なく」開発


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株式会社NTTデータ
金融ビジネス事業本部
金融戦略情報システム開発部
部長
柳 圭一郎 氏

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株式会社NTTデータ
金融ビジネス事業本部
金融戦略情報システム開発部
システム企画担当
渡辺 隆司 氏

.NET Framework 1.1 による開発は想定以上にスムーズに進んだと、NTTデータ 金融ビジネス事業本部 金融戦略情報システム開発部 部長 柳圭一郎氏は言います。

「実は金融関連のシステム担当には、.NET 経験者が少なかったのですが、Visual Basic を経験してきたメンバーでチームを組んだところ、短期間に開発環境を理解でき、スムーズに作業が進みました。コアの部分では .NET を熟知した技術者が必要ですが、それ以外は Visual Basic に携わったことのある技術者であれば .NET によるシステム開発はスムーズにいくと思います。また、代表的なアプリケーションをプロトタイピングによって先行開発し、残りのアプリケーションはそれに基づいたウォーター フォール開発を行うことで短期間の開発を実現しました」。

住友信託、SIS、NTTデータの 3 社からなるこの開発チームには、「実は .NET 経験者が少なかった」という以外に、もう 1 つ大きな特徴がありました。それが、「プロジェクト チームにエンド ユーザーが企画、参加したこと」であると、大石氏は言います。

「住友信託銀行のシステム部門、不動産部門、そして SIS から参加した 10 名弱のプロジェクト チームには、エンド ユーザーである住友信託 不動産部門のメンバーが専任として参加していました。『単純に各業務システムを統合させるだけではなくシステムにワークフローを実装したい』という彼らからの要望を実現するうえで、このチーム編成は非常に有効でした。不動産や契約ごとに個別性が高く業務の標準化が難しいため、業務フローの分析に際しては賃料の設定や請求方法など多様なパターンを整理しておかなければなりませんが、現場を熟知した不動産部門のスタッフが加わることで、効率よく進めることができました」。

また柳氏も、画面遷移など細かな使い勝手に関しても、住友信託 不動産部門の参加が大きな効果を発揮したと言います。

「実際にシステムを使う立場の方々が、日々行っている現実の業務内容に基づいてシステム要件をとりまとめましたので、細かいレベルで使い勝手のいいシステムになっています。たとえば、入力を間違えやすい項目などもエンド ユーザーの視点から具体的に整理され、私たちが『システムの側から考える』ものとはまったく違う発想によって、特色のある、使いやすいシステムができあがったと思います」。

実際にシステム開発を行った、NTTデータ 金融ビジネス事業本部 金融戦略情報システム開発部 システム企画担当 渡辺隆司氏は、この大規模かつ入念なシステム開発において、「Microsoft .NET Framework の開発生産性の高さが短期間のスケジュールでの開発に貢献した」と言います。

「.NET 環境には標準で多くの開発ツールが用意されていますので、効率的に開発することができました。たとえば、今回は 90 万ステップにも及ぶ規模でしたが、ASP.NET のトレース機能によってパフォーマンスのボトルネックがどこにあるか把握できるため、パフォーマンス チューニングも迅速に行えました。また、データベースに採用した Microsoft SQL Server 2000 の自動的なメモリ配分機能を活用できたため、DBMS のパラメータ設計をまったく行うことなく日々の業務量を処理できるだけの十分な性能を確保できました」(渡辺氏)。

さらに、開発言語に関する利便性についても、渡辺氏は次のように説明します。

「住友信託銀行様では、.NET Framework を使って先行開発されたアプリケーション基盤がありますが、共通ロジックは C# で開発されています。このロジックを既存資産として、新システムのアカウント管理やセキュリティといったいくつかの共通機能では、Visual Basic .NET から呼び出して再利用することができました。つまり、コアな部分では C# を使うプログラマが資産を構築し、画面デザインやコントロールでは Visual Basic による開発を行うことができたので、.NET 未経験者も多数、開発に参加することができたのです。複数言語による開発という .NET の優れた特徴によって、このプロジェクトでは開発生産性を上げることができたと思います」。

実装段階でプロジェクトに参加し、プロジェクト チームの技術的サポートを行った SIS 開発第二部 谷本佑介氏も、.NET Framework での開発について次のように話します。

「今までメインフレームを担当しており、.NET での開発は今回が初めてでした。しかし、インターフェイスが Visual Basic と似ていて直感的に理解することができましたので、それほど苦労したことはありませんでした」。


<導入効果と今後の展開>
ワークフローを強化し、「業界標準」の確立を目指す


2005 年 3 月のカット オーバーから 3 か月を経て、不動産総合管理システムは、すべてのエンド ユーザーに浸透しつつあります。不動産管理業務は月末から月初にかけてトランザクションが集中しますが、既に 2 回のピークを経てもシステム自体のトラブルもなく安定して稼動。大量データの登録などの処理速度も従来より大幅に向上し、業務の効率化に貢献していると、上田氏は言います。

「承認も含めたワークフローを実装したことによって、事務の正確性と効率性が飛躍的に高まりました。複数のシステムのデータ連携ができるようになったので、これまでは各専用端末を使い半日かけて行っていた手作業も、今は 1 台のクライアント PC を使い、たった数分で処理できるようになっています。システムの中に入力チェック機能も備えていますので誤入力が減り、事務の堅確性も向上しました。またメインフレームから移行したことによってランニング コストも低減でき、予想どおりの投資対効果が期待できます」。

もちろん、セキュリティにも慎重な配慮がなされています。

「まず、この不動産総合管理システムの中でも特に重要な取引に関しては、ユーザー ID とパスワードに加えて IC カードによる追加認証を行い、セキュリティを高めています。さらに、住友信託銀行のシステム全体で、ユーザー ID とパスワードによるシングル サイン オンを実現することにより利便性を高めています」(大石氏)。

さらに大石氏は、開発中から、ダイレクトにエンド ユーザーの声をとり入れてきたこのシステムは、実際の展開に際しても、スムーズに進んだと言います。

「実際に運営を開始するにあたって、移行作業も予定どおり完了し、大きな混乱はありませんでした。ただし、今はまだカット オーバーから日も浅いですから、現場のユーザーもシステムを“使いこなしている”というよりは、“操作に慣れてきた”という状況でしょう。今後、皆がシステムを使い込むうちに集まってくる意見をもとに、さらに使いやすいシステムへと発展させていきたいと考えています」。

さらに、住友信託銀行では、業界初となる不動産総合管理システムは当初から業界をリードするシステムを目指しており、外部展開などを通じて業界標準となるシステムに育てていく計画です。

「この不動産総合管理システムを構築するにあたって、常に『標準化』を意識してきました。住友信託銀行の業務にしか使えないシステムではなく、不動産業務に関する標準的なフローを整理し、他社でも利用できるものを目指しています。外部とのデータの受け渡しなどを標準化できれば、業界全体として作業効率を高めることができると思います。今後、さらに標準的な不動産業務に基づいたフローを取り入れていくことで、魅力あるシステムに仕上げていきたいと考えています」(上田氏)。



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