株式会社テプコシステムズ

掲載日: 2001 年 11 月 28 日
ソフトウェア開発、保守のプロセス支援システム構築
そのクライアントツールに Microsoft® Project を採用
logo
*
* ダウンロード
*
*
*
Download File sw434_1.pdf
*
PDFファイル 803 KB
Adobe Acrobat Reader を利用してPDFファイルを閲覧・印刷することができます。ダウンロードはこちらleave-msからできます。

ソリューション概要

プロファイル
*
*
*
東京電力グループで、システム開発や保守、運用など幅広いITサービスを行ってきた東電ソフトウェアと東電コンピュータサービスの事業統合により、2001 年 10 月に新たに誕生。 平成 6 年からソフトウェアプロセス改善活動に取り組み、このたび CMM のレベル 3 の認定を取得。

シナリオ
*
*
*
ソフトウェア開発プロセスの改善

ソフトウェアとサービス
*
*
*
Microsoft Project 2000

メリット
*
*
*
ソフトウェア開発の現場における、協力会社も含めた情報連携において、プロセス支援システムの中に Microsoft Project 2000 をスケジューリングソフトとして採用することで、開発の容易性に加え相互の情報共有に威力を発揮しています。

社長コメント
*
*
*
「当社は平成 6 年度から SPI (ソフトウェアプロセス改善) 活動を実施してまいりましたが、今回のアセスメントで CMM レベル 3 の認定を受けることが出来ました。当社の業務実態からは協力会社との連携が非常に重要で、いわゆるWIN-WINの関係が求められていますが、レベル 3 の具体的な実施へ向けてプロセス支援システム「PASTA」は非常に有効であることが確認できました。このシステムでは、社内外で広く活用されている Microsoft Project をスケジュール管理に採用することにより、開発の容易性に加え相互の情報共有に威力を発揮しています。」

株式会社テプコシステムズ
代表取締役社長
小口俊夫 氏談

東電コンピュータサービスと東電ソフトウェアの事業統合により誕生した株式会社テプコシステムズleave-msは、ソフトウェア開発、保守の分野でカーネギーメロン大学ソフトウェア工学研究所 (SEI) が提唱する能力成熟度モデル (CMM) を導入して、この度ユーザ系システム会社としては日本で初めて成熟度レベル 3 に達しました。この際、重要な役割を果たしたのが同社のプロセス支援システム「PASTA」です。その PASTA のクライアントツールとして採用されているのが Microsoft Project 2000 です。

プロセス改善によって達成できるソフトウェアの品質向上

PHOTO
*
株式会社テプコシステムズ
常務取締役
田中克彦 氏 *
*
「対外的な評価を得るために、ISO9000 などの品質保証規格を "お墨付き" として認証を受ける企業は多い。しかし、ソフトウェア開発における成果物の品質を保証するためには、設計、製造工程の仕事の質を高めること、すなわちプロセスの質を向上することが最重要課題です。そのプロセス改善のためのテーマが体系化されている CMM が、もっとも有効な手法と判断して取り組んできました」。株式会社テプコシステムズの常務取締役 田中克彦氏は、ソフトウェア開発、保守における CMM への取り組みの動機を、そう強調されています。

そもそも、同社がソフトウェアの開発、保守にカーネギーメロン大学ソフトウェア工学研究所が提唱する能力成熟度モデル (CMM:Capability Maturity Model) 導入の検討を始めたのは、1993年にさかのぼります。当時、旧東電ソフトウェアは部長クラスで構成する品質管理部会を発足させ、ソフトウェア開発、保守の品質を組織的に標準化する作業に取り組まれていました。そこで話題に上ったのが、W.ハンフリー博士が提唱したソフトウェア開発における CMM でした。CMM はソフトウェア開発組織のプロセス成熟度を5段階に分け、それぞれのレベルで実践すべき事項 (Key Process Area) が設定されています。「CMM はソフトウェア開発プロセス改善のために何から始めればいいか体系化されており、当社の当時の状況から ISO よりもその実効性が高いと判断しました」 (田中氏) とし、会社として能力成熟度レベル 3 を目標に取り組みを開始しました。


レベル3到達のために構築されたプロセス支援システム

PHOTO
*
株式会社テプコシステムズ
取締役 技術部長
工学博士
滝田光太郎 氏 *
*
当初、自己流で取り組んだ CMM だが、1998年からは SEI 公認のリードアセッサーの指導を受け、99 年 10 月にレベル 2 の認定を受けました。それと同時にソフトウェア開発、保守プロジェクトにおける、プロセス支援システムの構築に着手しました。「レベル2では、各プロジェクトが要件管理、プロジェクト計画、進捗管理、構成管理などの取り組むべきテーマを実践し、反復可能なレベルに到達すれば良いので、必ずしもプロセスを支援するシステムは必要ありません。しかし、レベル3到達のためには、マニュアル化されたプロセスに従い、組織的に標準化された手法で実践し、その過程の情報を共有化する必要があります。そのためには、全社的にプロセスを支援するシステムの構築が不可欠になります」 (取締役技術部長 滝田光太郎氏) と、その背景を語られています。


