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地域複合情報システム「オルネットたがわ」で
生まれ変わる炭鉱の町、福岡県田川市 |
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日本を代表する産炭地域であった福岡県田川市は IT (情報技術) によって新たな産業創出、地域振興に取り組んでいます。2002 年 3
月に完成した「たがわ情報センター」にはビデオオンデマンド (Video On Demand: VOD) を使った教育コンテンツを充実させ、Microsoft®
Windows Media® Services による映像ライブラリの配信を始めるなど、国内および世界に向けて情報都市、「たがわ」を
PR しています。
<導入の背景とねらい>
ふくおかギガビットハイウェイにつながるデータセンターを擁する
「たがわ情報センター」を情報拠点として設置


たがわ情報センター 田川市総務部情報政策課 IT 推進係 主査 大原一義氏

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田川市は、かつて石炭の町として活気に満ちていました。しかし、昭和 30 年代の国のエネルギー政策転換により、その活気は徐々に失われ、現在は人口の減少、高齢化という多くの地方都市に共通する問題を抱えています。この状況は、福岡県にとっても解決すべき懸案事項です。田川市を含む筑豊地域の経済発展なくして県全体の活性化は期待できないからです。ふくおかギガビットハイウェイ (FGH) は、そんな筑豊地域の拠点都市を始めとする県内 9 か所をアクセスポイントとして持つ光ファイバー網です。「たがわ情報センター」は、1) 小中学校、公共施設などを結ぶ地域イントラネットの情報拠点、2) FGH のアクセスポイント、3) 行政または企業向けのデータセンター、4) SOHO 、ベンチャー企業が利用できるオフィス機能、5) 産学官の共同利用が可能な産業創出の場、6) IT リテラシ向上のための情報プラザや研修室の整備などを目的として設立され、ここを中心に地域複合情報システム「オルネットたがわ」を構築し、新しい田川市の姿を求めて先進的な試みが繰り広げられています。
<導入システムの紹介>
まずは教育現場の IT 化から Microsoft プラットフォームを利用して
動画を使ったわかりやすい授業をスタート
田川市はまず、公共施設、市内の小中学校を光ファイバーで結び、すべての普通教室にパソコン、プロジェクタ、スクリーンを設置しました。たがわ情報センターには
Microsoft Windows® 2000 Server を採用した映像配信サーバー、蔵書検索サーバー、VOD サーバー、TV
会議サーバー、施設予約サーバーなどが配置されています。また、近年問題となっているコンピュータ不正アクセスによるホームページ改ざんやなりすましを防止するホームページ真正性証明サーバーも導入され、各ページの特徴的な情報を集約管理するのに
Microsoft SQL Server™ 2000 が使われています。
教育、医療、福祉、行政、商店街と、地方都市が IT 化すべき対象はいろいろあります。同市が最初に取り組んだのは IT を使ったわかりやすい授業、すなわち教育関連分野で、その核となるのが、ビデオオンデマンド (Video On Demand: VOD) システムです。教師はこれまで黒板を使って文字で授業を進めてきました。VOD は欲しい映像をネットワークを介してその場ですぐ見ることのできるシステムです。映像という、言葉よりはるかに多い情報量を持つメディアを教育に積極的に活かすことで、より早くより深い理解を生徒にもたらすことができます。「現在は欲しい映像を一覧表を使って選択していますが、将来はデータベースを導入して用語による動画検索ができるようにしたい」と言うのは、たがわ情報センター 田川市総務部情報政策課 IT 推進係 主査 大原一義氏です。
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たがわ情報センター 田川市総務部情報政策課 課長補佐 田中泉氏

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また、学校体育館の映像を動画配信することのできるシステムも構築。子供の姿を家庭から確認できると同時に放課後無料開放される体育館で何か催し物が行われていないかなどをリアルタイムに確認できるなど、地域住民の文化、交流活動の向上にも役立てています。
田川市がまず教育分野に取り組んだのは、福祉や医療などが近隣地域との連携が必要であるのに対して教育が市という 1 つの行政だけで決定できるという、取り組みやすさがあったのも事実です。しかし、それ以上に教育環境の充実が地方自治体の発展に不可欠な要素であると大原氏は指摘します。「本来、教育というものは
10 年後、20 年後にその芽が出てくるようなものです。今、教育環境を整えておけば、将来、『田川市の子供たちは他と比べて情報リテラシが高い』と言われる日が来るかもしれません。子供を持つ世帯は安心して田川で働くことができるということです。これは田川市にとって大きな
PR になるのです」 (大原氏)
Windows Media Services による映像配信サーバーを使った「九州映像図書館」構想も企画されています。これは市町村の歴史、文化、祭りなどを映像化してライブラリとして管理し、ストリーミング配信するものです。「動画を見れば、そこに情報インフラがあることがはっきり認知してもらえます」 (たがわ情報センター 田川市総務部情報政策課 課長補佐 田中泉氏) ここでも、先進的な取り組みが「情報都市たがわ」をアピールする絶好の材料となっているわけです。
<導入の結果と今後の展開>
教育分野を足がかりに情報都市「たがわ」を PR
2003 年以降、各学校に Windows 2000 Server をベースとした共用サーバーを置き、Microsoft Exchange
2000 Server 、SQL Server 2000 などを導入して教師間でメールのやり取り、グループウェアの活用ができるような体制にするという計画が田川市にはあります。このような環境の急激な変化に対応していくのは簡単なことではありません。「学校週
5 日制が決まって授業時間が減り、総合学習が導入されたり、IT が入り込んできたり、この様変わりに先生たちがついてこられないという状況が既にあります」と大原氏は明かします。もちろん、教職員には導入時の個別訪問研修、夏休みに実施された学校単位の合同研修、さらに情報化推進コーディネータの派遣など万全の研修体制を用意しました。必ず発生する情報格差を何とかなくして全体の底上げを図ることが重要です。「システムを使う人の教育を充実させることが成功への一番の近道。IT
の導入で効率化だけでなく仕事のあり方も変わるべき」だと田中氏は言います。その実践例となるであろう計画が「教育コンテンツの自主制作、インターネット配信」です。これは、教員、教育委員会が一緒になってオリジナルのビデオ教材を作り、インターネットを介して配信していこうというものです。配信先は田川に限定されるものではなく、全国の教員の「わかりやすい授業」に役立てて欲しいと、田川市は願っています。「生徒の成績に順番を付けるだけの教育のあり方は変わらなければならないのです」と、田中氏は主張します。
現在、映像配信サーバーの利用は他の自治体に無料で開放されています。リソースを無料開放することによりデータセンターの利用が増加すれば、人々は福岡県田川市に
IT 基盤が整備されているという事実を徐々に認知するようになるでしょう。つまり、この取り組みは、教育関連にとどまらず、企業にとって田川市が将来の投資に見合う情報基盤が整備された都市であるという強力な
PR メッセージであり、同市が情報都市として生まれ変わるのだという確固たる決意表明ともなっているのです。
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