98年下期にプロセス支援システム構築に向けたワーキンググループを発足し、プロセスを可視化して追跡、監視するために、また CMM の要件を満たすような支援システムには、どのような機能が必要かを検討しました。99 年に入って、そのシステム要件に基づいて基本設計に着手し、最初のバージョンが 2000 年の 5 月に稼働しました。

構築されたプロセス支援システムは、プロジェクト計画作成 (Planning of project)、組織標準プロセス登録 (Authoring)、個人作業支援 (Supporting)、プロジェクト追跡 (Tracking)、分析、評価 (Analyzing) の5つの大きな機能で構成されています。作業成果物や標準化されたプロセスマニュアル、成果物テンプレートなどを共有化するソフトウェアプロセスデータベースを中心に、これら5つの機能によってプロセスを支援。プロセス支援システムは、それぞれの機能の頭文字を取って「PASTA (パスタ) 」と名付けられました。

PASTA

それぞれの機能は、具体的に次のような役割を持ちます。
Planning of project (プロジェクト計画作成)
プロジェクトによって実践すべきアクティビティを決定する「プロジェクト定義プロセスの作成」機能や、アクティビティをタスクからワークへとブレークダウンし、メンバーの割り当てやスケジューリングを支援する「プロジェクト作業計画の作成」機能。
Authoring (組織標準プロセス登録)
基本設計、詳細設計、プログラミング、構成管理、欠陥管理などテプコシステムズの標準プロセスマニュアルや成果物のテンプレートをデータベースに登録するための機能。
Supporting (個人作業支援)
マニュアルやガイド類の参照、作成する成果物のテンプレートのダウンロード、成果物の構成管理への登録など、メンバーの実際の作業を支援するための機能。
Tracking (プロジェクト追跡)
作業の進捗状況を追跡し、プロジェクトの再スケジューリングや改訂された作業計画の登録に必要な情報を提供する機能。
Analyzing (分析、評価)
プロジェクトの成果物の規模、生産性、品質などを測定し、分析、評価用のデータを提供する機能。

Planning of project のクライアントソフトに Microsoft Project を採用

PASTAはいくつかの市販のパッケージを導入、カスタマイズしていますが、「プロジェクト作業計画の作成」用クライアントツールとして採用したのが、Microsoft Project でした。PASTA のフェーズ 1 では Project 98 を導入、フェーズ 2 の稼働に合わせて Project 2000 にバージョンアップしています。

MS-Project

PHOTO
*
株式会社テプコシステムズ
技術部
PASTA 開発プロジェクトリーダー
齋藤敏幸 氏 *
*

クライアントツールとして同ソフトを選定した動機を、技術部 PASTA 開発プロジェクトリーダーの齋藤敏幸氏は 2 つの理由からだと語られています。「第 1 点は、Microsoft Project は PASTA 構築以前からそれぞれのグループが、プロジェクト単位で個別に使用していることが多く、事実上社内の標準だったこと。第 2 点は、VBA を利用してユーザーサイドで柔軟にカスタマイズできるアーキテクチャであったことです。Microsoft Project の標準機能のままでは、ワーキンググループが定義したシステム要件をすべて満たすことはできません。そのためにも、Microsoft Project の選定理由は大きな意味をもっています」。ほかのプロジェクト管理ツールでは機能が限定されるうえ、カスタマイズや機能追加しようとしても開発環境が無いに等しいと、Microsoft Project の優位性を強調されています。

企業間での開発プロセスと情報の共有化をめざす

PASTA は 2001 年 4 月に構成管理システムと連携したフェーズ 2 が稼働し、半年が経過しました。その導入効果について滝田氏は、「開発プロセスを改善していくためには、プロセスの中で何が行われているか可視化できること、そしてプロセスのベストプラクティスが共有されていくことが重要です。その意味で、PASTA によりプロジェクトに関わるメンバーはもちろん、マネージメント層にもプロセスが見えるようになりました」とし、問題点の早期発見とそれに伴ったプロセス改善に効果を発揮し、品質の向上へ大きな期待を寄せられています。

PASTA は今後、個々のメンバー (エンジニア) のスキルレベルを管理するスキルデータベースを構築し、連携する拡張計画が進行中です。さらに、将来的には企業間でのシステム利用を視野に入れています。「顧客である発注者がリアルタイムで進捗状況を把握したいだろうし、実際のソフトウェア開発は多くの協力企業とプロジェクトを遂行しており、それらの企業とプロセスや情報を共有化していくことで品質向上を実現できます」 (滝田氏)

事業統合により誕生したテプコシステムズは、従来の東電グループの情報子会社という位置づけから脱却し、一システムベンダーとして自立することで株式公開をめざしています。「PASTA によって CMM のレベル 3 に到達できたという経験は、今後業務対象を拡大していくうえで、当社がめざすお客様の BPR 支援という業務に大きく貢献するはずです」と強調されています。なお、同社では PASTA をさらに改良し外販することも検討されています。

本ケーススタディに記載された情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。
本ケーススタディは情報提供のみを目的としています。Microsoftは、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。
ページのトップへ